緋ざくら小天狗

山崎大助監督作品  1961.4.25東映

キャスト
お俊/美空ひばり 市松/大川恵子 市川米十郎/品川隆二 上総屋万五郎/大河内傳次郎 武山文平/安井昌二 紋太/花房錦一 与茂八/大泉滉 政吉/加賀邦男 座光寺若狭之介/坂東好太郎 市村座頭取/中村時之介 但馬屋/水野浩 辰蔵/長島隆一 お兼/東竜子 お初/赤木春恵 田村/尾形伸之介 野島/鈴木金哉 習字師匠/南方英二 丑松/那須伸太朗
原作/瀬戸口宣雄
脚本/棚田吾郎

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 浪花の富商の娘・お俊は、文武両道のスーパーお嬢様。ならず者と事を構えたりするお転婆ぶりに匙を投げた親は、よそへ出して牙を抜こうと図るが、結果はとんだ的外れに。

 ひばり映画らしく歌あり踊りあり小気味いい立ち回りあり、きゅんと酸っぱい失恋描写もあって、盛り髪も凛々しい浅草の女親分ができあがってめでたく締めくくられるが、それを沿道で喜んで見てていいのか両親、っていうあたりがコミカル。

緋ざくら小天狗

ロケ地

  • 江戸へ向かうお俊、米十郎とお供の与茂八と出くわす街道、不明(谷地田沿いの地道、溜池や小屋あり、他作品でも頻出のアレ)。その後米十郎の話を聞く池端、不明(溜池のほとり、池は上下二段の溜池)。意気投合した二人が、与茂八ほっぽって追っかけっこしたりしてキャハな海浜は琵琶湖西岸松原(後段の回想シーンでも出る)。このあと帆船がゆく海イメージも琵琶湖、桑名の渡しイメージの夕景も琵琶湖で、武山浪人と出会う月夜の松原はセットにスイッチ。
  • 掛川を過ぎ、なおついてくる武山に引くお俊たち、富士山が見える街道、不明(河畔林の土手を奥に見る田んぼ道に富士を合成か)
  • 江戸へあと少しの街道、兵主大社参道松並木か(米十郎を迎えに出た市松が、頭取らと離れて居るシーンでは石灯籠映り込み、並木と直角に「参道」の気配)
  • 米十郎が無事四代目市川小団次を襲名できるよう祈願する市松、お参りのあと朋輩に冷やかされる神社は新日吉神社。額づくのは本殿で、本殿前から舞殿越し楼門を望む図のほか、石段ナメて本殿見返りの図も。

※歌舞伎役者の米十郎は、浪花の師匠の踊りに得心ゆかず江戸へ戻る段でお俊と同行する運び。柳橋芸者の市松は彼の幼馴染で、お俊の恋のライバルとなる。
※武山浪人は、お俊そっくりの女房・お七を斬って江戸を売った身の上、お俊につきまとい江戸へ舞い戻る。座光寺とは古馴染み。
※お俊の親が再教育を期待して預けた男伊達・上総屋は、かねてより座光寺と対立していて、お俊の持ち込んだトラブルでおおごとに発展。万五郎の女房・お初はお俊の乳母。お俊は万五郎の後を襲い、「奴の小萬」と名乗る。


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