暴れん坊将軍12

2002テレ朝/東映


第一話 通算820話 「美しき狙撃者!和歌山城燃ゆ」2002.7.8

 将軍を襲った刺客にブチ込まれた銃弾から根来衆と知れ、上様は栄五郎を連れて紀州へ。そこには、紀州候を誑かし浪人を集め不穏な企みを募らせる男がいた。
江戸に現れたスナイパーは女。父の意思を継ぎたい熱意のあまり兵法学者・大窪清山に洗脳されていたが、土壇場でターゲットが上様と気付き狙撃を中止し、哀れにも清山に消されてしまうのだった。
 ロケ地、刺客出る小石川薬草園、不明。紀州で栄五郎に海を自慢の上様、南紀の海浜(三段壁か)。お庭番が弾丸を見せにゆく根来寺、本物(大門、根本大塔)。大窪に連れられ和歌山城へ入る徳田新之助、本物(岡口門から天守望む構図、門内側も使用、西の丸庭園では鳶魚閣紅葉渓橋が映る)。清山こそ根来を追われた忍びと報告の庭番、千畳敷。清山の山中のアジトへ赴く上様を狙うおひさ、狙撃を中止し師を問いただすも斬られる、鳥居本八幡宮竹林。清山と対決の上様、生石高原。事後、お城でおひさを悼む上様に田辺からの知らせを持ってくる紀州候、西の丸庭園土橋上。


第二話 通算821話 南紀白浜の謀略!吉宗の娘を生んだ女?!2002.7.15

 田辺入りの上様、病と聞いた幼馴染・田辺藩の世子である安藤久馬が座敷牢に籠められ、切腹を迫られていると知る。江戸家老が藩主を謀殺し罪を久馬に着せたもので、城代も殺し図に乗るこのワルを成敗する過程で、上様は久馬と妻女の齟齬も解消してやり、笑って紀州を去るのだった。
 ロケ地、田辺入りの上様と栄五郎が立つ浜、円月島を望む白浜の海岸。久馬の窮地を報告の庭番、三段壁。田辺錦水城、彦根城天守(玄宮園からのショット)。久馬の妻子を連れ和歌山へ急ぐ上様、臨時関所作られる山道、谷山林道。田辺を発つ上様、婦夫波を見て感慨にふける、千畳敷
*上様のお茶目な紀州弁がたっぷり聞ける。


第三話 通算822話 老盗賊の復讐!捨てられた千両箱の謎2002.7.22

 富商から千両箱を盗むも、路傍に打ち捨ててゆく不可思議な盗っ人。とうに足を洗った老爺の仕業で、目的は告発と復讐。裏には、むかし幼い実の息子を些細な咎で無礼討ちにされ、今また一人前に育て上げた養子を口封じに謀殺されたという、老爺の哀しい経緯があった。
捨てられていた金箱には偽金がぎっしり、持ち主の材木商は奸佞な大名とグルで、公共工事の賃金に当てる企みだった。
 ロケ地、盗賊・ホトトギスの弥助について報告の忠相、二条城清流園。匕首をのんで仇討ちに向かう弥助を呼び止める上様、大覚寺護摩堂脇〜天神島。説得を聞かず走り去った弥助が襲われる、石仏前。赤羽藩下屋敷、大門
*弥助の二ツ名はホトトギスの託卵の生態から。演じるは沢竜二。ラスト、弥助のその後について話し鍋をつつく花川戸の元締宅にホトトギスの鳴き声が演出されている(姿は無し)。


第四話 通算833話 「にわか殿様が仕掛けた罠」2002.7.29

 奥祐筆組頭選定にからみ、有馬のじいが矢で射られ大騒ぎ。犯人とおぼしき査定対象の旗本三人組をおびき出すため、め組の小頭・峰次を有馬家の養子に仕立てて珍妙な猿芝居が展開される。
三人組のひとり・小松原は遂に夜半有馬邸を襲い他の二人も斬って捨てる狂乱ぶり、出世してやると高笑いの庭に「余の目は節穴ではナイ」と声が降って来る。頭上には新さんに渡した賄賂五百両がじゃらじゃら「余の顔見忘れたか」にここはワシの家上様には往生して頂く、でラス立ち。小松原はお庭番に成敗され幕。
 ロケ地、じいが矢を射掛けられる道、不明。梅宮邸、姫路城好古園の門。峰次殿様の駕籠が梅宮邸へ行く道も好古園(外塀か)。小松原邸は長屋門


第五話 通算834話 「女盗賊と駆け落ちした火消し!」2002.8.5

 盗賊・狗神の浜蔵を追い詰める上様、余りにもタイミングよく人質になる芸者を怪しむ。これが浜蔵の情婦のうえ栄五郎の昔の女というドラマ。
栄五郎は女を保護し遂には二人で逃げるという挙に出るが、かけ離れてしまった二人が結ばれることはなく、そっと身を引いた女は浜蔵の手にかかり落命してしまうのだった。
 ロケ地、解き放ちになったおさよをつかまえ、駆け落ちの約束の場所に行けなかったことを謝罪する栄五郎、仁和寺観音堂脇。関前同心の姿を見てめ組に連れ帰る栄五郎、手水場林間。庭番が探りを入れる狗神の隠れ家、グルの同心を殺して逃走の寺、不明(龍潭寺によく似た門など)。船で逃げる一味、桂川亀岡付近か。この事態を上様に報告の庭番、大覚寺五社明神。街道をゆく栄五郎とおさよ、大沢池堤〜小休止の茶店は放生池堤上にセット。町方に誰何され船で逃げるのは船着(大)。狗神一味が二人を襲う、天神島北方の並木道。約束の橋から見える夜の流れ、桂川と思われるが松尾あたりか中州下か不明。


第六話 通算835話 「怪盗キツネ小僧!裏切られた幼な心」2002.8.12

 赤本作者・立花策伝の作品を好み登場人物の「狐小僧」に会いたがるめ組のももちゃん、母と新さんと一緒に作者に会いにゆく。この立花は「すさんだ中年男」の無頼漢、しかし彼は元上司の勘定奉行を諫めた挙句疎まれ、その陰謀で身籠っていた妻を亡くしていたのだった。
 ロケ地、ももちゃんにしつこく狐小僧について尋ねられいい加減な話を仕立てて聞かせる立花、中ノ島橋。ももちゃんが橋上で振り返った切り返しの画は五社明神。道に迷って夜半泣いているももを探し出す立花、五社明神。泣くももを背負って歩くところをかつての上司・勘定調役と武蔵屋に見られる(ワルの屋形船が大沢池畔にもやっている)。口封じに消された武蔵屋の番頭の死体が上がる、嵐峡汀。武蔵屋と会見の勘定奉行、大覚寺望雲亭。これを見てツナギをとる庭番、御殿川流れ込み付近の有栖川畔。
*立花に放たれる刺客二人、リーダーは福ちゃん。ももちゃん背負った立花を消しにかかる。台詞は「ガァキも一緒にやってしまえ」。その後隼人の妨害に遭い材木を倒され失敗。あとで屋台でヤケ酒呷る立花を狙うシーンもあるが、後ろから襲い掛かった庭番に音も立てずにのされてしまう。


第七話 通算836話 「疑惑の家督相続!吉宗と二世を誓った女」2002.8.19

 新さんに近付く芸者、これがアタシの二世を誓った人と放言して、しつこく付きまとう若様を追い払おうとする。これは、自らの保身のためよりも、恋しく思う男が自分を庇って難に遭わぬためという健気さからだった。
事情を飲み込んだ新さん、イロのふりして乱暴若様を撃退。その後性懲りも無く梅弥を襲って監禁する馬鹿息子、これ庇う親で、殿様を殺して姫と息子を娶わせお家乗っ取りを画策していた悪家老ごと成敗の運びに。
 ロケ地、梅弥に引っ張りまわされる新さん、縁日のバックに心経宝塔。板前の清吉が梅弥を呼びに来る神社、上御霊神社(本殿・舞殿・参道)。播州三草藩、殿様密殺のあと、藩主の姫の婚約者に向けた書状を運ぶ藩士が斬られる道、大覚寺大沢池北岸(バックに遣水芝地の明るい緑)、斬られた使者が落ちる、天神島北辺、水路様の「大沢池」。新さんに謝りに来る梅弥、大沢池木戸前〜大沢池船着(小)


第八話 通算837話 「大岡越前切腹!!吉宗苦悩の決断!」2002.8.26

 大岡さま大ピンチの巻。
火事で出動中役宅に賊入り、葵紋入りの拝領刀が盗まれ、しかもそれが辻斬りに使われてしまい窮地に陥る忠相。ハラキリは上様が止めるが、再度辻斬りが出て、老中・水野は糾弾を強める。しかしこの態度を不審に思った上様が企みに気付き、悪党一巻の終わり。
 ロケ地、忠相が語る悪ガキ上様との喧嘩、姫路城西の丸あたりか。老中・水野邸、姫路城好古園屋敷門。火盗改長官と悪企みの庭は御屋敷の庭。切腹に望み往時を回想の忠相、登城シーンは姫路城菱の門。火盗改長官・佐々木邸、好古園茶の庭門。ここで会った隼人に見逃せと去る忠相、石垣の見える汀、姫路城濠か。ラスト、政務復帰の忠相の前に入るお城遠景、好古園から天守を遠望
*ラス立ち福ちゃん入り、複数回くるくるとのけぞり。あざみに斬られたり忠相の背後に回ってみたり。


第九話 通算838話 「江戸に大火事!百発百中!?千里眼の女」2002.9.2

 インチキの「千里眼」で評判をとる姉弟が、ワルの企みに利用されてしまうお話。
お杏や峰次が「夢を与えてもらう」情話が軸となる。
 ロケ地、千里眼のお咲の評判を聞いて出かけるめ組と新さん、大覚寺放生池堤(クレーンでぐるっと追う迫力ある映像)。お咲の営業は大沢池北西畔、背後に五社明神。普請奉行が小さい工事ばかりと、グルの材木商に愚痴る屋形船、大沢池北岸にもやる(夜)。恋を占ってもらいに来たお杏と新さんたちが行き会う、護摩堂前。家宝の壺のありかを占ってもらった布袋屋が、託宣の「井戸」を探し回る、初めに行く井戸、鳥居本八幡宮。見つかるのは五社明神裏手にセットした井戸。お咲の虚言に乗って火回用心のビラをまいたお杏と峰次が栄五郎に怒られる、天神島


第十話 通算839話(終) 「雨の目撃者!牢獄に通う吉宗の母」2002.9.9

 雨の中、町方に捕まる伊平次を見るお由利の方、その直前に見た転倒した女を助けて荷を拾ってやる優しさに心を留め磔が決まっている伊平次がいる小伝馬町の牢に差し入れをする。その際にはじいが付き合わされる。由利の方の屋敷・清流庵、宝厳院
 由利の方の直感正しく冤罪で、表向きは島帰りの前科者を雇う慈悲深い回船問屋・栄屋が北町奉行と組んで阿片密売をしていた事実を隠蔽するため仕立て上げられたものだった。
因果を含められ入牢した伊平次は再吟味と偽り連れ出され始末されかかるが新さんが介入し逃がす、鳥居本八幡宮。母のもとへ走る伊平次だが家にいたのは母ではなく由利の方。とうに亡くなっていた母の代わりに差し入れの煮しめを作っていた由利の方に偽られたと煮しめを床に叩きつける伊平次を諌める新さん、母子ともに煮しめ煮しめと口走る会話が何か可笑しい。
 新さんは北町奉行邸に乗り込み奉行を断罪、大人数と立会いの末首魁を成敗。
 事後、由利の方に顛末を報告の上様、煮しめのことで恨み言に早く孫をと返され逃げ出す。


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