銭形平次

1995フジ/東映  第五シリーズ

キャスト
銭形平次/北大路欣也 お静/真野あずさ 八五郎/三波豊和 万七/伊藤四朗 清吉/山西道広 保科源次郎/三浦浩一 菊村数馬/丹羽貞仁 並木藤兵衛/中村梅之助 笹野新三郎/神山繁


第1話 「消えた弁財天」  

 回向院でご開帳予定の弁天さまが盗まれ、身代金を奪われる事件を契機に、18年前一瞬だけクロスして離れたえにしが結び合わされる。性懲りも無く、前と同じ果実を食らおうとした悪党は、親分がきりきりお縄に。

ロケ地

  • 回向院無縁寺、粟生光明寺石段上部。境内の描写は妙顕寺、今は無い三菩薩堂・尊神堂間の渡廊や、本堂前の燈籠など映りこむ。
  • 回向院から早桶に入れて弁天さまを運び出す一味と行き会い誰何するも、話を作られごまかされる万七、大覚寺大沢池北辺並木。このあと市中(セット)で花嫁行列とからみ。
  • 駿河屋の女将の要請に応えた琵琶法師が彼女を待つ梅若塚、大覚寺天神島。法師が住む小屋、わらびの里か(明るい竹林)
  • 大黒屋が身代金を持ってゆく法輪寺巽堂、大覚寺五社明神舞殿に扉あしらいお堂に仕立て。中にあった文を見た大黒屋が金を渡しに行く橋(下の船にロープで吊るし)八幡堀明治橋。そこでロープに書いてあった通り駆けつける大黒屋向島寮、中山邸通用門
  • 銭で印をつけた船を捜す平次と八五郎、嵐峡
  • 万七らが聞き込みに回る木母寺界隈、不明(小柴垣)
  • 駿河屋の女将の回想、父の縊死に絶望し入水した橋、中ノ島橋。彼女を助けて巳之吉が上がってくる川端、嵐峡。死罪になった巳之吉を助け出した塚、不明(崖下のアレ)
  • 事後、平次たちがご開帳に出かける回向院、大覚寺閼伽井周辺に露店や弁天の祠あしらい。

*スペシャル拡大枠

ゲスト 市毛良枝、大出俊、松橋登、有沢妃呂子、深江卓次、峰蘭太郎、石橋蓮司


第2話 「招かれざる客」  57

 仲睦まじい夫婦に吹いた嵐、切れかかった糸を投げ銭が繋ぐ。盗っ人の忘れ物を、神の賜物と感謝して生きてきた女の健気さが泣かせる。

ロケ地

  • 夫の身を案じお御籤を引く大津屋の女房・おいち、上御霊神社本殿。ラスト、夫婦で仲良くお参りも同所。
  • 大津屋が伊三郎に呼び出され脅される浄泉寺、仁和寺九所明神。導入に茶店の屋根ナメて五重塔。おいちが呼び出されるのも同所。
  • 伊三郎に金策を頼まれたあと、おいちが佇み昔を回想する川辺、桂川左岸河川敷(臨川寺前、堰堤脇)
  • 伊三郎を追っていた千住の岡っ引が殺されて見つかるやしろ、鳥居本八幡宮鳥居前。

ゲスト 一色彩子、中島久之、久富惟晴、小沢象、ベンガル


第3話 「深夜の告白」  58

 情の濃い女の性質を利用、踏み台にする冷酷な男。怪しみつつなお男を庇う女を、平次がことをわけて説得する。

ロケ地

  • 掏摸の金太が袈裟懸けに斬られて見つかる町角、大覚寺天神島大楠根方。朝帰りの職人が発見時には朝靄演出。
  • 聞き込み先の酒肆女将・お小夜に話を聞く堀端、八幡堀・明治橋上手(左岸側)。沈船あしらい。
  • 金太のかしらの掏摸が殺されて見つかる水辺、大覚寺大沢池池床(水少なし、北東岸の夜泊石のそば)
  • お小夜の回想、銀之助(現佐渡屋、元佐渡屋番頭)とデートの堀端、八幡堀堀端(汀に満開の菖蒲)
  • 赦免され島から帰ったお小夜を誰一人迎えに来なかった船番所、広沢池東岸に柵あしらい。

ゲスト 芦川よしみ、片岡弘貴、峰蘭太郎


第4話 「疑惑の果て」  58

 大黒屋で立て続けに起こる作為的な不幸は、果たして仕組まれたもの。たくらみの主は、万七の目をまんまと的外れな方向へ導いていた。

ロケ地

  • 板前をしている大黒屋の勘当息子と店の外で話す平次、今宮神社高倉下。
  • 大黒屋の若旦那(入り婿)が寄り合い帰りに襲われる橋、中ノ島橋。清吉が護衛についていたが若旦那は川に叩き込まれ。
  • 勘当息子の就職を妨害したヤクザをつける八五郎、今宮神社稲荷社周辺。
  • 夫の身代金を持って妙泉寺へ赴く大黒屋の娘(家つきの御新造)中山邸参道。お寺はセットで荒れ寺演出。

ゲスト 佳山まりほ、加納竜、遠藤真理子、波多野博、丹波義隆、福本清三


第5話 「隠された真実」  58

 DV亭主を殺したとして女房が捕まるが、彼女も周りの者も行動が謎だらけ。その裏には、それぞれ抱えた人に言えぬ思い。各々の心底を見た平次は、釣り針を垂らして悪党を引っ張り出す。

ロケ地

  • DV亭主が殺されて見つかる市中、大覚寺五社明神舞殿脇。
  • 捕縛された女房を妙に庇う博打うちが参る墓、二尊院墓地。

ゲスト 西田健、岩本千春、石井洋祐、立川三貴、丹古母鬼馬二、佐藤京一


第6話 「遠眼鏡の中の女」  58

 殿様の無聊をなぐさめるための小道具が、多くの人の運命を狂わせる。並木さまづてに頼まれて乗り出す平次だが、全ての謎を解いてしまうので、依頼者の意向にそぐわぬ結果となる。

ロケ地

  • 遠眼鏡で町娘を見そめた殿様の話をする八五郎、平次たちが歩いてゆく四谷伊賀町は妙心寺参道(伽藍脇)、話の殿様の屋敷は妙心寺龍泉庵(勝浦藩邸)。その娘がお側に上がることになった経緯を話す路地は妙心寺福寿院道。休む茶店は上御霊神社茶所。この茶店は、後段藩用人と話す段でも出てくる。

ゲスト 橋本功、松澤一之、石田登里、花上晃、峰蘭太郎


第7話 「危険な関係」  58

 大店の相続をめぐる鞘当て、はじめ保身のため「芝居」にのった若女将は、次第に「亭主」に魅かれてゆくが、欲しかった幸せは一夜で萎んでしまう。

ロケ地

  • 八年ぶりに戻った佐野屋の「若旦那」を呼び出し問い詰める平次、金戒光明寺三門。導入は正面のロング、全景が画面におさまっている。鐘の音が入っているので、寺院境内設定。
  • 若旦那の姉夫婦が番頭とツナギをとる神社、吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居下。
  • 姉夫婦が殺されたと井筒屋に聞かされた「佐野屋夫婦」が逃げて隠れるお堂、大覚寺聖天堂(イメージカット、手前に燈籠あしらい)。やって来た井筒屋に「夫」が刺されたあと、外へ逃れた女将の危機に投げ銭のシーンは鹿王院、客殿縁先と回廊が使われ、舎利殿も映り込む。お堂内部の描写はロケかセットか不明。

ゲスト 萩原流行、辻沢杏子、頭師孝雄、井上高志、松井紀美江、塚本加成子、石倉英彦


第8話 「暗黒街の女」  

 スラム潜入もの、そこを仕切る気風のいい姐御は、辛すぎる過去を抱えていた。並木さまの提案になる、保科のダンナと示し合わせての芝居が見もの。

ロケ地

  • 三橋会所の顔役三人が寄り合いのあと船を降りる船着き、嵐峡。暗殺シーンはセット。

*お上も手を出せぬ犯罪者のアジール「藪」は映画村港町のプールに橋を演出。

ゲスト 左時枝、中野誠也


第9話 「祭りの夜」  58

 愚か者の仕込みで、二年ぶりに名前が出る義賊。奇縁重なり情がからみ話はややこしくなるが、平次の働きでめでたい結果に。

ロケ地

  • 鳥追いのお春と秀がデートのお堂、大覚寺護摩堂。石仏が印象的。
  • プロポーズをなかったことにしたあと、いらつき石を投げる秀、大覚寺放生池堤
  • お春が営業の祭礼の神社、上御霊神社楼門

*瓦版売りに下駄を使われる、お春が定宿にしている芸人宿の面々が見もの。御馴染み脇役陣には小峰さんや福ちゃんも。祭りは山王祭。

ゲスト 山口粧太、古柴香織、梅野泰晴


第10話 「過去からの告発」  58

 復讐の企みに付け込む大悪党、それに手を貸した罪の呵責に耐え切れず零した、哀れな女の一筋の涙が、平次に真相を知らしめる。

ロケ地

  • 木曽屋の向島寮、中山邸通用門。三味の師匠をここで囲っていて、師匠のところへ四人の弟子が出入り、ここが事件現場。
  • 寮を出た下女が「四人」と密談する町はずれ、仁和寺九所明神
  • 放免された師匠がゆく水辺、大覚寺放生池堤。恋人の手代に駆け寄るのは護摩堂
  • 事後、師匠の親代わりの元目明しの様子を話す平次夫婦、神護寺石段。下に茶店あしらい、葛餅を食べるもよう。

ゲスト 江藤潤、栗田よう子、森繁久彌


→ 北大路欣也版 銭形平次  表紙


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