水戸黄門

第42シリーズ、2010〜2011年 TBS

キャスト
水戸光圀/里見浩太朗 佐々木助三郎/東幹久 渥美格之進/的場浩司 楓/雛形あきこ 八兵衛/林家三平 弥七/内藤剛志


第1話 「お前は助さん俺は格さん」 2010.10.11

 新キャストの助格のお披露目と、お娟姐さん卒業の「始末」に尺を割く、スペシャル版の第一話。
老公の旅の動機は、養子に出した息子が殿様をしている高松藩での騒動。幕府には京都行と称し願い出る老公だが、糸魚川で出るらしいヒスイの件にも関わりができてしまい、道は中山道をとることに。そんな旅だから、四谷大木戸を通るところから尾行がついているのだった。

ロケ地

  • 西山荘で静かな日々を過ごす老公、不明(直指庵か、縁先と庭ちらり)
  • 糸魚川の回船問屋・鳴海屋に潜入し「ブツ」を持ち出した「密偵」が追われ落ちる谷川、清滝か。
  • 助三郎を供に水戸街道をゆく老公(二人は侍姿)大覚寺大沢池北辺水路端並木道。
  • 逃避行のさなか、法華衆を見て山へ身を隠す密偵、不明(林道)
  • 高松藩下屋敷、門は妙心寺龍泉庵。廊下と座敷は大覚寺宸殿。偶然藩邸へ顔を出した塩問屋・翁屋と話す庭は妙心寺退蔵院庭園、遣水端の東屋を使用。
  • 江戸へ向け街道をやってくるお娟、大沢池畔か。
  • 水戸家下屋敷、不明(大きな玄関、唐破風つきで柱に金色の飾り鋲、左右の壁は縦桟入りと五本線入りと。前庭に枝垂れと鉢植えの蓮)
  • 江戸城イメージ、二条城北大手門(衛士配置)。水戸家からの旅願いが幕閣の協議にのぼる段。
  • お娟に翁屋を暴漢から助けた話を聞く老公、不明(藩邸の庭)
  • 水戸街道を来る格之進、馬子とやり合うのは大堰川河川敷(大堰川緑地)
  • お娟を連れて浜松町の翁屋へ赴く老公、渡る橋は神光院本堂前石橋(茂み越し北西望のアングル)。帰り道、縁談が持ち上がっていることを話すのは神光院蓮月庵前(茶店仕立て)〜石橋。
  • 弥七を格之進に引き合わせる茶店、今宮神社門前茶屋・一和。八兵衛は中から出てくる。
  • 老公登城、江戸城イメージに姫路城菱の門。旅の許可が出るほか、老中・土屋相模守から妙な依頼を受ける。
  • 内藤新宿を過ぎ、街道をゆく老公一行、大覚寺大沢池北辺水路端並木道。
  • 信州・海野宿付近の街道をゆく弥七、不明(山道)。問屋場の藤右衛門に頼んだ手練の助け手・丑寅と待ち合わせ約束の小仏峠、谷山林道(作業場向かいの崖際切り通し)。丑寅が来るのを楓がウソついて追い返し。
  • 八王子付近の甲州街道をゆく老公一行、大覚寺大沢池堤。空模様が怪しくなってきて、八王子本郷宿へ着くと土砂降り。
  • 小仏峠へ差し掛かる老公一行、谷山林道頂上付近林道(分岐道)。高雄山中設定の植林杉の林道(場所特定できず。「脇街道」沿いには沢あり)で天狗面の襲撃者に遭う。老公と知って改心した天狗面の浪人たちと別れる峠、谷山林道頂上作業場。途中、富士山をイメージに挿入。

ゲスト
お娟/由美かおる 翁屋/前川清 佐々木平右衛門/市川左団次 才蔵/山崎銀之丞 丹羽采女正/油井昌由樹 鳴海屋/深水三章 徳川綱吉/風間トオル 土屋相模守/小野寺昭 大久保加賀守/近藤正臣

※助格の設定クリア、お供をするに当たっての話がひとくさり。助三郎が老公に大恩を感じている逸話や、格之進と剣でライバルだった経緯なども語られる。助三郎が役目を譲るかたちで、格之進が印籠を預かることに。


第2話 「許すな相撲をけがす奴」 2010.10.18

 幸薄い少年の魂を救ってくれたのは相撲。それを汚い賭けの道具にされ、妹の幸せをタテに負けを強要されて苦悩する青年だが、格さんの熱い言葉が彼を奮い立たせる。

ロケ地

  • 甲州街道をゆく老公一行、草鞋を替える茶店をしつらえた道は酵素ダートか。
  • 諏訪大社、本物をイメージに(動画、巫女さん立ち歩き)。相撲踊りが奉納されている土俵は、大原野神社境内土俵(後段の奉納試合も同所)
  • 辰五郎と初めて相撲をとる格さん、大原野神社境内か。
  • 辰五郎の回想、親に死なれ親戚縁者の間をたらい回しされていた兄妹がとぼとぼゆく道、不明(土手か、ラストの街道と同所?)。雪の町はセット撮り。
  • 格さんに礼を言う辰五郎、妹と檜屋も来て一行を見送るのは大原野神社参道。
  • 諏訪を発つ一行、街道へ出る「坂」、不明(土手と法面?)

ゲスト
辰五郎/内田朝陽 お初/北川弘美 檜屋孝太郎/河相我聞 黒岩玄右衛門/松澤一之 梶原章五郎/草川祐馬 宝来屋/浅見小四郎 江戸錦/大至

※ラス立ち、福ちゃん居たかも。格さんの印籠の変則出しが笑える。
※協力クレジット/諏訪大社十五夜相撲神宮寺保存会…大勢で京都へ来られた模様


第3話 「その縁談一肌脱ぎます」 2010.10.25

 三度も荷を襲われ窮する紬問屋、その若き主に好条件の縁談が持ち上がるが、裏には思いがけぬ陰謀。若主人の幼馴染で、彼の求婚を退けた過去のある楓が大活躍。

ロケ地

  • 老公一行がゆく街道、不明(高台の池畔?)。梓屋の荷を運ぶ中馬が野盗に襲われる山道、不明(雑木まじり林道)
  • 上田城イメージ、本物の大手門。梓屋が城に呼ばれ叱責されるくだり。
  • 襲撃現場に現れた野盗をつける楓たち、ツナギ文を見に入ってゆく大星神社は鳥居本八幡宮(鳥居〜本殿。楓は広場の木の陰から見ていて、追おうとして助に止められる)
  • 野が隠してあった金を引き上げる船、および土手からそれを見る人影、大堰川か桂川か、暗くて判らず。設定は千曲川。
  • 梓屋の主・清治郎が荒金屋の娘・志津とお見合いの茶店、走田神社参道に茶店あしらい(緋毛氈の床机等)。志津の回想、悪ガキにのされた幼い清治郎、大堰川河川敷。
  • 楓が清治郎を連れ出し、荒金屋の企みを告げる「いつもの所」、龍潭寺。二人の会話では山門から境内を使い、清治郎が去ったあと弥七と話すのは参道脇崖の林間。
  • 父のしていたことを知り、武石村へ向かう志津を楓が呼び止めるのは龍潭寺参道、清治郎を託す旨話すのは参道脇崖の林間。
  • 野盗が巣食う、武石村イメージ、谷山林道からの眺望か。アジトの荒れ寺、勝持寺仁王門。お堂はセット撮り。後段、老公にハメられ金を持ってくる荒金屋のくだりも同所。
  • 上田城イメージ、本物の西櫓。
  • 楓を避難する主に対し、昔の経緯を話す梓屋の番頭の回想、先代の墓のある墓地、不明(五輪塔など多し)
  • 荒れ寺で立ち回りの段、八兵衛が城代を伴ってくる道、不明(植林杉林道)
  • 楓が清治郎を呼び出す「いつもの所」、行ってみると志津がいるのは龍潭寺境内、二人の背後に境内各所の建物が映り込む。
  • 事後、弥七が楓にしばらく信州ともお別れと話す野面、大堰川堤。このあと河川敷緑地や汀なども映る。老公一行がゆく街道は不明。

※梓屋乗っ取りを企む仲買・荒金屋は田中健、娘の志津は今村雅美。梓屋「若旦那」清治郎は近藤公園、忠実な番頭は中西良太。荒金屋とつるむ勘定奉行は成瀬正孝、城代は森下哲夫。ラス立ち福ちゃん入り、どアップで登場し老公を背後から襲うも楓に背中突かれて海老反り。
※印籠出しはノーマル、ひとくさり立ち回りのあと老公に促され「この紋所が」。


第4話 「剣に勝つ、医は仁術」 2010.11.1  71

 藩が瓦解したあと、御典医の息子は市井に暮らし、貧しい人々を診る日々を送る。久しぶりに再会した同藩の友は、母の薬代のため悪徳商人の手先となって弱い者をいたぶるものの、悪には染まれないのだった。

ロケ地

  • 薬草採りの良庵、谷山林道か。洞窟は不明。
  • 街道を来て、高田城を望む一行、大覚寺大沢池北辺並木高田城は本物の三重櫓をイメージに挿入。
  • 母の墓参りの三国屋の兄妹、二尊院墓地。帰り道チンピラにからまれているところへ一行が介入するシーンは不明(黄門でよく出る、脇に石積のある山道)
  • 山へ氷を取りに行く弥七、不明(林道)。後段、みんなで行くのも同所。
  • 遊ぶ子らを見て微笑む楓、二尊院本堂縁先。そこから門の外で良庵と早川が言い争うのを見る運び、フレームは黒門。母に近づくなと言い捨て立ち去る早川、黒門前から紅葉の馬場へ。
  • 当地を発つ老公一行、大覚寺遣水跡。弥七と楓がゆく街道は不明(山道)

※青年医師・良庵は長谷川朝晴、金持ちからはふんだくるとか言うものの温和で、叩ーっ斬るとかはしない。朋輩だった早川浪人は金山一彦、土壇場で改心し良庵を斬ろうとした用心棒をずんばらり、しかしチンピラに刺されてしまう運び。彼については、老公が母に言い繕ってやったりする。早川の老母は入江若葉。良庵に助けられ、以後彼を慕う娘は穂のか、父で氷室作りを支援する三国屋は三浦浩一。三国屋を害し後釜に座る企みの悪徳商人は草薙良一、これとつるむ勘定奉行は柴田p彦。ラス立ち福ちゃん入り、勘定奉行配下。
※格さんの印籠出し、ワルの首魁二人の目の前にぶつかりそうな距離へ突き出してて笑える。


第5話 「暴かれたヒスイの謎」 2010.11.8

 土屋相模守に頼まれていた案件を片付ける回、一行は糸魚川へ。ヒスイはもちろん抜け荷に利用されていたが、近頃ブツが品薄に。そんな折、鳴海屋の倉番をしていた青年の口から、彼の故郷では漬物石にするほど原石が採れることが、悪人ばらに知れてしまう。

ロケ地

  • 糸魚川へ入る前、海を望む高台で休む一行、日本海か。
  • 糸魚川藩が設けている関所、不明(山道)
  • 宿改めで騒動を起こし旅籠をしくじった一行、困り果てて休んでいると浪人にからまれ斬りつけられる鎮守(?)鳥居本八幡宮舞殿。来合わせた樵の熊五郎が介入、手傷を負ったため送ってゆくことに。
  • 熊五郎宅、不明(萱葺民家、美山民家に似る)
  • 抜け荷を隠すのに使われた器具が打ち上げられる海岸、小浜・真珠浜海岸。ここは後段にも登場、一行が当地を発つラストシーンも同所(ライオン岩みたいな巌もここかは不明)
  • 鳴海屋たちが熊五郎に接触し脅す林、不明。翡翠を採りに行く川、清滝。翡翠を得た悪党どもが、熊五郎を監禁して酒宴を張る小屋、不明(山中の林、巨杉あり)

※鳴海屋は変わらず深水三章、番頭は上杉祥三、大久保加賀守が遣わした徒目付は須藤雅宏。こやつらの成敗はなく、ループして自滅。ゆえに、印籠出しは誤認逮捕を避けるための身分明かしに。
※声をなくした樵・熊五郎は谷村好一、鄙を厭い町に出て鳴海屋に雇われていた倅は土屋裕一、彼を慕う村娘は内田もも香。彼らの村に出向き、老公に詫びを入れる藩主は石田信之。熊五郎が青石の細工物を売りにゆく仏具商の主に外山高士、好々爺。
※協力/若狭おばまフィルムコミッション、滋賀ロケーションオフィス


第6話 「助さんに見た父の面影」 2010.11.15

 助さんが関わった幼女には辛い過去、そして彼女を育てる祖父の猟師に降りかかる災難。病弱な倅を思う城代の心に付け込んだ悪党どもを、きゅっとシメて老公は去ってゆく。

ロケ地

  • 富山入り早々、通りかかった日枝神社で城代の参詣を見る老公、平岡八幡宮。両部鳥居はあしらいもの。
  • 為替を受け取った助さんを襲う浪人たち、不明(山道)。居合わせた幼女・お花をタテにされボコられ。
  • お花の家、酵素民家セット(内部も使用、まわりに囲いあしらい)
  • 城代の倅が静養する布袋屋の寮、白沙村荘(夕佳門や池泉のほか、「庇」が映る)
  • お花の父母の墓、酵素木の根方。回想シーンの、熊に襲われて父母が転落した崖は不明。

※お花の爺さまは小松政夫、いい人だけど子ゆえに付け込まれる城代は綿引勝彦、悪徳薬種問屋は岡本富士太でグルの町奉行は桜木健一。日枝神社の茶店親爺は江幡高志、ラス立ち福ちゃんと峰蘭さん入り(藩士)。


第7話 「じゃじゃ馬姫の逃避行」 2010.11.22

 タイトル通りの姫さまのアバンチュールが、私腹を肥やし民を泣かす、次席家老たちの悪行を暴くきっかけに。町での時間を経てすこし成長した姫さまは、恋の苦さも知る。

ロケ地

  • 金沢城イメージ、本物の石川門。以降も折節に登場。町娘に作った姫さまが抜け出す城門、二条城北大手門(内外を使う。後段、次席家老の悪事を知らされ怒った姫が戻ってきて開門を呼ばわるときは外側)
  • 友禅流しの川、大堰川河川敷。それを眺めやる老公一行は嵐山公園水路側土手(石積み護岸)、組み合わせて演出。
  • 姫さまが侍女をまく町角、大覚寺心経宝塔前広場に露店あしらい。姫は上賀茂神社神事橋を渡り、再び雑踏へ・食い逃げでもめる茶店は大覚寺五社明神付近に設営。
  • 農婦から黙ってとった菊の代価に簪を渡す姫、上賀茂神社ならの小川畔。藩士たちに見つかって助さんが立ち回りはならの小川の川中で、姫も足を濡らす。逃げた二人が一息つく町角は大覚寺護摩堂脇、物陰に隠れている二人に匿ってやると声をかける丁稚のシーンは上賀茂神社梶田社裏。
  • 匿ってくれた職人の口から「姫への怨嗟」を聞き、ショックを受けた姫が佇む小川べり、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 旅立つ弥七、大覚寺大沢池北辺水路端。助さんを見送りに出る姫は中ノ島橋上、助さんと一行は橋下手河川敷〜公園並木。

※老公が大叔父さまな篠姫は藤本美貴、姫をげんなりさせるうるさ方の老女は田根楽子・実は忠義者。姫の名で領民を泣かせていた次席家老は清水紘治、グルの物産奉行は新納敏正、病床にあった城代は滝田裕介。姫が城に連れてきた助さんを取り囲む人数に福ちゃんチラリ。
※印籠出しやラス立ちは変則、姫と助さんの危機にまず「梅里の文を貰っていた」城代が介入、そのあと老公の登場で程なく印籠が出て大立ち回りはナシ。


第8話 「死ぬ気で生きろ!」 2010.11.29

 運命に抗えず、しかし別れ難く、心中を思いつく「家族」。その現場に希代の戯作者が居合わせ、ぎりぎりの感情に触れた彼はスランプを脱する。「門左」のアタマの中で進行する、浄瑠璃仕立て演出が見もの。

ロケ地

  • 一行の辿るルート説明に出る東尋坊、本物をイメージに。
  • 城代の駕籠が襲撃に遭う丸岡城下、法輪寺。曲がった参道石畳で刺客が出て、中がカラでチッのところ、居合わせた楓を見咎めるくだりは山門。詰め寄られかけた楓はとっさに門を閉じ、弥七が煙幕で援護し躱す。
  • 助格が「門左」を捜しに出る道、大堰川堤上。藩士同士の諍いに介入するのは堤下の河川敷。
  • 城下で暮らすのは無理かもと話し合うしのぶと狩野、大堰川河川敷汀。佑之進の「告白」がなされる。
  • しのぶと子を迎える丸岡城、本物の天守をイメージに。
  • 当地を発つ弥七、不明(山道)。同じく楓、大堰川汀。門左と別れ旅立つ老公一行、大堰川堤(堤上に灯台あしらい、堤法面には木製ステップを設営)

※近松「門左」衛門は松尾貴史、ボヤキもオモロい/キッチュ、定型時代劇いけるやん。殿の子を生むも市井に暮らす「御側室」しのぶは中原果南、彼女に惚れる寺子屋の先生・狩野佑之進は大浦龍宇一。しのぶの子をスペアにとはかった思いが裏目に出る城代は高橋長英、話せる爺さま設定の善人。城代のプランに乗じ、傀儡を立てて藩政壟断を目論む「若手」家老は片桐竜次、腹心は渡浩行。しのぶに言い寄っていた織元は朝倉伸二。大堰川河川敷ロケの、斬り合う二派の藩士たちのなかに福ちゃんチラリ。
※側室捜し不調で、老公は城代にアタック→屋敷に闖入し印籠そっと見せ。ために、ラス立ちでは老公の身分を知る城代が早々に止めに入り、印籠も即出しでチャンバラは少な目の変形パターン。


第9話 「悪事を見抜いた鑑定人」 2010.12.6

 藩の宝物を売る話が持ち上がり、それを私していた悪党どもは大慌て。しまいに火をつけ誤魔化すが、健気な幼女のせいにされかかるのを、もちろん放っておく老公ではない。

ロケ地

  • 敦賀湾を見遣る山道、不明。鞠山藩陣屋、映画村に設営か。
  • 楓が休んでいてお菊と出会う茶店、不明(道端に石積みのあるアレ)。老公が人違いで襲われる街道も不明。
  • 萬心寺山門、不明(塀は瓦練り込み塀)。宝物蔵、仁和寺九所明神拝殿(本殿を隠すように「塀」があしらわれている。焼け跡はセット撮り)
  • 事後、当地を発つ楓がゆく道、大堰川堤(見上げ)。一行がゆく街道、嵐山東公園か。

※萬心寺の冷酷で強欲な住職は火野正平、つるむ藩重役は中田博久、悪徳商人は丸岡奨詞。ドケチ住職に修復の仕事を蹴られてしまう宮大工は長江健次、連れてきた娘は川端紗南。招ばれた鑑定人は伊嵜充則。役人に峰蘭太郎、ラス立ち福ちゃん入り(タスキ掛けたっつけ袴の家士)。


第10話 「茶壺に追われた御老公」 2010.12.13  73

 おきまりの民泣かせイベント「お茶壺道中」、入れ物の製造現場でも良からぬ企みが、というエピソード。陶匠一家に降りかかる災難を払い、一行は京をめざす。

ロケ地

  • 一行が見遣る琵琶湖、本物(東岸の高台から沖ノ島を望む図、イメージカット)。信楽焼の登り窯、宗陶苑
  • 既に横流しに加担させられていたと知った代官所手付、木の幹を叩いて怒る帰り道の林は仁和寺林間(塔の脇から巴が駆けてくる。瓦練り込み塀や九所明神チラリ)
  • 横流し分の茶壺を積んだ荷駄がゆく街道、不明(林道)
  • 悪徳茶商の店がある宇治イメージ、平等院
  • 当地を発つ一行がゆく道、不明(山道)

※一行が滞在する窯元の女将(実は当代)はうつみ宮土里、娘は梅宮万沙子で恋人の代官所手付は高杉瑞穂。悪徳茶商は小宮孝泰、グルの京都所司代与力は谷本一、窯元の娘を狙うヘタレと見えて悪い若旦那は西岡秀記。病気療養中の代官は竹脇無我。ラス立ち用心棒に峰蘭さん。
※「協力」クレジットに宗陶苑。


第11話 「大晦日、都で悪の大掃除」 2010.12.20

 老公に国家老の壟断を訴えようとした、高松藩の若き有志だが露見し窮地に。しかし、兄を案ずる妹の行動が、老公に事態を知らせる結果となる。

ロケ地

  • 京へ五里の街道をゆく老公一行、嵐山か。峠から京を見遣る一行、不明。
  • 高松藩京屋敷、妙心寺大通院門。
  • 江戸城イメージ、皇居巽櫓
  • 八瀬の宿へ向かう一行、不明(林道)
  • 京屋敷へ兄の消息を求めに行き、門前払いを食ったお鈴が疲れて休む町角、仁和寺経蔵基壇。
  • 除夜の鐘が撞かれる寺、西壽寺(鐘楼越しに本堂望)。明けて初参りの神社、車折神社本殿。
  • 当地を発つ弥七、桂川松尾橋上手右岸汀。老公一行が国へ帰る大石と遭遇する峠、不明(山道の分岐)

※京へ出張る、高松藩の国家老・大久保高次は川野太郎、老中・大久保加賀守の係累。これに従う横目付は坂西良太。老公に窮状を訴えようとした、高松藩の若侍は芦田昌太郎と中村圭太、妹のお鈴は工藤あずさ。かまぶろで出会う大石内蔵助は市川右近、近衛関白は水上保弘。
※印籠出しは若侍を保護した宿でそっと見せ、成敗は先送りの筋なのでラス立ち無し。
※老公の通行手形は京都まで、しかし近衛関白の代参名目で出雲行が決定、還路は高松経由という次第。


第12話 「ズバッ怒りの道場破り」 2011.1.10

 舞台は篠山、使い込みの穴埋めに娘をさらって売り飛ばす外道を成敗。その過程で、ダメ親爺再生や仇討ち姉弟の救済も為される。

ロケ地

  • 篠山入り、八兵衛を待つ一行の安田の大杉は本物で撮影。
  • 石垣や堀端は篠山城
  • 呑んべ親爺の家は武家屋敷通りの萱葺。
  • 格さんが仇と間違えられ斬りつけられる神社は春日神社か。
  • 一行が投宿する旅籠、不明(海鼠壁)

※呑んべ親爺は堀内孝雄、娘は岡田千咲。仇討ち姉弟は辺見えみりとタモト清嵐。外道師範代は宇梶剛士。町奉行でみのもんたチラリ。


第13話 「美人絵師が描いた復讐」 2011.1.17

 好事家の金満鉄山師に招かれる老公、その席で花形の美しい女絵師は、胸の裡に激しい憎悪を滾らせていた。彼女を招いた富商たちの金蔵は、次々と「義賊」に入られる。

ロケ地

  • 鳥取砂丘、本物をイメージに使い一行のいる「砂場」と組み合わせ。
  • 鉄山師の豪邸、びわこ文化公園内茶室・夕照庵
  • 佐吉のヤサ近くの野道、不明。
  • おちかの回想、斬られ深手を負った桃園の父をみとった山中の川辺、酵素付近か。
  • 見送られ発つ一行、不明(林道)
  • 水が送られてきて喜ぶ農民たち、北嵯峨農地水路。

※絵師は国分佐智子、義賊・黒兎は高橋和也。鉄山奉行は森次晃嗣。


第14話 「命を張った弥七の度胸」 2011.1.24

 苛められているところを弥七が助けた蜆売りの少年は、元は武家の訳あり。彼の父の「死の真相」が明らかになるとき、藩政を壟断する家老たちの悪行が曝される。

ロケ地

  • 参拝した出雲大社、本物をイメージに。松江さして街道をゆく一行、不明(山道)。水を貰いに行き、藩の勘定組頭・竹内新三郎と知り合う農家は民家(門と母屋入り口付近、前畑には南側を隠す「目隠し」)
  • 宍道湖イメージ、本物を嫁ヶ島入りで。蜆とりの孝太郎が苛められている浜は琵琶湖東岸、弥七がいた小屋が水辺にあしらわれている。ここは以降も登場、松原を映すシーンや船上の絵も。
  • 孝太郎の父(元奥祐筆)が監禁され花押偽装を強要されている但馬屋の寮、不明(また又三匹が斬る第四話のアレ、門は茅葺で前に傾斜のポーチ。今回は塀や周囲もけっこう映る)。その寮で死んだはずの父を垣間見た孝太郎が思い悩む浜、広沢池東岸(水少なし)
  • 松江城、本物をイメージに。
  • 理不尽なお触れを嘆く竹内、琵琶湖東岸松原と宍道湖の合成画面切り替え。
  • 事後、当地を発つ一行、奥祐筆に復帰した堀江とその妻女に見送られるシーンは酵素ダート、切り替わって街道筋の絵は、ダートから見た河川敷降り口を道別れふうに。

※老公を家に誘う勘定組頭は平塚真介、口うるさい母は角替和枝。弥七が助けた孝太郎は小宮明日翔、父母は伊東孝明と棚橋幸代。悪い城代・勝部靫負は団時朗、グルの悪徳商人・但馬屋は江藤漢斉、凄腕の配下は隆大介。ラス立ち福ちゃん入り、フツーの藩士で印籠見て首振り・映りは朧。


第15話 「内蔵助殿、助太刀致す」 2011.1.31

 京で出会っていた、赤穂藩の若き家老とのエピソード回収。おきまりの悪者退治ばなしに、赤穂事件を思わせるエッセンスを散りばめた、楽しい一話。

ロケ地

  • 赤穂の塩田、琵琶湖東岸砂浜(佐波江浜と思われる)
  • 赤穂城、本物の東北隅櫓と大手門高麗門。
  • 人足に化けている大石が、湊屋の女中・おゆきを呼び出し実は藩の役人だと打ち明ける町角、大覚寺天神島
  • 大石とおゆきが一行を見送る浜、琵琶湖東岸。大石が届けた絵図面を見る吉良家のスパイ、鳥居本八幡宮広場。
  • 当地を発つ楓と弥七、不明(林)

※大石は市川右近、吉良の間者だったおゆきは持田真樹、悪家老は小林勝也で悪徳商人は魁三太郎、人足頭は丹古母鬼馬二。
※おゆきの絵図面捜しの際、床の間の掛け軸が揺れていて裏側に、とか遊びまくり。


第16話 「一触即発、御家騒動!」 2011.2.7

 旅の目的の、高松藩の内紛を収める区切りの回。悪謀は白日の下にさらされるが、老公のはからいでソフトランディング。肩の荷をおろした一行は、帰りを急がず金比羅さんへと向かう。

ロケ地

  • 老公一行が四国を望む山道、不明(海と岬をイメージに挿入)
  • 高松城栗林公園をイメージに挿入したあと、藩主・頼常に詰め寄る次席家老のシーンにスイッチ、茶席は彦根城玄宮園鳳翔台。
  • お遍路に喜捨をする里人、走田神社社務所前。導入は前畑越しで花あしらい。その遍路の中の人は老公たち。
  • 弥七が老公に情勢を報告する浜、琵琶湖東岸。
  • 塩専売に反対する商人になされた狼藉について憤激し協議する若侍たち、ここへ捕吏が出て立ち回りの町角、大覚寺大沢池畔。
  • 若侍たちを使嗾した罪で捕縛される次席家老、連行ののち閉門となる屋敷は妙心寺大雄院門。
  • 筆頭家老襲撃を企てる若侍たちのくだり、家老が下城し菩提寺へ向かうルートは彦根城楽々園玄関〜彦根城太鼓門櫓妙心寺大庫裏脇路地。若侍たちが待ち構える城前は彦根城天秤櫓、家老の動静を受け走り回る城下の路地は妙心寺大通院裏路地(ラウンド塀際)妙心寺大庫裏脇路地(ここで弥七らに止められ)
  • 高松を発つ老公を追ってくる若侍たち、走田神社本殿前。楓がゆく街道、大堰川河川敷か。弥七が水を飲む山道、不明。金比羅さんさして街道をゆく老公一行、大堰川堤

第17話 「さらわれた黄門さま」 2011.2.14

 お忍びで金比羅さんへ向かう一行だが、丸亀城下で老公が誘拐されるという椿事が出来。縮緬問屋のご隠居をさらった雲助たちは、船を取り上げられ自棄になった海の男、城代とつるんだ悪徳商人が民を苦しめていた。

ロケ地

  • 金比羅船々を歌いながら丸亀街道をゆく一行、大堰川堤
  • 丸亀城、本物をイメージカットに。老公がお忍びで城下にという情報が、城代家老にもたらされるくだり。
  • 海辺で聞き込みの弥七、琵琶湖東岸松原。楓が通りかかる。
  • 老公がさらわれる茶店、不明(奥に石積が見える坂)
  • 老公をさらった左源太の家、海のそば設定で琵琶湖岸とセットを併用し表現。
  • 老公の行方を求め金刀比羅宮で聞きまわる助格、金刀比羅宮の石段や本宮をイメージに挿入したあと、実際のお芝居は法輪寺で。長い石段でこんぴらさんのきつい坂を表現し、山門越しの絵には「五人百姓の床机」を演出。
  • 誘拐に一役買った左源太の倅・太助を見つけ話を聞く楓、琵琶湖(大きな岩が露出した砂浜)
  • 「誘拐犯」が老公を伴いやって来る城門、郡山城追手門
  • 左源太一家に見送られ当地を発つ一行、琵琶湖東岸(石積護岸)

※左源太は高知東生、「海賊のかしら」は渡辺哲。城代は浜田晃、悪徳商人は逢坂じゅん(レツゴーじゅんとは思えぬ憎々しさ)。茶店親爺は福ちゃん、ベタでクレジットあり。


第18話 「千客万来!代筆美人」 2011.2.21

 問屋場に忍び寄る魔手、お上に訴えても全く無駄の、奉行と悪徳商人がグルな仕儀。悪者を懲らすベタな展開に、一歩を踏み出せずにいた不器用な男女の後押しと、放蕩息子の帰還話をからめて描く。

ロケ地

  • 遅れて桑名入りの格さんが叶屋の飛脚を助ける街道、酵素ダートか。
  • 用心棒を買って出た格さんが、叶屋の飛脚頭と走る街道、山道は不明、足つって休む野原は大覚寺遣水跡。山賊が出て危機の山道は酵素か。
  • 事後、文をしたためてみる弥七、凭れる木は酵素の木。文代わりに花を摘む楓、酵素河川敷小川べり。

※問屋場主人の叔母で代筆屋のおちょうは若村麻由美、両思いだった飛脚頭は梨本謙次郎。奉行は石山輝夫、つるむ脇本陣の主は坂田雅彦。
※ラストシーン、楓の背後に映る笹の茂みの左手に「家」は映っておらず、このとき在ったかどうか不明。無かったとすれば、毀たれたあとの初使用例。


第19話 「恋でつないだ権兵衛峠」 2011.2.28  74

 復路は中山道、奈良井宿で出会った若い男女の恋の芽は、助平親爺のゴリ押しをもはねのけて、めでたく花を咲かせる。権兵衛峠開通の裏話が背景。

ロケ地

  • 権兵衛峠、不明(切り通しの山道、岩ごろごろ)。伊那へ向かう道も不明。
  • 米泥棒を追った弥七が見つける小屋、酵素ダート林間か。
  • 興津屋との祝言から逃れたお糸と鍬次郎、戻ろうと足を止める町角は映画村内広隆寺北塀際(お化け屋敷裏手)
  • 当地を発つ弥七と楓、酵素ダートか。

※権兵衛は前田吟、娘のお糸は佐藤藍子、彼女を慕う鍬次郎は山下徹大。人の弱味に付け込んでお糸を後添えにしようとはかる高遠藩領の興津屋は六平直政。
※ちょっと強欲なだけでさして悪くなかった代官は、印籠見せられて平伏、越権行為となる興津屋摘発に動く次第。権兵衛さんがシメられてるとこへ代官が入ってくるので、派手なお決まりのラス立ちはなし。
※お糸と老公の出会いは「米俵に腰掛けて怒られ」、前にもあった気がするが「エピソード1」だから問題ナシ?


第20話 「温泉宿の印籠泥棒!」 2011.3.7

 印籠紛失ネタは、お宝大好き代官や大泥棒など出てにぎやかに進行。甲斐性なしだが正直者の馬方を嘉して、一行は旅の途に。

ロケ地

  • 碓氷峠へ二里の山道、鳥居本八幡宮広場。イメージに浅間山挿入。老公が腰掛けて休む木の根方は酵素ダートか(斜面)
  • 印籠盗難の件で馬方のことを聞きまわる格さん、鳥居本広場か。馬方宅は鳥居本八幡宮広場に小屋あしらい。
  • 探し疲れて座り込む格さん、鳥居本八幡宮舞殿。ここへ老公がやって来て「買い戻した印籠」を開陳。

※馬方は酒井敏也、女房は竹内都子。馬方の子を脅し、印籠盗りを手伝わせたチンピラは福本伸一。お宝集めが趣味な代官は菅原大吉、「うっそぉ」発言など面白い。代官の蔵を俺様の倉庫扱いの大盗は竹中直人、非道はせずと吠えるシーンも。代官所乗り込み時、わらわら誰何しに出てきて殴られる中間や下っ端役人のくだり、お仕着せ羽織で福ちゃん。
※今回のラス立ちは盗賊団相手の大立ち回り、新録音?の壮大なBGMつき。


最終話 「お命頂戴!御老中」 2011.3.21

 老公の帰還に苦りきる加賀守だが、ごり押し政策のツケは思わぬ方向から来る。殿様の情けで命拾いした兄妹は、藩の危機に身を捨てて報いようとする。

ロケ地

  • 江戸城イメージ、皇居巽櫓
  • 腹心と密談後、屋形船をおりたところを襲われる加賀守、嵐峡船着き。
  • 小石川水戸藩上屋敷、イメージに小石川後楽園円月橋。弥七の報告を受ける縁先は随心院か。
  • 出石藩藤井家墓所、不明(石の囲いあり、丘上か)
  • 水戸家屋敷へ到着する加賀守の駕籠、随心院大玄関。老公と話す茶室、不明(窓から蔵?の扉がのぞく)。加賀守の帰りを襲う出石藩の若侍たち、随心院長屋門(行列はパーキングの方から来る)
  • 江戸を発つ一行、随心院境内植え込み際。

※元出石藩士の兄は金子賢、腰元だった妹は竹中里美。老公の逗留先となり、「翁屋夫婦」登場。


★第21話として予告されていた「難問揃いの算術対決(前橋)」は3/14震災報道特番のため休止、3/21には本来第22話だった最終回が放送された。


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