必殺仕事人2009

キャスト
渡辺小五郎/東山紀之 涼次/松岡昌弘 源太/大倉忠義 匳/田中聖 中村主水/藤田まこと お菊/和久井映見
坂本勘助/宇梶剛士 大河原伝七/福士誠治 玉櫛/水川あさみ 如月/谷村美月 作太郎/前田航基 中村せん/菅井きん 中村りつ/白木真理 渡辺こう/野際陽子 渡辺ふく/中越典子
2009/1/4〜6/26、全22話 テレビ朝日/松竹


新春スペシャル  2009.1.4

 金儲けしか頭に無い我利我利亡者は肥え太り、カッコつけただけの志士気取りなぞあっという間に呑み込まれてしまう。鬱憤晴らしを金で請け負う「クズ」の目の前で哀れな弱者は無惨に踏み躙られ、制裁のテーマが高らかに鳴り響く。

ロケ地

  • 涼次が仕事を終えての帰り道、お菊が出て道具の出所がヤバいゆえ当分仕事から外す旨告げる川端、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 盗んできた薬を売り出すところ涼次に阻まれる玉櫛、南禅寺三門
  • 権藤浪人が酒肆・そのへ向かう前に通る葦原、西の湖・大中付近葦原。
  • 権藤と渡辺小五郎が手合わせする大杉道場、随心院長屋門
  • 白拍子で営業の玉櫛に声をかける権藤、南禅寺三門。思いの丈を語る権藤、御津町干潟。公儀の御用をつとめたいと言う視線の彼方に御城、のシーンは御津町干潟を前に松本酒造酒蔵越しに姫路城を望む図に合成。酒蔵は「増殖」、お城は櫓と天守を遠望。
  • 表の仕事に来ていて悪徳薬種問屋の陰謀を見る涼次、料亭は錦水亭(導入は池から東屋を見る絵、東屋内部の橋が招待客の医者ぞろぞろのシーンで出て、薬欲しさに乱入した男のくだりで東屋入口の草戸まわりが使われる)。争いに介入しピンチの玉櫛を連れて逃げる涼次は八条池水上橋(追われてドボン)。二人が上がってくるのは柊野堰堤(流量ハンパなく派手に流下)
  • 貧乏長屋の住民の野辺送り、流れ橋
  • 恵比寿屋がちらつかせた餌に、お城に見入る権藤、姫路城天守(松竹のセットと合成の絵もあり)
  • 仕事のあと手を洗う源太に、それは落ちないと声をかける涼次、上賀茂神社ならの小川神事橋
  • エンディング、町をゆく小五郎は大覚寺放生池堤

ゲスト 沢村一樹/竜雷太/田中要次/丹古母鬼馬二/前田吟


第1話 「一刀両断」  2009.1.9

 放恣の果て殺された娘、父親から仕置依頼が出るが醜聞を糊塗する意図が見え却下、しかし二度目に身を捨てて置かれた血塗れの金は仕事料に。

ロケ地

  • 恋人と道行の筈が好き者のおもちゃにされ、挙句の果て恋しい男の刃を受ける娘、下鴨神社河合社脇糺の森。狼の出る森に女を置き水を汲みにゆく信次は瀬見の小川。下流へ流されてゆく娘、および死体見分は罧原堰堤下中州流れ込み汀
  • お菊に接触する駿河屋、八幡堀・白雲橋の上と下。
  • 美景庵へ引っ張り込まれるところを信次に助けられたお絹が、当の信次のことを尋ねる堀端、八幡堀堀端
  • 美景庵の用心棒らが信次に詰め寄る夜道、八幡堀脇路地。追われて逃げる信次が渡る橋は明治橋
  • 父に反発し家を飛び出したお絹が佇む堀端、八幡堀・明治橋下堀端。ここへ信次が出て声をかける。
  • 自訴し情状酌量され解き放ちになった信次の前に立ちはだかる小五郎、中ノ島橋。お佐代に簪で目を突かれた男が立つのは堰堤脇。

ゲスト 町田マリー/山田辰夫/小林涼子/中村俊介/田宮五郎


第2話 「厚顔無恥」  2009.1.16

 増上慢の果て無辜を殺めるどら息子、そんなクズでも可愛いがる親馬鹿が、更なる罪を犯す。健気に生きてきた母子を見ていた源太は、自ら頼み人となって成敗を希う。

ロケ地

  • 笠原道場、随心院長屋門
  • 源太の露店を蹴散らし暴力を振るう若侍たちを懲らしめる数馬、仁和寺中門(内側)
  • 力仕事までする数馬の母を気遣った源太が、お菊に斡旋を願う町角は大覚寺護摩堂脇・心経宝塔映り込み。
  • 道場主の倅が辻斬りと知り、落ち込んだ数馬が源太に愚痴をこぼす河原、桂川松尾橋付近右岸河川敷。
  • 数馬の死の真相を知り食って掛かった母が殺され棄てられて見つかる市中、大覚寺天神島大木の根方。
  • ED サボり小五郎は大覚寺護摩堂と放生池堤(足袋釣り)、町ゆく源太は仁和寺参道。

ゲスト 目黒祐樹/浜田学/忍成修吾/賀来千香子


第3話 「偽装詐欺」  2009.1.23

 稼ぎ頭の人気絵師を失った版元が思いつく贋作製造、糊口をしのぐため「酒楽」を描いていた絵師だが、型にはめられることを嫌い師匠をしくじった過去のある男につとまるはずもなく、暇を乞う。もちろん、悪党は秘密を知る者を放置しない。

ロケ地

  • 最初の絵師殺しの検分、大覚寺大沢池畔。
  • 版元・鶴屋の作業場、随心院書院座敷。
  • 鶴屋に暇乞いをしての帰り道、用心棒に斬られる平吉、上賀茂神社ならの小川(川に落ち枕絵を付けられて「流れる」)。土左ヱ門で上がる先は大覚寺大沢池(検分)、妻子が放生池堤を駆けつけてくる。
  • 亭主の汚名を雪ごうとして鶴屋に捩じ込んだ帰りのお静が斬られる夜道、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 貰われてゆくお静の遺児を見送るお菊、仁和寺観音堂(お菊の立ち位置は水場脇のステップ)。サボり小五郎、大覚寺護摩堂縁先。道端で店を広げる源太、仁和寺参道。お気楽見回り中の小五郎、大覚寺放生池堤

*平吉は吹越満、お静は清水美沙。鶴屋は西田健、番頭は本城丸裕で用心棒は稲健二、グルの南町吟味方与力は谷口高史。


第4話 「薬物地獄」  2009.2.6

 殉職した父の後を継いで張り切る同心だが、追ったヤマの根は深く手強く、無防備で不用意な若者は「暗闇奉行」の正体に歯噛みしつつ非業の死を遂げる。

ロケ地

  • 阿片の取引が行われる船着き、大覚寺大沢池船着(大)。手入れに殺到する町方は大沢池木戸(北側)を走る。後段、源太の仕置のシーンでは船着きに寄った絵も。
  • 旗本・望月邸、大覚寺明智門。後段、涼次が羅宇屋で張り込みのくだりでは、一味の中間たちが屋敷から出てきて話すシーンに参道石橋が使われる。
  • 安川同心が密売人をシメる町角、大覚寺五社明神(ブツを隠し)。密売人が消されたあと安川が阿片窟へ走る水辺は大沢池畔。
  • 安川が入手した割符を持って取引現場へ潜入するくだり、売人たちが猪牙船を誘導する夜の岸辺は松本酒造酒蔵と東高瀬川堤に広い水面を合成、蔵がシンメトリに映り込む演出。

*安川同心は市川亀治郎、いつも摘発現場にいる臨時廻りの変人同心は石倉三郎。旗本は梨本謙次郎で中間は中西良太、秘密を吐きかけて消される源太の知り合いの売人は市瀬秀和、阿片嫌いを標榜し煙たがられ殺される香具師の元締は有川博・彼がお菊に渡した金が頼み料に。
*いちばん後ろで糸を引いていると思いきや、暗闇奉行のヤツ旗本に金貰ってて笑える。


第5話 「因果応報」  2009.2.13

 怪しげな企画はまんま悪党の草刈場、安材に異を唱えた宮大工はさっそく凶賊に入られる。外にいて一人助かった坊の耳に、恨みを晴らす手立てが囁かれる。

ロケ地

  • 生臭僧正の正閣寺、清凉寺。山門越し境内〜本堂前、子宝観音が安置されているのは多宝塔。
  • 正閣寺門前の商家に立ち退きを迫って歩く松木屋、断わる八百屋の店内から覗く堂宇は東福寺三門。断られ出てくるシーンはセットにスイッチ。
  • 花を摘もうとして土手を転がり落ちる作太郎、山室か。
  • 殺された宮大工の兄弟子に聞き込みの小五郎たち、不明(八角?のお堂)
  • 宮大工一家の墓、不明。
  • 涼次の出陣、大覚寺有栖川河床。寺に近づき僧兵(!)から身を隠す段では御殿川、僧兵は勅使門橋上を通過する。

*ハリボテの大仏建立を企画し消費税を徴収し入費にあてる僧正は平幹二郎、宮大工は堤大二郎で裏切者の兄弟子は徳井優、悪徳商人は谷本一。


第6話 「夫殺し」  2009.2.20

 業病に罹った妻を抱え孤立し窮した男は、いとも簡単に悪党の手先となり地獄に堕ちる。危うさを感じつつ情けをかけ関わってしまった小五郎は、命の限りを覚った妻女の願いを受け、せめて比翼の鳥として送ってやるのだった。

ロケ地

  • すかんぴんの涼次がお菊に「仕事」をせがむ川端、広沢池東岸(水無)。後段、お菊が小五郎を呼び出し辻斬りは伊勢崎だと告げるくだりも同所。
  • いんちき陰陽師のせいで娘をカタにとられた男が「縊死」して見つかる林、鳥居本八幡宮広場の木。検分に出張った小五郎に、裏取りの最中だと告げるお菊は鳥居脇。
  • 伊勢崎に忠告する小五郎、竹林は北嵯峨か。

*寺社役付同心・伊勢崎は西村和彦、病んだ妻は田中美里。勾玉数珠で病者を誑かす陰陽師は篠井英介、グルの悪徳医者は岩崎ひろしで手下に篠塚勝。


第7話 「金が仇」  2009.2.27

 金策に来る侍は騙し、民の苦渋などむろん意に介さない守銭奴は、かつての恩人すら罠に嵌める。そんな男を作り出した因は、たかが十両のため腹を切った、小役人の父親なのだった。

ロケ地

  • 江上屋に騙され消された桐山藩勘定方が切腹の態で見つかる藩公菩提寺、神護寺金堂下石段
  • 町衆押しかけ騒ぎで江上屋に会えず帰ってきた藤戸と話す涼次、仁和寺観音堂。前に江上屋の施しを伝える瓦版売りが出る。吹雪いているのはホンモノ。
  • 老中の叔父が住持する高輪の寺(孤児院設置設定/切絵図では高輪に該当寺名見当たらず)へ布施をしに出向く江上屋、神護寺金堂(住持に札差になる根回しを耳打ち/山や樹々に積雪)
  • 町衆とともに江上屋へ抗議に押しかけた鳶のかしらが暗殺される夜道、大覚寺大沢池堤(刺客は福ちゃん、検分は昼間)
  • 藤戸を待つ妻子、酵素民家セット(内部も使用)
  • 藤戸の妻から来た文を持って町をゆく涼次、仁和寺観音堂前〜神護寺金堂下石段(藤戸の死体が放置されている)
  • エンディング、文を瀬に投げ捨てる涼次、桂川松尾橋上手右岸汀。出前の源太、大覚寺放生池堤舞殿。釣り人に茶々を入れる小五郎、大覚寺舟着(大)

*江上屋は津田寛治、大番頭は中原文雄、用心棒は福本清三と西村匡生。むかし江上屋を助けた黒川藩士・藤戸又兵衛は渡辺いっけい。鳶のかしらは峰蘭太郎。
*福ちゃんは主水が、メインターゲットの江上屋は藤戸と関わった涼次が仕置。しかしトリは小五郎で的は大番頭、タメを利かせて見どころを作ってある。福ちゃんは寡黙なれどしっかり海老反り決めて倒れる(役名・香坂仁兵衛)。


第8話 「一発勝負」  2009.3.6

 己が腕への矜持ゆえ「跡継ぎ」の倅を死なしめた親爺は、あくまで掏摸のやり方での仇討ちを試みるが、権力者には蟷螂の斧。恨みの筋は、身籠った嫁により仕事人に託される。

ロケ地

  • 源太らが露店を出す縁日、車折神社(鳥居、参道)。ここでお菊とともに嘉助親子を見かける運び。
  • 富吉が「掏り戻す」も敢無く捕まってしまうのを見かける涼次、大覚寺大沢池木戸(芸者を連れて通りかかる夜の川端)。富吉が仕掛ける相手の勘定組頭は望雲亭を出て屋形船に乗り込む途中。
  • 事後、祠に祈る旅姿のえん、広沢池観音島(水無し)

*富吉は神保悟志、倅に跡を譲った「先代」の名人は長門裕之、嫁は遠野凪子。サンプルの贋小判を財布に入れていて弁天の吉蔵一家に掏られる勘定組頭は石田太郎、つるむ両替商は田中弘史、グルの御金改役手代は阿倍潮、掏摸たちを狩るヤクザは下元年世。


第9話 「怪物親」  2009.3.13

 モンスターペアレントの攻撃に耐えかねた教師が「縊死」、事件の裏には愚かな母親たちを操る本物の怪物が控えていた。

ロケ地

  • 料亭で勤番組頭と学問所筆頭講師の策謀を立ち聞いた涼次が、お菊に仕事の匂いがすると話す水辺、広沢池観音島(水無し、二人は干上がった池底に)
  • 夫の死後、三番筋に赴く妻が通る水辺の道、広沢池畔。
  • 夫の墓に参る妻、広沢池池底(「州」に卒塔婆あしらい)

*不正を持ちかけられ拒否し殺される正義漢の学問所講師は池内博之、妻は遠藤久美子。馬鹿息子の試験に手心をと持ちかける勤番組頭は田中健、その意を受ける筆頭講師は綾田俊樹。


第10話 「鬼の末路」  2009.3.20

 母親の期待を荷うことに倦んだ三十歳児は、辻斬りをはたらくことで憂さを晴らすが、母は彼の犯行と知りながら事態を糊塗することに腐心し破滅すら許してくれない。悪鬼と化した男に殺された数多の無辜の命、怨嗟満ちて三番筋はあるまじきラッシュ、曲折を経て「依頼」は母親が息子の仕置を願う運び、惑いの裡にあった若手の仕事人が致命的なミスを仕出かしたところで中程。

ロケ地

  • 儀助が怨嗟の歌を詠む土手、不明(セットか)
  • 源太がからくりの店を出す縁日(?)今宮神社高倉下。暗殺者であることに悩み青臭い感慨を述べる源太を手厳しく諌める小五郎のくだり、源太が腰掛けているのは稲荷社西側の石垣・南望のアングル。
  • 儀助が「黒頭巾」に変じるところを目撃する用人たち、および小山内家下男・喜平を黒頭巾に仕立てて殺す場面でも出る「稲荷」、竹中稲荷かセットか。

*母は池上季実子、スポイルされた息子は荒川良々、途中から主に牙をむく用人は平泉成。


第11話 「仕事人、死す!!」 2009.4.10

 一度生じたゆらぎは大きな亀裂となり、悪い流れは底なしの闇へ。仲間の助けも身内の心配も届かず、悪女の陥穽に落ちた青年は、それでも筋を通して逝く。

ロケ地

  • 江戸入りしたお富が頭をめぐらす門、南禅寺三門。
  • お富にアガリを渡す焼津の末吉、今宮神社合祀摂社。
  • 源太に「父」大津屋の話をするお富、罧原堤下汀
  • お富を怪しんで尾けた作太郎が目撃する悪党ツナギの現場、今宮神社高倉下。
  • 源太を荼毘に付す野原、酵素河川敷。

*母と偽り源太を利用しようとした「近江の女狐」と称される悪女・お富は浅野ゆう子(源太に吊られ)、手下の末吉は岡本光太郎、グルの貸元は菅田俊。
*仕事を見られた源太と、目撃者の同僚と、二人とも殺るつもりだったと嘯く小五郎はその後もニヒルに決め、渡辺家コントも不貞寝のやるせない背でキメる。「源太死す」は若手刑事殉職ふうの作り。


第12話 「冤罪」 2009.4.17

 義賊と評判をとる盗っ人は蔓付き、潮時と見るや当りをつけておきスケープゴートを仕立てて高笑いの、とんでもない腐った上つ方を、仕事人たちは怒りを込めて仕置き。二人引き受けた小五郎の的の一つが、誰とも知れぬ「影」の手にかかり謎を残す。

ロケ地

  • 源太の塚に参るお菊、酵素河川敷・木の傍。石川六右衛門の話をする涼次、御室霊場・お堂前。
  • 長田清兵衛の梟首、酵素河川敷・竹林際(柵あしらい)
  • 晒し首を見に来ていた「六右衛門」為蔵が入ってゆく屋敷、宝厳院通用門。

*六右衛門として処刑されてしまう食い詰め浪人は松村雄基、妻女は渋谷琴乃。善人面の外道奉行は小林稔侍、グルの与力は上杉祥三と片桐竜次、盗っ人の為蔵は本田博太郎(ちょっとキレた系、足運びがナイス)。


第13話 「給付金VS仕事人」 2009.4.24

 人別からはずれあがき苦しむ民を詐欺のネタに使い、虫けらのように始末する外道ども。かつては自身も虐げられた民のひとりだった、闇に潜んでいた青年は姿を現し、三番筋に手助けを求める。

ロケ地

  • 為蔵を殺して去った「影」を追うも船で逃げられる涼次、沢の池か広沢池か(突き出た州に船着きあしらい、静水域/夜間撮影)
  • 帳外れを追い立てにゆく小五郎と伝七が乗り込む船、八幡堀。彼らが住む「土手」のくだり、小五郎たちが現れる見上げの「土手」は大覚寺大沢池堤、「住まい」は大覚寺天神島に苫屋などあしらい。
  • 「土手」で出会った小五郎と匳が場所を変えて話す葦原、西の湖園地
  • 闇の影が匳であると涼次に告げるお菊、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 上総屋をつける匳、そのあとをつける涼次のくだり、八幡堀(白雲橋、堀端、明治橋たもと等各所)上賀茂神社ならの小川畔。上総屋が入ってゆく町年寄拝領屋敷は聖護院長屋門
  • なぜ匳を見逃したかと問うた主水の言葉を噛み締める小五郎、八幡堀堀端。それを眺めやるお菊のカットは松竹オープンセットの橋上。
  • 利用された帳外れたちが集められ虐殺される小屋、不明(小屋のすぐ後ろに「小丘」あり、安土か)
  • 匳が上総屋を仕留めるくだり、女郎屋から逃げてきた上総屋がくぐる門は大覚寺大沢池木戸大沢池溢水口に匳が潜み、上総屋を有栖川に落としこんで仕置。きれいに上がる水しぶきがいかにも必殺。

*土手に住む恋人たちは浅利陽介と森田彩華、逃散者設定で男のほうは匳の弟分。お上の振舞金を懐に入れるため帳外れを利用する悪党どもは、町年寄が楠年明、北町年番与力が勝部演之、地回りが壇臣幸、口入屋の上総屋が石丸謙二郎。


第14話 「武士の異常愛」 2009.5.1

 異常者と知らず縋り、凶悪な運命を誘い込んだ娘哀れ。血を吐くような母の叫びが三番筋に響き、仕置はシステマティックに進行する。

ロケ地

  • 三次がおゆうを抱きすくめるところへ出て追い散らす森岡ら、仁和寺観音堂脇。
  • 如月とおゆうがお参りの富岡八幡宮、車折神社拝殿、参道(露店あしらい)
  • 徳次郎の文を読むおゆう、帰り旅イメージは大覚寺大沢池畔。
  • おゆうの目の前で森岡が三次を斬るくだり、仁和寺塔付近林間、九所明神。
  • 森岡の異常さを母にも解って貰えず、物思いに沈むおゆうが腰掛けるお堂、大覚寺護摩堂。放生池堤を如月がやって来て、お堂脇から森岡がにゅっと顔を出す。
  • おゆうと徳次郎が会う約束をしていた門と石段、金戒光明寺三門と石段。

*変態ストーカーの南町同心・森岡は山口馬木也、手先をつとめる粗暴な目明しは谷口高史で子分は岩佐好益。おゆうは井上和香で母は烏丸せつ子、恋人の宮大工・徳次郎は木村康志、小物ストーカーの三次は山本竜二。
*目明し殺しは三人がかり、お菊が色仕掛けで誘い込み涼次と匳が連係して仕留め。


第15話 「昔の女」 2009.5.8

 傷つき倒れた抜け忍を拾ってくれた「昔の女」と再会する涼次、しかし不幸な人生を送ってきた女はいっぴきの夜叉と化しており、褥を共にしたその夜に黒い企みの口火を切らせていた。

ロケ地

  • 涼次の回想、討手に追われ落ちた崖、保津峡落合落下岩。おゆきが倒れている涼次を見つけ駆け寄る河原は河口汀(右岸)。場所の設定は劇中からは読み取れず、涼次は「伊賀の抜け忍」設定。
  • お菊が小五郎におゆきに対する疑念を吐露する神社、伏見稲荷千本鳥居
  • おゆきが悪事の仲間とツナギをとる屋形船、松本酒造前土手下によその川を合成(刺客請負人最終話で出た絵の使い回し、役者入らずのイメージ映像)
  • 地回りのお供を斬る小五郎、松本酒造前東高瀬川堤。遠景ではシャープな絵、アップのシルエットは輪郭をぼやかして効果付け。
  • 駕籠を降ろされた地回りを斬る小五郎、腰掛けて待つのは大覚寺五社明神舞殿。

*おゆきは伊藤裕子、グルの地回りは手塚秀影。とんだ悪女を嫁に迎えてしまう川兆の若旦那は田中実、母は絵沢萌子で妹は宮本真希←このコが危機一髪を匳に救われ三番筋へ。


第16話 「食品偽装」 2009.5.15

 疫病かとも噂される、謎の一家悶死事件は裏あり。知らずに、または強要され悪事に関わった青年たちは、二人ながら恋した娘も道連れにして散ってしまう。

ロケ地

  • 毒小豆事件についてツナギをとる「墓地」、化野念仏寺石仏群。
  • 喧嘩沙汰を起こした賭場から逃げてきて一息つく匳と佐吉、上賀茂神社神事橋
  • 志乃を殺せと命じられた佐吉が彼女を連れ込むやしろ、鳥居本八幡宮。自訴して出ると主張し消された四郎の亡骸が本殿前に、自刃を装い置かれている。

*養生所で働く志乃は貫地谷しほり、彼女が慕う若い医師・池部四郎は崎本大海、志乃に恋するも叶わぬと知り狂気に走る小豆屋番頭・佐吉は尾上寛之。毒小豆の処置を頼んだ篠山藩勘定方は天宮良、引き受けた小豆屋の主は佐藤二朗、弟子に致死量を調べさせていた養生所の医師は大杉漣。


第17話 「ゴミ屋敷」 2009.5.22

 老境に差し掛かった始末人の女は、アジトにしているゴミ屋敷に遺棄された年寄りたちを世話、不思議なコミュニティができあがる。維持するための資金は屋敷に隠されていたヤバい金、持ち主の賊が彼らをそのままにしておく筈もなかった。

ロケ地

  • 匳が連れに幽霊屋敷の噂を聞く釣り船、広沢池東岸近くに浮かべ(夕景)
  • お菊が小五郎にあやめのことを聞く祠、大覚寺天神島
  • 関所を通る土蜘蛛の十兵衛、不明(林道か)
  • 八重をつけるお菊、大覚寺天神島北辺並木
  • 臨検に引っかかった土蜘蛛一味の男が舌を噛み果てる渡し場、沢ノ池東岸
  • 事後、野末の塚に立ち尽くす主水、酵素河川敷(木の根方に石仏あしらい)

*曰く付きの骸を引き受ける「始末人」のあやめは加賀まり子、主水と旧知設定で呼びかけが「八丁堀」。凶賊・土蜘蛛の十兵衛は綿引勝彦、手下の女・八重は松岡由美。彼女を情婦にしている、賊とグルの旗本は立川三貴。
*ゴミ屋敷はセット、犬猫の声の演出が病的でリアル。


第18話 「的は婿殿」 2009.5.29

 小五郎を的の依頼が三番筋に持ち込まれ、七年前の因果が明るみに。恨みは晴らしてやるものの、「婿殿」の心は重く沈むばかり。

ロケ地

  • 寺島村の情景、西の湖園地。太鼓橋や中島が使われ、汀の一部は大覚寺大沢池や放生池堤を併用。
  • 作事奉行・藤野邸、大覚寺大門

*依頼者の飴売り娘は柳生みゆ、七年前失踪した姉は宮地真緒。藤野家へ婿養子に入った小五郎の学問所時代の朋輩は哀川翔、義母(先代の後添え)は北原佐和子、秘事をともにする用人二人は下元年世と須藤雅宏。
*仲間に探られ見張られてご気分害した小五郎、お菊と匳に凄んでみせるが涼次にはフォロー入れ。


第19話 「玉の輿」 2009.6.5

 大店の後妻におさまった女は魔物、慕った人を知らず悪い運命に導いてしまった如月は、三番筋に念晴らしを訴える。

ロケ地

  • 夜鷹・おみつの苫船が舫う大川端、大覚寺大沢池北辺水路畔。
  • おみつを促しお鈴に会いにゆく如月、大覚寺放生池堤神護寺石段(半ば上ったところで別れ、如月は水辺で待つ)。お鈴と会うおみつは神護寺金堂(お鈴はバルコニーから現れ、二人話すのは金堂基壇脇で、背景に多宝塔が映り込んでいる)
  • ウチが死なせたと悔やむ如月に、仕事人による制裁を示唆する涼次、流れ橋上。
  • おみつの塚に参る如月、大覚寺遣水跡(池から見た絵もあり)

*DV父を刺殺し失踪していた姉・おみつは小島聖、実は劣情を催させた当人だった妹のお鈴は原田佳奈。妻を殺されたあとお鈴を後妻に迎え、財産を譲ると約した途端殺される備前屋は大和田伸也。毒婦と組んでいた手代は蟹江一平、手を貸した浪人は四方堂亘と加藤正記。


第20話 「女の一分」 2009.6.12

 恋しい男を仇と狙わねばならぬ娘、己に罪は無いのに娘のため斬られようとする男。しかし娘の父が斬られた事件そのものに作為、今や二人ともが権力者にとって邪魔な存在だった。娘の母の血に塗れた頼み料を前に、若い仕事人たちは武家の意地を批判する。

ロケ地

  • 編笠浪人の顔を覗き込みからまれる貴恵、仁和寺観音堂前。外回り中の小五郎と伝七は参道にいて、騒ぎを聞く運び。
  • 貴恵の父が津田兵馬に斬られた出羽・本荘藩領、大堰川河川敷。
  • 本荘藩邸、大覚寺大門。探りに来ていた隠密が藩大目付の用人に斬られるのは大覚寺御殿川河床。土左衛門で見つかる川端は広沢池東岸
  • 貴恵に求婚するも言葉半ば、百合を買い求め捧げる伝七、仁和寺鐘楼前石畳に茶店や花売りの露店あしらい。
  • 津田兵馬の回想、貴恵のため百合を摘んだ故郷の河原、桂川・松尾橋上手中州流れ込み際の汀。
  • 川辺に佇む貴恵、桂川・罧原堰堤下。やって来た伝七に故郷の川に似ていると話す。
  • 藩邸内での仇討ち、大覚寺宸殿前白州

*貴恵は原田夏希、父は峰蘭太郎で母は芦川よしみ、「父の仇」の津田兵馬は姜暢雄。藩金使い込みを隠蔽するため貴恵の父と兵馬を陥れた大目付は原田大二郎、グルの近習頭は伊庭剛、悪徳商人は大河内浩、荒事担当の大目付の用人は平山祐介。


第21話 「最終章〜仕事人狩り!」 2009.6.19

 小五郎の剣の師匠が携わっていた極秘任務に、仕事人が巻き込まれてしまう。師匠の奥方の嘆きを見た小五郎は彼女を頼み人とするが、元々無謀な仕事のうえ偽物まで出てきてしまい現場は混乱、お菊を逃がそうとして陽動に出た涼次は捕われてしまう。

ロケ地

  • 師匠が小五郎に会いに来るくだり、仁和寺。気配に気付く小五郎は観音堂脇石畳(露店あしらい)、対峙したあと師匠が名乗るのは五重塔脇、用件を切り出すのは中門で二王門越し遠景(雙ヶ岡方面)姫路城天守を合成、「近くあの中が大変なことに」と師匠の発言。このあと師匠宅へスイッチ、大老を狙う向きありと話す段で出るイメージのお城も姫路城・西の丸からのビュー。
  • 仕事人に頼みにゆく師匠だが、お面つけたのが出てきてしまう夜の神社は鳥居本八幡宮。師匠が呼ばわるのは舞殿前、お面が出てくるのは本殿前。
  • 大老暗殺を企てる一派の領袖である老中・加納肥後守邸、随心院大玄関
  • 敵方に潜入するも露見した師匠、切腹の場は金戒光明寺方丈前庭。
  • 仕事人として讒訴された者の、見せしめじみた詮議が行われる役所、随心院長屋門
  • 加納邸の仕事を終えたメンバーが集まる、お菊は辿り着くものの涼次は来ずの待ち合わせ場所、粟生光明寺石段上部。坂を上ってきたお菊のシーンで、見返りに庫裏が来る演出も。

*師匠・雨宮は勝野洋、奥方は若村麻由美。老中・加納は杉本哲太、家来に宮川一朗太や鷲生功や国本鍾建。大老は神山繁。


第22話 「最後の大仕事!!」 2009.6.26

 涼次が捕われたまま、なす術もなく日は過ぎ、保身をはかる大老により若後家が消され、三番筋に念晴らしが託される。これにより、的は大老と老中二つに。

ロケ地

  • 捕われた涼次を救う手立てはと沈むチーム、粟生光明寺石段上。
  • 荒らされた涼次の家を見てきた帰りの匳、後ろを見つつゆく道は随心院裏塀際。その後セットにスイッチ、瓦版屋に突っかかり。
  • 老中・加納邸、随心院大玄関
  • 江戸城イメージ、姫路城天守か(シルエット)
  • 大老がきよを呼び出す家、イメージに広沢池北東岸民家を水面越しに遠望。
  • きよが大老の指示で斬られる帰り道、上賀茂神社ならの小川畔。遊ぶ子らが神事橋を渡ってきて、暗殺者はとどめをささずに去る(→虫の息で三番筋へ辿り着き)
  • 小五郎の出陣、随心院長屋門前路地(東望)、お面つけたほうの仕事人が老中邸へ討ち込むのはセットの門、これを受けて警護の人数が減った玄関へ小五郎が立つのは随心院大玄関
  • 大老邸、随心院薬医門(間もなくお帰りと声)、帰還する大老の駕籠は参道を来て南へ、立ち回りは薬医門と拝観口の間くらいで。
  • 事後、如月が曳く大八に乗せられた涼次に仕事量プラスαを渡すお菊、西の湖園地・葦原。お菊が花を供える源太の塚も園地汀のヤナギの根方(「当時」のロケ地は酵素)、回想の源太がゆく市中は仁和寺中門。涼次たちがゆく、富士の見える街道は西の湖園地に富士山合成。

*涼次を拷問する「専門家」巳ノ助は火野正平、スキンヘッドも背丈も怖さを助長・出てくるだけでサマになる。老中の意を受け恣意的な瓦版を作る版元は寺田農、わりとあっけない。


参考文献 必殺仕事人2009公式ガイドブック 朝日新聞出版
参考/必殺仕事人2007必殺仕事人2010

*放送された画面には「第○話」とあるだけで、サブタイトルは表示されていませんでした。ここに挙げたサブタイトルは、レコーダーに自動で入っていたものを記述しました。


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