八丁堀の七人

第三シリーズ 2002年、テレビ朝日/東映

キャスト
仏田孫兵衛/片岡鶴太郎 水原弥生/萬田久子 松井兵助/山下徹大 花田孫右衛門/おりも政夫 吉岡源吾/日野陽仁 古川一郎太/末吉宏司 徳松/鼓太郎 市之丞/岡田翔太 磯貝総十郎/石倉三郎 青山久蔵/村上弘明


第1話 「対決!北町の剃刀VS南町の狼」 2002.1.7

 凶賊の跋扈の裏に内通者、同心たちが疑心暗鬼に陥る一幕も。幼馴染の南町同心の妻女に頼られた八兵衛は、儚げな面持ちに隠された黒い内面を見ることになる。

ロケ地

  • 夜烏のアジトに踏み込むももぬけの殻の屋敷、宝厳院(夜)
  • 南町同心・岡本が賊の一味に刺される夜の橋、中ノ島橋(刺されてドボン)。翌朝の検分は嵐峡汀。
  • 夜烏一味を見つけ追うも、編笠の侍が先回りして始末の道、大覚寺有栖川(河床から見上げ)
  • 岡本の妻女・美奈が入ってゆく料亭、嵐山公園・錦。彼女を見張る八兵衛は大覚寺船着(大)にいて、凧を揚げて朋輩に合図。ここから料亭裏手(庭側)が見えるという趣向で、船着から望雲亭を見てセットにつなげ、セットから見える空にも凧をあしらい。美奈と会っていた侍が出てくるところを待ち構えるシーンも、錦と大覚寺境内を組み合わせ。
  • 事後、凧の糸を切り捨てる八兵衛、広沢池観音島。やって来た青山さまに、美奈自刃の真相を告白。

ゲスト
岡本美奈/相田翔子 服部左内/菅田俊 夜烏の清三/岡崎二朗

※八兵衛の凧には、美奈の顔が描かれている。ラストシーンでは、その凧を揚げて糸を切り、水面に落とす。


第2話 「壮絶大捕物!狙われた目撃者」 2002.1.14

 辻斬りの正体は、大身旗本。うまく逃れた大工に証言させようとするが、本人のみならず女房の身にも危険が迫る。兵助が重傷を負わされ、遂に大工は始末され、仇討ちに乗り込んだ女の危機に、八兵衛は十手を返上して助けに向かう。

※ロケなしセット撮り。

ゲスト
お美代/長谷川真弓 榊原右京介/立川三貴 矢吹兵庫/須藤正裕 半次/前田淳


第3話 「写楽殺し!地獄絵図の女」 2002.1.21

 謎の画家が三十年ぶりに現れ、復讐劇を繰り広げる。利用しつくされた男と、今なお搾られ続ける者たちを、豪腕与力が粋に救う。

ロケ地

  • 斉藤の駕籠を襲った刺客を追う一郎太たち、大覚寺参道石橋〜大門前(目付・加瀬邸)。後段、青山らが訪問の際にも門は閉じられ、木戸から出入り。
  • 阿波藩中屋敷、大覚寺大門越しに式台玄関を望む図。室内はセット撮り。
  • 国元へ出立する斉藤一行、粟生光明寺参道坂。石段上部から出役した北町の面々が駆け下りてくる。
  • 事後、北斎父子を見送る八兵衛と市之丞、大覚寺心経宝塔前(五社明神脇に茶店をあしらって、背景に塔が来る図)。北斎らは大沢池北辺並木を去ってゆく。

ゲスト
お栄/石野真子 葛飾北斎/高橋昌也 斉藤十郎兵衛/片岡弘貴 加瀬崎十郎/大橋吾郎 伊平次/佐藤仁哉

※島帰りの伊平次が真の写楽、斉藤が名も金も盗っていた次第。北斎の娘・お栄は加瀬の元妻女、シーボルト事件で離縁。
※斉藤を捕えると北斎が絵を描けなくなることを慮った青山さまは、捕物の際「うっかり」斉藤を斬り捨て。


第4話 「消えた盗賊!船宿の女将の秘密」 2002.1.28

 行き止まりの路地に消えた賊を追う北町、八兵衛は捜索中材木を倒され重傷を負う。親切に保護してくれた女は、むかし八兵衛が助けた女で、かいがいしく面倒を見てくれるものの、どうにもこうにも不審なのだった。

ロケ地

  • 八兵衛が青山さまに宛てて書いた文を届けに出て、中を盗み読むおよう、鳥居本八幡宮舞殿。後からやって来た板前の銀次と話すのは井戸脇。
  • 見張り中の質屋から出た不審者を尾行するもまかれた徳松、青山さまに報告する堀端は八幡堀堀端。その後考え込む青山さまを見かける弥生と市之丞は明治橋上から、その後堀端へ下りてゆく。
  • 帰ってこない八兵衛を捜しに出る弥生(青山の使嗾)八幡堀新町浜。このあと船茂を訪ねるシーンはセットにスイッチ。
  • 質屋に踏み込まれたあと、秘密通路から逃れ船でゆく一味、北町に船を引っ張られ寄せられてしまう浜は大覚寺大沢池畔。

ゲスト
およう/中島ひろ子 銀次/本田博太郎 むささびの菊蔵/草薙良一 喜兵衛/井上高志 松吉/頭師佳孝 福本清三 西村龍弥

※おようはDV父に絶望し入水のところを八兵衛が阻止、その後菊蔵に買われ父と縁を切れ、かしらに恩を感じている次第。
※福ちゃんは菊蔵の手下、ラス立ち前、達者に艪をやる姿も見られる。


第5話 「与力を恨む女!闇に潜む権力者を暴け!!」 2002.2.4

 富商の入水実は殺し、裏に大物。あるじは殺されたと主張する女中は、その実力者に関わる過去を秘めていた。復讐心を滾らせる彼女を、睨まれ罵られつつも気遣う青山さまが泣かせる。

ロケ地

  • 船遊びのさまを二階から眺める青山さま、桂田が屋形船に乗り込む船着場は大覚寺大沢池船着(大)。夜間撮影。
  • 松葉屋が土左衛門で発見される隅田川、大覚寺放生池堤越し大沢池。渡し舟の舳先にぷかぁで、乗客の女がギャー。堤にはぼんぼりあしらい。
  • 桂田邸、大覚寺大門
  • 桂田の用人がおゆきに呼び出される寂しい場所、吉田神社竹中稲荷本殿裏手。
  • 木戸番の目撃談、松葉屋が立っていた桟橋は大覚寺大沢池船着(小)
  • 松葉屋が乗り込んだ屋形船を捜す同心たち、桂田邸前にいた吉岡と一郎太は大覚寺大門前・御殿川手すり脇。ここへ船を見つけたと注進におよぶ徳松は御殿川河床から呼びかけ、一郎太らも河床へ飛び降り。屋形船が係留されている裏の船着、大覚寺大沢池・望雲亭庭側の岸(船に入り込んで調べる一郎太、人が来て慌てて潜むのは土手法面の植え込み、徳松はこのあと土手を伝い船を追ってゆく)
  • 桂田の用人に始末されかかるところを助けられたおゆき、父の切腹は冤罪でなかったと知り駆け出し飛び込む橋は中ノ島橋。青山さまが助けに飛び込む。ホントに下の川にドボンしているが、吹き替えと思われる。
  • 事後、父の墓に参り懐剣を置いて立ち去るおゆき、大覚寺梅林(卒塔婆と五輪塔あしらい、林越しに心経宝塔がのぞく)
  • 市之丞の凧揚げにつきあう青山さま、大覚寺遣水跡。八兵衛が来て酒をねだる茶店は芝地にセッティング。池端は街道筋設定で、旅人が行き交う。

ゲスト
おゆき/松本あまり 桂田清州/中山仁 沢井平九郎

※清州は元同朋衆で今は隠居、娘が将軍御寵愛の側室で隠然たる力を持つ。おゆきの父は清州の家来、青山は清州のとりなしを拒み断罪し切腹させた次第。
※桂田の用人がおゆきを囲ませる段、侍の一人に福ちゃん。青山さまにぶっ叩かれ。
※市之丞が医学に志す話が出て、父子の相克を、おゆきとその父に絡ませる。


第6話 「二度消えた死体?嘘つき女が襲われた」 2002.2.11

 お町のダンナまで騙して金を貯める女には、哀れで健気な決意があった。タイトル通りの事件が起こり、巻き込まれた女は欲をかくが、青山さまは彼女を囮に使う。

ロケ地

  • 酌婦が殺されているところへ出くわすお八重、大覚寺有栖川畔。定次は五社明神裏手に突っ立っていて、お八重に見られる。設定は堀端、後段、回想で酌婦殺害シーンが出てくる。
  • 定次を見かけ追ってゆくお八重、今宮神社東門(内側)〜稲荷社前(金を受け取りに来た定次が刺殺される。設定はお稲荷さん)
  • 現場から消えていた定次と酌婦が、心中死体に偽装されて見つかる両国橋近くの河原、中ノ島橋下手右岸河川敷
  • お八重の回想、浜松の在を出て江戸へ向かう両親と別れの街道、大覚寺大沢池北辺並木(紅葉)
  • 事後、息はずませて街道を小走りにゆくお八重、嵐山自転車道
  • お八重が故郷へ発ったことを、釣りの青山さまに報告しにくる八兵衛、大覚寺放生池堤

ゲスト
お八重/細川ふみえ 近江屋源蔵/伊藤敏八 仙吉/武本裕史

※お八重の両親は、借金から逃れるため故郷を出奔し江戸へ出たものの、願いは果たせず死亡。親の借金を返し浜松に墓を立てるため、お八重は阿漕な振る舞いもして三十両もの金を貯めていた次第。あと二十両、という埋めは青山さまが報奨金というかたちで呉れてやるが、持ち出しの模様。
※近江屋の用心棒で福ちゃん登場、浪人のセンセイ。


第7話 「母と名乗れない女!わが子と涙の対面」 2002.2.18

 寂しさを押し隠し母を庇う幼子、その子は亡くしたものと思い込んでいた女、二人が親子として抱き合うまでの曲折を描く。暗い過去を背負った女は、欲深い悪党どもに脅されまくり、追い詰められてゆく。

ロケ地

  • 庄太の養母・お竹の墓がある林、北嵯峨か(竹林)
  • お艶が脅迫者の元番頭を刺してしまう湯島天神裏、車折神社参道・鳥居前。
  • お艶が新たな脅迫者・弥三郎に金を渡す町角、大覚寺五社明神本殿脇。
  • 弥三郎がお艶を待つ屋形船、大覚寺大沢池に舫い。岸辺で吉岡が見張っているが、うしろから殴られて昏倒。設定は六間堀。
  • お艶の回想、赤子を抱いて入水した橋、中ノ島橋。一人這い上がった岸辺は嵐山公園中州岸、堰堤脇。
  • 庄太をさらうならず者、大覚寺天神島。庄太を呼びに来た市之丞が目撃、声を上げるのを青山さまが制し、一郎太にあとを追わせる。
  • 隠し子が一件落着、再び婿取り開始であたふたと一家で道を急ぐ磯貝と妻子、大覚寺放生池堤。それを見て笑う八兵衛と青山さまは護摩堂前。

ゲスト
お艶/原久美子 政之助/山西道広 蓑吉/伊藤高 お糸/杉本夕子 庄太/横井涼 綾乃/新海百合子 お袖/竹本聡子

※お艶は元酌婦、油問屋に玉の輿。主の妹夫婦は快く思っていない。
※庄太は臨終の養母に言われて「親切な同心」磯貝に会いにゆき、隠し子騒動勃発。
※車折神社で検分を物見高く覗く見物衆の一人に福ちゃん、必要以上に首振り。なりは商人で風呂敷包を背負い。


第8話 「捨て身の人質救出!愛する女を守れ!!」 2002.2.25

 弥生と八兵衛の仲が、いろんな事象を経ていちおうの進展をみる。しかし、べつに正式に結婚するでもなく痴話喧嘩が続き、表面上はなにも変わっていない二人なのだった。

ロケ地

  • 寺崎兄弟のアジトに踏み込む北町、梅宮大社本殿を映し参集殿にパン、室内のシーンはセットにスイッチし、ここがヤサという感じの絵にしてある。戦闘シーンはセットから神苑門前にスイッチ、池端で立ち回り。
  • 弥生に頼まれ、兵助に見せつける芝居をしたあと、花田に心境を話す八兵衛、中ノ島橋上。
  • 弥生のことで揺れ、職務に支障をきたす八兵衛の件で弥生を呼び出す青山さま、広沢池観音島(背景、水面を釣り船がすべってゆく)
  • 青山さまと話したあと、帰り道で寺崎一味に拉致される弥生、大覚寺大沢池木戸
  • 弥生を救出するため、捕まえてあった寺崎弟を牢から出す兵助、一味が出て斬られてしまう夜道は大覚寺護摩堂前。
  • 兵助を傷つけ、寺崎弟を奪還して逃げる一味を見かける八兵衛たち、大覚寺五社明神(八兵衛が花田に当身、徳松を連れて追跡。アジトはセット撮り)
  • 事後、釣りをしている青山さまのところへ来て謹慎は自分一人にと申し出る八兵衛、大覚寺大沢池船着(大)

ゲスト
寺崎文五/内田勝正 寺崎平八/成瀬正孝

※寺崎兄弟は凶悪な辻斬り、仲間の浪人と徒党をなして悪さをしまくり。捕えられた弟の悪態が思い切り憎さげで笑える。
※弥生には帰って来いという主旨の文が母からが来ていて、同時期に兵助にコクられ混乱。八兵衛にはあきらめさせるためのクサい仲良し芝居を求める次第。
※青山さまの嫌味な発破を受け聞き込みに回る同心たち、昼酒を呑んでいるチンピラをシメるくだりに福ちゃん発見。するめ齧ってた。


第9話 「獄門に笑う女!牢内にすべての謎が…」 2002.3.4

 幸薄き姉が掴んだ幸せを引き裂いた者どもに復讐する、これも薄幸の妹。警動で女牢にぶち込まれた女郎は、姉が亭主の名を刻んだ柱を見たのだった。

ロケ地

  • 八兵衛が釈放されたお仙を迎えに来る小伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門(後段、兵助が匹田を見張るシーンでも出る)。お仙を自宅に連れ帰る八兵衛、二人ゆく細道は大覚寺望雲亭南・有栖川左岸沿い並木道
  • 奴刑で後藤屋に勤めたお仙が、使いに出てドロンと聞かされ捜しに出る市之丞、見つけた渡し場は広沢池西岸池底(水無)
  • お仙の回想、亭主(後藤屋先代)とともに江戸へゆく姉を見送った街道、大覚寺大沢池北辺並木(紅葉、茶店あしらい)
  • お仙の引き回しの日、水辺に佇む市之丞にお仙からの文を手渡す八兵衛、大覚寺大沢池船着(小)。拙い字で記された謝罪を見て市之丞が駆け去ったあと、青山さまが出てくるのは望雲亭の方から。

ゲスト
お仙/青田典子 本庄又四郎/宮内淳 匹田甚内/朝日完記

※お仙の姉夫婦は、元番頭の今の後藤屋に陥れられ獄死。牢内でむごい目に遭わせた当人の本庄は、今回北町の市中取締役に赴任してきたイヤーな男。牢同心の匹田は手助けをこいたワル。
※お仙に母を重ねてしまった市之丞は、匿うなどの行為を仕出かす次第。


第10話 「大名行列への討入り!名誉を賭けた闘い!!」 2002.3.11

 大名家のお世継騒動に、首を突っ込む羽目になる北町メンバー。悪党に付け入られた道ならぬ恋は、果たして悲劇に終わるのだった。

ロケ地

  • 娘の縁談トラブルで泥酔した磯貝が寝込む土手、大覚寺天神島木の根方。前夜、叩っ斬るとブチ上げた相手が死体になって引き上げられるのは「すぐそば」の大沢池。
  • お袖に数馬を呼び出させる青山さま、待ち合わせの茶店は梅宮大社神苑池端に床机をしつらえ(南岸。対岸に神苑の門が見えていて、前に鳩が大量)
  • 青山さまに事の経緯を聞かされた右京、参りにゆく父の墓は二尊院墓地。「討手」が出るが八兵衛らが出て阻止。

ゲスト
萩乃/戸田麻衣子 進藤右京/鷲生功 宗像弾正/堀内正美 進藤数馬/佐野圭亮 吉忠/石田登星 綾乃/新海百合子 お袖/竹本聡子

※烏山藩の奥方・萩乃と右京は恋仲、ずっとできなかった殿様の子が生まれる次第。
※右京・数馬兄弟の父である留守居役は芝本正。藩士で福ちゃん登場。


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