続続・三匹が斬る!  1990東映/テレ朝


第1話「帰って来た三匹!九州路、取るは天下かはたまた夢か」1990.1.4

 舞台は九州・博多、いつもの通りそれぞれ別に当地にやって来た三匹は、理想に燃える黒田藩主を助け悪を挫く。藩主の夢は九州独立、しかし内憂外患問題山積み、家老は君主を陥れようとしているし、養子に迎えた若者は拗ねているし、公儀隠密の目は光っているしでタイヘン。遂に土壇場の危機を迎えてしまうが、三匹の八方破れの大暴れに加え、隠密の任を強いられていた伊能忠敬が理解を示し事なきを得る。

ロケ地
・武家女と少年が殺されかかるところへ行きあわせる殿様、呼子の海岸か。
・博多へ二里の街道筋、この子を見た者はと呼ばわる千石、大覚寺五社明神(茶店あしらい/ここで千石が「家老」に見込まれスカウトされる)
・陣ちゃん型短筒を試す陣内、中ノ島橋(銃声を聞きつけた役人に誰何される)
・千石が招かれる黒田藩家柄家老・大河内邸、大覚寺大門
・伊能忠敬本陣へ入る陣内(知人設定)相国寺林光院
・家老の配下とツナギをとる吹矢使いの鳥追い女、大覚寺護摩堂
・殿様が保護した少年を東雲藩の若君と思い込んだ千石、若様を伴いゆく街道は谷山林道切り通し(山伏に襲われ毒吹矢を受け崖落ち、「若様」は拉致)
・謎の武士・立花を助けた殿様が一献と招かれる席、白沙村荘倚翠亭(茶室内部で「接待」、立花が正体を明かし理想を語る)。「黒田藩主」が指差す、商人や学者が集い交歓する離れは存古楼。
・殿様と「立花」が偽の文で呼び出される筥崎八幡宮、イメージに本物。ここへ駆けつける殿様は北野天満宮東塀際(駐車場側)を走り抜け、三光門をくぐり本殿脇で「立花」と会い呼び出しが罠と知る。
・医師・別宮宅を襲った山伏から逃げた「若君」と芸者・千鶴が追い詰められる神社、大覚寺五社明神。その山伏が伊能本陣へ入るのを見届けるお千代、相国寺林光院
・お千代の報告を受け伊能は隠密と噂ありと話す殿様、摩気橋(橋脚も木製)。大河内も隠密と益つながりというところで「何だと」と現れる千石たちは左岸堤から、その後協議の三匹はもう少し下手の左岸堤・背景に民家裏手。
・大河内邸に乗り込む千石、大覚寺大門式台玄関(浪人衆に囲まれ陣内の火薬玉で逃走)
・測量中の伊能に公儀隠密との関わりを指摘し道を説く殿様、呼子の浜か。
・伊能本陣へ来た使者から阿部老中の文を掠めとった三匹が協議する夜の神社境内、摩気神社本殿前(伊能付きの公儀隠密が見ている)
・福岡城、彦根城濠越しに佐和口多聞櫓。武器庫へ入り何やら工作の陣内、西の丸三重櫓。公儀大目付・鳴門備前守の駕籠が入る城門、天秤櫓。大河内が藩主の謀反の証拠と洋式銃を出してくる武器庫、三重櫓・この前でラス立ち。千石に追い詰められた公儀隠密が落ちる濠、佐和口多聞櫓前堀端。これを追った殿様が隠密とやり合う小屋(派手に破壊される)がセットされた林間、不明。やっと終ったと三匹が合流する橋、摩気橋(まだ終っていないと殿様、城へ戻ってみると藩主が切腹騒ぎを起こしている)
・当地を発つ三匹、谷山林道分岐道を降りてくる。下に茶店あしらい、お千代が待っていて殿様にじゃれつき袖をびりり。

*黒田藩主は竹脇無我、「妻」の芸者は梶芽衣子(博多弁で啖呵を切る)、裏切者の家柄家老は御木本伸介、手下は曽根晴美で早々に吹矢で口封じされる下っぱに福ちゃん。伊能忠敬は財津一郎(陣ちゃんの素性を知る)、彼に付けられた公儀隠密に和崎俊哉(怪しのブーメラン鋸ブレードを使うが、殿様に投げ返され↓)。本シリーズの紅一点・お千代は元掏摸、殿様の妻になるとべたべた密着。*この第一話はスペシャル。


第2話「若君とチンと松茸、草の根わけ探し出せ」1990.1.11

 柳川藩と久留米藩との縁組巡り柳川藩首席家老と次席家老の確執、不明の若君・藤丸を中心に話が進むが藤丸と名乗る悪ガキに同名の犬等現れ大騒ぎ。よりコミカルタッチとなった「続続」だがストーリイはあまりすっきりまとまっておらずテンポ悪し。

ロケ地
・柳川へ通じる街道の茶屋で藤丸君の駕籠を見る殿様、谷山林道
柳川掘割、イメージ(役者出ず)
・掘割をゆく船上の殿様とお蝶、大沢池
・堀端をゆく空の藤丸君の駕籠、大沢池堤
・柳川城外観、彦根城天守


第3話「酒と女と小判漬け、悪徳家老に大変身!」1990.1.18

 労咳で息を引き取った浪人を看取る殿様とお蝶、遺族に届けねばと守り袋を開けると「唐津藩・矢藤伝一郎」としたためた紙片。
 唐津入りした殿様、お蝶と石段を降りてくる、神護寺金堂前。若侍がさんざんにやられているのを見て止めに入る、石段下。そのとき殿様の懐から落ちた例の守り袋見て「兄上様千秋でございます」と駆け寄るのに藩士たちざざっと退く。矢藤伝一郎は唐津藩城代家老の長男で15年前に出奔していて、千秋は妹。父の民部は病のあとうろが来ていて何も判らず殿様を見て息子と信じ喜ぶのに、千秋はしばらく身代わりをと頼む。
その城代、妙な法を発布して領民を苦しめていて、これにより多額の借金背負い首を吊ろうとした娘を千石が止める、舞子浜
たこ、鴎屋の怪しげな投資話を載せた読売りを商う、仁和寺九所明神前。この鴎屋と勘定奉行・次席家老が家老のボケをよいことに藩政を壟断、好き放題しているのに伝一郎の帰還は面白くなく、殿様を宴席に呼んでちくちくと探るがボロは出ず。そのうち事情飲み込んだ殿様は逆にワル一同を追い込んでゆくが、留守の間に民部が殺され千秋も負傷。
 ワル一同高笑いの座敷に三匹乱入、大暴れの末皆殺し。後事を千秋に託し旅立つ三匹、谷山林道


第4話「壺が割れ、正体見えた逃亡者」1990.1.25

 許婚者を上役の妾に所望され斬られかかった侍がその馬鹿を斬ってしまい逐電し、七年もの間仇と狙われ続けるという、どこかで聞いたようなストーリイ。殿様はその仇と狙われる篠崎清四郎・今は陶工・清作として生きる男に肩入れし深く関わってゆく。
一方千石は敵討ちの助太刀頼まれ五両で受け、その金で以前餌を貰ったおばさんの娘を苦界から身請けし解放してやる。これが清作を仇と狙う旗本の若様で、ジレンマに陥る千石。
当地・日田天領の郡代は陶器売買を一手に握ろうとしていて、清作が世話になっている陶器問屋の主人と対立している。郡代と誼通じた若様は乱暴の限り尽くし、遂にキレた千石はたこに借りて5両突き返しめでたく三匹揃って大暴れ。

ロケ地
・清作の工房、酵素。山道を来る追っ手を見て家に逃げ戻る清作、酵素ダート上の山肌。刀を持ち追っ手と斬り結ぶ清作、酵素ダート


第5話「謎の邪馬台国!王冠を守る霊感美女」1990.2.8

 肥前・天領吉野村、吉野神社に卑弥呼の金冠ありとの古文書が出て、これを狙う賊・黒い風がたびたび宮を襲う。来合わせた三匹が宮の神官の孫娘・豊与を守って立ち回る。豊与は千石に淡い慕情抱き霊感をなくしかけるが進展なく別れる。
黒い風のバックには実は代官がいて豊与が守る古墳を暴き金冠とろうとするが三匹に阻まれる。古墳は滝の裏の洞窟にあり、ラス立ちも滝周辺で行われる、菩提の滝


第6話「母しぐれ、金が仇の地獄旅」1990.2.15

 伊万里宿、たこと千石は取り立て屋のおくにに雇われるがピンハネのひどさに怒ってじきにやめてしまう。楠宿へ一人で取り立てに赴いたおくには行った先の回船問屋で賊が押し入り一家皆殺しの凶行の現場を目撃。
同じ頃千石とたこも楠宿への途中飢えて寺に飛び込む、西明寺山門
おくに、番所へ賊の一件届け出るが相手にされず、どころか賊を放った当の丁子屋に注進する始末。丁子屋はならず者(手下の一人に福本先生)を飼い悪辣な商売であたりで悪評しきり。これに雇われる千石。下っぱにはおくにのグレた息子・幸太郎がいる。
目撃者のおくにを始末しようと宿に押し入る丁子屋の面々、千石は殿様と斬り結ぶ態を装いたこのいる寺を告げる。
その後、丁子屋に戻り幸太郎のドジで取り逃がしたのだと打擲する千石、あとで丁子屋に幸太郎が睨まれないためだったと言い母の居場所告げる、大覚寺護摩堂前。
おくには夫を亡くしたあと年季奉公に出て幸太郎を寺に預けるが、訪ねた時には捨てられたとグレて幸太郎は出奔してしまっていた。
代官の馬前に進み出て丁子屋の一件を直訴する殿様、下鴨神社糺の森馬場、河合社前。
幸太郎が母を殺しにおっとり刀で走ってゆく、上賀茂神社ならの小川畔。おくにに斬りかかる、北神饌所裏手、殿様に殴り倒され諭されるが立ち去る。これを丁子屋の手先が見ていて、戻ったところをボッコボコ。挙句幸太郎を餌におくにを誘き出そうとする。使いに立った千石、寺で二匹に図るが話を漏れ聞いたおくには単身丁子屋へと乗り込み啖呵を切る。危機一髪には三匹乱入、大暴れのラス立ち。福本先生はたこに始末された模様…って雑魚扱い?キャストにも名前出ず…ちょこっと台詞もあったのにぃ。
事後、旅立つ母子、舞子浜


第7話「まぼろしの父が恋しい夢芝居」1990.2.22

 山道で旅芸人一座の荷車を助けてやる殿様、一座について鍋島藩の飛地・豊浜へ。
豊浜の海辺で突き当たってきた侍の懐中物掏ってしまうお蝶、舞子浜。気付いて追ってきた侍は豊浜総奉行の手勢に斬られる。財布を開けてみるお蝶、大覚寺天神島の祠わき。中には妙な句書かれた紙片。豊浜総奉行所を窺うお蝶、御殿川畔から明智門を見る。うしろから千石が抱きついてくる。奉行所には地回りの碇屋がぶいぶい入ってゆく。その手下に福本先生。
碇屋は総奉行所と結託して抜荷で大儲け、しかし奉行の影は薄い。旅芸人の一座は碇屋に歓待されるが、座の娘達を取引相手のマカオの大人に売り飛ばす算段。これに加え奉行は一座の花形・お雪の実の父なんて設定がありどたばた、しかも奉行はとうに碇屋に殺されていて頭巾かぶった今の奉行は替玉。こそっと替玉が奴を通じ送り出す告発の文も握り潰されてしまう、日吉大社大宮川、走井橋下。
そのうち捕われた一座や会いに来たお雪庇って死ぬ替玉にキレた三匹大暴れ、福本先生は千石に頭を割られて死。今回台詞いっぱいある。
旅立つ三匹、二宮橋上で一句捻る。たこは一座の車を引く、東本宮参道下。


第8話「二刀流、子孫は今じゃ二枚舌!」1990.3.1

 お蝶と熊本への山道をゆく殿様、谷山林道(分岐道)。熊本城外観、本物。殿様はこのあと行き合わせた京の古美術商に用心棒依頼される。彼は人吉藩へ探幽の軸届ける道中。
千石は熊本城下で雪之丞探し、薪売りの三吉に騙され起居している尼寺へ乗り込むが庵主に諭される、施療院の妙泉院、勝持寺山門、庫裏、庫裏南側塀際。
殿様の護衛する古美術商は宿が放火された際軸を盗られ殺されるが「西海屋」と言い残す。
クサって歩く千石、橋の上から石蹴っ飛ばし下にいるたこに当てる、流れ橋。盗まれた探幽の軸の話になり千石を宮本武蔵の子孫と偽りフェイクを売りつける計画立て二天一流の稽古つける、木津河原
熊本城下の古美術商・西海屋が画策し探幽の軸をゲット、しかしこれでは足らず武蔵が彫ったといわれる観音像をも狙うがこれが妙泉院の宝物。三吉を嵌め店の壺割ったふうに作り庵主に弁償を迫り、観音像の引渡しを強要。そんな折武蔵の子孫に扮した千石を連れ西海屋に赴きフェイク売ろうとするたこ、千石が二刀流使う際「チェスト!」と叫びバレバレ、逆に脅され尼寺から仏像とって来いと命ぜられる。千石は庵主を騙すに忍びず真実を告白、居残る。そんななか金を作るため三吉の姉が自ら身売りしてしまう。これを追う千石、木津堤〜河原
西海屋と熊本藩勘定奉行が軸を献上にゆく宗像春斎邸に三匹乱入、大暴れのラス立ち。春斎は上様ご寵愛の側室の父で三つ葉葵の印籠(笑)をかざし「頭が高い」と叫ぶも千石がなんじゃそれはと印籠ごと真っ二つ。見送られ旅立つ三匹、谷山林道
西海屋の用心棒でたこを責め問いしていた一人に福本先生。


第9話「消えた花嫁、悪女が走る風の中!」1990.3.8

 中津で舟長をしていた亭主を盗賊・月の輪一味に殺された女房・おもんが放浪の末探し当て時間をかけて近づき嫁入りまでして殺し、奪った金で亭主が苦労して入手した船を買い戻そうとするが家ごと爆殺されてしまうという悲惨な話。女に深く関わった千石が爆死した女の衣の切れ端を握り締め怒りの籠った殺陣を見せる。

ロケ地
・山国川の渡し、木津川
・殿様とお蝶が雨宿りの山国宿のお堂、大覚寺五社明神
・殿様がおもんを捕え役人が引き立ててゆく、大沢池北岸
・おもんと千石が行く山国から中津へ至る山道、谷山林道
・爆破されるおもんの家、柳谷?


第10話「怪盗ムツゴロウ、祭囃を聞いて死ね!」1990.3.15

 長崎、南蛮賭博に賊、灰神楽のムツゴロウと名乗る。
池でムツゴロウ釣ろうとしている殿様、通りかかった旅姿の仙吉(ムツゴロウ)にそこでは釣れないと言われる、大沢池
南井藩の城、彦根城(天守、大手門ほか)。藩主・長門守は評判の馬鹿殿。今回千石は城代家老に雇われこの藩主の相手をつとめる。退屈する藩主を野駆けに連れ出す千石、下鴨神社糺の森・馬場。長門守が落馬する、池跡。このあと町娘に助けられ(河合社前)下々は良いものだと発言。藩主を探す途中殿様と行き会い皮肉を言われる千石、広沢池東岸(水無)
というのも馬鹿殿を頂くこの藩では城代家老が悪徳商人と結託し好き放題、年に一度の祭りも商人の恣意で中止となる始末。祭りを楽しみに死んだ亡妻のため、また娘の願いにより祭り中止の表の理由・灰神楽のムツゴロウとして藩出張陣屋に名乗り出て再会を嘆願する仙吉だがその場で斬られてしまう。その一方恩人の仙吉の娘が父の亡骸に縋り祭りのこと口走るのを聞きつけた長門守は独断で祭りに許可を出す。しかし城代はこれを鎮圧にかかり、力の無い藩主はショボン。しかし千石の手荒い励ましで三匹とともに斬りこむという展開に。
夜神楽が行われる屋形、大覚寺五社明神舞殿。お蝶から逃げる殿様、谷山林道


第11話「女難金難、死体になって長崎非常線!」1990.4.19

 長崎に着いた殿様、空腹でフラフラのところを富籤当てたたこに料亭に招じ入れられるが、たこは金を持ち逃げされ殿様が下働きで返す羽目に。ここで行われる長崎奉行と町年寄の集会、オランダのカピタンの妾にと迫られている芸者・お千を庇う殿様。町年寄の一人・薬種問屋の市兵衛は殿様の言に感心し賓客として迎える。
また富籤を求め神頼みのたこ、常寂光寺仁王門
上司に諫言するも容れられぬ奉行所与力・星は千石と酒場で意気投合、その帰途千石は芸者・お千が襲われ川に落とされるのを見る、中ノ島橋
市兵衛は長崎の行く末案じ老中に直訴を思い立ち江戸へ赴くが途中の道で襲撃される。これを助ける三匹と星、たこを身代わりに仕立てて「死んだこと」にしようと謀るが市兵衛は引き込みとして入り込んでいた番頭に殺されてしまう。また星も意図露見し奉行所で斬られる。
怒った三匹、市兵衛の娘が運ぶ早桶に入り奉行所へ見参、大暴れ。
父の残した訴状持ち江戸へ発つ娘と別れゆく、谷山林道


第12話「謎の幽霊船、鬼も泣いたか島原哀歌」1990.4.26

 口之津の浜をゆく殿様とお蝶、長崎目付の馬が走り座礁した船の荷を調べている島原藩家老・松山に事の次第を糺す。荷は洋式銃一千丁。殿様は家老がこそっと隠した守り袋を見咎める。ロケ地舞子浜。その後山道で島原へ行くという僧が斬られるのに遭遇、南海屋に渡す観音像だという荷を託されるが殿様が僧を斬って奪ったことにされ人相書きが高札に張り出される。
千石、無銭飲食のゴロツキをとっちめた腕を買われとある村の用心棒に雇われるが出された食事は芋のふかしたの一個で、観音像奪った殿様を斬れと言われ斬りあう、鳥居本八幡宮。鍔競り合いを演じながら情報交換。
南海屋を訪ねる殿様、火事で焼け出された者に炊き出しをしている場に赴く、大覚寺五社明神舞殿前。観音像届けたことを感謝され南海屋に泊る殿様、深更漏れるおらしょの声に気付く。床下では通辞・橋本がパードレとして懺悔を聞いている。橋本は南海屋の娘・お栄の婚約者で切支丹の間で天草四郎の再来とされ尊崇されている。届けた観音像はマリア観音でぱかっと二つに割れ中には聖母子像が収められていた。
急に厳しくなった切支丹取締り、千石が雇われた村へ奉行所の手入り橋本が聖母子像を披露しているところへ踏み込み逮捕、洋式銃の抜け荷も切支丹の反逆の一環とされてしまう。殿様は藩重役が関わって抜け荷偽装のため仕組んだことと看破。たことお蝶の働きで証拠もゲット。しかし橋本の処刑が告知され切支丹は動揺、千石は助力依頼されるが切支丹であること黙っていたと怒り去ろうとする(芋しかやってないから…)が村長のお涙頂戴演説にほだされる。村のロケ地、広沢池西岸の農地
橋本が磔刑にされる広場、酵素。切支丹の襲撃に備えた鉄砲隊の銃はたこの細工により不発、三匹大暴れ。橋本の磔台は例のふたもとの木の前。


第13話「尼寺騒動、今日も怒りの桜島」1990.5.3

 もうじき薩摩の海浜をゆく殿様と千石、舞子浜。千石は気が進まぬと途中で踵返す。直後、久慈慎之介の妻と名乗る女・八重が騎馬で通りかかり薩摩藩士の襲撃を受け、見かねた殿様が追い散らす。
千石、出水の宿で同姓同名の江戸詰めの薩摩藩士と会い意気投合、飲み明かす。翌朝夫の「久慈慎之介」を訪ねてくる八重、出て来た千石にびっくり。二人はかつて恋仲で身分違いのため裂かれた経緯を持っていた。千石は漁師の倅で八重は城代家老の娘、その婿取りの夜故郷を捨てたのであった。娘時分と変わらず武張った八重は千石の腕っ節に助力を申し出る。八重の父は抜け荷で巨利貪る次席家老と目付の悪事を暴くべく上京の途次(谷山林道)暗殺され、これに密着し騒動を大きくしようとする公儀隠密の「草」の暗躍を阻もうとするかつての恋人・八重に思いっきり入れ込む千石は夫と偽りワルの巣巣窟に踏み込む。「草」とそれに操られる目付との全面対決には殿様とたこも乱入、大暴れの末「久慈家」は千石に加増というオチ。漢・久慈慎之介カッコいいぞ。


第14話「悪虐の僧と添い寝の花一輪」1990.5.10

 殿様、延岡への道中で野良仕事中産気づいた農婦の出産に立ち働き、行き合わせた博多から昔の恋人を探しに来た元女郎のお加代と知り合う。加代と川岸で握り飯食べる、摩気橋下手の園部川左岸
延岡では怪僧・日経が藩の若君を抱きこんで跋扈、逆らう者には手下をけしかけ火付け等やりたい放題。千石・たこ・お蝶もそれぞれ別々に関わってゆく。また、加代は市中で日経の駕籠から顔を垣間見てその正体が探している男と知る。加代が物思う水辺、大沢池船着にでっかい灯籠をセット。アジトの寺・経雲寺、勝持寺東門と続きの塀および参道。加代が日経に刺されてしまう水辺の小屋、広沢池東岸に小屋セット(水無)。殿様が桜並木を駆けつけるが遅し。
潮時と延岡を出る相談している日経と用心棒の忍、気配に障子開けると並んで立ってる怒りの三匹、口々に罪状並べ立てラス立ちに突入、大暴れの皆殺し。旅立つ三匹、谷山林道


第15話「五木の里、つむじ風吹く女人屋敷」1990.5.17

 殿様と婚礼の夢を見るお蝶、金戒光明寺三門脇。たこに夢の話してからかわれる、三門框。
これより五木村、の茶店で休む千石、襲われる娘を助けるがこれは庄屋・松左衛門が人吉藩家老・印南に娘を差し出すのが嫌さに仕組まれた芝居で逆に邪魔したと怒られる。その後千石が襲撃犯演じるが今度は殿様が助けに入りまたワヤに、中山邸門。怒って行ってしまった千石の代わりに殿様が庄屋の娘と偽りお蝶を連れて印南邸へ赴くが酒色に溺れた馬鹿殿ぶりで、先に奉公にあがった松左衛門の上の娘・おふじもなんかヘンな感じ。
賭け勝負で儲ける千石とたこ、腕を見込んだ大目付・俵藤が城に千石を招じ入れ立ち会う、大覚寺宸殿前白州。若君を厳しく躾ける猛母・お万の方を見るがこれもなんかヘンな感じ。千石は俵藤のもとで用心棒をつとめることになる。
龍徳寺に参詣の若君と正室・お万の方が駕籠でゆく門、神護寺山門(内側から)石段を登る、神護寺金堂前。ここで尼僧に化けた忍に若君がさらわれる。若君を探して歩く千石、殿様と行き合う、日吉大社。殿様は日吉大社大宮橋上、千石は走井橋上。若君は印南のもとにいたおふじに抱かれもう城へ帰るのは嫌だと泣く。印南こそ忠義の臣でおふじが若君の実母、正室と俵藤は薩摩に通じた奸賊であることが次第に明らかに。途中で事情知った千石はあっさり寝返る。城下はずれの県神社に集結する印南一派、日吉大社白山宮。しまいにお万の方は若君ごとやってしまえと下命、自身は薩摩へ帰り軍勢を繰り出す腹、それを阻む三匹が立ちはだかる薩摩への山道、谷山林道。大暴れして皆殺しのあと千石は女は斬らんとお万の方の髪を切り追い散らす。
冒頭助けた(?)娘の嫁入り行列が出るおふじの実家、中山邸の門。見送る三匹、参道。旅立ちのシーンは谷山林道


第16話「お茶壺が女を泣かす鬼道中」1990.5.24

 将軍家茶道指南役が九州の大名家を回りはた迷惑なご乱行を繰り広げるお茶壺道中もの。その上茶頭は女好きで目に付いた農家の娘に無体を働くなどとんでもない奴。
殿様がお蝶と一緒に座り込んで握り飯を食う水辺、大沢池堤。そこへ通りかかる茶頭・神谷石州一行、駕籠をとめ野の花を手折らせちぎり捨てるというイヤーな印象。
石州の通りかかる山道、侍が天誅かけてくるのを阻む千石、用心棒に雇われる、谷山林道
たこ、霊界の本売ってるとこへ新内流しのひよどり姉妹が現れ客をとられる。その後つきまとい旅を共にすることに。
殿様と落ち合った千石は石州の悪評を聞かされるがあまり気にかけず、その折石州の供に加わりたいと申し出るワケあり気味の若者・初太郎に安請け合い。石州のゆく谷筋の道、下の渓谷で休んでいるひよどり姉妹にヤラしい視線を投げる石州、清滝川か。初太郎は隙を見て茶壺に手をかけようとするが見つかってしまう。その際大雑把な態度でとりなす千石、茶壺持ってぶんぶん振り回す…壺の底に葵の御紋描いてあるのが笑える。
たことひよどり姉妹が茶店で休んでいると蟹江藩の用人が家老のお召といって声をかける、大沢池北西畔。これを危惧する殿様、五社明神にセットの縁日。蟹江藩は城の女に手をつけられるのが嫌さに芸人を贄にしようとしたのだった。しかし姉妹を道中で見ていた石州はからくりを看破、女を殺し生首を持って蟹江の城に乗り込み卑しい女をあてがったと難癖つけて巨額の金を脅し取る。
その夜、本陣に乗り込み茶壺を手に取る初太郎、石州に父を殺され妹を汚された身の上であった。殿様の助けもあり壺は叩き割られる。ここへ乗り込んできた残り二匹、ラス立ちに突入。
山道で別れゆく初太郎たちと三匹、谷山林道。今日は大層なセット置いてある。


第17話「花嫁の首恋しや妖怪鬼八」1990.5.31

 舞台は日向・高千穂村。大昔退治られた妖怪・鬼八が甦り祟りをなすと大騒ぎの村、怪しげな行者・幽海にアジられ恐怖のどん底の村人達は言われるがままに人柱を差し出すことに決め、籤引きでその贄となる娘を決める。籤が引かれる村の鎮守、鳥居本八幡宮。殿様が山道で助けた娘・おとせが人柱となる羽目に。殿様は庄屋や松影藩目付に掛け合うが容れられず。おとせは人柱として村はずれに作った祭祀場に括られて置き去りにされる。これを襲う怪しの影、殿様が飛び出て阻むがこれが千石。蛇が出て腰を抜かしたところを助けられた幽海上人に操られて正気をなくしている。祭祀場、大覚寺五社明神
鬼八の棲みか・鬼首山に赴く殿様、鬼の滝の行場で千石ともう一人の大男に暗示かけている幽海上人を見る、菩提の滝
人柱・おとせが逃げたことで更なる祟りがと村人を煽り次の贄を今度は名指しで指定する幽海、その娘は藩主に見初められ近々輿入れ予定の甚蔵の娘・八重であった。これは藩主の弟が目付と共謀し企んだもので、八重に心底惚れている兄が出家するか後を追うかするのを狙っての仕込み。人柱にされ祭祀場に引き出される八重を襲う千石と大男、殿様が鏡をかざすと途端に正気に戻る千石、「幽海おまえ俺に何かしやがったなワケ判んねーけど叩っ斬ってやる」と大暴れ。
旅立つ三匹、谷山林道
ロケ地補遺:甚蔵の屋敷、例の未だ不明な門の中に萱葺きの奴。名乗り出るも始末されるおとせのもとに駆けつける殿様、大覚寺放生池堤


第18話「無理心中、娘十八怨み節」1990.6.21

 お蝶が雨宿りの小屋へ足抜け女郎・おふみ。病篤い乳飲み子の様子を見に行きたいのに暇をくれない楼主のもとから抜け出してきた妓だった。殿様とお蝶の前で追っ手に連行されるおふみだが足抜けゆえ手を出せず。逃亡を責められへろへろのおふみは白装束着せられ既に死んでいる別所藩家老・庄司と心中したかに偽装され殺されてしまう。この死に不審抱いたお蝶は自ら女郎として妓楼・大黒屋に乗り込み調査する。殿様は心中したとされる家老のことを聞きこむうち妓楼の主人の手先の襲撃を受ける、わらびの里?
一方、千石は野良で働く前老中・伊集院の作る菊を誉め(ついでに握り飯を頬張り)屋敷に招かれる。これが花を愛でる人格者かと思えば花フリークなだけの冷酷な性格のワルで、老中職を退いたのも賄賂がばれそうになったため。これを知った千石がクサり歩く、日吉大社走井橋たもと。ここで殿様と会い事の次第を聞かされ腹に一物で伊集院のもとに戻る。
伊集院は藩要人に金をばら撒き家老復職を図るが藩主は別の人物を指名、窮した伊集院は千石にその人物の暗殺を依頼、楼主はお蝶をおふみの時と同様殺して心中に仕立てようとするが殿様が乱入し企みは潰える。暮坂峠で暗殺のターゲット待ち構える千石、見分の伊集院、谷山林道。そこへターゲットではなくたこが現れ襲撃を教え別の道を城下へ向かったと告げる。千石は貰った金を放り投げ、三匹大暴れ。


第19話(終)さらば三匹、消えた七番目の隠密」1990.6.28

 舞台は長崎、薩摩の抜け荷と見せかけて大儲けの長崎奉行に公儀隠密・間宮林蔵がからみ、娘の目の治療に来た母子に出島のカピタンまで出てきて大騒動。最初に出てくる間宮林蔵は殿様の二役。ワルの奉行をぶった斬ったあと臨検使の前に間宮林蔵を騙り出てゆく殿様、そこで知らされたのは公儀隠密・間宮林蔵は複数の隠密の総称、中の一人になんと千石(次々名乗り上げる中に福本先生も・符牒の禄高は一万石)。その口ぞえでお構いなしとなり解放されるがぷんぷん怒って出てくる殿様とたこ、旅立つ山道に追いついた千石は葵の紋入りのお役御免の書状を見せ、また三匹の旅が始まる。

ロケ地
・奉行の手先のオカマに捕まる千石、日吉大社白山宮
・身投げした母子を助ける殿様、流れ橋
・旅立つ三匹、谷山林道


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