幻の湖

橋本忍監督作品 1982.9.11東宝


 東宝50周年記念大作にして橋本忍脚本・監督の「伝説」のカルトムービー。主演女優のエキセントリックな一人語りや箍のはずれた行動ももちろんだが、諜報機関員らしい謎のアメリカ女や、見ていると肩が凝るマラソン対決などツッコミ所満載の、噂に違わぬ165分。
主役のソープ嬢が竹生島を望む葛籠尾崎で会った、笛を吹く青年が語る言い伝えから「時代劇パート」がはじまる。この笛吹き青年は同じ役者が戦国期部分のカップルの片割れもつとめるのだが、職業は宇宙科学者で磁場の研究をしており、会話に宇宙パルサーなんてタームも出てきて思いきり怪しい。この設定がラストのトンデモ「宇宙から俯瞰」シーンにつながってるへんもアレなんだけど、時代劇してるところはかっちりした作り。

竹生島

時代劇パートロケ地

  • 小谷城、彦根城太鼓門櫓(長尾一族がおみつの縁で召抱えられ登城するシーンと、浅井長政が信長に背き朝倉に与し出陣するシーン)。城内居室のシーンはどこかのお寺の方丈か。
  • 長政謀反を聞き激怒する信長の居城・岐阜城イメージ、姫路城天守。織田方へ返されたお市に従い岐阜へやって来たおみつが、お市再縁話と長政の長子の無惨な最期を聞きたまらず部屋を飛び出すのは姫路城にの門石垣下。浅井方の将兵の首が運び込まれるのを見て信長を呪詛するおみつのシーンはぬの門内側。
  • 琵琶湖の水を持ち上げ叩きつけてやりたいとの雑言に激怒した信長により逆さ磔となるおみつ、伊崎不動の飛び込み台に似た断崖。湖北か。

時代劇パートのキャスト
信長/北大路欣也、お市の方/関根恵子、おみつ(お市の方付きの侍女)/星野知子、藤掛三河(お市輿入れ時より付き従う「じい」)/大滝秀治、長尾吉康(おみつの夫)/隆大介(現代劇パートのNASA職員・長尾正信を兼任)、長尾吉兼(吉康父)/宮口精二

琵琶湖大橋


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