暴れん坊将軍 III →暴れん坊将軍 III 表紙
1〜19話
吉宗初暴れ!少女涙の訴え状/大奥に咲いた危険な恋/これぞ庶民の目安箱/血ぬりの一文銭/新さん江戸の風に舞う/紅蓮の炎に消えた恋/運命のめぐりあい/晴れて夫婦の目安箱/炎に消えた女囚!/逆転!必死の王手飛車取り/河原の黄金を盗んだ奴!/絵草紙からくり心中/春の宴に舞う女/妻を斬った男/三つ葉葵は地獄の紋章?/ちゃんにとどけ!江戸ばやし/御生母が叱った仇討姉弟/知らぬが仏の紙風船/からくり盗っ人街道
第1話「吉宗初暴れ!少女涙の訴え状」
御狩場で上様を狙撃する企み、試射の際たまたま居合わせた大工夫婦が的になり、生き残った幼い娘は事件を描いた絵を目安箱に投じる。恐怖から心を閉ざした幼女の心を、新さんとめ組が解いてゆく。
ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。新年の行事に飽いた上様が馬を飛ばす、下鴨神社馬場。目安箱に入っていた不吉な絵を見た上様が不浄門から出て上がる、渡月小橋たもと階。絵を投じた娘を探すめ組の衆、仁和寺茶店。娘がねぐらにしている小網町稲荷、吉田神社竹中稲荷(参道、本殿等使用、お松は舞殿下に潜り込み)。お松の双親が射殺された目黒在の野、砕石場か(御狩場も同所)。事後、お松に身分を明かしたと上様を怒る田之倉のじい、姫路城西の丸。
*上様射殺を目論むワルは勘定奉行と材木商、小沢象と川合伸旺。手下の浪人に小峰氏や福ちゃん、途中出る刺客とラス立ち、上様に三回ばかりぶっ叩かれている用心棒。
第2話「大奥に咲いた危険な恋」
大奥もの。四代の将軍に仕えた物堅いお局さまが、利権目当ての寺社奉行と悪徳商人にハメられかける。「大奥ブランド」を利用した詐欺にお局さま自筆の短冊が使われるという手口、これに忠相が放った「密偵」は当の被害者、大奥勤めの話に大金を払って嬉々として江戸入りしてきた田舎娘。彼女がどたばたと駆け回り、解決の糸口を掴んでゆく。
ロケ地、忠相と手合わせの上様、姫路城西の丸(幔幕張り)。大奥で野点の上様、西の丸(幔幕なし)。花畑のある吹上庭、彦根城玄宮園池畔。詐欺に半次郎の名を使った役者が口封じに消される、大覚寺護摩堂前。斬った浪人を尾行する左源太、有栖川と望雲亭の間の道から望雲亭前へ。滝川に短冊を貰った女が吹上庭へと渡る橋、彦根城玄宮園臥龍橋。参詣の滝川が城を出る、彦根城大手橋。お光の示唆で花奉行を追った弥市が捕まってボコられる備前屋寮の庭、望雲亭庭→斬られて大沢池へドボン。寛永寺へ入る滝川、仁和寺中門。お光と共におわい船で滝川を追う上様、彦根城佐和口多門櫓前濠。滝川の危機に駆けつけた上様、室内の殺陣は金堂〜塔下〜中門へ移動。ラスト、故郷へ帰るお光と弥市、嵐山自転車道。
*お局さま・滝川に高田美和。悪役陣も豪華、備前屋に山本昌平、奉行に御木本伸介、手下の浪人に宮口二郎。*タイトルの「危険な恋」は滝川→田之倉のじいで、恋歌が溜りに溜って五百首。「枯れてはおりませぬようで」なんて真面目くさって発言の忠相が笑える。*ご主人・滝川さまのため走るお光が潜む船、いつも上様が使う脱け出し用のアレ、彼女の口からはっきり「肥汲み船」と確認される…。
第3話「これぞ庶民の目安箱」
米価吊り上げの悪辣な企み、従わぬ店を爆破するなど荒っぽい手口。値については生産・流通・消費の三者代表による評定が開かれる運びとなるが、ここにも魔手は伸びてくる。しまいに田之倉の孫をさらうという挙に出る悪党どもだが、上様に乗り込まれてしまい一巻の終わり。
ロケ地、脱け出し上様のおわい船が着く浜、中ノ島橋北詰岸(橋は映らず)。爆弾について庭番の報告を受ける新さん、上賀茂神社御所舎前。辰五郎と田之倉を引き合わせる橋、御室霊場放生池橋上。じいの孫拉致、大覚寺五社明神。青山下総守邸、大門。
*冒頭の爆破シーン、伊吹聡太郎がくぐり戸出てきて即ばーんと火柱、妙に納得できる画。*代表として評定に出るおさいの張り切りフレーズ「やるっきゃない」が、今見ると物悲しい。*ラス立ち福ちゃん入り、左源太とがっきと刀をあわせ、上様にぶっ叩かれてくるくる回る。この際、お芝居で出した高値容認の許諾書をこそこそと拾い上げる上様が笑える。姑息シーンはもうひとつ、米騰がって芋食ってるめ組の衆が「お上がワルい」とぶち上げてるとこへ来てしまった新さん、こそこそ帰りかかったり、おさいに財布ごと渡して「とっといて」。
第4話「血ぬりの一文銭」
万石大名御用達の金看板欲しさに、ひとを陥れる商人。工作に使われた職人が口封じに消されるが、彼が最後の力で目安箱に投じた血まみれの小銭から上様の知るところとなり、身を滅ぼす結果となる。
ロケ地、偽小判を作ったかざり職人が消される、鳥居本八幡宮(受け渡しは本殿前、殺しは広場)。目安箱の血銭を見て船を出す上様、着く岸は広沢池東岸。職人の死体が発見される、大覚寺五社明神裏手(町方駆けつけシーンは放生池堤)。文三に職人の死亡を告げるグルの北町与力、明智門前。文三について庭番の報告を受ける新さん、金戒光明寺石段。文三尾行失敗を左源太に詫びる疾風、阿弥陀堂前。内通者の越前屋番頭が消される天神裏、大覚寺天神島。成敗の夜に船を出す上様、嵐山公園中州湛水域。かざり職人の墓、くろ谷墓地。度重なる上様の外出を咎めるじい、枳殻邸印月池畔。
*福ちゃん二態。文三行きつけの酒肆の客(町人)と、ラス立ち要員(家士)。*かざり職人の名が「秀」次郎で笑える。
第5話「新さん江戸の風に舞う」
あらぬ罪をでっち上げて何軒もの店を欠所に追い込み肥え太る商人、欠所物奉行とつるんで悪行の限りを尽くす。潰された一軒の店の主が自死、女房は無実を訴え名誉回復をはかるが妨害に遭い儚く落命。彼女の幼馴染で慕われていた男というのが「お役者新三」で、松平健の二役という趣向のお話。
ロケ地、訴状を持って目安箱へ向かうおさよが追われる、日吉大社境内大宮川。強請りをはたらく岡っ引・安吉をシメる新さん、上賀茂神社ならの小川畔。欠所物奉行と密談の石見屋の屋形船、広沢池東岸。
*「新三」と新さんのからみは一回きりでほんのちょっとだけ、もったいない。「遊び人の新さん」は笑うとこなのだろうか…。
第6話「紅蓮の炎に消えた恋」
忠相失脚を狙う北町奉行、地上げを進める両替商、手先となって放火して回る岡っ引。火事を起こしめ組の仕業と言い立てる企み、店も父も失い深く恨みを抱く盲目の娘がお話の核。
ロケ地、め組が火つけの噂を聞く弓の上様、姫路城西の丸。早速船を出す上様、彦根城佐和口多門櫓下濠。め組を呪詛のお園、大覚寺天神島(祠前に朱の鳥居あしらい)。
*下卑た岡っ引が傑作にお似合いの江幡高志。徳田新之助をじろじろねめ回す視線がとっても姑息。*ラス立ち福ちゃん入り、高速回転。
第7話「運命のめぐりあい」
水茶屋の女と大身旗本の間に産まれた娘は、長じて父のことを知るが名も判らず。知りたくてとる行動は、盗みに入ったあちこちの旗本屋敷に母の名を記した梅花一枝を置いてくること。そして、それと知らず顔を見ていた「義弟」は札付きの悪党だった。
ロケ地、倉林の若様がおしのを連れ込んで無体を働き死なせてしまう、毘沙門堂(おこうが盗みからの帰り悲鳴を聞きつけ駆け上がるのは薬医門下石段、縁先から落ちるおしの、宸殿・本堂間回廊付近、若様の手下のチンピラがいるのは本堂西の透垣)。大川端に上がるおしのの死体、罧原堤下汀。旗本屋敷を狙う若い女賊のことを新さんに報告の左源太、仁和寺茶店。その後の庭番のツナギに二王門映るが、あとに来る建物は不明。おこうが母の永代供養を頼む尼寺・一銭寺、神光院中興堂。倉林の若様に食らいつき悪事を使嗾する唐物商のことを報告する左源太、仁和寺塔前。おこうが江戸を去るにあたりつけていった始末の件を上様に報告の忠相、姫路城西の丸。
*おこうは気風のいい芸者が表の顔で、盗っ人は養父から習い覚えた裏稼業。小頭なんか一発でめろめろのイイ女、ヅカの男役か。*悪事を重ねる息子を成敗する悲哀の父に睦五朗。*おこうが町でチンピラをシメるのを見ている人足に福ちゃん、おんなじ格好でおしのの死体を見物にもやって来る。
第8話「晴れて夫婦の目安箱」
心中者を助ける新さん、罪人の娘ゆえ忌避された事情を聞き、七年前の事件を洗いだす。忠相の再調査につよく異議を唱える事件当時の北町奉行は、果たしてフレームアップの黒幕だった。
ロケ地、辰五郎が目安箱に投じた誘いの書状を見て早速船を出す新さん、上陸は嵐山公園中州岸。め組の衆と夜釣りに出て心中カップルを助ける、湛水域(船上)。父の冤罪を北町に訴えたことを回想するお涼、大覚寺明智門。事後、じいと漫才の上様、枳殻邸侵雪橋上。
*ラス立ち福ちゃん入り、ミュージックスタートと同時にえぃやぁと斬りこみ。三回ばかり元気よくくるくるとのけぞる。
第9話「炎に消えた女囚!」
牢に火が迫り、忠相が解き放ちを決断。しかし戻らぬ一味あり、以後これ見よがしに凶行を働くほか、火盗改長官の一子をさらい捜査の動きを止めようとはかる。さらった赤子の世話を強要された女囚の、健気な哀話が縦糸になる。
ロケ地、囚人集合場所の回向院、不明(朱の剥げた楼門)。女囚・お京の家、木津堤下にセット(酔った旗本が子を斬ろうとして母のお京と揉みあい堤を転げ落ちて、自分の刀刺さってお陀仏→お京は罪人に)。火盗長官・大久保邸、相国寺大光明寺。大久保の妻が身代金を持ってゆく浅草・竜仙寺、仁和寺(妻女が待つのは参道、新さんと忠相が見ているのは茶店、お京が妻女から包みを取ったあとは経蔵〜水場下〜観音堂脇)。お京が一味に包みを放る橋、中ノ島橋(一味は船で湛水域を漕ぎ去る)。その後お京が家へと急ぐ道、相国寺林間〜鐘楼まわり〜木津堤(河原で父が孫を遊ばせている。堤上で新さんがお京を説得、バックに竹林や河原の柳をうまく組み合わせてある)。ラスト、お京が大久保の運動で赦免になったことを話す上様トリオ、枳殻邸印月池畔。
*凶盗・夜鴉一味を裏で操るのは菅貫演じる元勘定奉行。賄賂を忠相に指弾され、調査に協力した大久保も一緒くたに恨んでいる設定。派手なスガカン節は無いが、ラス立ち前上様と気付く仕草が独特で笑える。剣戟の最中「ぶっ殺せ」とか口走ってるし。こういう悪役がいるので、今回町方と火盗の対立はナシ。*忠相配下の同心に峰蘭太郎、半ば過ぎまでワルの一味だと思って見てたのに、フツーの同心だった…。
第10話「逆転!必死の王手飛車取り」
島帰りの男は、将来の見込み無い自分と引き替えに恩人の息子の罪を被り、妻子のたつきを確保しようとする。しかし庇った相手はとんでもない悪党で、殺人も過失などではなく阿片持ち出しを見られたためだった。
ロケ地、喜助を無実とみて左源太に調査を命じる新さん、今宮神社門前茶屋・かざりや。小石川薬園奉行を呼び、阿片の管理について訊ねる上様、彦根城玄宮園臥龍橋。喜助の息子が捕われて呼び出しの早戸明神、鳥居本八幡宮舞殿。
*タイトルは、将棋に事寄せて息子の悪事を蘭方医に暗示する件。*医者の息子と結託し阿片を捌く回船問屋の用心棒に福本先生、喜助の女房を襲ったり、さらった子供を押さえつけてたり。ラス立ちでは疾風に斬られる。
第11話「河原の黄金を盗んだ奴!」
大川藤原堤改修工事に食らいつき巨額のピンハネで私腹を肥やすワル、告発した正義漢の普請方役人は消される。これをネタに強請ったドケチの金貸しは新さんに諭され真相を告白、手抜き工事でまた堤が決壊したら大儲けと嘯く普請奉行と口入屋は、上様に乗り込まれてしまう。
ロケ地、発破の山は不明。藤原堤普請場、流れ橋。普請奉行を召して工事の進捗状況を聞く上様(藁束斬ってお稽古中)、枳殻邸印月池畔。奉行に口入屋の不正を上申した役人・三浦が襲われ川に落とされる、中ノ島橋上(死体発見は流れ橋橋脚に引っかかって。のち現場付近で話す新さんと吉兵衛は橋たもとと公園)。酔って溺死とされた三浦の家が家名断絶と新さんに報告する疾風、仁和寺観音堂。強請りが成功しての帰り襲われる金貸し吉兵衛、仁和寺塔下〜九所明神。ラスト、弓の上様、枳殻邸芝地。
*金貸し吉兵衛に初代め組小頭の園田裕久、吝嗇ぶりは落語ふう。口入屋に遠藤太津朗、コミカル要素なしの怖ぁいワル。*ラス立ち福ちゃんや峰さん入り、福ちゃんは冒頭流れ橋で見張りの役人もつとめる。*ワルを成敗に乗り込む上様、鬼面つけて地蔵和讃を唱えながら登場。普請奉行の捨て台詞は「上様に三途の川を渡って頂く」、抹香臭さで統一。
第12話「絵草紙からくり心中」
読本に影響され心中がもてはやされる風潮がワルに利用され、不正を告発しようとした勘定方役人の抹殺は心中に偽装される。この悪事を暴くプロセスに、なんと近松門左衛門が絡んでくるトンデモ設定。近松老人は心中禁止の布告を出したお上に逆らい、勘定方役人と町娘の心中事件を執筆して上梓しようとするが、事のからくりを新さんに教示される。
ロケ地、勘定方吟味役邸、大覚寺大門。勘定方役人と酒肆勤めの娘が「心中」して見つかる巽橋、上賀茂神社神事橋(後段、現場検証の新さんが人を引きずった跡を見つけるのは河畔の藤棚)。現場に佇んでいた酒肆の女将が殺される、渉渓園。お話の前後、弓のお稽古上様が報告を受けたり、じいに怒られたりする庭は嵐亭延命閣。
*近松に織本順吉、上方言葉や隠居ルックがけっこうお似合い。最後に「もしやあなた様は」のベタ芝居もあり。ここで否定しなかったのを後で田之倉のじいに怒られる上様、巷を徘徊する将軍の絵草紙でも出されたたらいかがなさると詰め寄られる。*福ちゃん、勘定吟味役の家来で登場、料亭の廊下で見張りのほか、ラス立ちにも登場。
スペシャル 「将軍が消えた!?吉宗暗殺の渦巻く紀州和歌山」 →暴れん坊将軍 III スペシャル
第13話「春の宴に舞う女」
気にかける女とはうまく行かない「上様法則」、今回は生半な別れなどでなく目の前で女を殺されてしまう悲劇。女は殺し屋で、亡父の遺恨を晴らすため手を血で染めていた。
ロケ地、闇の賞金稼ぎについて報告を受ける弓のお稽古上様、姫路城西の丸。血祭り銀次殺害に関して報告を聞く上様、はの門と坂。寺社奉行が寛永寺参詣の式次第を上申、ろの門(内側)。つけてきた新さんに向き直り斬りかかるお蘭、広沢池東岸(水無)。参詣に向かう将軍の行列、仁和寺二王門と参道。銀次の身内がお蘭に襲いかかる、大沢池畔(林越しに心経宝塔)。寛永寺の描写、警護兵が固める門、大覚寺勅使門。内部は相国寺法堂(北西角、正面)、方丈(南面縁先、北側廊下と庭)。銀次の手下に追われ逃げるお蘭、大覚寺有栖川河床〜御殿川〜木戸前で上がる。ここでお蘭は寛永寺内部へ入りこんでしまう設定、方丈北庭の植え込みから出てきて暗殺者の茶坊主を見る。寺社奉行・毛利甲斐守邸、西本願寺大玄関門(閉)。母を人質にとられて将軍暗殺を迫られたお蘭が新さんを呼び出す鳥越明神、北野天満宮本殿裏手。
*上様を凶弾から庇って果てる悲劇の女・お蘭に土田早苗、田宮流居合術の遣い手設定の立ち回りも凛として○。浮世ばなれした夢見る少女ふうなのもイイ。彼女を道具と辱めるワルどもにブチ切れ上様は途中からマジ斬りモードに移行、ずんずんと迫る重量感は松平健ならでは。でもねぇ、ラストのお蘭と桜花のもと舞のイリュージョンはちょっと浮いてるかな…所作じゃなくて巨体が。*冒頭、お蘭に成敗される盗っ人に小峰さんや福ちゃん。クレジットあり、盗っ人(イ)に盗っ人(ロ)。
第14話「妻を斬った男」
下総高垣藩のお家騒動、銀相場を操る悪徳商人が娘を側室に送り込み、孫を次期藩主にと企てる陰謀。江戸家老までグルのこの企みは、身を捨てて御家を守ろうとした有為の若侍により阻止される。
ロケ地、高垣藩菩提寺、伏見の宝塔寺(本堂、墓地、塔、寺務所門、仁王門に参道坂とめいっぱい使われる)。庭番とのツナギ、南禅寺三門、僧堂坂、大覚寺天神島。忠相が変装した同心たちを送り出す、大覚寺式台玄関〜明智門。辻斬り警戒見回りに出ため組の衆が風に脅えて大騒ぎ、相国寺法堂前。大津屋が子飼いの両替商らと密談の屋形船、嵐峡。高垣藩の事情を上様に報告の左源太、彦根城玄宮園鳳翔台。事後、馬を駆けさせている上様に高垣藩の処理を報告に走ってくるじい、彦根城西の丸三重櫓。
*奸賊を斬るのに、前藩主の死にまつわる忌まわしき妖刀に「憑かれた」ことにして「辻斬り」を続ける忠義の士に第一シリーズお庭番の荒木茂。なにしろ徹底していて、御家に累が及ばぬための「憑かれて乱心」芝居に信憑性持たせるのに、愛妻を斬るまでする。*大ワルの大津屋に藤岡重慶、このほか側室の子を癇性な狂疾の君に仕立ててあって、派手なラス立ち成敗となる。*福ちゃん二態、荒木茂の義妹をさらおうとするならず者の一人と、高垣藩士。侍のほうでは側室の若君に剣の稽古で散々な目に遭うくだりと、ラス立ちに登場。
第15話「三つ葉葵は地獄の紋章?」
綿引勝彦演じる生硬な南町同心のお話。彼は子供が事故死したことでやり場のない怒りを妻に向け、頑なな態度をとり続けるが、妻と義父が一本気な彼を気遣って隠していた真実を知りへなへなと崩れ折れる。彼らの子の仇は旗本の御曹司で、父親の御船奉行は良貨を海外流出させる悪事を働いていた。
ロケ地、金貸しに強盗に入った浪人を南町同心の猪俣が護送中銃撃に遭う、仁和寺観音堂脇〜御室桜林。猪俣の妻が参る子の墓、くろ谷墓地。銭買いの元締である両替商が、御船奉行邸に荷を運び込む、大覚寺東塀(五大堂脇の通用門、有栖川に架けられた小橋から入る)。これを見る庭番は大沢池木戸の上に潜む。この報告を受ける新さん、金戒光明寺三門下石段。猪俣の母が拉致される、参道石段(拉致用の駕籠は長安院下坂に)。猪俣の妻の回想、子を連れて実家へ帰った際お参りの芝神明裏、下鴨神社河合社前。境内で遊ぶ子を蹄にかける葵紋の陣笠の若侍、河合社脇の馬場。さらわれた姑の無事を八幡様の祠に祈る猪俣の妻、上賀茂神社渉渓園。母の身柄を引き取りにゆく猪俣、大覚寺五社明神(設定も「五社明神」)。
*銭買いの悪行はほんのつけたりで、綿引勝彦の「陣笠のダンナ」の人情劇がメイン。独特の台詞回しでかちんこちんの同心を演じる綿引氏が、たまらなく可愛い。妻女が隠していた「犯人は旗本の若様」を知った際の、雨の中土下座して詫びるくしゃくしゃの顔がイイ。ワルのもとに新さんと共に乗り込んで「上様」と知るどっひゃーな表情も良し。*タイトルの「地獄」は、捕物の際父の形見の陣笠を失った猪俣同心を気遣って上様が下賜の葵紋の陣笠が、子を殺した若様の着けていたそれを連想させて妻女を苦しめるというもの。*御船奉行の家来に福ちゃん、人質交換の場とラス立ちに登場。
第16話「ちゃんにとどけ!江戸ばやし」
災害で財政難の中越藩が企む金儲けは禁制品の売買。高給で釣った出稼ぎの椋鳥たちを運び屋にして虫けらの如く扱ったことに加え、倹約令を蔑ろにされた上様はぷんぷん怒ってて成敗の雨嵐。
剣の朝練上様に朝食をと呼びに来るじい、彦根城玄宮園魚躍沼畔。朝食の座敷は鳳翔台。行方不明の父を思い出してめ組を飛び出した子が佇む水辺、大覚寺大沢池水門際。その子と母が無事を祈ってお参りの神社、五社明神本殿。禁制品を運び込む小田原藩下屋敷、相国寺林光院(門、前庭)。故郷へ帰った椋鳥親子を思うお散歩上様、彦根城玄宮園竜臥橋。*山道、街道筋や人足たちが始末されかかる山際、不明。
*ラス立ち福ちゃん入り。
第17話「御生母が叱った仇討姉弟」
キレ者と評判の現勘定奉行、実は以前の任地で抜け荷などの悪行三昧。諌めた侍は騙し討ちに遭い、遺児たちが仇討ちにやってくる。タイトルは、姉弟が保護された清涼庵で玉緒ちゃんにくどくど垂れられる訓示。
ロケ地、小梅清涼庵、中山邸通用門。ここからの帰途、新さんが奉行の手下の浪人に襲われている姉弟を助ける、広沢池北西岸(姉弟襲撃は汀、水無。新さんと疾風がこれを見るのは田畔)。姉弟の様子を上様に報告の庭番、姫路城はの門下坂。市中へ出た姉が見つかり、助けようとした左源太が撃たれる、仁和寺九所明神。姉・楓が落としていった木彫りを見て左源太が思い出す伊賀の里、経蔵前。浪人らが姉弟を探して聞き回る小梅近くの里、広沢池西岸・農地からのショット。左源太が逃がした楓が逃げてくる、相国寺法堂基壇。居合わせる新さん、方丈前回廊脇、浪人たちとチャンバラは法堂南・仏殿跡の林間。故郷へ旅だつ姉弟、広沢池東岸池底(水無)。ラスト、お由利の方を仇討ち騒動に巻き込んだと弓のお稽古上様にブチブチ田之倉、姫路城西の丸。
*左源太が侍の養女になる以前の楓を見知っている話や、勘定奉行の弟が剣の遣い手で身持ちが悪いという設定などあるが、玉緒ちゃんのお説教に尺をとられて端折りぎみ。
第18話「知らぬが仏の紙風船」
美術品マニアの寺社奉行と町年寄が使嗾する賊が横行、お葉ちゃんにぞっこんの大工の青年がギフトの簪の件で疑われ町方に追われるハメに。彼にライバル視され突っかかられていた新さんは、仲良く賊に監禁され御金蔵破りの一味に引き入れられかかったり。
ロケ地、冒頭の暗闇の矢平次の船、大覚寺大沢池上〜放生池堤に上陸。上様が馬をやる馬場、下鴨神社馬場。「しらぬがほとけ」の紙片付きの紙風船が飛んでくる、河合社脇。簪の出処を探りに行って賊に捕まる大工の清吉、仁和寺九所明神(新さんも短筒女に脅され一緒に捕まる)。事後、今度の件はじいに内緒と忠相に言う新さん、仁和寺参道。ここへわたわたと駆けつけてくるじい、御室桜林。
*美術品フェチでエピキュリアンの寺社奉行に和崎俊哉、やはりこの人はお庭番より悪人が似合う。馬鹿を見るかたちの賊・矢平次は伊庭剛。賊一味に福ちゃん発見。*タイトルの紙風船に付けられた謎めいた文書「しらぬがほとけ」は、ラストで子供の寺習いだったことが判明…ほかに「ろんよりしょうこ」「としよりのひやみず」なんかもアリ。実に暴将らしい牧歌的な「謎」。
第19話「からくり盗っ人街道」
神君の宝刀を盗んだ賊は、身の危険を感じ江戸を売り、日光例幣使のお公家さん殺してなりすまし。しかしもっとワルい日光奉行の奸計にハマり敢無く斬られ、宝刀ゲットの奉行は将軍暗殺へと飛躍してゆく。
ロケ地、江戸を売り日光街道をゆく賊・木鼠の三次一味、法華の講のフリしてゆく道は日吉大社山王鳥居下。賊を追って日光路をゆく新さんが病の娘を助ける、走井橋たもと。日光例幣使の輿を見る木鼠一味、東本宮参道。賊に殺された女官の死体が見つかる、大宮川か。別口盗っ人のお玉と逃げる新さん、保津峡落合落下岩〜崖下河口。奉行の鉄砲隊から上様を救うため「勧進帳」やらかしてグーで殴る忠相、酵素降り口か。事後、お玉に追っかけ回される新さん、日吉大社奥の院石段前。
*ややこしい作りのお話で、宝刀盗む賊と、左遷奉行の悪行に加え、たまたまそこを仕事の場とした別口盗っ人二人組のエピソードまで入れてある。…ぼーっと見てたらなんだか判らないくらい、詰め込み過ぎ。