銭形平次捕物控 鬼火燈篭

加戸敏監督作品  1958.7.27大映


 「シマ」に棲む幼馴染を訪ねてきた男は、鯔背な兄哥。その男っぷりに、子らのみならず親分の娘まで惚れ込む始末。しかしそのアニキの正体は銭形平次、頻発する卑劣な幼児誘拐事件を解決するため、決死の覚悟でスラムに潜入した姿だった。平次が任務を志した動機が、重ねて泣かせる仕掛け。

泉涌寺

ロケ地

  • 浅草寺境内イメージ、泉涌寺。陵へ行く道から霊明殿の建物をナメて舎利殿と仏殿の甍を見返る図。ばっと鳩が舞い上がる演出。
  • 人々で賑わう浅草寺山門、清凉寺山門。「大提灯」あしらい。代地の新助が、八卦見に赤犬の兄貴の居所を問うシーン。そのあとの境内はセット撮り。
  • 新助の縊死体が見つかって大騒ぎのくだり、イメージに泉涌寺の舎利殿と仏殿の甍の絵を挿入。
  • 事後、シマの子らを養父母に会わせるくだり、泉涌寺。子らの手を引いて門をくぐる平次は本堂の門をくぐる。その行く手に仏殿がのぞき、奥に参道の坂も見える。子らと親が抱き合うのは、舎利殿と仏殿の間。おしんやお千代のことを語る平次を、お千代が覗いているのは仏殿。八五郎を促し去る平次、カメラ上方にパンし甍を映してエンドマーク。

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 「シマ」はセット撮り、浅草寺近く設定で、水門で大川に通じる姥ヶ池のほとりにある。シマの入口は不安定なお歯黒橋で、遠景になにやら赤い塔の書割が見える。新助の死体が見つかり、平次も吊られかける鐘楼や、ラス立ちのお堂もセット。このほか、お千代が清次を連れてゆく花やしきのセットも登場して、清水に鯉が泳いでいる。

 シマにやって来た「清次」は長谷川一夫、この時点で銭形平次の変装なのだが、回想シーンで牢内の清次と二役で同時登場あり。「清次」時はムシリを着ける。
清次の幼馴染で鉄砲玉が生業の、赤犬の巳之吉は黒川弥太郎。殺し屋ながら次郎吉たちを育てた心優しいおじさんで、平次に対する友情が泣かせる。誘拐実行犯を強いられている次郎吉は西岡タツオ、彼の姉で清次に惚れるお千代は岸正子。
シマを表向き仕切る聖天一家の親分は香川良介、気のきつい娘のおしんは香川京子で清次に惚れる次第。一家の強面兄哥に千葉敏郎や伊達三郎。
真の黒幕に清次を探るよう言い付かるも後で消されかかる酒肆の女将は淡路恵子、妹分は美川純子。
冒頭、巳之吉を探し回るも闇の手に落ちて消される新助は水原浩一、次いで邪魔者となり消される芝居小屋の呼び込みは堀北幸夫。
平次の恋女房・お静は阿井美千子、八五郎は本郷秀雄。万七は東良之助で清吉は上田寛、お町のダンナは原聖四郎で笹野さまは南條新太郎。
大金を差し出して誘拐された倅を取り戻す富商は荒木忍、十組問屋を外された和泉屋は小川虎之助でシマでは飴売りの老爺。


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