左近捕物帖 鮮血の手型

原研吉監督作品  1950.12.2松竹


 ちょっと助けてやったらなついて子供が居つき、姉娘まで入り込み「守ってね」。女子供に優しい左近のダンナは、追い出しもできず苦りきるがじきに慣れ、果ては健気な姉妹ならぬ主従を助けるため、抜かずの左近が抜いて奮闘。しかし、左近のダンナはよくいる暇なご浪人ではなくて、地下に秘密の礼拝堂持ってたりする、隠れキリシタンなのだった。

二条城本丸櫓門

ロケ地

  • 囚われていた左近が、みどりとおけいの危機に駆けつける道、不明(川堤と思われる土手、けっこう高く屋根が同じ高さ)
  • 国家老が細川刑部を評定所へ訴えるくだり、触れ太鼓が鳴り諸士登城の城門、二条城本丸櫓門
  • 左近が屋根にのぼり若君の行列を見送るくだり、屋根は不明・道は先に出た堤と同所。
  • 日笠の先生がおけいを連れて、捕り方を蹴散らしつつゆく道、先の堤と同所。

 左近のダンナは市川小太夫、島原の乱の生き残りの敬虔なキリシタン。ともすれば情に愛に揺れる心を、その都度クルス見たり師の言葉を反芻したりして鎮める姿が可愛くて笑える。
流しの姉妹、「妹」のみどりは美空ひばりで、こまっしゃくれ方が絶妙なほか、歌もたっぷり。「姉」のおけいは花柳小菊、「手型」の犯人とはとても思えぬ、たおやかなねーちゃん。
キリシタン狩りの隠密・お吟は村田知英子、惚れたダンナのことでおけいにカンカンだが、正体を知るやダンナを牢から出して「行ってあげて」がいじらし過ぎ。
若君主従にとっても、隠れキリシタンの衆にとっても敵な細川刑部は小堀誠。国家老の高木主水正は南光明。
ダンナ付きの勘六は堺駿二、みどりに寝物語してやる優しいにーちゃん。
刑部が亡骸から盗っていった「四郎様のクルス」に執着する、隠れキリシタンの浪人・辰馬は永田光男。
ダンナを怪しむ同心・黒部三十郎は北龍二。
隠れキリシタンの衆に護身のための武術を教えた師匠、日笠十兵衛は阪東妻三郎。
脚本は鳴滝組の八尋不二。


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