まだら頭巾剣を抜けば 乱れ白菊

倉橋良介監督作品 1957.1.22松竹

キャスト
まだら頭巾(疾風龍之介)/近衛十四郎 お白粉お綱/水原真知子 とんびの小太郎/中村賀津雄 菊姫/山鳩くるみ 水切源信/月形龍之介 小村修之進/永田光男 横峰丹波/寺島貢 片倉帯刀(飯庭藩家老)/富本民平 飯庭守親(藩主)/森美樹 大沢越中守(若年寄)/香川良介 赤口大膳/大友富右衛門 徳川家治/田中敬介 河童の初太/滝沢ノボル 霞小僧/目黒祐樹

原作/柴田錬三郎 脚色/森田龍男、本山大生


 将軍の御狩場が民を泣かすが、落ち度を言い立てて改易に持ち込もうとする君側の奸のはかりごと。将軍を父の仇と恨む姫が発砲したり、怪しの頭巾が現れて高札を踏み躙ったりするが、これも悪党に利用されてしまう。そのうち、正義の味方のまだら頭巾の正体が知れ、悪党は頭巾の抹殺に血道をあげることに。
姫さまと不良の淡い恋も描かれ、頭巾に惚れた婀娜っぽい姐さんのどたばたや、強敵との対決も入って、派手な大立ち回りを経て大団円へ。

蓮華寺

ロケ地

  • 霞小僧の仁義を聞いていた小太郎が、戦のような物音を聞きつける田んぼ、不明。行ってみると御狩場のため通行止になっている道、不明(山裾の地道)。巻き狩りが行われる野原、不明(饗庭のような台地、ここで姫の発砲)。続いて、先の街道でまだら頭巾の封鎖突破。
  • 本陣の若年寄・大沢に届けられるまだら頭巾の文、その後頭巾を捕えに本陣を出てゆく侍たち、不明(門)。頭巾が追っ手をやり過ごす夜道、中山邸参道(侍たちは空馬の白馬を追っかけてゆく)。ここでお綱が出て姫との仲を忖度。
  • 旅籠から逃げた姫が渡ろうとすると小太郎が道を塞ぐ橋、不明(若森廃橋に似た木橋、欄干は低い)
  • 大沢への工作が功を奏し、観能の儀が認められたことを知らせる早馬が走る松並木、不明。
  • 能舞台で危機に陥った姫を助け逃がした頭巾を見たお綱が、乾分の初太にダンナはあのコが好きとボヤく道、中山邸参道
  • 小太郎が姫を保護し、初太を縛り上げている水車小屋、清滝河畔に設置か。迫られて逃げ出した姫が渡る吊り橋を揺らしてからかう小太郎、不明。なお逃げる姫だが、川に落ちた小太郎を見て微笑み、打ち解ける谷川、湖南アルプスか(大岩が連なる、砂の多い川)
  • 姫の持っていた「江戸城秘巻」が初太の手から霞小僧、また初太郎に戻り小太郎が狙うところ、結局頭巾がさらってゆくくだり、大木の生えた林、山沿いの地道、不明。
  • 頭巾を捕える罠を作り待ち構える雄呂血谷のくだり、保津峡落合付近他各所を使って表現。岩落としの罠は落下岩上方の頂に。小太郎が姫と再会する道、不明(ススキ原、奥に建物)。姫が小村と渡る橋、清滝か(仮設の作り物っぽい簡素な橋)。その後二人がゆく道は落下岩手前崖道。小太郎が頭巾を見つけて声をかける橋、清滝か(頭巾は谷川の汀に)。姫の名を呼ばわり探し回る小太郎と霞小僧、清滝川沿い歩道。姫が追い詰められ小村が斬られてしまう崖っぷち、落下岩。頭巾が姫のところへ馬を駆る道、谷山林道か(谷底から見上げのアングルも)。駆けつけるも誰もおらず、姫のピストルを拾う頭巾、ここへ勝負を挑みに水切が現れてチャンバラ、崖落ちは落下岩。このあと馬を駆る道は保津峡左岸沿いの道、ここで岩落としをかけられる運び(岩を落とす頂とは別撮り)
  • 岩落とし失敗の報告を受ける大沢、姫を磔刑台に括ってある陣地は蓮華寺境内、五智如来像の裏側、像の前・南側には幔幕が張り巡らされている。このあと頭巾のダンナが駆けつけ大立ち回りの際は、如来像越しのクレーンショットがあるほか、如来像の北側にある地蔵他の諸仏のまわりでも立ち回り、駆けつけた小太郎は上人像脇から覗き込む。殺陣は保津峡落合へ移動、落合河口汀で大沢たちを討ち果たす。姫と小太郎を用意の船に乗せて落としたあと(船は保津峡を下ってゆく)、お成りの将軍は落合河口に仮設の一本橋を渡ってくる。城へと誘った上様の申し出を辞退し、小僧を連れて白馬で去る頭巾、保津峡左岸沿いの道

※まだら頭巾の「まだら」は、頭巾のほか帯と足袋も。頭巾はしているものの顔は丸出し、模様はまだらというほどおどろおどろしい一件ではなく、濃い色の布に白で抜いた水玉模様。
※上様と双子設定のダンナだが、全然似てない。


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