忠臣蔵 四十七人の刺客

市川崑監督作品  1994.10.22東宝

キャスト
高倉健 中井貴一 宮沢りえ 岩城滉一 宇崎竜童 松村達雄 井川比佐志 山本學 神山繁 黒木瞳 清水美砂 古手川祐子 石倉三郎 石橋蓮司 尾藤イサオ 橋爪淳 尾上丑之助 佐藤B作 横山道代 小林昭二 今井雅之 塩屋俊 西村晃 小林稔侍 坂東英二 中村敦夫 石坂浩二 浅丘ルリ子 森繁久彌

原作/池宮彰一郎
脚本/池上金男、竹山洋、市川崑

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 内匠頭刃傷の理由不明というのがあとあと尾をひくポイントな、些か毛色変わりの忠臣蔵。
泣かせる逸話や、派手な絵はなく、淡々と進む討入り準備。描写はリアル路線で、吉良邸の実用的な仕掛けや、血の飛び散る殺陣などあるが、陣太鼓は無し。
みどころは、吉良方の頭脳・色部と、賢愚知れずと言われた大石の、裏での丁々発止。情報戦に負けた色部が、討入りを聞いて取り乱し、夜着のまま駆けつけようとして止められる、前代未聞のシーンもある。

相国寺

ロケ地

  • 大石一行を出迎える奥田、酵素か。元浅野家台所方・森の後家が経営する鎌倉の料理茶屋、不明(茅葺の門)
  • 上杉家上屋敷、不明(大きな門、控所が両脇に付き、裾は海鼠壁)
  • 大石一行が鎌倉を発ち川崎へ向かう道、棚田の道。大石が投宿する、川崎在平間村軽部家、民家長屋門
  • 刃傷の回想、江戸城イメージ、姫路城天守。松の廊下(事は終わり、血染みを拭く茶坊主の描写)相国寺方丈前縁。老中が柳沢をつかまえ、事の次第を聞くシーンは相国寺方丈裏手廊下。
  • 赤穂さして走る第一の早駕籠、川堤か。渡渉シーンもある(静水域)
  • 赤穂・大石邸、民家長屋門
  • 赤穂城、彦根城天守、城壁。殿が刃傷とのみ記された文を見る大石はじめ重臣たち、大覚寺式台玄関
  • 夜ひそかに不破を塩田に呼び、大坂での用事を言いつける大石、琵琶湖西岸松原、塩盛り演出。後段、選んだメンバーに存念を伝えるシーンもここ、暗雲描写。
  • 江戸、柳沢邸、青蓮院長屋門
  • 京イメージ、東寺五重塔を書割に合成。
  • 山科・大石寓居、中山邸通用門
  • 大石が流させた噂に傷ついた吉良、心を鎮めにゆく知己の寺、西教寺大師堂
  • 刃を抜いて郡兵衛に迫る安兵衛、下鴨神社河合社裏手塀際。
  • 南部坂浅野下屋敷、仁和寺裏塀(極端に壁に寄ったアングル)。瑤泉院に会う大石のくだり。
  • かるを連れて鞍馬へ逍遥の大石、日吉大社。大宮川の渓流、白山宮の摂社など。
  • 吉良邸の見える場所に店を出した前原伊助、裏手の掘割は八幡堀、舟橋近くの民家入口を裏口に仕立ててある。ロングの絵には白雲橋が映り込んでいる。赤穂浪士は、本所界隈に複数の拠点を持つ設定で、このあとも八幡堀は登場、討入りの際には雪の演出も。
  • 大石がかるを囲う、洛西・嵯峨野の家、中山邸無畏庵。内部も使用。
  • 吉良に米沢退隠を勧めた帰り、茶会について良案を思いつき駕籠を返させる色部、彦根城埋木舎前堀端

※映画誕生100年記念


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