源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶

1991.10.13テレビ朝日/東映

キャスト
村上弘明 斉藤慶子 石橋蓮司 黒田福美 小高恵美 大門正明 伊藤敏八 大橋吾郎 勝部演之 成瀬正孝 村田正雄 曽我廼家文童 丹波哲郎 星野美恵子 小峰隆司 峰蘭太郎 福本清三 江原真二郎 片平なぎさ

原作/柴田錬三郎 脚本/志村正浩 監督/牧口雄二

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 死を覚悟した義経が、金売り吉次に託した二振りの宝剣は、長い時を経て裔とされる青年の手に渡る。財宝のありかが記されているとも言われるその刀をめぐり、欲深い幕閣や公家が暗躍するが、白衣の美剣士の繰り出す秘剣は、薄汚い思惑を叩き潰すのだった。
ドラマは、美剣士に惚れてメロメロの女たちを軸に展開される。

大覚寺

ロケ地

  • 文治5年(1189)、藤原泰衡の軍勢に強襲される衣川の館、大覚寺心経宝塔前広場。柵と門をあしらい、夜間撮影(塔ライトアップ)・セット併用。
  • 弘化元年(1844)、火焔剣を背負った剣客・大坪左源太が刀を狙う一味に殺されるくだり、神護寺。彼の危機に現れる源氏九郎は、多宝塔の中から出てくる。
  • 大坪の遺志を受けた九郎が三島へ向かうくだり、間人海岸(タイトルロール)
  • 大坪の剣が九郎の手に渡ってしまった件をお蝶にボヤく留吉、彼らのいる茶店は日吉大社走井橋たもとにセッティング。導入は大宮橋欄干越しの絵で、火焔剣を負った要之進と許婚者の織江はこの橋の上をゆく。
  • 大坪と要之進が試合う手筈となっていた三島大社、近江神宮。導入は楼門越しに本殿を望む図で、町衆が門に殺到。神官や立会人は本殿階下に、大坪と九郎の対決は階下石畳で。
  • 三島大社から水焔剣を盗んだ者どもを狙撃するお蝶のくだり、日吉大社西本宮玉垣脇〜白山宮手前滝下。「盗っ人」が雇い主の天山に剣を渡す滝壺、琴滝(天山が水焔剣を抜くと力が発動し、滝水は遡り始め、終には消え去る←ここに導水したのを逆戻し再生)
  • 九郎が、火焔剣について教えを乞うため師・日正に会いにやって来る寺、毘沙門堂。参道坂〜薬医門、師と会う座敷は本堂内、話しながらゆく廊下は本堂廊下〜回廊(蹲も映る)。ここで、故事に詳しい桜小路卿が、伝奏屋敷に滞在中と教えられる。
  • 谷水を飲む九郎を、許婚者の仇として斬りかかる織江、清滝河畔。失敗するも却って気遣われ、雨宿りした小屋で朝を迎え、黙って去った九郎を捜しに出る織江、保津峡落合崖道(崖を滑落)〜落合河口巖(右岸側)
  • 九郎が火焔剣を抜き、別の場所で天山が水焔剣を抜き、双剣が呼応するくだり、九郎が立つ断崖は間人付近か/天山が鬼十郎一味と対峙する山中は白水峡か(バッドランド)
  • 江戸、一刀念流・大坪道場、相国寺林光院。後段も出て、門前のほか式台玄関も使われる。
  • 桜小路卿に会いにゆく九郎、伝奏屋敷の門は大覚寺勅使門。建物外観は相国寺方丈、おじゃるが残酷にも虫を踏み潰して通る廊下は相国寺方丈裏手廊下、申し出を蹴った九郎がおじゃるの配下と大立ち回りの庭は相国寺方丈前白州(この間、おじゃるは座敷から、おじゃる妹は前縁から、九郎の戦いぶりを見ている)
  • 騎馬の天山が九郎に殺到する河原、天神川河床(大堰堤上の砂河原)
  • 老中・堀田信濃守邸、大覚寺大門。鬼十郎が不首尾を報告する座敷は望雲亭で、老中は庭に出ている(池水も映り込む)
  • 九郎を篭絡しようとして失敗した翌早暁、水焔剣を携え走り出てくるおゆう(中納言の妹)、玄関は大覚寺式台玄関、このあと大門を出て、天山に殺されるのは大沢池畔か。
  • 鬼十郎に伴われ、決着をつけにゆく九郎のくだり、神護寺。石段を登りきると、金堂前で老中が駕籠から出てくる←ここで大立ち回り、老中は駕籠ごと火焔剣で真っ二つ。
  • おゆうの従者だった風神が、これからは九郎に仕えたいと申し出るくだり、大覚寺大沢池木戸〜五社明神〜石仏前。この間、風神が中納言への呪詛を吐き、別れの文をしたためる織江の姿など被る。
  • 大坪道場から拉致した織江を運ぶ中納言の手下、不明(高山寺参道に似る。目撃し飛び出そうとするお蝶を留吉が止めるシーンに石積)
  • 最終決戦の場となる閻魔堂はセット、双剣を携え平家の都跡・福原へ向かう九郎、不明(マジ海)

※そもそも「宝刀」は、平家滅亡の際平時忠から義経に託されたもの。大刀が火焔、脇差が水焔で、呼応しあい怪異を生ずる←色目も派手な雲が湧いたり。
※天山がおじゃるに変じて発する台詞の言い回し、「さてみなさん」のあのヒトに酷似していて大笑い。
※源氏九郎、源義経/村上弘明 お蝶/片平なぎさ 織江/斉藤慶子 夢現天山/石橋蓮司 堀田信濃守/江原真二郎 日正/丹波哲郎


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