八百八町夢日記

第二シリーズ、1991〜1992年 日本テレビ/東映

キャスト
榊原主計頭忠之(変名・榊夢之介、北町奉行)/里見浩太朗
観音寺伝蔵(北町与力)/長門裕之
八田真四郎(北町同心)/船越英一郎
おつや(酒肆・えんま娘)/中田喜子
五郎八(酒肆・えんま主人)/名古屋章
お杉(酒肆・えんま女中)/立原ちえみ
お初(次郎吉女房)/未来貴子(初回SPのみ)
ねずみ小僧次郎吉(通名・三郎三)/風間杜夫


スペシャル 「みちのく忠臣蔵」 1991.10.8  

 二百年に亘り確執を持つ、隣り合う南部・津軽の二藩を利用し漁夫の利を得ようとするワル。お奉行は二藩の諍いで町衆にまで被害が及び、また戦となれば大勢が苦しむと調査に入る。しかし南部へやった次郎吉が、関わった侍夫婦を自宅の絵草紙屋へ行かせたことでお初が巻き添えを食い落命してしまう。
このことで次郎吉は荒れ一時夢之介たちから離れるが、お初が庇った侍の不可解な行動が引っ掛かり戻ることに。果たして侍は天晴れ忠義の士、妻女を離縁し脱藩、誰にも迷惑かからぬ立場に己を置いてから藩主の遺恨を晴らそうとしていた。

ロケ地

  • 深川・閻魔堂橋で南部藩士・関前に鞘当て因縁をつける津軽藩士たち、中ノ島橋(五郎八の店は橋が見える位置設定)
  • 奉行の要請で南部へ発つ次郎吉がゆく道、広沢池東岸谷山林道
  • 津軽藩邸、随心院薬医門(殿様が鷹狩に出るシーン)
  • 南部藩士・相馬大介夫婦が津軽忍者・道の者に襲撃される峠、谷山林道切り通し(両側)
  • お初の墓、大覚寺聖天堂前・護摩堂裏に墓石と塀あしらい。
  • 相馬に三下り半を突きつけられた妻女を見送る次郎吉、大覚寺放生池堤
  • 矢立峠で津軽藩主の駕籠ほ砲撃する大介、谷山林道頂上付近・愛宕道分岐の切り通し(砲を据えるのは向いの崖道)
  • 大介が磔になる刑場、酵素河川敷(近くの茂みで妻女が自刃)

*相馬大介に堤大二郎、彼を腹心とする江戸家老に堀内正美(老中や津軽忍者とグルの悪者、今回のラス立ち大わらわ要員)、老中・安倍豊後守に大出俊(なかなか狡猾)、お奉行と気脈を通じる老中・土居に夏八木勲(ピンチの夢之介を助けに入る。言い訳は碁の約束の日を間違えてワハハ、ついでにこの浪人に仔細を聞くからついて来なサイなどとやる狸ぶりがなかなか)。五郎八は名古屋章、お奉行との馴れ初めを語る場面あり。娘・おつやと飯屋を経営、二人は密偵をつとめる。レギュラー陣ではほかに八田同心の馬鹿ギャグあり、夢之介が用心棒に雇われる芝居に参加、夢さんに帯切られて逃げ去る役をするが、帰り道娘たちに笑われ「見たけりゃ見ろホレ」とばっと前を広げキャー、「なんだ褌くらいで今時の娘は」と立ち去るが、褌は下に落ちているという趣向。
*関前に鞘当て因縁の藩士の一人に福ちゃん。


第1話 「偽りの花嫁」 1991.10.15  

 殺し屋の隠れ蓑に使われてしまう、婚期を逸した寂しい女。しかしはじめから彼女を見ていた大工は、なりこそむくつけき熊のような男やもめなれど、優しい実のある人物でハッピーエンド。

ロケ地

  • おときが近所の子を連れて行く明神さまの縁日、大覚寺五社明神。ここで羅宇屋の小平次と出会う。後段では舞殿や祠も使用。
  • 殺し屋が合図に使う蔵前・光照寺の御籤堂、大覚寺護摩堂。ここを見張りの際には石仏裏から。
  • 流派をめぐるトラブルを抱えていた茶の宗匠が殺されて見つかる市中、大覚寺天神島
  • 事後、おときと朝吉が楽しそうに子らと行く市中、仁和寺参道〜中門。

*おときは大塚良重、大工の朝吉は丹古母鬼馬二。殺し屋の首領・小平次は伊吹剛、手下の唐物商は小林勝彦、殺し屋メンバーに伊藤敏八や福本清三、中嶋俊一など。


第2話 「私が惚れた男」 1991.10.22  53

 男を人殺しの盗っ人と知ってのちも慕い、待ち続けた女。舞い戻った男が見せつけた現実は酷いものだったが、女はしゃっきりと背筋を伸ばし己の道を歩んでゆく。

ロケ地

  • 遊び人の吉蔵が殺されて見つかった水辺、大覚寺大沢池(八田の回想)
  • 老盗・甚左から土杵一味の話を聞く五郎八、清滝河原(甚左爺さまは釣りの最中)
  • お葉の回想、父の土左衛門が上がった水辺、嵐峡
  • 藤兵衛が呼び出され殺される鳥塚のやしろ、鳥居本八幡宮
  • 芝居仕立てで大黒屋に取り入る夢之介、大覚寺五社明神(変装した八田が木の陰から矢を射掛け逃走)
  • 金を独り占めしようとしたかしらを殺した竹林(大黒屋の回想)、北嵯峨か。思い詰め政五郎を殺そうとしたお葉のシーンも同所。

*お葉は余貴美子、政五郎は佐藤仁哉。大黒屋は原田清人で用心棒の先生は波多野博、土杵のおかしらは高桐真、他の子分は成瀬正孝や江幡高志。


第3話 「情け深川えんま橋」 1991.10.29  53

 姉の苦労も知らず拗ねてグレていた青年が、事件に巻き込まれて更正する成長物語。いけすかない姉の情夫は、血も見る汚職事件に関わっていた。

ロケ地

  • 福島屋が殺された稲荷、鳥居本八幡宮。鳥居前に朱のを二、三足してある。斬られた福島屋はけっこう派手に石段落ち。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守(福島屋の始末報告のくだり)
  • 福島屋の財布が流出した件で三者協議の船宿、錦水亭東屋外観。内部はセット撮りで、窓からひらりと逃げた夢之介が船をやるシーンがあるが八条池ではなく別の水面。
  • 八田から逃げて家に戻れなくなった清次がお供え盗って食う祠、仁和寺九所明神本殿脇の祠。飯田屋が雇ったヤクザが出て捕まるところ逃走、林を駆け抜け九所明神鳥居へ、その後は映画村オープンセットにスイッチ。
  • 材木石奉行・鳥居邸、相国寺大光明寺(門越しに式台玄関と方丈の大屋根。
  • 姉弟で出したおでんの屋台を見に来る五郎八、そのさまを遠目に見て去る夢之介とおつやが渡る閻魔堂橋は中ノ島橋

*清次は宮本直紀、姉のおのぶは日向明子、彼らの面倒を見ていたおでん屋の親爺は阿木五郎。おのぶの情夫の材木改方・五味は亀石征一郎、鳥居は田中浩で悪徳商人は幸田宗丸。よりにもよって五味に不正を告発して斬られた福島屋は石浜祐次郎。
*鳥居の配下、逃げっぷりが他家と違い鮮やか。


第4話 「春遠からじ」 1991.11.5  53

 能面の凶賊が出没、逃げる際見張り女の顔を見た少女は目を傷めてしまう。その口を封じようと賊が動くが、かしらの情婦の見張り女は、なぜか少女を庇うのだった。

ロケ地

  • 能楽師・森藤十郎を怪しみ、屋敷近くへ船を出させる夢之介、広沢池東岸。森の屋敷は中山邸門、近くに住む医師・祐庵邸は不明(セットの可能性あり)。祐庵に化けて藤十郎宅へ入った夢之介の意を受け、目撃者のおみつに首実検させるべくえんまへ走る三の字、通る路地は不明。
  • 所払いとなっておみつとともに故郷へ帰るおすがを見送る道、広沢池西岸沿いの道、背景に北嵯峨農地と遍照寺山。

*アル中亭主の借金のため売られたおすがは速水典子、父の死後侘びの言葉を伝えに母に会いに来たおみつは塙紀子。おすがを身請けした藤十郎は磯部勉、幕府お抱えになるため資金を要し盗みをはたらく次第。手下は草見潤平や西園寺章雄、屋敷で騒がしくバクチ打ってる男の一人に福ちゃん(ラス立ち出ず)。医師・祐庵はうえだ峻。
*今回はお奉行乗り込み時にいるのが盗っ人ばかりなので、いつもの「関わりなき者は去れ」はなくて「神妙に縛につけ、さもなくば斬る!」。


第5話 「男泣き、別れ町」 1991.11.12  53

 出世への嫉妬と妻女への横恋慕でライバルを暗殺した男、その行為は人知れず暖めてきた中間の恋を照射する。しかし愛の成就はなく、御家再興を見届けた忠僕は江戸を去ってゆく。

ロケ地

  • 奥方や子息とともに又八が大八を曳いて借家へ向かう道、妙心寺玉鳳院前路地
  • 手習師匠の口を断られる奥方、常寂光寺仁王門前。
  • 三原の屋敷から奥方を救出し連れ帰る夢之介、三原とのいきさつを聞く道は妙心寺東海庵脇路地
  • 江戸を去る又八を見送る奥方、妙心寺玉鳳院前路地(東望)。又八の背を見送るお奉行、妙心寺涅槃堂前路地(西望)

*又八はベンガル、彼が仕える高島家の奥方は北原佐和子。横恋慕の旗本・三原は伊東達広で用人は唐沢民賢。三原の使嗾で又八に喧嘩を吹っかける大工に福ちゃん。


第6話 「神様が憎い!」 1991.11.19  53

 泥棒志願の青年を、仕方なく引き受ける羽目に陥る五郎八。そも青年が自棄を起こすきっかけの事件は五郎八に起因していたが、一度は憎んだ神の正体に気付く青年であった。

ロケ地

  • どうでも弟子にしろと聞かない国松を店の外に連れ出してシメる五郎八、大覚寺大沢池堤・水門そば。
  • 国松の回想、父母を相次いで亡くし弟妹を抱えて困り果て祈った下谷・御霊神社、木島神社本殿(盗めのあとの五郎八が隠れていて、道場から五両を彼に投げる)
  • 牢から出たものの弟妹は見つからず自棄になっていた国松に、五郎八を「紹介」した甚左(釣り)大覚寺放生池畔。
  • 福島屋での盗難騒ぎのあと、五郎八の厚情に謝する国松、大覚寺大沢池畔。
  • 尾張藩下屋敷、妙心寺龍泉庵門。

*国松は西山浩司、甚左は浜田寅彦。国松が返済金を盗ってしまう福島屋は佐竹明夫。材木の値を吊り上げる材木商は福山升三、グルの尾張江戸家老は原口剛←福島屋の娘を狙う色魔。


第7話 「灯明台の灯を守れ」 1991.11.26  

 灯台守を抱き込んで船を座礁させ、積荷の大金丸獲りを目論む船奉行。彼らに手を貸す元目明しは、かつて「次郎吉」を捕り方から助けてくれた正義漢だった。

ロケ地

  • 老中が伊達の入り費強奪阻止のため緊急招集のお城イメージ、姫路城天守
  • 老中談、白河山中で襲われたダミーの荷駄、酵素ダート
  • 相州・八幡崎の灯台、琵琶湖畔。灯台直下の岸は石積護岸、夢之介が五郎八に座礁計画を解説する段では宮ヶ浜あたりから見た沖ノ島の島影も。
  • 久米蔵と伊予吉の墓、仁和寺御影堂(内側の塀際)。帰り道の夢之介、水場脇石段〜観音堂前(建物は映らず、背景に塔)

*灯台守の久米蔵は土屋嘉男、娘だった品川女郎は藤奈津子、恋人で久米蔵の下っ引だった伊予吉は中嶋俊一。ワルの親玉の船奉行は中田浩二で腹心は曽根晴美、悪徳回船問屋は田口計、浦賀奉行所与力の元南町同心は田中弘史。老中は西山辰夫、幕閣に玉生司朗や市川男女之助。ラス立ち福ちゃんや峰蘭さん入り、浪人姿。
*「相州」八幡崎の設定は??、対岸の房州になら八幡はあるケド。


第8話 「うわさの伊達男」 1991.12.3  54

 悪党がタッグを組んでの恐喝事件に、八田同心のラブ・アフェアがからむお話。みんなにさんざんからかわれ、女には振り回されの八田さまが大笑い。

ロケ地

  • 役者と忍び会ってきた帰りの鶴屋の女将が岡っ引くずれに恐喝される市中、今宮神社高倉脇坂〜稲荷社脇。
  • 一味についての報告をおつやから聞く八田、仁和寺観音堂脇に茶店あしらい。

*八田が入れあげるお袖は石倭裕子、恐喝の金届けをお袖に頼む鶴屋の女将は桂川京子。恐喝グループの黒幕の旗本は内田勝正、御数奇屋坊主は菅貫太郎、岡っ引くずれは工藤堅太郎で役者は有光豊。大金を強請られかける藩の御留守居役は溝田繁。
*お袖は筆屋の看板娘、「舐め筆」で評判という設定。ラストに筆舐め実演あり。


第9話 「子を思う闇」 1991.12.10  

 凶賊が跋扈し世は騒然、奉行に非難が集中するが、悪党の狙いはソレ。捜索には、凶行に怒った元盗っ人の爺さまたちが乗り出してきて、ひとしきりギャグをかますが、しみじみ哀しい縁も隠れているのだった。

ロケ地

  • 黒姫一味が巣食う紅梅屋敷(元中臈の屋敷)大覚寺勅使門
  • 幕閣に責められるお奉行を庇い励ます朝比奈弾正、話す庭は大覚寺勅使門前のポーチにガーデンセット置いて・背景に有栖川の護岸が見える。
  • 小間物屋でお買い物のお中臈一行を怪しんで覗いた三の字、一味に気付かれ襲撃を受けるのは大覚寺五社明神裏手
  • 鹿蔵を紅梅屋敷から救出したあと、一同が話すのは大覚寺天神島。話を聞いていたおらんが自刃するのは対岸の北辺水路畔、向かい合う鹿蔵とおらんを横から見た珍しいアングルも(水中から西望か)
  • 事後、リタイア三人組がうどんを食う茶店、大覚寺放生池畔にあしらい。鹿蔵は池辺に佇み沈み込む。

*鹿蔵は織本順吉、伊之吉は玉川伊佐男、五郎八の昔の仲間。鹿蔵の娘だったおらんは三浦リカ、黒姫の仲間は石倉英彦、重久剛一、上野淳。お奉行を失脚させ息子を後釜に据えようと企んでいた黒幕・朝比奈は高野真二。


第10話 「おつや、涙の再会」 1991.12.17  54

 異国へ売り飛ばす女をさらう一味あり、物色担当の男はおつやの元恋人、訳あってわざと手ひどく振った彼女を恨んでいた。

ロケ地

  • おつやと清吉が再会する稲荷、今宮神社稲荷社。二人話しながらの帰り道は東参道。
  • おつやに妙な頼みごとをする清吉、今宮神社東門内石橋上。
  • 清吉の墓、大覚寺か。

*清吉は速水亮、悪い回船問屋は江見俊太郎で黒幕の船手頭は永井秀明、日本娘を買い付けに来ている怪しの唐人は木村栄。


第11話 「命がけ鉄火肌の女」 1992.1.7  54

 いつも三の字と口喧嘩の元気な姐御が、とんだ事件に巻き込まれ、たったひとつの弱味をタテにとられ、哀しい過去も蘇る。悪党が飼ってる狂犬メチャ怖。

ロケ地

  • 強引な取立てをしたお銀が追っかけられ逃げ込み、惨事を目撃してしまう浅草・妙法寺、粟生光明寺。山門へお銀が逃げ込み、悲鳴を聞き中へ。墓地から、石段を上がったところに立派な駕籠が二基あるのを見て、本堂南側の崖から方丈前石庭を見下ろし、大奥の女や僧侶が斬られるのを目撃する運び。狂犬が目ざとくお銀を見つけたため逃げ出すと、元からお銀を追っていた男たちと出くわしてしまうのは紅葉道の薬医門。
  • お銀が伊勢屋の息子に会いにゆく権現様、大覚寺五社明神本殿前(近所のガキとチャンバラごっこ中)。子供にやる人形を選んでいるところへ出た狂犬から逃げ一息つくお銀と三の字、大覚寺大沢池木戸(御殿川映り込み)。伊勢屋の子は自分が産んだ子と告白するお銀、大覚寺天神島
  • 狂犬が子をさらいお銀に来るよう指定する采女ヶ原、崖の下のアレ(小滝映り込み)。
  • 子を助け出し、待っていた伊勢屋夫婦に渡すお銀、大覚寺護摩堂前。その場を駆け去ったお銀が座り込んで嗚咽をもらす水辺、大覚寺放生池堤

*お銀は東てる美、狂犬は伊藤敏八、飼い主の寺社奉行は黒部進、腹心は高峰圭二。寺社奉行に賂を渡していたものの切り捨てられる呉服商は高桐真、「強引だが涙もろい」性格に付け込み、「家に病の妻と八人の子」などというくっさい泣き落とし芝居で中に入り込む夢之介が笑える。


第12話 「哀しみの刺客」 1992.1.14  

 殺しを生業とする青年は、幼い頃亡くした妹の墓をたてる金を貯めていた。お杉に妹を見た青年は、彼女を助けるためゴロを巻くが、それは殺し屋の掟に触れるのだった。

ロケ地

  • お杉がお使いに行く道、松本酒造前東高瀬川堤。ゴロツキに無体を仕掛けられる水辺は広沢池北岸(水少)、政は斜面の林に。お杉を送ってゆく際小休止の川べりは東高瀬川、水量多し。
  • お奉行に化けて殺し屋の的になる観音寺、広沢池東岸。設定は深川狸堀。
  • 本所片葉堀そばにある政の掘っ立て小屋、広沢池西岸湿地に設営。
  • 政の形見となった竹笛を吹くお杉、中ノ島橋たもと。

*政は宮崎達也、殺し屋の仲間二人は浜伸詞と福本清三(仙十郎でクレジット)。札差を出し抜こうとした旗本は西沢利明、殺し屋の元締は上田忠好。


第13話 「ツいてない男」 1992.1.21  54

 初めての盗みをしくじった挙句、間わるく島送りとなった表題通りの男。酒席の与太話に腕っこきの錠前破りだったと吹いたもんだから、盗っ人の仲間に引き込まれかけ、脅しのネタには生き別れた娘が使われてしまう。

ロケ地

  • 与太話を八田に聞かれ番屋へ引っ張られた銀次、五郎八が引き取っての帰り道、身の上を話すのは大覚寺放生池堤大沢池畔。三の字が五社明神の祠の陰で聞いている→生き別れた娘の人相を聞いて「あの娘」と思い出し。
  • 上司が隠匿したブツを持ち出しお奉行に届けようとして見つかり斬られた火盗同心、見に出た三の字にそれを託し果てる夜の橋は中ノ島橋
  • 銀次を牢死した錠前師の代わりにしようと企む男のことを夢之介に報告する三の字、大覚寺大沢池畔。
  • 榎本を呼び出し、賊とつるむ件を指摘し恐喝芝居の夢之介、鳥居本八幡宮鳥居前(文には「八幡神社」と記載)
  • 銀次を拒否し駆け去ったお鶴に経緯を話してやる三の字、中ノ島橋
  • 江戸を去る銀次を見送る街道、嵐山自転車道

*銀次は河原崎建三、お鶴は田中雅子、お鶴を引き取り育てた夫婦は松熊信義と志乃原良子。盗っ人を追い使い猟官運動資金を得る火盗長官は小林勝彦、グルの与力・榎本は中田博久、お奉行に上司の悪事を伝えようとした同心・井筒は筒井巧。賊には出水憲など強面揃い。


第14話 「うたかたの晴れ着」 1992.1.28  

 父を支えて健気に生きる娘に降りかかる災難、身勝手な姉が持ち込んだうまい儲け話は、果たしてヤバい連中とつながっていた。

ロケ地

  • 七之丞が見合いの席に使う料亭・鶴善、嵐亭。中門に店名の額、座敷は延命閣で中も前庭も使う。
  • 鶴善を出てきた姉妹にあれは騙りと告げる三の字、大覚寺聖天堂前。
  • 七之丞らをつけた八田に刺客が襲い掛かる市中、大覚寺五社明神
  • 七之丞が旗本・相良邸へ入ったことを夢之介に報告する三の字、大覚寺大沢池畔。
  • 牢から出された妹に駆け寄る姉、二尊院紅葉の馬場

*姉弟は三浦リカと小林綾子、療養中の親爺は穂高稔。騙り集団、女形の七之丞は津村鷹志、相棒の十左は江幡高志、黒幕の殿様は菅貫太郎で家来は井上博一。見合いで騙される大店の若旦那は牧村泉三郎。五社明神で八田を襲う侍の一人に福ちゃん。
*夢之介の芝居は大掛かり、年寄りに作り鴻池の大旦那に化け、五郎八・観音寺・八田も参加。


第15話 「泣くな、真四郎」 1992.2.4  54

 不幸な身の上の女に入れあげた八田は、ぼうぼうと恋心を募らせる。そこへ彼女を離縁した男が現れ、何やら悪の手先をつとめている模様に八田カンカン。しかし元夫は義父の無実を信じ、悪の懐に入り込み証拠を掴もうとしていた、天晴れ正義の士なのだった。

ロケ地

  • 藩邸を探りに来た八田に放たれる刺客(中の人は早瀬)二尊院紅葉の馬場
  • 和泉屋の店先で高声を発し「恐喝」芝居を打った三の字、連れ出され始末されかかるも用心棒を捻り上げる、そこへ夢之介が出てやっつけ芝居→その場で用心棒に雇われ、大覚寺天神島
  • 早瀬と千鶴を見送る八田、大覚寺放生池堤。見守る三の字と夢之介は対岸の放生池畔に、五社明神の祠映り込み。

*千鶴は藤吉久美子、不正を咎められ「切腹」した銅山奉行の父は芝本正、千鶴を離縁し江戸家老一派を探っていた元夫・早瀬は井上高志。江戸家老は外山高士で腹心は遠藤征慈、金の横流しで結託する両替商は金井大、手先をつとめるチンピラは井上茂、夢さんが藩邸を脱出する際叩きのめされる藩士に福ちゃん、牢を見張っていて早瀬にドツかれる藩士は峰蘭太郎。


第16話 「女賊ざんげ」 1992.2.11  54

 五郎八が身の上話に同情して拾った牢帰りの女、殊勝に働くと見えて金品さらってドロン。しかし、己の過去をさらしてまで更正を勧める五郎八の真情に打たれた女は、「仕事」への協力で恩を返そうとする。

ロケ地

  • 殺された書家・玉木秋香の墓、くろ谷墓地。贔屓にしてくれた秋香の墓を五郎八が拝みに来て、奥方から仔細を聞く。
  • 牢屋敷から出てきたおこんを見る五郎八、随心院長屋門前路地〜薬医門。
  • 道端でへたりこんでいるおこんを拾う坂、金戒光明寺永運院下坂
  • 事後、八田に連れられ奉行所へ行くおこんを見送る橋、中ノ島橋。セット撮りの「えんまの二階から眺める夢之介と三の字」の絵を入れてある。

*おこんは岡まゆみ、切紙を盗ませ倅に名跡を継がせ奥祐筆に送り込む算段をしていた旗本は御木本伸介、親爺の目論見を台無しにする次男坊は沖田さとし。


第17話 「暗闘」 1992.2.18  54

 抜け荷を探らせていたお奉行だが、潜入した隠密回りをむごたらしく殺されたうえ、三の字の正体をタテに悪行の見逃しをほのめかされてしまう。三の字に惚れた女掏摸の哀話が絡む。

ロケ地

  • 抜け荷を摘発に出役するも、小船を爆破して逃げられてしまうへっつい河岸、嵐峡。対岸から燃えるさまを見た絵もあり。
  • 仙次の回想、二月前に三の字とすれ違った上野池之端、大覚寺放生池堤に茶店しつらえ。

*ひっぱたいて諭す三の字に惚れてしまう女掏摸は伊藤智恵里。抜け荷をはたらく回船問屋は久高惟晴、強面の手下は堀田真三。グルの勘定奉行は石橋雅史、配下に有川正治。獄門のところ勘定奉行の手で隠され飼われている仙次は野口貴史。隠密回りははりた照久。
*「三の字には言うな」とお奉行に口止めされて見張る八田、尾行がバレバレなのに加え調子にのってべろべろに酔い、全部ゲロ←このシークエンスにけっこうな尺。


→ 八百八町夢日記 2 表紙


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