八丁堀の七人

第二シリーズ、2001年 テレビ朝日/東映

キャスト
仏田孫兵衛/片岡鶴太郎 水原弥生/萬田久子 松井兵助/山下徹大 花田孫右衛門/おりも政夫 吉岡源吾/日野陽仁 古川一郎太/末吉宏司 徳松/鼓太郎 市之丞/岡田翔太 磯貝総十郎/石倉三郎 青山久蔵/村上弘明


第1話 「連続誘拐の謎!?帰ってきた人情同心」 2001.1.18

 八歳の男児がさらわれるが、すぐ戻される奇妙な事件が続く。真相は大名家の御落胤さがしだったが、捨て子を養育してきた純な荒くれ男の悲哀と、事に乗じ改易を目論む筋の思惑がからみ、青山さまと配下が大暴れ解決で一件落着。

ロケ地

  • 両替商の倅が誘拐される神社、梅宮大社。坊は舞殿脇で友達と遊んでいて、帰り際を襲われる。青山さまが巫女や神官に事情を聞く段では夜間撮影。
  • 誘拐された八歳の男児が捨てられていた谷中の寺、本法寺。青山さまに命じられて一郎太が調査に行くと、既に八兵衛が来ていて住職にリストを貰うのは本堂前、背景に塔や回廊が映り込む。
  • 青山さまに命じられ大名や大身旗本の持ち船を調査する源吾と兵助、八幡堀(掘割に船を浮かべ)。両替商の倅の守袋を船底に見つける段はセット撮り、そこから見上げる趣向で映す遠山藩下屋敷の門は大覚寺大門(御殿川河床から手すり越しに見上げのアングル、このあと源吾と兵助は夫婦者に変装し、門前へ蕎麦の屋台を出して見張り・女装は兵助)
  • 白石与力を責めるも、却って大目付の目論見を打ち明けられてしまう青山さま、ところはお城の御廊下で、このシーンに先立ってお城イメージに姫路城天守が挿入される。
  • 遠山藩に彦太を返す話を断られたと報告に来る八兵衛、青山さまが佇む堀端は八幡堀明治橋上手堀端。
  • 事後、遠山藩の嫡子としてお国入りの「彦太」、行列がゆく街道は嵐山自転車道、追いかけて彦太に呼ばわる三次、走る川端は嵐山公園中州岸(桂川畔)。二つのシーンはミックスされている。

ゲスト
三次/大仁田厚 白石主水/中原丈雄 平岩監物/大出俊 彦太/有岡大貴
※三次と酒肆で小博打を打つ「仲間」の一人に福ちゃん。


第2話 「偽りの恋文!女が犯した秘密の罪」 2001.1.25

 八兵衛が世話してやり見守ってきた女、離れて暮らす亭主から来る文を幸せそうに読む姿は、哀しい嘘だった。磯貝さんの馬鹿な「嘘」を、ドラマの端緒に持ってくる。

ロケ地

  • 捕物の際の爆発で白骨死体が見つかる相生町の稲荷、北嵯峨竹林か。
  • 女をとったと青山さまに切りつけるチンピラたち、八幡堀舟橋。
  • おすみの亭主の素行を知った八兵衛、おすみに言い出しかねて別れる堀端、八幡堀白雲橋下手堀端。おすみが去ったあと、青山さま登場。

ゲスト
おすみ/中原果南 おかよ/東風平千香 貞次郎/柴田善行


第3話 「名もなき老捕方の命!奉行襲撃の真相は…」 2001.2.1

 部下に罪を着せ恬と恥じぬ汚職官僚、かたや下働きなるも忠を貫く老爺。八兵衛と青山さまは、薄汚い男を守るため散った命のために怒る。

ロケ地

  • 八兵衛の作った凧を揚げる弥生、広沢池観音島。茂平の孫が呼びに来る。
  • 作事奉行・加納庄太夫邸、大覚寺大門。出向した八兵衛は、中間たちが屯する「詰所」に。
  • 詰め腹を切った早見の墓に詣で無念を思いやる青山さま、金戒光明寺墓地
  • 加納を恨む元配下の浪人たちが襲撃をかけるくだり、神護寺。寛永寺視察を終えて帰る加納が、寺僧と歓談しながらおりてくるのは金堂下石段。浪人らが殺到するのは鐘楼下石段、出役した青山さまが山門から入り、茂平が斬られてしまう立ち回りは和気公廟所前で。
  • 茂平の墓、くろ谷か。

ゲスト
茂平/織本順吉 早見絹/芦川よしみ 加納庄太夫/磯部勉 相沢監物/佐藤仁哉 柴田左近/伊庭剛 早見和馬/田中優樹


第4話 「女将殺し!赤ん坊の父親は同心!?」 2001.2.8

 一郎太の身の上が知れる一話。恩ある父と兄を思う青年の心は天に通じ、ならず者が仕掛けた罠は明らかとなる。

ロケ地

  • 一郎太の回想、幼時、溺れた自分を兄・清吉が助けてくれた川、罧原堰堤下手桂川川中。
  • 清吉を脅していたならず者どものアジトを強襲する八丁堀、罧原堤下河原。汀に小屋仕立てて燃やす、派手な展開。

ゲスト
清吉/宮下直紀 喜兵衛/新克利 おさと/及森玲子 おしま/原田悠里 岩尾正隆 福本清三

※一郎太は後妻の子、母は出奔し今は岡場所の楼主で、幼い一郎太に喜兵衛の子でないと告げに来た過去あり。
※岩尾さんがならず者のヘッド、福ちゃんは手下。共にクレジットはベタ。


第5話 「人情同心怒る!!偽装心中の陰に島帰りの女の涙」 2001.2.15

 ほぼサブタイトル通りのお話、愛する男のため八丁堀同心に近付いた女は、八兵衛の優しさを「重い」と言う。

ロケ地

  • 聞き込み帰りの同心たちが合流する水辺、大覚寺放生池堤
  • おなつはシロと八兵衛に話す青山さま、広沢池観音島
  • おなつのことを聞き込んだ帰り、八兵衛のいるところへやって来る同心たち、大覚寺大沢池船着(大)
  • 事後、釣りをしている青山さまにおなつが故郷に戻ったと報告する八兵衛、大覚寺大沢池船着(大)。先と違い、前景に梅の枝を置きホケキョの声を演出、船着の端っこには渡し場の灯をあしらってある。

ゲスト
おなつ/濱田万葉 喜三郎/冨家規政

※すこぶる素行の悪い養子が、放逐を免れるため仕出かす殺人。おなつは愛された記憶を抱いて身代わり志願、そも遠島の理由の殺人も喜三郎のためという徹底ぶり。
※男の冷酷さをいい風に繕って話す八、ほんとのことを告げる青山さま。おなつは二人を比較する。


第6話 「容疑者は息子 放火魔を追うグズ同心!二人の母が泣いた…」 2001.2.22

 なさぬ仲の若い母親に反発する青年、拗ねて入った「血盟」がトンデモで、あわや殺人犯に仕立てられかける。結局彼を救うのは、生みの母と育ての母二人の女なのだった。

ロケ地

  • 孫さんとお昼をつかう八兵衛、大覚寺五社明神。二人は放生池畔に腰掛け。ここで「後妻」を嫌う長男・千太郎のことを愚痴られる。
  • 放火犯と目される若侍を尋問したところ、火盗改の兄が出てきてねじ込まれ、孫さんの土下座で決着がつく市中、上御霊神社。若侍が休む茶店を本殿前にあしらい、吉岡と孫さんが事を構えるシーンは舞殿脇。
  • 事後、仲良くお梅の作った弁当を食す孫さんと千太郎、嵐山自転車道。青山さまと八、市さんも登場。

ゲスト
お梅/八木小織 千代/北原佐和子 村越十内/田中隆三 大原玄斉/内田勝正 花田千太郎/佐藤友樹

※上御霊さんで同心と火盗のトラブルを見ている町衆の一人に福ちゃん、動きが派手で目立ってて笑える。
※お梅は孫さんの今のかみさん、千代は前妻で和泉屋の女将。ライバルを消して御用達を狙う和泉屋は峰蘭太郎、火盗や勝正は彼とつるみ。
※孫さんは若い頃カミソリと称されたワーカホリックで、前妻が逃げたのもそのためという設定。以降、種馬とかグズとか言われ、今回お奉行名指しのリストラ対象になってたり。


第7話 「与力を刺した女!仕組まれた凶悪な罠」 2001.3.1

 盗っ人に使嗾され、青山さまを亭主の仇と狙う女。刃をかざし向かってくるのを、抵抗せず刺されてやったのは、かつて哀しませた女への償いだった。

ロケ地

  • 州走りの藤兵衛一味のアジトに踏み込むも蛻の殻、その後青山さまに命じられ夜を徹してあたりを探し回る同心たち、大覚寺境内。石仏前、護摩堂、放生池堤石橋、放生池池底(夜鷹が焚き火)、有栖川畔、五社明神裏手と舞殿。
  • 市之丞が授業を終えて出てくる昌平坂学問所、妙心寺大門。友とその母を見て落ち込む。
  • 亡妻・おゆみの命日に墓に参る青山さま、二尊院墓地。供花を携えやって来た市之丞と入れ替わり。
  • 帰り道の市之丞が鼻緒を切り、すげ替えてくれた飴売り女のおまつと知り合う坂、二尊院紅葉の馬場
  • おまつが意図をもって青山家に入り込んだことを報告する八兵衛、仁和寺中門
  • おまつを詰問する青山さま、仁和寺九所明神と周辺の林。ぐるっと一周レール撮影で、塔も映り込む。
  • 藤兵衛一味に消されかかるおまつを助けに現れる青山さま、仁和寺経蔵脇。位置は九所明神裏手の崖上、経蔵脇におまつの亭主が葬られた塚を仕立ててある。
  • 八兵衛の肩を借り帰る青山さま、仁和寺参道(背景に金堂映り込み)

ゲスト
おまつ/水島かおり おゆみ/有沢妃呂子 藤兵衛/井上高志 蟷螂襲 石倉英彦

※青山さまが藤兵衛を捕えようとした際、折れた刀身がおまつの亭主にぐっさり。
※青山さまが矢場女を娶った経緯が語られる。


第8話 「人情同心VS冷徹与力!略奪愛の過酷なさだめ」 2001.3.8

 見え隠れしていた弥生の謎が解け、お妙の消息も明らかとなる。もちろん、すんなり八兵衛のもとに戻るなどという展開は無い。

ロケ地

  • 八兵衛と孫さんが過去の蘭学者取締りについて語り合うくだり、飢饉イメージに広沢池西岸池底(ひび割れを強調)。乾いた大地に祈る雲水を配してある。
  • 弥生が八兵衛に告白する、お妙を京まで追っていった際の回想シーン、二人話す川べりは桂川松尾橋上手中州合流点(右岸河川敷汀)
  • 暴漢に難儀する女を助けるとそれはお妙な夜道、上賀茂神社ならの小川畔。八兵衛は対岸から投石、川を押し渡り追うが、お妙は逃げ去ってしまう。
  • 妙の顔を描いた凧を揚げる雨宮、大覚寺護摩堂裏手。凧を見て八兵衛が駆けつけ、次いで「亭主」の仇を討ちに弥生が吶喊。このあと青山さまがうっそりと現れ、八兵衛と対峙。

ゲスト
お妙/渡辺梓 雨宮精一郎/清水紘治 香川敬之進/佐野圭亮 生田新八郎/石田登里

※雨宮は五年前の摘発の際死んだと思われた蘭学者、「腐った政」を一掃すべく爆薬を開発。


第9話 「爆発炎上!さらば愛しき妻よ!!最後の大捕物」 2001.3.15

 青山さまと八兵衛の対峙は、悪名高い南のお奉行によって水入り。囚われの身となった雨宮だが、燃え盛る復讐心はいろんな人を巻き込み、挙句の果て再出発するはずの愛をも無残に引き裂いてしまう。

ロケ地

  • 雨宮とお妙を庇った八兵衛が青山さまの前に立ちはだかるところ、鳥居甲斐守の出役で雨宮を持っていかれてしまう町角、大覚寺護摩堂裏手。
  • お妙が雨宮の子を身ごもっていると青山さまに告げる弥生、大覚寺天神島
  • 市之丞をさらった雨宮の要請に応じる形で鳥居を連れ出す青山さま、鳥居に殺された蘭学者たちの無縁塚が立ち並ぶ墓地は酵素河川敷。雨宮が現れてファィヤ。逃げた雨宮を追う青山さまだが、逃げられてしまう崖、保津峡落合落下岩

ゲスト
お妙/渡辺梓 雨宮精一郎/清水紘治 牢名主/川合伸旺 鳥居甲斐守/中田浩二 本庄/亀石征一郎 山南主膳/潮哲也

※話の次第はほぼサブタイ通り、炎上する廃墟の芝居小屋でちょっと唐突な幕切れ。


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