銭形平次

1994フジ/東映  第四シリーズ

キャスト
銭形平次/北大路欣也 お静/真野あずさ 八五郎/三波豊和 万七/伊藤四朗 清吉/山西道広 保科源次郎/三浦浩一 菊村数馬/丹羽貞仁 並木藤兵衛/中村梅之助 笹野新三郎/神山繁


第1話 「夜歩き観音」  

 物騒な事件に見え隠れする仏像は、復讐のシンボル。なかなかに曲者な観音様は、万七に捕われたりもう一体出てきたり。

ロケ地

  • お竜が易占の店を出す縁日、大覚寺五社明神
  • 曰くつきの「観音」の祠、不明(林の傍)。寺の本堂は神光院中興堂で内部も使用(奉納額が納められている場所等はセット併用。寺名は「じょうほうじ」と劇中発音あり)

*ラス立ち福ちゃん入り、浪人のセンセイ。
*因州屋の寮の池からゴゴゴのもう一体の観音様は、お竜の守り仏。なかなかファンキーな機能を持つ。

ゲスト 佳那晃子、川合伸旺、岡部征純、宮口二郎、北見唯一、峰蘭太郎、下川辰平


第2話 「吉凶ちょうちん」  57

 富商の急死が巻き起こす騒動。総領息子は勘当中、きっつい後妻、左前の本家と、ずらっと揃う要因。見苦しい騒ぎのあと、故人の情が明らかになりめでたく締められる。

ロケ地

  • 茜屋の法事が執り行われる寺、粟生光明寺阿弥陀堂(内部を使用)。本家の大旦那が平次に相談を持ちかけるため呼び止めるのは渡廊(話す室内はセット撮り)。勘当息子の乱入後、夜になって寺を出るくだり、番頭が平次に提灯を渡すのは石段上部。寺の名については、劇中「こうさいじ」と出てくるが、築地光西寺か深川猿江町の広済寺か。
  • 後妻が殺されるやしろ、大覚寺五社明神。舞殿に扉あしらい。今回は東面に向拝まで取り付けられている。後妻は鈴の引き布で括られ吊るされて見つかる。
  • 後妻の葬儀のあと、悪事を暴露された大旦那が逃げ込む墓地、二尊院墓地

ゲスト 鷲生功、佐藤忍、守田比呂也、園田裕久、左時枝、御木本伸介


第3話 「呪われた女

 凶賊・髑髏組が横行、引き込みの気配あり。事件に見え隠れする娘には果たして裏あり、盗っ人に育てられた恩と恋の狭間で苦しむ、哀れな魂であった。

*ロケなしセット撮り。賊の首領が使う吹き矢は、一発で効く強烈な武器。

ゲスト 水島かおり、安藤一夫、高城淳一、柴田p彦、岩尾正隆


第4話 「喪服の花嫁」  57

 病弱で子の無い富商の主、持ち上がる騒動は二段構え。見たままの悪党と、忠義面の狼と、辛い境遇から抜け出したかった娘と、総じて闇に消えてゆく。

ロケ地

  • おゆみと所帯を持ったその夜に佐吉が殺される神社、大覚寺天神島
  • 佐吉の墓(埋葬シーン)宝塔寺墓地(多宝塔映り込み)。おゆみに話を聞く茶店は本堂脇の坂の南側にしつらえ(このとき塔は映らず)
  • 山城屋の番頭(主の甥、暫定後継者)がごろつきにおゆみ殺しの前金を渡す神社、吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居下。おゆみ殺しをしくじった夜、番頭を待つごろつきは本殿前(後段の回想シーンでは番頭が三高碑への段を降りてくる)。番頭の死体が見つかるのも、ここの参道脇。
  • おゆみと手代を呼び出し悪事を指弾する平次、吉田神社竹中稲荷参道〜本殿。

ゲスト 八木小織、深水三章、加藤純平


第5話 「最後の賭け」  57

 親の仇を求める、賭け将棋師の娘。彼女の勝負相手の男が殺され、懐中から出てきた曰く付きの駒が、隠れおおせていた大悪党を燻し出す。

ロケ地

  • 旅の棋士・文吉が殺されて見つかる川端、広沢池東岸(現場は別、投棄場所)
  • 駿府へ帰る芝居の加代の前に現れ、殺そうとする浜田屋、山室堤

ゲスト 神保美喜、鶴田忍、江藤漢、玉川伊佐男、高峰圭二、峰蘭太郎


第7話 「鏡の向う側」  57

 捕物の際、庭の蹲に落ちた銭を拾ってくれた娘。生来体が弱く滅多に外へも出ぬ娘の、淡い恋の芽生えと終わりを、ほろ苦く描く。

ロケ地

  • 離れの普請に来ていた大工の三吉がお嬢様を連れ出す水辺、大覚寺放生池堤。おぶって来て、護摩堂に腰掛けさせる。捜しに来た父親を平次が制するのは放生池畔。

ゲスト 坂上香織、志村東吾、古柴香織、樋浦勉、西沢利明、うえだ峻


第8話 「百鬼夜行」  

 夜な夜な現れて市民を震え上がらせる不気味な一団は、奪われたお宝を求める盗賊の残党。盗金を掠め取った臨時雇いの下っ引は、その事件で無実にも関わらず捕まり処刑された男を擁護できず、贖罪の日々を送っていた。

ロケ地

  • お艶とお千代が営業の縁日、神護寺石段下に露店等あしらい。
  • 屋台蕎麦の親爺が「死人の群れ」に襲われる夜の町角、大覚寺閼伽井前。屋台は護摩堂裏手に。
  • 音蔵が堂守をしている閻魔堂、不明。お堂はセットだが、門(内側)と外観が出てきて、このシリーズでも頻出のクリーム色五本線入り塀のアレ。お千代の父の墓もここと思われる、竹林際の塚。
  • 蕎麦屋の親爺と同様、深川八幡の金を盗った賊に摘発に参加していた下っ引だった、今は錺職の男が殺されて見つかる新堀河岸、嵐峡
  • 張り込んでいた保科のダンナたちの持ち場、広沢池東岸。岡っ引殺しが発生。
  • 八丈島で手下に殺される賊のかしら、保津峡落合巌。

*スペシャル拡大枠

ゲスト 美保純、深江章喜、加地健太郎、波多野博、左とん平


第9話 「殺しの絵図」  

 親しくしていた平次に向けて、己が辻斬りだいうとメッセージを送り続けた浪人。愛する人のため命を賭けた彼の行為が、痴れ者の差し金による無駄死にと知った平次は、無礼討ち覚悟で談判におよぶ。

ロケ地

  • 辻斬りに殺られた植木職人の勤務先に聞き込みの平次、植藤造園(萱葺民家)
  • 津山藩上屋敷、大覚寺大門。張り込みの万七たちは御殿川右岸から監視。
  • 子らに稽古をつける寺子屋の先生の神永(元津山藩士)仁和寺観音堂脇。平次が来て津山藩の内情を聞こうとする。
  • 御側室と神永が会う池之端の待合、不明(料亭ふう入口)。そこからの帰り道、恋人だった御側室との昔を思う神永、不明(神社参道か、石畳の坂道で両側に石の玉垣)
  • 神永の自刃後、うまい芝居だったと笑う御側室と藩勘定吟味役、回想シーンで出る神永と菊江が再会した墓参の帰り道、不明(神社か)
  • 藩重役から許しを得て「密会の待合」に駆け戻る平次、渡る朱橋は小椋神社参道・大宮川に架かる太鼓橋。

ゲスト 新克利、岩本千春、石倉英彦、野口貴史、日高久、大出俊、中丸忠雄


第10話 「お静の秘密」  

 お役目に忙殺される夫を案じたお静が、とんだ騙りに引っ掛かってしまうエピソードを配し、平次が追う難しいヤマを描く。お静が間男と邪推して動く万七が賊を焦らせる要因になったり、笹野さまがお静に詫びたりと、賑やかな一話。

ロケ地

  • お静がお参りに行き騙り女に引っ掛かる神社、梅宮大社。お参りは本殿、大凶ばかり入った御籤を引かされるのは東側の建物。後段、万七が尾行する際には、神苑の門を出てきたところが使われ、右へ行けば浜町、真っ直ぐなら明神下の設定。
  • 笹野さまがお静に事情を話し詫びる屋形船、広沢池東岸。池側から船越しに東岸を見る趣向。このとき回想シーンで出る、夜釣りの際怪しの一団を見掛けた海岸は琵琶湖か。

ゲスト 小林勝彦、不破万作、木瓜みらい、堀田真三、芝本正


第11話 「奇妙な約束」  57

 掏摸一家の哀話。勘当息子は親と嫁を思い、まとまった金を残そうとして命を落とす。残された元女掏摸は、亭主の仇を討つため、封印していた神技を解き放つ。

ロケ地

  • 平次たちが今は堅気の掏摸親子と出会う神田明神、上御霊神社本殿。
  • 親子が「勘当息子」を見かける帰り道、大覚寺五社明神。彼が女に無体をはたらく船頭を止めているところ、万七が出て暴れる船頭を捕縛。
  • 所払い中の勘当息子の死体検分、嵐峡汀。簀巻きが網にかかり←手にかけた人数の一人に福ちゃん。
  • 万七から掏った十手を隠してあった石垣、不明(田んぼの土手、竹林際)
  • 解き放ちになった船頭が、割符を掏られたことに気付かず上総屋と会う鴉のやしろ、鳥居本八幡宮。舞殿まわりで展開、ラス立ちもこの付近。

ゲスト 南條玲子、佐藤仁哉、金内喜久雄、北村晃一、土屋嘉男


第12話 「幽霊からの手紙」  

 朋輩の死を簡単に片付けようとする町方に反発する娘、その裏には同様に処理された姉の事件の記憶。もどかしい思いで捻り出した戯れ歌が、闇に隠れていた真犯人を誘き出す。

ロケ地

  • 料理家・菊善の女中が縊れて見つかる向島の水辺、大覚寺天神島(夜、万七が見回り中に発見)。翌朝の検分は北辺水路際で。
  • 菊善の入口、嵐山公園料亭・
  • 女中といい仲だった錺職の佐太郎が殺されて見つかる町角、御室霊場・鹿野園法輪塔脇。大窪寺裏手も映り込む。
  • 姉・お房の墓に参るお光、鵜川四十八体石仏。お光の回想、姉とともに巡礼について江戸へ向かった道、琵琶湖西岸松原。
  • 茶店でグダグダの万七と清吉、大覚寺大沢池船着(大)上に床机等あしらい。
  • お房の事件をいい加減に処理した岡っ引を見て反省した八五郎が、お光を呼び出して手をついて謝る橋、中ノ島橋
  • 「真犯人」がお光を呼び出す鹿島神社、小椋神社摂社・今宮神社

ゲスト 松永麗子、深水三章、高橋長英


第13話 「真昼の悪夢」  57

 親切面の大家殺しをめぐる騒動、裏にいる悪党は平次の無理押し勧進帳に引っ掛かって尻尾を出す。長屋衆心を合わせての工作も見もの。

ロケ地

  • 賭場へ金策に行ってヤクザに締められる粂吉、不明(竹林際、奥に門内側。平次が粂吉を抱き起こすシーンでは石積が見える。このシリーズの8話、14話と同所か)

ゲスト 若菜孝史、市丸和代、伊藤敏八、内田勝正、湖条千秋、北見唯一、谷口高史


第14話 「偽りの過去」  57

 凶賊が逃げ込む先は、貧しき者に篤い下谷の施療所。腕は確かなものの荒んだ夫を支え、病院を切り盛りする健気な奥方には、秘めた傷があった。

ロケ地

  • 薬を求め戻るお藤を呼び止め矢場女のことを聞く平次、大覚寺五社明神。その場をごまかして去ったお藤に声を掛け金をせびるチンピラ、大覚寺護摩堂前。

ゲスト 山口果林、速見亮、鈴鹿景子、福本清三


第15話 「刑場の花嫁」  57

 回船問屋の大旦那が殺され、娘婿候補の男が逮捕されるが、彼が頑としてアリバイを申し立てないのには、深い訳があった。磔刑台の前で命がけの訴えを行う、白無垢の娘が見もの。

ロケ地

  • 回船問屋・三文字屋の大旦那が殺された霊岸島の隠居所、中山邸。門と参道。
  • 番屋から逃げた養子が許婚者の娘を呼び出す林光寺、神光院中興堂
  • 養子の引き回し、下鴨神社馬場
  • 養子を育てた船頭が月参りに来る赤羽の水天宮、上御霊神社。楼門、本殿と周辺。
  • 鈴が森刑場、下鴨神社池跡

ゲスト 五十嵐いづみ、田中隆三、三浦リカ、井上高志、玉生司朗


第16話 「消えた兇器」  57

 てっきり勘当息子の仕業と思われた富商殺しだが、ちょうど起こった地震が犯人の計画を狂わせる。凶器の忖度と兄妹の情愛を織り交ぜて描く。

ロケ地

  • 脅迫者に金を渡しにゆく後妻、大覚寺観月台脇〜大沢池畔(茶店、緋毛氈の床机あしらい)
  • 犯人の猟師が塒にする一文字橋、流れ橋。左岸側橋下に蓆あしらって小屋に。たちの良くない者どもが棲みついてる設定。

ゲスト 中村梅雀、栗田よう子、塚田きよみ、佐野アツ子、福本清三、玉生司朗、有川正治


→ 北大路欣也版 銭形平次  表紙


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