馬上の若武者

河野寿一監督作品 1962.7.8東映
脚本/結束信二、高橋稔 音楽/服部良一


 西郷隆盛下野、各地で不平士族の乱が勃発する時勢下のお話で、舞台は人吉城下。新政府に不満を抱く旧藩士の若者たちは、私塾に拠り鹿児島の西郷と気脈を通じ決起を期すが、悲劇がてぐすね引いて待っているのだった。

ロケ地

  • 冒頭、馬を駆けさせる伝八郎および雪江とデートの芝地、不明。ゲレンデか。
  • 人吉の山なみ、不明。
  • 早馬が駆ける街道、不明(古い作品で頻出の、谷地田の地道。「道隈」や溜池端も出てくる)
  • 集合がかかるもたるんでいた若者たちが裸で鍛錬させられる川、不明(粗い石礫)
  • 街道を来る実はスパイの行商人、不明(山道の地道)。このあと伝八郎の爺やが住む城下へ一里の家(セット)へ。
  • 彦次郎に話を聞く河原(その後雪江とデート・塾生からかいも)、不明(切り立った岩肌の峡谷、淵瀬連続の澄んだ川、巨岩を水食して落ちる小滝も見える)
  • 伝八郎が伝令に発ったあと、大砲も出てドッカンの野原、不明(饗庭か、幼松なども見える)。鞍に伝八郎を乗せていない白馬が立つ道は地道。

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*伝八郎は北大路欣也、母は木暮実千代で妹は星てるみ、恋人の雪江は小林哲子で兄の彦治郎は水木襄。尚兵館リーダー格の海老原先輩は菅貫太郎で、いつ正体を現して裏切るかとワクワク期待するも裏はないただの人で拍子抜け・しかしいいセンパイのスガカンもなかなか味わい深いのだった。早々に暗殺されてしまう「人斬り大造」先輩は原田甲子郎。伝八郎から情報をとる新政府スパイの叔父は伊藤雄之助、近況を聞く際などは例の口調で善人を演じてて笑える。県令は石黒達也、薩摩方の援軍の将は小田部通麿。
*こまどり姉妹が歌う「三宅伝八郎はよか稚児ざくら」は、志願して薩摩へ向かう伝八郎が泥濘にまみれよろばいつつゆく夜道のくだりに被さるほか、雪江が白馬の背に伝八郎の姿がないと知る哀切なシーンで流れる。また、各資料にタイトルとして「よか稚児ざくら 馬上の若武者」と出てくるが、今回(2008年10月)東映チャンネルで見たものは単に「馬上の若武者」となっていた。

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上映日参照サイト/日本映画データベース


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