凸凹太閤記

加戸敏監督作品  1958.1.28大映

キャスト
木下藤吉郎/森繁久弥 前田犬千代/坂東好太郎 織田信長/黒川弥太郎 おねね/伏見知子 みのの方/入江たか子 お桑/清川虹子 鏡弥惣太/山口勇 藤井又右ヱ門/渡辺篤 戸部六平太/天野一郎 上島主水/光岡竜三郎


 底抜けに明るい太閤記、藤吉郎が今まさに足軽から取り立てられる時点を描く。ぶつくさボヤきながら信長の側近く仕える藤吉郎は、何度か試されながら出世してゆく。犬千代とねねを取り持つハメになり沈むが、それも発展的解消を遂げ、長槍採用の進言は間諜を捕える大手柄つきで容れられる。
夢オチで「太閤」として大軍を指揮する絵もチラ見せして、何の禍々しい影も見ないまま藤吉郎幸せの絶頂で、映画は幕を閉じる。

二条城南中仕切門

ロケ地

  • とてつもなく長い槍を持っていて、指南番の上島主水に怒られる藤吉郎、二条城隅櫓(内側)。ここを遠眼鏡で見ている信長のいる天守はセット。
  • 馬丁に取り立てられる藤吉郎のくだり、遠乗りに出てゆく信長がくぐる門は二条城桃山門、走る道は嵐山自転車道から松並木の土手。このあとの山道は不明、林道か。近道をゆく藤吉郎、丸木橋は保津峡落合(書割合成か)、ターザン渡りの蔓のシーンで眼下に見える谷川は清滝川
  • 清洲城イメージ、姫路城天守。草履とりになった藤吉郎が小憎たらしいまでに勤めを果たすくだりで映る。劇中での清洲の表記は清須。
  • 今川の使者・戸部に南蛮鉄砲の調練を見せて上機嫌の信長、不明(お寺の方丈か)
  • 犬千代の恋文に呼び出されて清洲神社へやって来るねね、人でごった返す境内はロケかセットか不明。犬千代が待つ神社裏手はセット、待つのに焦れて素振り。
  • 長槍対短槍の対決の件で犬千代隊に勝てるか上島に問う戸部、二条城内濠端(桃山門脇、遠景の櫓は「天守台」の上に書割?)
  • 上島の使嗾で犬千代を襲った弥惣太が、偶然又右ヱ門に捕まる夜道、不明(腰高な石積みを持つ塀の際、寺の境内か)
  • 上島組の調練、二条城内濠端南中仕切門。最終的に入ってゆく玄関は不明(塔頭ふう)
  • 木下隊と上島隊の対決のくだり、お城イメージは姫路城天守で、試合会場は二条城内濠端、背景に本丸櫓門がちらり。上覧の席はセット。
  • 遠眼鏡で藤吉郎とねねがいちゃつくのを覗く信長、不明(大木の下)

*藤吉郎の、全部言っちゃってるボヤキが楽しいほか、藤吉郎の鼻をあかそうと苦心する信長が大笑い。毎朝早起きして城内をずかずか歩いて玄関までやって来る、まじめくさった顔の黒川弥太郎は必見。


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