柳生あばれ旅

1980〜1981 テレビ朝日/東映

キャスト
柳生又十郎/勝野洋 お紋/片平なぎさ 青戸金兵衛/桜木健一 花形六左衛門/藤木悠 荒木又右衛門/中康次 阿里助/黒崎誠輝 八木重兵衛/小島三児 又平/真田広之 柳生十兵衛/千葉真一 徳川家光/森次晃嗣 柳生宗矩/山村聰


第1話 「天狗の子守唄 −品川−」 1980.10.14

 武断政治は終りとする柳生宗矩の提案で、戦のための道だった東海道を造り直すことに。将軍の裁可が下り、「東海道秘密巡検使」が選出される。なみいる旗本の中から宗矩が白羽の矢を立てたのは息子の又十郎、勘定改役の二人をお供に旅がはじまる。
最初の舞台は品川宿、折しも薩摩の荷役に苦しむ人夫たちが暴発寸前になっていた。

ロケ地
・薩摩の殿様の行列がゆく品川の街道、琵琶湖畔・石積護岸のある地道。薩摩の荷を運ぶ人夫たちを追い立てる藩士たちは湖畔の坂道。
・貫目をごまかした荷に苦しみ倒れたあと、皆に相談と里へ走るお駒と留吉の前に立ちはだかる佐野屋の用心棒、不明(蔵の脇に地道、暴将でも出たところ)。ここで「一ツ目天狗」が出て用心棒たちをばっさり。
・江戸城イメージ、姫路城天守
・品川さして道中の又十郎一行、琵琶湖西岸松原。宿場はセット。
・人夫らが相談をぶつ小屋、鳥居本八幡宮鳥居下に小屋あしらい。人夫に化けた又十郎が石段を降りてきて小屋の話を立ち聞き。佐野屋の用心棒が騎馬で駆け入るシーンには入口の鳥居が映り込むほか、今は困難となってしまった道側の竹林を背景にした絵も。
・一ツ目天狗に危機迫る鮫津の松原、舞子浜松原。
・OPロケ地 騎馬の十兵衛/琵琶湖、お紋が渡る橋/流れ橋、金兵衛と六左衛門がズッコケの街道/大内辻堂、又平がチャンバラ/保津峡落合、又十郎のチャンバラ/嵐山自転車道か
*男装して荷役に出る人足頭の娘に吉沢京子、父は小林昭二で朋輩の留さんは高橋元太郎。問屋場の佐野屋は須藤健、裏切る用心棒は黒部進、薩摩の道中奉行は小池朝雄。家光は森次晃嗣、宗矩は山村聰。*重責を荷った弟を案じ出張る兄さんが一ツ目天狗で、今回は酒肆にいたお紋もサポートに回る。又十郎は四角四面な堅物、はじめ薩摩の相良にはかられ一時謹慎食らったりする。この際、佐野屋でバイト用心棒をしていた荒木又右衛門と出会うが、この二人の天然ぶりが傑作。ヌボーっとした大男の又右衛門はともかく、又十郎もかなり大雑把で笑える。


第2話 「紅い宿場の用心棒 −保土ヶ谷−」 1980.10.21

 宿場を暴力で牛耳ろうとする悪党を退治る話。無気力な宿場の衆に代わってヤクザに立ち向かう又十郎を助勢に現れた男は、トラウマから剣を捨て世捨て人同然に暮らし侮りを受けていた哀しい父だった。

ロケ地
・街道をゆく又十郎に挑む一郎太、本梅川堤(若森廃橋上手、犬の太郎の塚を踏んで怒られ。話を聞くのは川面の見える法面)
・保土ヶ谷宿、摩気橋を右岸の灯籠越しに見る図、宿場風景はセットにスイッチ。
・博労に侮られる父を見て憤った一郎太が水に石を投げる宿場はずれ、不明(民家板塀下に池?/塀は腰板付き)
・又十郎を隠れ家にしている水車小屋へ連れてゆく一郎太、酵素河川敷に小屋あしらい。
・境木の重蔵の家、民家長屋門見上げ(現在は母屋建て替り)
・花形と青戸がやって来る街道筋、大内八木道〜道隈へ出て祠前で重蔵一家の丈八に声をかけられ(籠絡の心積もり)。
・重蔵の弟・伊佐吉が馬でやって来る脇街道、大内か酵素か。
・役人はチョロいと哄笑する博労たちを見かける一郎太、博労が渡る橋は若森廃橋で素振り中だった一郎太は本梅川汀。
・一郎太を助けるため博労たちを打ち懲らし、伊佐吉に挑戦状を突きつけられた又十郎が一人立つ朝の宿場はずれ、籔田神社前道隈(北の里を遠望する構図、助勢にやって来る仙波は舞殿前から、殺到する重蔵一家は北の里から来る畦道、チャンバラは鳥居前や境内で。舞殿はまだ萱葺き)
・保土ヶ谷宿の道標を立てる桜井たち、摩気橋たもと。二人を見て笑って去る又十郎は摩気橋を渡り籔田神社道隈へ(桜井と青戸が追いついてくる)
*仙波源十郎は伊吹吾郎、元備前池田の侍で、殿様の気まぐれで試合った相手を殺してしまい剣を捨てた過去。世捨て人として無気力に生きる父に一郎太が不満を抱く運び。重蔵は遠藤太津朗、凶悪な弟・伊佐吉は田中浩、手下の博労・丈八は森章二で仲間に峰蘭太郎。宿場衆に原健裂や伊沢一郎。*やりたい放題のすえ火付けまでする博労たち、火事場へ駆けつけ消火活動を手伝う又十郎に「立会い所望」と挑む、相変わらずの荒木又右衛門は「バカッ」と怒られ。一ツ目天狗は堂々と姿を現し、伊佐吉の手から銃をはたき落し斬り捨てて去る。お紋は十兵衛の意を受けて動いていることを又十郎に告白。


第3話 「縁切寺の姫君 −藤沢−」 1980.10.28

 藩政を壟断する家老に意に沿わぬ結婚を強いられる姫君の話を軸に、家老を仇と狙う形で新メンバーが登場の運び。

ロケ地
・本陣から姫を連れ出し夜道をゆく又十郎たち、大覚寺五社明神大沢池(追っ手殺到、又平に姫を託し逃がす)
・姫も女郎たちも東慶寺に隠すことにし船を出す又平たち、広沢池東岸
・家光に家老のことを報告する宗矩のくだり、江戸城イメージに姫路城天守(菱の門庇越し)、弓のお稽古上様は東映城門際。
・女たちを連れ東慶寺の石段を登る又平たち、西明寺参道石段(追っ手は馬に乗り指月橋を渡ってくる)。門を叩く女たちに追っ手殺到のシーンは山門前。
・又十郎の指示で追っ手の馬を駆り本陣へ向かう又平、広沢池東岸汀。
・又平に礼を述べ駕籠に乗り込む姫、北嵯峨農地・広沢池西岸際付近(水面が見えている)。お紋がゆく道、北嵯峨農地畦道(彼岸花が見える)。又平を煙に巻き樹上に隠れる十兵衛、広沢池西岸湿地のヤナギ、探し回る又平は湿地。
*悪家老は横森久、姫様は神保美喜、侍女は稲野和子。悪辣な楼主は梅津栄で男衆に小船秋夫、お女郎の一人に三島ゆり子。本陣の名主は中村錦司。*又平の出自については「十兵衛が何か知っていそうな感じ」にとどめ後の話に。*お決まりシーンの荒木又衛門の立ち合い申し込みは、追っ手殺到しチャンバラ中の又十郎に→「バカッそんな場合か」。又右衛門はこのほか女郎に同情し足抜きさせるが、布団部屋に油撒いて放火という乱暴な手口。お決まりではもちろん一ツ目天狗も登場する。


第4話 「関所狸の七変化 −箱根−」 1980.11.4

 箱根の関所に巣食う悪を懲らす話、逃がし屋の裏にいた黒幕を柳生兄弟の総がかりでやっつける。一ツ目天狗はガンガン出るが又右衛門等は出てこずメンバーはシンプル。

ロケ地
・箱根関所付近の街道筋は谷山林道、切り通しのほか杣道なども。
・関所の牢から逃げる逃がし屋の手下は広沢池か。
・桜井らが始末されかかる夜泣き地蔵、保津峡落合(逃がし屋の用心棒になっていた又十郎に谷底へ落とされ→阿里助らが準備したネットに引っ掛かり)
*黒幕の番頭は浜田晃、実は彼の使嗾を受けていた用心棒は八名信夫、番頭とグルの乳房あらため女は近江輝子、馬鹿を見る宮ノ下の逃がし屋の親分は江幡高志で配下の雲助に福ちゃん。雲助に手形をやられヒドい目に遭う夫婦は森川正太と相原友子。


第5話 「狼塾に美女がいた −沼津−」 1980.11.11

 手抜き工事で浮き分を掠める城代、これを師を殺した奸物と狙う若侍たち。藩政改革を目指した師のあとを継いだ指導者は、かつて柳生の小天狗と称された十兵衛の友だった。

ロケ地
・沼津へ向かうお紋をつけてくる荒木又右衛門、北嵯峨農地竹林際(ヘンな百姓夫婦にぶち当り)
・橋の修理を視察にやって来る城代、若森廃橋たもと(土固め中)。土手法面に立ちあれが城代と桜井が又十郎に教える。若侍が天誅と走ってきてチャンバラは堤道。
・江戸城イメージ、姫路城天守。家光が鴨を見る池は不明(池中に大きな築島)
・柿沢周平の墓に参る十兵衛、二尊院墓地(周平の娘と出会う)
・柿沢屋敷に迎えられる十兵衛、イメージの民家不明(板塀、手前に護岸ふう石積)
・普請場で手抜き工事の実態を見る桜井と青戸、本梅川堤(ヘンな百姓夫婦が来て工賃の廉さを愚痴り)
・赤石の回想、柳生にやって来た柿沢周平に試合えと呼ばわる橋、下鴨神社泉川橋。剣を交えるのは糺の森、宗矩が騎馬で駆けつけ試合を止める。
・城代と会見した赤石のことを十兵衛に報告する阿里助、二尊院紅葉の馬場
・赤石に焚きつけられ決起した塾生たちが集まる烏ヶ森、鳥居本八幡宮鳥居下。阿里助が危険を知らせに走ってくるのは小柴垣道。
・赤石を仇討ちの場に連れ出す十兵衛、酵素河川敷
*赤石平四郎は石橋蓮司、柿沢周平は中野誠也で娘は金沢碧、塾生に矢吹二朗、島英津夫。城代は大木実、手下の勘定奉行は中田博久。ヘンな百姓夫婦はガッツ石松と井上真由美。*レンジ大ワルで、牛耳ろうとしていた城代なんかタメも無しにあっさり斬られて拍子抜け。*城代に名前を聞かれた又十郎が「荒木又右衛門です」とやるギャグも。もちろん本人も漫才。


第6話 「網にかかった人魚 −吉原−」 1980.11.18

 花形と青戸たちが又十郎に宛がおうとした女は訳あり、彼女を借金で縛っていた網元は、抜け荷も扱う大悪党だった。兄上さまは、こやつから鉄砲を買った細川家を脅しつけ、九州諸藩の楔に用いる陰謀もめぐらす。

ロケ地
・湊屋が細川家に新式銃を引き渡す浜、広沢池東岸
・吉原宿説明の段、船着は琵琶湖西岸にあった木製の一件。街道風景は北嵯峨農地竹林際の道を稲穂越しに。
・浜辺は琵琶湖西岸松原、父の塚でお紋と話すお光が沖ノ島を指しあれが在所の大瀬崎と言う。木製の船着も出てくる。
・柳生を恨む浪人と対決する又十郎、下鴨神社楼門前〜二の鳥居下(押されるが兄上が出てアドバイス)
*湊屋は稲葉義男、借金で縛られた美女は山本みどり、やんちゃな妹は谷川みゆき。但馬守に腕を落とされ柳生を憎む浪人は峰岸徹(連れてたマスコットはイスカか)。金兵衛さんの昔の知り合いとして佐藤蛾次郎がちょっとだけ登場。*又十郎みんなにイジられ、大喝シーンも多数。


第7話 「駿府城(秘)女の斗い −府中−」 1980.11.25

 ホットスポットの駿府城下にやって来た又十郎は、いきなり騒動に首を突っ込む羽目となるが、助けた武家女は城代の娘で、忠長卿のお膝元にはきっちり怪しい陰謀が渦巻いているのだった。

ロケ地
・駿府城イメージ、彦根城天守
・捕り方が走る城下、民家南西角塀際。城代の娘を含む「正義派」が集まっていて摘発を受ける寺、丹波国分寺境(又十郎介入、城代の娘のみ助かり)
・城代邸、民家長屋門。城代が殿様に斬られた件の報告を受ける十兵衛、民家西塀際
・正義派が襲われた現場の寺で落ち合う十兵衛と又十郎、丹波国分寺乳銀杏根方。
・城代の娘が見張りの目を掠めて出ようとするくだり、民家蔵前に見張りが詰め、娘が出るのは北塀際。又十郎を置いてけぼりにして娘が船で出る水辺、広沢池東岸(桟橋で又十郎が捕り方とチャンバラ)
・「砦」近くの里、不明(萱葺民家点在、道はセメント舗装っぽい)
・火薬を作っていた砦、モロに砕石場。稼働中なのか養生中なのかは不明。派手な爆破シーンあり。
*城代の娘は山本ゆか里、父の城代は鈴木瑞穂。忠長卿は西田健、妹を殿に宛がい操ろうと画策の次席家老は菅貫太郎。レギュラー陣は久々に勢揃い。*サブタイトルの(秘)は「○に秘」表記。


第8話 「ふたり十兵衛恋娘 −岡部−」 1980.12.2

 駿河・遠江一隊を荒し回る、鬼面党なる賊をやっつけるお話。当地には兄上様のニセモノが出ていてお間抜けギャグをひとくさり、家出中の彼が父に死なれてしまうしんみり場面も。

ロケ地
・青戸と花井が鬼面党に身ぐるみはがれる宇津谷峠、酵素か。その後案山子の服をとって着る街道端の田んぼは北嵯峨農地の田んぼ。
・弥平爺さんの茶店、不明(亀岡盆地?)
・お紋に代官所を探るよう指示する十兵衛、大覚寺放生池堤
・又十郎に鬼面党の裏に代官と告げる兄上様、大覚寺護摩堂。そこへぬけぬけとやってくるニセモノは天神島朱橋を渡って。兄上様との立会いは護摩堂裏で、兄上様ギャグ負け・但し得物は真剣。その後上機嫌で又十郎に酒を勧めるニセモノ、天神島大木根方。
・花井と青戸が囮になって鬼面党を誘き出し又十郎が出てチャンバラの山道、酵素ダート〜河川敷。
*ニセモノは小島三児で役名は八木重兵衛、妹は仁和令子で父は曾我廼家五郎八。鬼面党首魁だった問屋場の主は守屋俊志、代官は井上昭文で腹心は宮口二郎、つるんでいた金貸しは北見唯一。ラス立ちには福ちゃんや小峰さん入り。


第9話 「雨の宿場に花一輪 −島田−」 1980.12.9

 評判のわるい旗本奴を体よく追い払った幕閣だが、一行は但馬守の案じたとおり道中で無体の限りを尽くす。もちろん御兄弟が出て悪党を殲滅するのだが、勇気を奮って立ち向かう目明し親爺の情話が挿まれる。逆らわずにやり過ごし、さっさと去って貰おうとした目論見がはずれて川止め、旗本の横暴はますます募るのだった。

ロケ地
・早足の又十郎に足を挫いたと甘えるお紋、不明(松に竹林混じる林の際の地道)。おぶって歩く海辺の松原、琵琶湖西岸松原(兄上が樹上から降ってきたり、又右衛門が現れて柳生真陰流が二人・いざ勝負と吠えたり)
・大井川渡し、木津河原(花形が身投げ女を助け、金兵衛は対岸に流され)
・但馬守が馬を駆るくだり、不明(路面は映らないが「土壁の小屋」がちらり)
・但馬守が倅二人と密かに会う宿場はずれ、不明(門屋をくぐるとすぐステップがあり、登ると別の建物)
・川止めが解けて川を渡る又十郎たち、牢に留め置かれているはずの兄上が対岸から笑いかけるのは木津堤
*島田宿の十手持ちは坂上二郎、旗本を斬った一つ目天狗を牢に匿う。娘は栗田洋子。旗本連は首魁が木村元、仲間に堀田真三や出水憲司。*但馬守は息子たちに斬っちゃダメ江戸へ連れ帰ってと言うが、二人は斬ると聞かず。叱りもせずそうかアハハと笑う宗矩、なにしに来たのか意味不明。


第10話 「地獄屋敷の天使 −掛川−」 1980.12.16

 お尋ね者にされたり、入った旅籠でいきなり監禁されたりとご難続きの又十郎。やがてはじめから又十郎狙いと判るが、陰謀の根は深く、とんだ過去の亡霊が現れる。

ロケ地
・娘に無体をはたらく尾張のお七里を斬り捨てる又十郎、大内峠道に茶店あしらい。
・山道で握り飯を頬張る十兵衛、不明(大内付近の崖か)
・又十郎たち三人の所在を知らせるよう賞金つきの高札が立てられる町角、大覚寺五社明神
・高札のため百姓に変装して道をゆく又十郎、不明(竹林の間の道、奥に蔵が見える)
・但馬守配下の使者が風の三郎左に斬られる道、大覚寺護摩堂前。
・監禁されていた旅籠から逃げた青年が代官所へ走る道、不明(里の奥の崖道、暴将1-163話と同所)
・高倉修理太夫邸、不明(長屋門を植え込み越しに。左手に蔵、門脇に見張所つき、柱は赤い)
・女衒と娘が手を振り合って別れる道隈、大内道隈。女衒は八木道、娘は亀岡道へ。
・娘を解放してすっからかんになった又十郎が兄上に金をせびる山道、大内か。
*先祖が今川義元の侍大将という豪族・高倉は西沢利明。ルーツを同じくする代官は早川保。彼らが使う忍び・風の三郎左は福本清三。旅籠に立て籠もる浪人のリーダーは今井健二、峰蘭太郎もいる。尾張藩目付は勝部演之。女衒は中井啓輔、娘は栗田ひろみ。


第11話 「夜霧に情が燃えた −見附−」 1980.12.23

 むかし伊賀の里でともに過ごした懐かしい顔に出会う又十郎、しかし女は忍びの術を盗みに利用される哀しい身の上となっていてた。女を救い得なかった又十郎は、激情のまま悪党に刃を振るう。女には花形氏も惚れていて、幻見てメロメロ。

ロケ地
・旅の一座に鳥追い女を見たか尋ねる花形たち、北嵯峨農地畦道。
・女手妻の座頭になっているお才と再会した又十郎の回想、伊賀の里で訓練の日々、広沢池北岸。竹林はこの近くか。
・一座が賊と告げる兄上、大覚寺天神島大木根方。
・一座を追い使う越後屋の寮(盗金を隠匿)、不明(別荘ふうの門、これに先立って檜皮の屋根遠景が映る)
・又十郎を殺せず二人して落ちる崖、不明(崖際に岩)。傷ついたお才を助け降りてくるのは広沢池北岸
・お才の死を見て怒気を発し山道を駆ける又十郎、不明(途中に兄上待ち構え)
・元の店に帰るお才の妹を見送る又十郎、大覚寺大沢池堤
*お才は田中真理、越後屋は名和宏、浜松藩重職は北原義郎、凄腕メチャ怖の盲いた用心棒は山本昌平。


第12話 「月の出の女人斬り −舞坂−」 1980.12.30

 物欲色欲てんこ盛りの悪党が、権力を持った殺人鬼を味方につけ美人の後家を狙う。追い詰められた母子を世話し悪党を懲らす天狗さまは、後家の呼ぶ声を背に宿場を去ってゆく。

ロケ地
・舞阪・今切の渡し、琵琶湖西岸。石積護岸が見える。
・当地を去る天狗が馬を駆る浜辺、広沢池東岸
*後家は宮園純子、彼女の家が関ヶ原の功で渡し場の権利を持つ。その権利と女将の両方を狙う、ヤクザ上がりの網元は汐路章。幼時に下男を斬った経歴を持つ現役辻斬りの船奉行は近藤洋介で、月夜の「発動時」目が赤く光る。得物は鎖鎌。天狗が金を作りに「負けに」ゆく道場の師範は小松方正、他にも複数やるので、この部分ぶらり信兵衛みたい。女将を助けて働く気のいいオヤジは村田正雄。*おいしいトコどりどころではない、ほぼ兄上様主役回で、女将に惚れられもする。又十郎はじめ他のメンバーは完全脇役、花形たちなどはじめと終わりに出てくるだけ。


第13話 「殴り込み!女風呂 −白須賀−」 1981.1.6

 正月に浮かれる宿場、裏では吉田藩取締出役が民に無体を強いようとしていた。柔弱に見えた若旦那が、好きな娘のため体を張るのを見た又十郎は、悪党を懲らしたのち二人の手を結び合わせてやる。

ロケ地
・観音様に初詣のお雪、不明(門と石段、参道脇に屋形、石段下は石畳)。チンピラを雇ってお雪を助ける芝居をしようとした若旦那だが、横から又十郎が出てチンピラをボコってしまい目論みは失敗。
・美人コンテスト会場の稲荷、石座神社。舞殿と前の石段を中心に使う。
・吉田藩出張屯所が置かれている妙徳寺、西明寺。山門内外と方丈。
・松の湯へ八木のあと入り込んだ荒木又右衛門の昼寝の夢、柳生兄弟に勝つ幻想の浜辺は琵琶湖西岸
*小間物屋の小町娘・お雪は西崎みどり、母は正司歌江、若旦那は古代一平。冥加金吊り上げ・コンテスト優勝者要求など無体を尽くす取締出役は草薙幸二郎。松乃湯の年増女は樹々希林、はじめ柳生十兵衛と名乗り入り込む八木重兵衛は小島三児、コンテスト司会もつとめる瓦版売りはうえだ峻。


第14話 「忍者が泣いた港町 −吉田−」 1981.1.13

 海辺の宿場に暮らす老いた里入り忍は養女と穏やかに暮らしていたが、逃れようのない任務はやって来る。偶然敵方にいた娘の実父が、妻の形見の鈴でそれと気付き娘を守り膾となって果てる哀話も挿まれる。

ロケ地
・吉田藩領の船着き、琵琶湖西岸(今は無い木製の大きな船着き)
・兄とツナギをとる又十郎、不明(神社境内、石段下に鳥居)
・母の墓に参るおるい、琵琶湖西岸(河口州か)
・城代を探っていた忍者が斬られたことを十兵衛に報告するお紋、不明(背景に甍)
・当地を発つ一行、北嵯峨農地(農道)。
*おるいは佐藤万理、養父で竿職人の里入り忍は成瀬昌彦、実父だった用心棒のダンナは三上真一郎。城代は林彰太郎、悪徳商人は高城淳一で小狡そうな手下は妹尾和夫。露見して斬られる江戸家老が派遣した忍者は石橋雅史。


第15話 「裏切者は女で殺せ −藤川−」 1981.1.20

 娘を奉公先から請け出しに来た父を助ける又十郎たちだが、当の娘は拒否。もちろん裏には哀れな事情があり、街道筋を荒し回る悪党どもがそれに付け込んでいた。

ロケ地
・唐丸護送中の行列を襲う一味、又十郎が介入し阻止の山道は酵素ダートか。
・奪取に失敗した一味が集まり協議の鎮守、鳥居本八幡宮(十兵衛が居合わせ密談を聞く)
・お紋が馬に揺られ行く街道、北嵯峨農地農道。米作の財布を盗った掏摸をひねり上げる茶店は酵素ダートか。
・米作の娘・お夕に話を聞くため脇本陣に忍ぶお紋(忍者姿)、覗いていた怪しい男を追って襲撃に遭うのは鳥居本八幡宮(小柴垣道、舞殿)
・唐丸から抜け出す半次、北嵯峨農地竹林際。受け取りにやって来て断られる代官のくだりは陵へ通じる道。
・お夕の回想、勤めの辛さに入水の川、中ノ島橋上手堰堤下。駆けつける兄・半次は橋上。
*お夕は遠藤真理子、米作は高品格、反省してないっぽい半次は片桐竜次。賊の首領は小田部通麿で強面の手下は千葉敏郎、つるんでいた代官は芦田鉄雄。


第16話 「狐火と剣の舞い −岡崎−」 1981.1.27

 岡崎五万石の姫様が神隠し、怪しの狐の影はまやかしで、遠い昔の怨嗟が隠れていた。ノリで姫様さがしの又平が大活躍の話、又十郎と兄上様は恨みを利用し裏で糸を引いていた悪党どもをさくっと斬。

ロケ地
・菩提寺へ参る琴姫の駕籠がゆく道、不明(山裾の葦原)。金兵衛らが迷い狐の嫁入りを見るのも葦原、幼松散在。
・岡崎城、和歌山城天守
・花形らが狐面つけたお紋を見て腰を抜かす城下の夜道、広隆寺東塀際。
・姫をさがしに狐ケ原へ行って襲われた又平、その後隠れ里へ行くルートは柊野堰堤(堰下を泳ぎ水抜き穴へ入る)〜抜けると「里」で萱葺民家(又平が取り付く塀は別撮り)
・琴姫処刑の準備が進められる里の広場、酵素河川敷(家老の手先の鉄砲方が出て里人を狙撃)
*琴姫は三浦リカ、本多の殿様は永井秀明。悪家老は黒部進、本多家を恨む一族は溝田繁、春田純一、宮口二郎ら。*家老を成敗のくだり、出会えと騒ぐが誰も出てこないうちに兄上様がぶっすり、刀を持たせ自刃と強弁するのに繰り出した家来は呆気にとられ大立ち回りはナシ。


第17話 「母が恋しい蛇神祭 −池鯉鮒−」 1981.2.3

 武田の軍用金をめぐる騒動、欲深な者どもの跳梁がひとしきり描かれ、父に反発し家を出た女が今際のきわに娘と会う哀話を絡める。お宝は妙な具合に消滅。

ロケ地
・お栄が母に会わせてと日々祈る地蔵堂、不明。お堂はあしらいもの、周囲は林で土手みたいな地形、前後に竹林あり・片方の前景には茶畑。事後水没するお堂(鳳凰が水面に顔出し)は川か。
・宿はずれでお宝をさがすお藤たち、酵素河川敷
・又十郎にツナギをとりに現れる兄上、鳥居本八幡宮小柴垣道(一つ目天狗は樹上から降ってくる)。紀州藩に不穏な動きと話すのは本殿前。
・お宝を掘る花形ら(文吉に誰何され中止)、谷山林道に似た切り通し。
*あばずれ女に成り果てていたお栄の母・お藤は白石奈緒美、幼い彼女の背に秘事を彫り込んだ父は今福正雄(武田の侍大将の末裔設定)。銃の購入資金のためお宝を狙う紀州の目付は田口計で手下に川辺久造や牧冬吉。*うらぶれたお堂に不似合いな金ぴか鳳凰が大笑いなほか、「井戸」は荒木又右衛門が意味なしに入って「破壊」。水害はどうなったか不明。


第18話 「波に散った乱れ雲 −鳴海−」 1981.2.10

 又十郎が拾った手癖の悪い青年の哀話。彼は姉の幸せを壊したくなくて柳生兄弟を殺しにかかるが、根っからの悪人でない男は義兄の言いつけを為果せず散る。

ロケ地
・又十郎が行き倒れの仙次を拾う街道、不明(川堤、河畔林は竹)。団子を食わすも財布を掏られる茶店は山道か。
・御用金運搬にたずさわる丸岡藩の侍が素破らに斬られる林、酵素か。
・怪しい墓守を凝視するお紋、大覚寺護摩堂(石仏見越しで雰囲気を出す)
・鳴海宿に巣食う素破らが巡検使の件をひそひそツナギの木、大覚寺天神島大木(樹上)
・宿場に潜む怪しの者どもについて夜の鎮守で話す又十郎とお紋、鳥居本八幡宮
・丈吉が借りていた船着き付近の小屋、広沢池東岸に小屋あしらい、水抜き後。
・当地を去る又十郎が行き倒れの八木重兵衛を拾う地蔵の辻、不明。ここで出る重兵衛の言葉は仙次と出会ったときと同じ「半端な親切なら放っといて」。
*仙次は火野正平、憎めないコロコロ子犬系(クレジットには仙太)。姉は村松英子、亭主の丈吉は原口剛、手下の素破集団は小峰隆司・大城泰・宮城幸生ほかの面々。


第19話 「恐怖の花かんざし −桑名−」 1981.2.17

 次期老中に名の上がる桑名の殿様、それは甲賀が伊賀に取って代わろうとする動きと連動していた。当地で抜け荷の証拠をさぐる隠れ忍は密書を恋人の芸者の簪に仕込み、狙う甲賀者との騒動に「巡検使一行」が加わる。

ロケ地
・隠れ忍の漁小屋を襲う藩士たち、琵琶湖(雪景)
・江戸城イメージ、菱の門越しの姫路城天守
・恋人の板前に頼まれ法華寺へ使いに行く鯉千代、不明(坂上がって門、立ち回りは墓地、お堂は二層の屋根、竹林が沿う)
・鯉千代と話す又十郎、広沢池東岸(水無)
・地蔵祠でツナギの赤布を見る阿里助、北嵯峨農地畦道。
・街道封鎖後、間道をゆく又十郎についてくる鯉千代、見晴らしのよい高台は不明。鯉千代をおぶわされる坂道は酵素降り口
・木曽川沿いの旅籠、不明(石積護岸の上に建物、川は渓流)
・鯉千代を人質に板前を呼び出す竜神の森、酵素河川敷。鯉千代が吊るされているのは「木」。あたりにうっすらと雪積もり。
・板前に化けていた隠密の墓、北嵯峨農地木の下。
・任務を捨てた「板前」と当地を去る鯉千代、見送る又十郎は琵琶湖・舞子浜(渡し場、雪景)
*鯉千代は村地弘美、板前は柴田p彦。桑名の家老は福山象三、隠岐守を推す老中は中村錦司。*今回、オープンセットでも降雪。


第20話 「壺振り女の恨み節 −四日市−」 1981.2.24

 又十郎に諭されたイカサマ女壺振りは「指」を封印するが、彼女の腕が欲しい悪党は亭主の命をタテに迫る。しかしもちろん又十郎はじめ天狗さまも現れて、ヤクザと黒幕の旗本まとめて皆殺し。

ロケ地
・桜井の部下の侍たちに追われる清助、北嵯峨農地畦道(畝に降霜)〜広沢池西岸葦原。
・四日市へ向かう街道、おはんと娘がお昼をつかうお堂は大覚寺護摩堂、又十郎一行が放生池堤をやって来て合流。
・三蔵の賭場が立つ寺、西明寺。後段では参道坂と山門のほか本堂縁先や方丈、鐘楼など境内をいっぱいに使って大立ち回りが繰り広げられる。
・おはんに金を持たされた娘が父を待つ宿はずれの祠、北嵯峨農地畦道にあしらい。
*おはんは二宮さよ子、刺客なんかさせられていた亭主は草薙良一。四日市を狙う隣が知行地の旗本は内田稔、手先をつとめるヤクザの三蔵は江幡高志で一の子分の長次は福本清三。品行方正な四日市問屋場の主は西山辰夫、悪党に付け込まれる博打狂いの馬鹿息子は伊庭剛。


第21話 「呪いの恋太鼓 −亀山−」 1981.3.3

 ダメ男を亭主に持った女の哀話、天狗さまのはからいで新天地をめざす夫婦だが、運悪く宿場を牛耳る悪党どもに見つかり夢は絶たれる。

ロケ地
・大道芸の藤八が三島に帰れとヤクザに迫られる街道、大覚寺大沢池堤(天狗出てヤクザ撃退)
・極楽太鼓がある亀山宿の鎮守、鳥居本八幡宮。太鼓は舞殿に据えられ、最後は石段や鳥居下で大立ち回り。
・郡代に長五郎の非道を訴えに行って斬られた百姓が棄てられる水辺、大覚寺大沢池堤下汀
・藤八とお里が逃げる道、広沢池北岸(汀と林間、水無し)
・巡礼になって旅立つお里を見送る十兵衛たち、北嵯峨農地高台。
*女房を苦界に沈めなお金をせびる藤八は高橋長英、女房のお里は岡本麗。宿場を牛耳る長五郎は田中浩、怖い女房は絵沢萌子、強面の子分は岩尾正隆。つるむ郡代は五味龍太郎。*ほぼ兄上主役、巡検使さまは前後に出てくるだけで、唐突に出てきた又右衛門にも圧迫され気の毒。


第22話 「娘忍者が燃えた! −関−」 1981.3.10

 竹細工師の娘と親しくなる又十郎だが、彼女との間には苦い因果が隠れていた。将軍暗殺を企てる者どもに使い捨てられ死んだ兄たちのため、娘は忍び装束に身を包み悪の巣へ。もちろん、危機には崖落ちして行方不明だった又十郎が現れる。

ロケ地
・怪しの行者が巣食う真言密教道場・金龍山法月院、西明寺。山門で又十郎たちが追い返され、後段境内でラス立ち。
・街道をゆく将軍の行列イメージ、谷山林道
・お葉の仕事を手伝う又十郎、酵素降り口、河川敷。
・駿府入りの将軍、姫路城天守下を行列。
・又十郎を呼び出し、父が戦で但馬守に斬られたことを告げるお葉、高山寺石水院脇路地。このあと忍者出てチャンバラ、又十郎崖落ち。お葉の兄が行者らとやりあうのは茶園前。
・兄たちを荼毘に付したあと、法月院へ走るお葉、高山寺東参道〜西明寺
*お葉は志穂美悦子、兄は小林稔侍、爺さまは永田光男。法月院の上人は佐藤京一で手下の強面は八名信夫や笹木俊志。裏にいたおじゃるは深江章喜。*崖から這い上がってきた又十郎がボロボロで笑える。


第23話 「必殺おんな馬子歌 −関−」 1981.3.17

 病んで逃げ出した女郎を看取る十兵衛、容貌が酷似していた奇縁からお紋は間違えられるまま女の実家で暮らすことに。岡場所の男たちが借金を取りに来て「嘘」はばれてしまうが、老母はお紋に感謝しつつ芝居を続ける。

ロケ地
・逃げた女郎・おとよが倒れる街道、北嵯峨農地農道。十兵衛が行き合わせる。
・おとよを荼毘に付す十兵衛たち、酵素河川敷
・坂の下宿で押し付けられた捨て子を「捨てる」花形たち、藪田神社参道の灯籠前。狛犬の陰に隠れ様子を窺っていると又十郎が来て拾う。
・赤子を抱いて道をゆく又十郎、粗相をされて困り果てていると馬子の大吉が現れ世話してくれる峠は大内亀岡道の上り坂。
・お紋がやって来るおとよの家がある里、不明(山際に道、道下に家なみ。蔵や萱葺民家が見える。暴将第一シリーズでも出たところ)。「弟」の大吉の馬にゆられ宿場を出るのも同所。
・おとよの家、萱葺民家。お紋のおとよの亭主にされた又十郎が大吉と馬を引く道、大内八木道。鬼源一家が銭を徴収しているのは道隈の辻堂裏、又十郎が強行突破。
・巡検使に戻り、桜井らと街道をゆく又十郎、大内亀岡道(平坦路)
*おとよはお紋の二役。素人女をつまみ食いする癖の悪い鈴鹿番所総取締は浜田晃、彼に取り入る問屋場の親方は梅津栄、岡場所の男衆は市村昌治や志茂山高也。銭を徴収する男たちの一人に福ちゃん。


第24話 「打倒!柳生一族 −草津−」 1981.3.24

 又平の出自が明かされる回、そのことを逆手にとられ但馬守以下柳生一族に危機が迫るが、十兵衛の力押しで悪党は打ち懲らされるほか、「隠し子」の一件も爽やかに男臭く解決。

ロケ地
・甘酒の製法をめぐり痴話喧嘩のお紋と又十郎のくだり、お紋を宥める花形は大内辻堂脇で又十郎がむくれる茶店は大内亀岡道にあしらい。
・城代を弾劾する訴状を持った彦根藩士が庭番の虚無僧に斬られる街道、北嵯峨農地小丘。
彦根城、天守や天秤櫓に石垣のほか、城代が庭番の報告を聞く庭は玄宮園。
・事後、十兵衛が大津さしてゆく街道、藪田神社参道前の小径。
*藩政を壟断する城代は西沢利明、庭番の虚無僧は成瀬正、監禁されていた藩主は石田信之(又平にシンパシーを持ち彼に励まされ、最期は陰腹切って藩士を説得ののち↓)。


第25話 「地獄囃子の鬼女房 −大津−」 1981.3.31

 禁裏御用を傘に着た問丸のため地獄の様相を呈する宿場を、又十郎のスクエアさが救う。アル中の宿役人の真情を察し、自棄ぎみの別れた女房も見捨てない、かっこよく爽やかな巡検使さまの危機には一つ目天狗も降ってくる。

ロケ地
・又十郎たちが測量のところへ叶屋一味が犠牲者の博労を大八で曳いてくる琵琶湖畔、本物の西岸松原。エリが見える。ラストシーンも同所。
・走井餅を売る茶店で地図を見るお紋と阿里助、大覚寺大沢池堤。天領だから自分は用無しと釣りに興じる十兵衛は堤下汀。
・又十郎に保護されていた博労が殺されて吊るされる木、広隆寺東塀際の木。
・又十郎に黙って所司代に助けを求めに走った桜井と花形が一味に囲まれ突き落とされる崖、保津峡落合落下岩(阿里助が救う)。射落とされた御朱印状を拾うのは河口。助けられた二人が落ち込む岩場、河口近くの巌上。
*力に逆らえず鬱屈の果て酒浸りの宿役人は亀石征一郎、逃げた女房は葉山葉子で弱虫亭主への面当てに弔い屋をしている。叶屋の主・鬼蔵は汐路章、弟は野口貴史。叶屋一味は全てガラの悪い上方訛り、ビジュアルも凶悪で皆殺しの合図の地獄太鼓のサウンドも面白い。また、降ってきた一つ目天狗に「柳生十兵衛か」の文言あり、けっこう有名になってる兄上さま。


第26話 「将軍寝所に忍ぶ影 −京−」 1981.4.7

 上がりの京での騒動は将軍がらみ、おじゃると紀州の陰謀を打ち砕く柳生兄弟。しかし監禁されていた上様を先に助け出したのは、浪人狩りに遭い牢にぶち込まれたことで怒って紀州屋敷へお礼参りに殴りこんだ、又平と又右衛門なのだった。

ロケ地
二条城、本物の東南隅櫓。上洛した将軍の行列が入ってゆくのは東大手門。
・遠乗り上様、竹林は北嵯峨か。吉野忍者の襲撃は酵素河川敷、竹林でも立ち回り。
・替玉将軍に夜伽を命じられたお紋(腰元に変装中)が又十郎にはかる庭、枳殻邸侵雪橋たもと。
・中宮・和子の寝所に忍び真実を聞きだす十兵衛、イメージに御所塀
・ニセ将軍が帝に会うため出立の玄関、枳殻邸ゲストハウス式台玄関。本物が既に駕籠にいて悪党一巻の終わり。殺陣もここで行われる。
・御所、建礼門。家光がゆく御所の廊下、相国寺方丈裏手廊下(庭から見上げ)
・西国へゆく十兵衛に順次合流する仲間たち、茶店のある船着きは罧原堤下汀
*九条関白は石濱朗、紀州藩京都詰家老は安部徹、替玉の紀州藩士は森次晃嗣の二役。顔が怖い吉野忍者は北条清嗣、中宮・和子は仁和令子。*上様が拉致されるのは「寝所」ではなく湯殿。


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