なみだ川

三隅研次監督作品 1967.10.28大映

おしず/藤村志保 おたか/若柳菊 貞二郎/細川俊之 栄二/戸浦六宏 新七/藤原釜足 鶴村主人/安部徹 刀屋・重常番頭/玉川良一 友吉/塩崎純男 市兵衛/春木泰男 島崎来助/水原浩一 お絹/町田博子 不動茶屋内儀/本間文子 信濃屋主人/花布辰男 不動茶屋主人/寺島雄作 浅蜊売り/木村玄 薬売り/越川一 信濃屋内儀/橘公子

原作/山本周五郎  脚本/依田義賢


 妹に来た良縁、どうしても嫁がせてやりたい姉は、あれこれ立ち回りようやく形を整える。しかし結納当日、切れた筈のわるい縁が舞い戻る。姉は身を捨てる覚悟でグレた兄に向かってゆき、その行為は蟠っていた全てを昇華させるのだった。

 天然系の姉を藤村志保が熱演、日常の頓馬な可愛さと、刃を振りかざす決死の眦が素晴らしい。

錦水亭

ロケ地

  • 花の稽古から帰るおしずを呼び止める栄二、宇治川派流端、背景に酒蔵。水面は僅かしか映らず、柳ほかの緑が青々と美しい。ツクツクボウシの鳴き声を演出(或いは同録)
  • 鶴村へ出稽古にゆくおしずが渡る橋、渡月橋。背景は光って白一色。
  • 出来上がった手鏡を鶴村へ届けた貞二郎、帰りに通りかかる「木場」は谷山林道か(道端に丸太積み上げ、ちらっと映る背景の山に切り通しっぽい赤土)。木遣りを演出。
  • 目黒不動へ詣でる姉妹のくだり、目黒村へ着く二挺の駕籠のシーンは大がかりなセット。参道の坂を上がる二人、粟生光明寺石段(露店や雲水あしらい)。お参りのお堂は粟生光明寺本堂、大きな赤い提灯があしらわれ、拝む二人の背景に石畳が来ている。境内を出る二人、今宮神社石橋(東望)。入る不動茶屋は今宮神社門前・かざりや(中からの絵)
  • 貞二郎がおしずを呼び出す船宿、内部はセット撮りで、事の前に障子を閉めるシーンで錦水亭東屋外観にスイッチ、中から障子を引く手が見える趣向で、カイツブリの鳴き声が被さる演出。

*鶴村の設定は木綿問屋ではなく、木場の材木商。安部徹が着ていた印半纏の背に大きく「木場」と染められていた。劇中存命で、おしずに言い寄り。
*おしずの父は腕のいい彫金師で、病んで手仕事儘ならず状態な設定で、貞さんの師匠の兄貴分。
*頓珍漢なことわざ披露のほかにも、たっぷり出てくるおしずのボケぶり。圧巻は茶店でやらかす「目黒のさんま」、店の夫婦から居合わせた客まで爆笑。


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