渡辺邦男監督作品  1955.1.21東映


 慶応三年、舞台は江戸。薩摩の工作に手を貸し、新しい世のため奔走する「天狗」と呼ばれる男の顔を見た町方は驚愕、七年前この世から消したはずの良次郎が生きていたと知った「鬼与力」は、職権を濫用し抹殺にかかる。かたや良次郎は、町で会った好青年に「天狗」の活動も民に迷惑をかけていると聞かされ甚く感じ入り、非暴力主義の人となってゆく。良次郎をハメた奴輩や出会いの奇縁などの人間模様が濃厚に描かれたあと、官軍が江戸入りしたのち「天狗」は新しい仕事のため江戸を去り、彼を恋う女二人は取り残される。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、大阪城。濠越しに大手付近を見たアングル、画面奥に天守。
  • 渡し場で佐川剛造に誰何されるくだり、不明(琵琶湖流入河川の下流部か、静水域)
  • 南町奉行所、大覚寺大門
  • 剛造の回想、七年前半四郎が大桐家乗っ取り計画をもちかけた水辺、琵琶湖河口州汀か。松並木が長く続く。釣りの剛造の足もとは石積み、汀には短い杭。
  • 獄死したことにして良次郎を運び出し遺棄するくだり、菰包みを担がせた牢番の嘉六を斬る岡っ引の駒吉は琵琶湖(広い湖面、湖畔にはヤナギ)。一人で菰包みを引きずり水に投げ捨てるシーンは河口州の石積み護岸か。設定は高輪の海浜。
  • 薩摩藩下屋敷、大覚寺明智門
  • お常と待ち合わせの第六天社で良次郎を待ち伏せのくだりの前に出る時間経過を示す水辺の情景、琵琶湖畔か河口畔か。
  • 豊田屋を狙うとみて薩摩強盗を騙る一味をつける良次郎、不明(川辺の地道)
  • 皆に送られ京に向かう良次郎、琵琶湖畔・「唐崎の松」前。

 薩摩藩士・青井鬼太郎などと名乗りもする豊田良次郎は市川右太衛門、富商の弟で旗本株を買って貰い大桐家の雪江と結婚する話を壊され投獄される運びで、九死に一生を得て西郷と巡りあい同志に。兄の豊田屋は澤村国太郎、嫁のお豊は月丘千秋。剛造らの騙りに乗せられた大桐家の当主は有馬宏治、死んだことになっていた娘の雪江は千原しのぶ。天狗に恋する辰巳芸者・お万は花柳小菊、弟の弥太吉は長門裕之で妹分の元掏摸・お常は吉井待子。お万と良次郎の出会いとなった渡船を操る船頭は山茶花究。大桐家を簒奪した大桐半四郎は原健策、歩兵隊長なので総髪。同じ穴の狢の半四郎まで殺そうとはかる大悪党の与力・佐川剛造は龍崎一郎、手下の岡っ引は山室耕と坊屋三郎。薩摩屋敷を牛耳る益満休之助は田崎潤。


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