南国太平記

渡辺邦男監督作品  1954.1.15東映

キャスト
益満休之助、牧仲太郎/片岡千恵蔵 お由羅/木暮実千代 冨士春/花柳小菊 島津斉彬/大友柳太朗 仙波小太郎/堀雄二 綱手/千原しのぶ 七瀬/松浦築枝 島津寛之助/植木千恵 梅野/高山裕子 深雪/宇治みさ子 島津斉興/高田稔 島津久光/石井一雄 岡田小藤次/加賀邦男 碇山将曹/山室耕 伊集院平/山口勇 南玉/杉狂児 庄吉/島田照夫 仙波八郎太/河部五郎 山内重作/大谷日出夫 方庵/水野浩 加治木玄白斉/高松錦之助 四ツ木喜十郎/廣瀬恒美 名越左源太/堀正夫

原作/直木三十五 脚本/高岩肇

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 風雲急を告げる幕末、薩摩のお家騒動「お由羅騒動」を描く。
斉彬の忠臣・益満休之助は、殿に害意を持つ者どもに対抗し過激に動く。しかし友の一家は忠義のため離散、自身にも刺客の魔手が伸びるのであった。

二条城

ロケ地

  • 薩摩、玄白斉らが馬を駆る山道、谷山林道か(切通し、松並木も)。牧が呪詛を行うシーンはセット撮り。
  • 江戸・島津屋敷門、東本願寺内事門
  • 薩摩藩邸内の描写、二条城二の丸御殿庭園。人々が行き交う御殿前は書院脇、若君の様子がただならぬため、怪しい奴を近づけるなと命じる物頭のシーンは書院を遠景にした池泉端(若君が没したあと、益満が小太郎と話すのもこの池泉、黒書院と白書院をぐるっと映し、藩が二つに割れていることを嘆く次第。千恵蔵は庭石に腰掛けている)
  • 仙波一家が暮らす御長屋、妙心寺聖澤院門。即退去と言い立て、邸内から道具を持ち出し放擲する藩士たちのシーン、玄関はセット撮り。
  • 牧の駕籠を追う玄白斉、九十九折の山道、不明。
  • 牧を追って叡山へやって来た仙波父子、戦支度をするお堂前、不明(二層の大屋根、蔀戸)

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続南国太平記 薩南の嵐

渡辺邦男監督作品  1954.2.3東映

キャスト
益満休之助、牧仲太郎/片岡千恵蔵 お由羅/木暮実千代 冨士春/花柳小菊 島津斉彬/大友柳太朗 仙波小太郎/堀雄二 調所笑左ヱ門/薄田研二 深雪/宇治みさ子 七瀬/松浦築枝 梅野/高山裕子 綱手/千原しのぶ 島津斉興/高田稔 島津久光/石井一雄 岡田小藤次/加賀邦男 碇山将曹/山室耕 南玉/杉狂児 加治木玄白斉/高松錦之助 西郷吉之助/上代悠司 庄吉/島田照夫

原作/直木三十五 脚本/高岩肇

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 斉興はますます頑な、お由羅の方の陰謀は止まらず、遂に斉彬自身が調伏を受ける仕儀となる。益満は薩摩の密貿易を幕府に訴えるという無茶を仕出かすが、調所が一人責を負い不発。冨士春の献身により遂に牧の居所が知れ、御嶽山に駆けつける益満と小太郎、しかし術者は騒ぎをよそに行を続け、「成就」と叫ぶ。

東本願寺内事門

ロケ地

  • 大坂イメージ、宇治川派流と酒蔵、背景に大阪城天守を合成。
  • 薩摩藩大坂蔵屋敷、不明(御香宮に似る、広壮な門)
  • 薩摩藩邸、東本願寺内事門
  • 斉興による国元「過激派」の処断、閉門の屋敷、不明(塔頭か)
  • 益満らが御嶽山へ馬をやる道、不明(谷地田脇地道、山裾)

※斉彬は家督を譲られることなく死去、お由羅の方は久光の指弾と斉興の示唆を受け毒を仰ぐなど、史実とは異なる展開。青年・久光は兄を尊敬し慕い、母にも直言するなど誠実・清廉な人物として描かれる。お由羅の方はキレイで色っぽいだけでなく、益満と理詰めで言い争うなど聡明な人物設定←そのわりに、しゃれこうべ並べて呪詛などオドロい真似もしていて笑える。また、騒動終結後には両派執を残すことなく、益満の言動に満座爆笑でエンド。


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