水戸黄門 第32部  TBS/CAL


第1話 「百万石への旅立ち」 2003.7.28

 加賀百万石に不穏の気配、輿入れ予定の将軍の養女に返事来ない・加賀友禅の品不足など材料出まくり。前田家へ輿入れ予定の松姫が拉致監禁され乗り出す老公、バックを聞きだそうとするが陰謀主体の加賀藩勘定方は老公の前で自刃。加賀に何か起こっていると旅立つ老公で幕。

ロケ地

  • 水戸藩上屋敷、大覚寺大門、式台玄関
  • 湯島天神境内で脱走の松姫、大覚寺心経宝塔前〜望雲亭〜大沢池堤。拉致される、五社明神本殿裏手。松姫が助さんに再会を期し簪を渡す、大覚寺天神島
  • 松姫が帰還する江戸城、二条城本丸北櫓門
  • 一味のアジトの法性寺、妙光寺。セット併用。

*上様が老公に懇願しゆくお忍びは吉原。加賀の動静を探るためと言いながらお楽しみの模様。
*松姫を追った助さん「こっここは江戸城」ってなんじゃそりゃ。助格新キャスト、先と同様線が細すぎるような気が。
*鬼若の前には性懲りも無く現れる山口馬木也、わけわからんビジュアルでいずれまた、と消える…。


第2話 「妹思いの風来坊」 2003.8.4

 中山道をゆく一行は安中宿へ。殿様お気に入りの鄙びた温泉にも生臭い陰謀が潜む。
利権を貪る代官、殿様お気に入りのお墨付きが欲しいライバルの宿、娘を狙う助平息子とワル三点セットを懲らしめる老公、宿の主人との頑固比べや、ちょっと乱暴な跡取り息子のエピソードが絡む。

ロケ地

  • 中山道(安中宿付近)、不明(山中の坂、植林杉と混交林)
  • 跡取り息子に事情を聞く助さん、広沢池観音島。物思う宿の娘が佇むのも同所。
  • 娘の回想、助平息子に襲われる社、鳥居本八幡宮舞殿。

第3話 「おらが蕎麦は日本一」 2003.8.11

 前の藩主が自慢していたことを思い出し、蕎麦を食うため寄り道する老公。しかし殿さま御用達の看板を見て入った店では、余計な料理が付いて高いうえ肝心の蕎麦はダメ。口直しに行ってたまたま旨い店に当たるが、そこは閑古鳥。その理由が世直しにつながり、一人の若侍の未来へつながるのだった。

ロケ地
  • 老公が寄り道して小諸へ向かう、北国街道と中山道分岐、不明(山中の道、山は雑木)。このあとの街道は土手見上げ。
  • しなの庵に弟子入りを願った足軽り三男坊・七之助を連れて河原へ出る老公、大堰川河川敷。老公は、彼に殿さま来駕を提案。
  • 家へ戻る途中、野良に出る兄たちを見て走り寄る七之助、酵素か。野良仕事中の父に蕎麦屋志願と殿さまお出ましの話をするシーンは谷地田か(奥に堤?)。このあと父と話しながら行く道は植林杉の林道。
  • 父と勘定方邸へ行く七之助、不明(塔頭?)。殿さまお出ましの話は却下される。
  • 当地を発つ一行、不明(溜池の土手、冒頭の街道と同所か)。

第4話 「響け!汗と涙の御諏訪太鼓」 2003.8.18

 自ら作業に参加し荒地を開墾する篤実な下級役人、重代のエリートに様々な妨害工作を働かれるが、民を思う彼の心は老公を動かし藩侯に届く。また、その重役はねちっこい嫌がらせだけでなく、年貢をナイナイしていた事実が発覚、断罪の憂き目に遭う。

ロケ地

  • 諏訪湖、沢ノ池東岸。のちにイメージのみの本物も映る。沢ノ池では、通りかかった鬼若とアキの前に夜叉王丸が湧いたりもする。また、池尻のガレ場が原沢村の七本松開墾地に使われる。
  • 諏訪大社に参拝のシーン、下社のイメージが映り、参拝の老公のバックには上賀茂神社外幣殿が使われる。
  • 高島城天守、イメージに本物。

第5話 「記憶を消した若き妻」 2003.8.25

 ところは妻籠、篤実な山役人と知り合う一行。御留林盗伐の一味暗躍するなか、抜け忍の過去を持つ若妻が夫を思う心情を見た老公は尾張の付家老を動かし、盗っ人と結託している木曽代官を懲らしめメデタシ。しかし抜け忍の処置はそのまま。

ロケ地

  • 盗伐一味に追われ崖から落ちる山役人など山中のシーン、谷山林道切り通し他。伐採シーンなどは王滝村ロケか(クレジットに協力として「中部森林管理局、木曽森林管理局、王滝事務所、(有)島尻木材、王滝林業(有)と記されてあった)
  • 山役人が蛍を拾う渓流、蛍がお洗濯の谷川、清滝川最下流部。

第6話 「肝っ玉女将と意地比べ」 2003.9.1

 飛騨高山、夫の死後息子を一人前の商人にと気張る傑物の近江屋の女将と知り合う老公。一行は息子の秘めた恋を成就してやろうと動き、その過程で代官を騙し入り込んだ盗賊を懲らしめることとなる。

ロケ地

  • 高山入りの一行がゆく水辺の道、上賀茂神社境外・社家町。川端の大楠から見下ろすアングルで導入。
  • おしのが近江屋の倅が持ちかけた駆け落ち話を諫める逢瀬の神社、平岡八幡宮本殿近くの木陰。お娟と八重さんが目撃。
  • ラスト、滝前でトレーニングの鬼若、菩提の滝

第7話 「臆病風を吹っとばせ!」 2003.9.8

 舞台は高岡、小心者の若侍を励ましワルと対決させ成長に手を貸す老公。彼の上司の筆頭与力は、私腹を肥やすため汚い手を使うほか、常々下僚を苛め若者たちを萎縮させていた。

ロケ地

  • 女の笠を取ってやり足を挫いた若侍(高岡町奉行所与力)を救護する一行、酵素降り口(転ぶ坂)〜河川敷(格さんが慎之介をおぶってゆく道)。後段、荷駄がゆく街道も同所ダートか。
  • 高岡町奉行所、民家長屋門。扉が開いていて、中も使う。
  • アキが鐘を撞かせてもらう寺、丹波国分寺鐘楼。
  • 高岡藩の政情を老公に報告の助格、民家南塀脇。
  • 事後、北国街道をゆく一行、酵素河川敷川べり。

*ワルの筆頭与力に林与一、酔態にも気品あり。老公と一太刀交える一幕もあり見もの。引き立てられるシーン、捕り手の手をしゃっと振り払うのもなかなか。
*鋳物屋のたたら踏む仕事場の美術、凝ってて○。


第8話 秋の二時間スペシャル「決戦!加賀百万石」 2003.9.22

 今回の漫遊の目的・加賀藩の騒動を収める老公、お話はお世継騒動。SPだけあって炎上爆発もあり、ご当地ロケもあり、毎回は出てこない夜叉王丸も何回も湧いて出る。忍者寺での殺陣は見もの。

ロケ地

  • 一行が金沢目指してゆく街道筋、および嫡子がお国入りの際さしかかる倶利伽羅峠付近、谷山林道
  • 華風と会う友禅流しの川(犀川か浅野川設定?)桂川松尾橋上手右岸
  • 若侍たちがたばかられて呼び出される犀川の屋形船、広沢池東岸
  • 妙立寺、本物(門)
  • 忠八郎が由紀にラブレター返却にかこつけ文渡す、嵐山東公園か…普済寺墓地付近にも似る。
  • 鬼若と夜叉王丸の立ち合い、大堰川河川敷か。
  • 城代隠宅、不明。高い生垣がめぐり、中は高木生い茂る。

第9話 「助さんの相棒は娘スリ」 2003.10.13

 老公に代参を頼まれた助さん、そこで拾った女スリは、老公が逗留している回船問屋の主の生き別れの娘だったという数奇な出会い。富商の跡継ぎを巡るゴタゴタを片付ける老公、大番頭と結託の郡奉行を成敗。

ロケ地

  • 助さんが代参に行く寺(七尾長栄寺?)丹波国分寺
  • 奥津ヒメ神社イメージは本物。芝居部分はセット撮り。

*娘スリを追う親分、手下の六助に福本先生。助さんに捻られたりするほか、ラス立ちの際は牢の中でうろうろ、印籠には格子の中でへへー。
*回船問屋・浜田屋長兵衛に坂上二郎、店の跡継ぎを巡る醜い争いを飄々とかわす姿を好演、ペットの大白猫も良し。
*今回の風呂ヌードは昭英…ここへ夜叉王丸が湧けば面白かったのに。


第10話 「女黄門様は初恋の人」 2003.10.20

 崖落ち老公を拾った老女は、黄門を戯画化したような藩主のおばば様。次席家老の壟断に心痛める彼女は、悪事の証拠をつかみ断罪しようと画策、しかし公儀隠密の手が迫っていた。
その隠密が翠光院の幼馴染で、いまだ互いに想いを残していることを覚った老公は、隠密を説得し藩の安泰を図る。もちろんワルはぴしぴし断罪。

ロケ地

  • 鶴岡に向かう一行、老公年寄り扱いにムカの街道は山室堤道(と思うが、大堰川緑地の可能性もあり)
  • 助格たちが老公がいないことに気づく雨宿りの堂、不明(前に溜池のある寺?後ろは山っぽい。寺前の溜池端に雨宿りの小屋・土壁)
  • 翠光院邸、直指庵
  • 西国屋に乗り込んだあと翠光院が襲撃される道、山寺の境内か。
  • 隠密・風斎と別れる街道筋、谷山林道分岐道。

*次席家老の手下に示唆され毒まぶしの膳を牢内の西国屋に運ぶ役人に福本先生。


第11話 「紅花咲かせた豪傑女医」 2003.10.27

 山形入りの一行、変わり者の女医・手遅れ先生と知り合う。彼女の息子で、医者修行に出た筈が染物職人になって帰って来た市之助は紅花問屋の井筒屋令嬢を慕う。
この恋を助け、無体を働く役人たちを断罪する老公、藩主にはアキが密かに接触したりする。

ロケ地

  • 山形へ向かう途中、格さんが路銀受け取りを忘れていた言い出しと一行と別れる街道、大堰川緑地の土手
  • 藩勘定方組頭・島野吉蔵邸イメージ、妙心寺大通院(方丈塀脇クランクから門を望むアングル)
  • 女医一家に見送られ出立の一行、妙心寺法堂仏殿の間〜大堰川河川敷

第12話 「奉公先は子だくさん」 2003.11.3

 舞台は仙台、道中行き会った気の強そうな娘の受け人となる老公。娘の奉公先の町奉行所の小役人宅は、やもめの厳父が仕切る「トラップ大佐邸」だった。
ナチのSS仕立ては、接収した商家の財を横流しして私腹を肥やす町奉行とその配下、黄門チームの活躍で太田鉄之介と子らは危地から救われる。

ロケ地

  • 太田邸、民家長屋門。老公一行が良江と行き会う道も同所付近か(林際や、紅殻格子ふう小屋根つき外塀のある路地など)。太田の子らが教練の川堤、および良江が蜆とりの小川もこの付近と思われる(小川は田畦のクリーク、鉄板被せた元萱葺がちらり。土手越しに山が見えるシーンは広大な草原)
  • 横流しの品を隠匿している町奉行所の蔵、大覚寺の蔵

*女中・良江と太田の子らとのからみはほぼサウンドオブミュージック、童謡を屋根の上で合唱のモロのシーンもあって傑作。長女の反発はまんまだが、ナチの恋人なんかは出てこない。
*奉行邸で太田に放たれる刺客の一人に福ちゃん、槍持って突進、由美かおるや助さんとのからみもあり。


第13話 「赤ん坊背負った仇討ち」 2003.11.10

 白石入りの一行、赤子を拾うが、親は仇持ちの身。今は片倉家の剣術指南の仇を焙り出し仇討ちを整えてやる老公だが、寸前で止めたり。

ロケ地

  • 白石城イメージ、近年再建された本物。
  • 菊太郎が捨てられるお堂、大覚寺天神島祠。堂内はセット撮り。
  • 川へ入って赤子を探す鏑木父、大覚寺御殿川河床。そこへ菊太郎連れで通りかかる一行、参道石橋上。鏑木に事情を聞く老公は梅林、心経宝塔が映り込んでいる。
  • 藩主立ち会いのもと行われる仇討ち、大覚寺遣水跡に幔幕張って設営。
  • 事後、仇の護送駕籠のあとをゆく鏑木親子、大覚寺放生池堤

*仇討ちの広場で、銃隊が露見したあと次席家老に呼ばれて飛び出てくる槍隊の一人に福本先生。


第14話 「浪花娘の母恋一直線」 2003.11.17

 舞台は奥州二本松、特産の種紙を横流しの次席家老を成敗するお話、城下へ母探しに来る娘のエピソードが挿まれる。母求める娘にゲストは、山田花子。

ロケ地

  • 昼餉をとる一行、山腹にお堂設営。
  • 種紙の横流しについて老公に報告するお娟、大覚寺天神島。このとき、種紙を納める荷駄が大沢池堤を通る。
  • 当地を発つ一行、嵐山東公園

第15話 「おいらの馬は日本一」 2003.11.24

 舞台は三春、駿馬を見てご満悦の老公は、父亡きあと懸命に生きる姉弟宅に投宿、彼らに迫る馬奉行と仲買人(裏の顔は盗っ人を追い使うゴロツキ)の陰謀を阻む。旗本・坂部主計頭の家来で馬好きにして間垣門下の四天王の侍が姉弟の育てた駿馬に百両の値をつけ、少年を主家に伴うメデタシ挿話もあり。

ロケ地

  • 茶店で休む太吉、連れている駿馬を見て近寄る老公、大堰川緑地。乗せてもらうが、駆けさせて落馬。
  • 坂部の家臣・田代が太吉の馬・テツを見初める川辺、大堰川河川敷汀。
  • 田代が投宿の安積・如法寺に赴く老公、西寿寺(石段半ばから本堂大屋根、本堂前庭を鐘楼越しのショットも)
  • 田代がゴロツキ仲買人をテツに乗って追い詰める堤道、大堰川堤
  • 当地を発つ一行、大堰川緑地

第16話 「開かずの鍵が解いた謎」 2003.12.1

 舞台は白河、旅の一座の花形女形と、腕のいい錠前師父子の確執を解き、公費をちょろまかして私腹を肥やす勘定奉行一派を成敗する老公。裏帳簿が隠されている箱の錠前は父子が協力して開けるが、中には何も入っていなかったというオチ。

ロケ地

  • 三の蔵にと謎の言葉を鬼若に残し事切れる御蔵番、鳥居本八幡宮舞殿脇。
  • 一座の人々に見送られ当地を発つ一行、北嵯峨農地道隈(石のとこ)

第17話 「老公を叱った娘漁師」 2003.12.8

 舞台は磐城、柳カレイ目当てで小名浜に立ち寄った老公は、気風のよい漁師の娘と出会い、密命を帯びて行動中刺客に斬られ重傷を負った若侍と関わる。背後には、領民からの上納金を私し、高利貸しでぼろ儲けの次席家老がいた。正義派の首席家老が、若侍の報告来ず窮地に陥る評定の場に乗り込み老公、ひとくさり助格暴れさせて印籠。

ロケ地

  • 小名浜へ寄り道するため道をそれる老公、北嵯峨農地農道。田んぼには稲穂。
  • 小名浜の漁村、琵琶湖西岸松原。舞子浜と思しきヤナギが見える。漁具、漁師小屋あしらい。
  • 磐城藩領の山道で刺客に襲われる若月誠四郎、保津峡落合落下岩〜落合崖下(落ちる先は海設定)
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。三の丸広場から見上げの図。

*傷を負いお久美と老公に保護される誠四郎、ずっと落ち武者ヘアー…。


1000回記念三時間スペシャル 2003.12.15

 新旧のメンバーを織り交ぜゲストも多数の豪華な一作、何やらローカル局のバラエティ組一行まで出演の賑やかなつくり。お話は、薩摩の家老が殿を押し込め武器密造のうえ抜け荷。これにお家再興を期す甲賀忍者が絡み、藩主の弟ぎみを擁する老公一行を妨害しまくり。薩摩をさして東海道を下り、行く先での人情噺を挿みつつ、薩摩のご落胤の成長物語も描く。最後は薩摩で藩主を救い出しワル家老を成敗し印籠。

ロケ地、服部半蔵配下の忍びが三剣一味に斬られる、大覚寺御殿川河床勅使門橋下。江戸を出立の老公、南禅僧堂坂。大井川渡し、木津河原。七十郎が勘太と話す岡崎手前の海浜、琵琶湖西岸松原。京の都のイメージに東寺(南塀越しに塔)。京入りの老公が平松勘兵衛の消息を求める指示、南禅寺三門下。平松のことを尋ねに訪れる茶匠・津田宗八の草庵、大覚寺望雲亭門。伏見をゆく一行、松本酒造前東高瀬川堤。大坂イメージに大坂城天守。阿波山中の武器密造所、酵素(ダートに茶店、河川敷に基地セット)。薩摩のイメージに桜島遠景。
*歴代黄門さまや助格、うっかり八兵衛に飛猿まで出ているが弥七は回想イメージのみ。悪家老には河合伸旺、ちょっと崩した髷がラブリー。福本先生は阿波への船で渦に老公を消そうとする船頭(ここ、海津大崎?渦潮と複合)。「渦潮」に飛び込んでの熱演もあるのに、クレジット角淳一より下…。


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