血槍富士

1981.7.17CX/東映

キャスト
権八/中村梅之助 源太/森田健作 おたね/佐藤万理 酒肆女将/三嶋ゆり子 藤三郎/小田部通麿 明石守配下/牧冬吉 巡礼/陶隆司 按摩・藪の市/梅津栄 与茂作/北見治一 酒匂小十郎/森次晃嗣 おすみ/武原英子

原作/井上金太郎、八尋不二、民内敏雄、三村伸太郎
脚本/保利吉紀
監督/山下耕作


 あるじの酒癖を案じていた奴さんは、苦すぎる結末を抱えてひとり江戸へ戻る。矛盾と怒りの象徴の槍を投げ棄てた、その先に富士の嶺。

 殿様の御用を足して名古屋から江戸へ戻る主従と、道連れとなる町人たちとの触れ合いは、運命の重さに沈むも、心暖かく人間味に富んでいる。
かたやさむらいどもときたら、諸人の難儀も顧みず風流とやらを嗜んでみたり、挙句見栄のため人の命を踏み躙る始末。それを正視できず、我慢していた酒を呷った心優しき武士は、下衆の挑発に乗ってしまう。

流れ橋

ロケ地

  • 街道をゆく酒匂主従、大堰川(畑越し)。もうこの時点で「道連れ」の衆は揃っている。関所のある河原、渡し場の汀は大堰川か(滞水、濁り入り)
  • 大名が野点をして旅人の通行を妨げる街道、不明(谷地田の地道。もうひとつ大名行列がやって来る道は溜池端)。富士が望まれる設定。
  • 川止めに加え、盗っ人詮議で足止めを食らう宿場、源太がおたねのため櫛を買ったり、権八がおすみの身の上を知る祭りの神社は大覚寺五社明神。露店多数あしらい。
  • 禁足が解かれ出立する「道連れ」一行がゆく街道、大内。亀岡道から来て辻堂前を過ぎ南へ。大名行列が来る道は別撮りか。辻堂脇には祠と地蔵あしらい、道標には「是より藤枝宿」の表記。辻堂前の田地には低木繁り。
  • 権八がおすみに次郎のことを頼むくだり、次郎がおすみの娘と将来設計を語る小川は酵素河川敷か。ここへ大捕物だと声が聞こえてくる。
  • 六右衛門として捕り方に追われる藤三郎、、流れ橋下。看過し得ず名乗りを上げて斬られた「巡礼」は、川中を流れてゆく。
  • 瀕死の「六右衛門」を保護する小屋、広沢池西岸湿地に小屋あしらい。
  • 六右衛門の回想、明石守の千両箱を盗ったものの、開けてみると中は瓦と知った夜の祠、大覚寺天神島。権八が箱を捜しに来る段は昼間。
  • 瓦入りの千両箱を捜しに馬を駆る権八、大内亀岡道(北へ向かう。戻り道では坂を駆け下りてくる)
  • あるじと朋輩と、二つの骨箱を抱いて江戸へ向かう権八、渡る橋は流れ橋。俯瞰のショットではたぷたぷに水があるように見えるが、川上からのアングルでは橋脚下部を洗う程度。次郎に帰れと大喝を呉れ、槍を川に投棄する背景に富士山・ここでストップモーション、一転夕景になり四人が渡ってゆくロングの絵に。

*放送日について、テレビドラマデータベース様の記事を参照させていただきました。


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