逃亡者おりんキャスト
おりん/青山倫子
倉沢弥十郎/宅麻伸
百介(弥十郎配下)/山田良隆
仁平/石倉三郎
植村道悦/榎木孝明

 2006年から2007年にかけてテレビ東京系で放送されたセガ・サミーシアター「逃亡者おりん」の後日談。二週にわたりサミーシアターの冠をつけて二時間枠で、紅蓮は八時、烈火は七時代の放送。
「三年後」の設定で主要キャストは変わらず、おりんの父母や宇吉は回想の形で登場。おりんは放浪の旅にあり、弥十郎は相変わらず目付として各地に出張り、お城の石垣から落ちて消えたはずの「あの人」は火傷もきれいに消して顕現し、おりんに再び手鎖を嵌める。

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逃亡者おりん 紅蓮の巻 2008.9.19

 子と離れ巡礼となり贖罪の旅を続けるおりん、しかし「元手鎖人」ばかりを執拗に狙う一団が跳梁し否応なしに戦いの渦中へ。そして倒したはずの悪霊が立ち現れ、おりんを手先に使おうとする。彼は、暗い意思をもって再びの騒擾を起こそうとしていた。

鳥居本八幡宮境内

ロケ地

  • 冒頭、紅蓮に追い立てられ斬り殺される元手鎖人とその女房、下鴨神社河合社裏手。
  • 巡礼姿のおりんが参る神社、鳥居本八幡宮本殿。その後足を浸し水を汲む小川、酵素河川敷。紅蓮が現れチャンバラは葦原や川端、ダートなどでめまぐるしく展開。
  • 御金蔵の火事騒ぎの際現れて逃げる白夜叉、嵐峡。設定は「この先は荒川、行き先は夜叉が峰」と万介談。
  • 甲府入りした清国使節団に挨拶に出る甲府勤番支配、随心院書院。一行の中にお咲を見たおりんが庭(サツキ開花)に入り込み。見つかって逃げるシーンは長屋門前や裏土塀、竹林に潜むところで次郎吉に袖を引かれる。
  • 次郎吉と夜叉が峰の話をするくだり、セピアで保津峡落合河口。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。城門などは映画村のセット。
  • 夜叉が峰にやって来る弥十郎たち、保津峡から落下岩を見上げ。鳥居本八幡宮石段で黒夜叉や青夜叉が出てチャンバラ、広場でも斬りあう。このあと落合崖道にスイッチ、落下岩から弥十郎が落下するも途中で引っかかり、千介がロープ出して救出。
  • 使節団がゆく街道、酵素ダート。同時に紅蓮が出て行列脇で元手鎖人狩りをはじめ、見ていたおりんはたまらず参戦。
  • 甲州街道をゆく使節団の宿(八王子手前)随心院薬医門。おりんが潜入すると道悦が現れ、再び手鎖をはめられてしまう。
  • 道悦の手から逃れ夜叉が峰へ娘を取り戻しに赴くおりん、谷山林道切り通し(仁平がおりんを襲った手鎖人たちを一掃、この林は不明)
  • 正面からの侵入を諦め、裏山を登攀して入るおりん、保津峡落合落下岩を登る。下に仁平が来ていて、おりんを殺意溢れる目で凝視。
  • 夜叉が峰の手鎖人たちが江戸へ向かうのを阻止するくだり、下界へ通じる一本道を塞ぐと弥十郎に方策を話すおりん、指し示すのは谷山林道切り通し。仕掛けのある小屋は頂上作業場にあしらい、ここで羅神たちと大立ち回り。
  • 道悦の僕だった老中を成敗したあと、内藤新宿で使節に化けている道悦の宿館に踏み込む弥十郎のくだり、逃げ出した道悦をおりんと二人で追い詰めるのは鳥居本八幡宮広場、みっしりと落葉散り敷く崖下に「底なし沼」を演出・合成。
  • 弥十郎にお咲を託し旅立つおりんがゆく山道、谷山林道。仁平がおりんに矢を射掛ける竹林は不明、鳥居本の奥か(林床に巨岩)

*宇吉に頼まれお咲を保護した設定の、全ておりんのために動いていた元手鎖人仲間の次郎吉は高知東生。お咲は八木優希、達者な子役。道悦の僕はいっぱい、老中・脇坂飛騨守は山田明郷、夜叉が峰を差配する羅神は菅田俊、使節に化けてる漢神は春田純一。甲府勤番支配は峰蘭太郎、福ちゃんは四態で幕閣でチラリ甲府で旅人チラリのほか紅蓮メンバーにいたり手鎖人のなかにいたりと大忙し・派手なのけぞりもアリ。

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逃亡者おりん 烈火の巻 2008.9.26

 訳ありの子を保護する羽目になるおりん、その子が歌うわらべ歌には由比正雪が遺した軍資金の在り処が秘められていた。亡霊が亡霊を焚きつけ、真の悪霊が姿を現す。

琵琶湖河口州

ロケ地

  • 駿河の浜辺をゆくおりん、琵琶湖西岸(河口州か)。日笠村近くの野道、不明(林道)。由比小雪の亡霊が里人を殲滅する村、酵素河川敷
  • 駿府城、二条城北大手門。百介の報告を聞く弥十郎は隅櫓を望む堀端。
  • イメージカットの富士山が出たあとのおりんがゆく山道、谷山林道。子の悲鳴を聞く。
  • すみれを連れ城下へ出るくだり、おりんが役人に誰何され逃げたところを囲む虚無僧たち(城代の手下)大覚寺護摩堂(聖天堂も映り込む)
  • 城代が財宝探しをさせている白頭山、不明(崖は岩肌、坑道から見た外にゴロ石)
  • 矢を射られたおりんを保護した城代の娘・佐奈子がすみれを散歩に連れ出す野道、山室堤(麦畑が稔りの色)。魚とりの川、大堰川
  • 城代の意図を知り屋敷を出たおりんがすみれを伴い歩く山道、不明。駄々をこねて消えたすみれが歌をうたう林、不明。
  • 歌にあった六地蔵付近を掘らせる城代配下の島田、酵素竹林際。
  • すみれ捜索の人数が走る山道、酵素ダート。おりんたちが誰何される検問所は不明(林道)。すみれを抱いて逃げるところへ弥十郎が現れヘルプの山道、不明。
  • 軍資金のことやすみれの出自を話す弥十郎、不明(砕石場か、岩場の崖)
  • 風魔がすみれを連れてゆくのを目撃する佐奈子、不明(林道)。尾行が露見し危機に陥る佐奈子、おりんが助け二人して飛び込む淵は嵐峡
  • 風魔がすみれを伴いやって来る狭霧沼、不明(湖畔に植林杉)。朝顔が目印の坑道、不明。坑を抜けたところに落ちている滝、琴滝。滝壺下にミイラと金箱入の「お堂」あしらい。
  • 事後、尼寺にすみれを預け旅立つおりん、龍潭寺山門(孤児院設定か、中に子ら多数あしらい)

*駿府城代は田村亮、娘の佐奈子は木下あゆ美、野望は抱くものの基本は善人。虚無僧に扮して悪いこともする城代配下には日野陽仁、最後ちょっとキレてて笑える。大岡忠光の使嗾を受ける風魔一族の長は遠藤憲一、いくら人事不省とはいえ学習能力ゼロの落っこち方がなんじゃコレは状態。由比正雪の亡霊には白井滋郎、道悦「顕現」時には榎木孝明にモーフィング。由比正雪の末裔だった幼女・すみれは兼崎杏優。大岡忠光はあおい輝彦で変わらず、閉門中で髪ぼさぼさ無精髭・仏壇に向かって敦盛を呟く日々、騙されたとわかったあとはまた「夢じゃ夢じゃ」で泣き笑い…カワイソーなことすんなよ道悦。

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 ツッコミどころ満載の「おりん」、今回のスペシャルでのそれは主人公をさしおいて道悦にとどめをさす。死んでるはずナイとは思っていたが、清国使節団とかいって重そうな派手衣装着込んで出てきて、火傷は中国で治したとか嘯いてつるつるのお顔を誇らしげに撫でるからたまらない。しかも使節とか全部大嘘だし、実の娘道具にするし、二人がかりでしか倒せないし。このあとが凄くて、手鎖に首ぐっさり貫かれて底なし沼にずぶずぶなんだけど、枯葉浮いた泥水に沈んでく役者は凄い。舞台で泥まんじゅう食う北島マヤか。
もちろんこれで道悦が消滅するなどありえず、きっちり二話目にも登場するのだが、登場の仕方が凝っていて大笑い。見え隠れする由比正雪の亡霊の正体がアレなことはまるわかり状態でお話は進み、目だけ出てるのでカラコンつけた道悦と思ってると白井さんで、くわぁーっと効果音つけて道悦にむにゅっとモーフィング。やっぱりオマエかと呆れぎみの弥十郎も笑えるが、手鎖で道悦の心臓を貫いたおりんの「死んでくれ、おまえは世のためにならん」の半ベソお願い口調が噴飯もの。瓦礫の下から手だけ出てきてミイラをわしっと掴むし、きっとあのお金拾って使うし、次もアリなのか。
恋人殺されて逆上、おりんを狙う役回りの石倉三郎がすげー凶暴で怖かったのも目を惹いた。あと「徳馬出てない」件だが、企画があるのか忘れたフリかどっちだ。


→ 逃亡者おりん (2006-2007TX、全21話)


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