吉宗評判記
暴れん坊将軍
  60〜79話

1978-1982テレ朝/東映


第60話 太陽だけが知っていた 1979

 皆既日食に江戸はパニック、日輪が戻った後も市民生活が正常化しないことに胸を痛める上様。しかし天文を学んでいた元侍がおり、日食を予言し、世迷言をと主の元長崎奉行に解雇されていた。その主は日食を目の当たりにし、学問が正しかったことを知ったはいいが気象予報をさせて大儲けを企んだりする。学問が薄汚い目的に使われると知った学者はもちろん固辞、しかし娘をタテに監禁されてしまう。偶然ことを知った上様、乗り込んで旗本を成敗、禁書の制を緩和し天文方設置。

ロケ地
・日蝕が市民に及ぼす影響について協議する上様と側近、お城の庭は阪口青龍苑
*天変地異に大騒ぎの江戸市民、おさいは天鈿女命に扮し物干し台での裸踊りを企画「あたしゃやるよ、止めないでおくれよ」が大笑い。やる気満々で衣装を着け再びの日蝕を待つがお日様は欠けないので幸い実行に至らず。*学者は内田稔で元長崎奉行の旗本は名和宏。旗本屋敷にお試しの刀を届けに行った朝右衛門が、日蝕に動じぬ豪儀な者と上様の耳に入れる次第。


第61話 春の嵐に散った恋 1979

 将軍の御台所選びが近いと噂がたち、加納じいは進物責めに遭い、上様は大名の姫たちに追いかけ回される。騒ぎから逃げた徳田新之助は、その御台にされるのを拒んで家出した姫と出会う。

ロケ地
・加納邸回りで繰り広げられる音物お届けレース、相国寺(路地各所、天界橋、庫裏前)。加納邸、林光院
・雪姫に事情を聞く新さん、大覚寺天神島
・青山備前守邸、相国寺大光明寺門
・雪姫を娶ると言い出した上様が忠相に猛反対される庭、姫路城三国濠前。
・尼僧となった姫が暮らす寺、西寿寺鐘楼石段(上部に十三重石塔)
*大名の娘たちが上様に迫るシーンは傑作。お色気軍団に悲鳴を上げて逃げ回るのがラブリー。しかし上様が就寝時に思い浮かべる雪姫のくだりで出る「芋のなる木」…ホントに作るか。*雪姫は汀夏子、実母だった乳母は高田敏江、父の若年寄は竜崎一郎で家来に有川正治と小峰隆司。


第62話 黄金の闇に花一輪 1979

 料亭政治一掃を狙い、虚偽の西の丸全面建て替え計画でワル釣りを目論む上様。未曾有の大工事の話に、「夜の御用部屋」と称される料亭・喜楽では富商と高級役人の密議が花盛り。
ワルどもをを引っ掛ける過程で、上役にハメられ詰腹を切らされかかる普請方の小役人あり、この若者の話に加え、父を同様の冤罪で失った娘が芸者に化けて潜入し、ワルの間を周旋して回り真実を求めるという哀話が絡む。

ロケ地
・工事計画立案を仰せつかった普請方の森小次郎が喜びいさんで下城する城門、彦根城天秤櫓。西の丸建て替え話は悪党を釣る餌だとじいに打ち明ける上様、玄宮園。計画書提出後、芸者・小染が下城してきた森を喜楽に誘うのは天秤櫓下の坂
・父の墓に参る小染、黒谷墓地。小染の父について上様に告げる助八、金戒光明寺三門下。このあと、三門前石段東坂長安院前と坂などがツナギ等で使われる。
*森小次郎は三ツ木清隆、小染は藤田美保子。悪役陣、若年寄に天津敏、普請奉行に大木正司、悪徳商人は武藤英司に藤尾純。


第63話 一六勝負に散った花 1979

 賭場の縄張り争いに朝右衛門が巻き込まれるお話。賭場の元締が斬られ、その犯人に仕立て上げられてしまうのだが、元締の妹は朝右衛門を好いていた。裏にはその元締の義兄弟の同業者と、博打で大儲けを企む大名の江戸家老、憎からず思っていた女の死に朝右衛門も仇討ちのためラス立ち参加。

ロケ地
・富岡八幡宮で開帳される加島屋の賭場、上御霊神社境内。
・加島屋の手下が親分の仇と朝右衛門に斬りかかる道、相国寺仏殿跡林間・法堂前。
・加島屋の妹を呼び出し朝右衛門の無実を訴える新さん、上御霊神社合祀摂社前。その帰りの新さんを襲う加島屋暗殺犯の剣客、相国寺鐘楼。逃げた男を追った助八が見失う行き止まりの道、相国寺大光明寺南路地、高垣藩下屋敷の通用門は南塀通用門
・自分を犯人と言い立てた加島屋の若党に刃をつきつけ真実を迫る朝右衛門、広沢池東岸の桜並木。
・正体を現した佐原屋に斬られ逃げてきたおしまを助けてひと暴れのめ組、佐原屋の寮は広沢池東岸の「料理屋」、乱闘は並木の東側(現団体施設)の模様。
*賭場見学の新さん、張り方を知らず丁とか半とか言えばいいとアドバイスされ「よーし、丁とか半とか」とやり笑われる、おきまりのシーンなれど笑える。*高垣藩に取り入り、加島屋に仇討ちを煽る佐原屋に菅貫太郎、辰五郎の人物評「おためごかしの得意な悪党」そのままで笑える。おしまは本阿弥周子、高垣藩江戸家老は須賀不二夫。


第64話 槍を持つ手に一番纏 1979

 内証の苦しい八王子千人槍同心たちに栄誉の職が与えられる経緯を描く。
千人同心の女達の内職の紬の件で、利権を貪る江戸の呉服商と関東代官手付の企みがなされ、仲買人をしてきた男と一番組組頭の娘との情話が絡む。
タイトルは、千人同心に日光火事番の名誉の役目が与えられる政策。

ロケ地
・槍同心一番組組頭の大木半左衛門が耕す畑、北嵯峨農地(竹林前の葱畑)
・関東代官所、相国寺大光明寺(門、石庭←朝右衛門が試し斬り)
・江戸へ紬売りに来た娘を叱り飛ばす大木に意見する上様、下鴨神社泉川畔。
・直訴に八王子を発つ仲買人を襲う代官の手下、相国寺鐘楼前。
*頑固親父の大木に青木義朗、代官所手付は深江章喜(朝右衛門の友人)。


第65話 恐れ多くもお茶壺道中 1979

 阿漕な茶壺道中で街道筋の民を苦しめる御数寄屋坊主頭、これと結託して私腹を肥やす幕閣は、目安箱をすり替え都合の悪い訴状は隠匿するという大悪党。こやつらの所為で、茶壺道中から受けた難儀をしたためた訴状は上様に届かず、吉報を待つ日坂宿の庄屋の娘には刺客が差し向けられる。釣りをしていて事に行き合わせた上様は力押しで介入、監禁中の庄屋を救い出し幕閣も処断。

ロケ地
・目安箱への訴状が激減している件について忠相にはかる上様、姫路城三国濠(背後に天守、ラストシーンも同所)
・お茶壺道中の街道筋イメージ、昔の映画等の使い回しか(橋は蓬莱橋にも似た立派な規模、一部川堤様の地形も)
・釣りの上様と朝右衛門が怪しの頭巾侍たちを見る、広沢池東岸。日坂宿庄屋の娘が目安箱に投じた訴状の返答を待つ巽堀の小屋、日吉大社西本宮−東本宮間の坂にあしらい。
・若年寄が茶坊主頭に日坂宿庄屋を始末するよう耳打ちする城内、姫路城はの門下坂
・朝右衛門がとっ捕まえた刺客が撃たれ口封じされる両国界隈、日吉大社東本宮楼門(射手の唐津屋は境内)
・上様の命で日坂宿へ向かう助八とおそのが馬を駆る道、下鴨神社馬場
・金谷宿、庄屋を監禁してある菊坂の洞穴へ向かう代官、日吉大社東本宮楼門前。
*御数奇屋坊主頭は立原博、支配の若年寄は北村英三、悪徳商人は人見きよし(怪しの唐服姿あり)。


第66話 だるまが笑った上州路 1979

 辰五郎が昔世話になった、母とも慕うおくめの難儀を救い、繭で大儲けを企む悪徳商人と、つるむ代官を退治るお話。達磨が転げて不吉と感じた辰五郎がおまちを連れて急遽高崎に発ち、次いでめ組一統も上様も馳せ参じる。

ロケ地
・大幅高崎ロケ、少林山達磨寺妙義神社大信寺長年寺竜廣寺等がクレジットにあり、上様が忠長卿の墓に参るくだりもある。野道等も見覚えが全くないので、現地ロケと思われる。冒頭のおくめの亭主・清兵衛殺害は大沢池堤か。
*おくめは市原悦子、幼い辰五郎とおまちの面倒を見てくれたお手伝いの「おばさん」。悪徳商人は田口計で、ヤクザに小林稔侍の顔も。

第67話 大岡越前守自決す! 1979

 幕府の財政について本格的にメスを入れる上様、密かに忠相に調査させるが悪の根源と目される老中はいち早く察し、忠相の旧友を使い捜査資料をゲットし、次々証人を消してゆく。一計を案じた上様、忠相に責任をとらせる形で切腹を装わせ、ワルを焙り出しにかかる。

ロケ地
・不透明財政について忠相と話す上様、姫路城はの門下坂
・向島の佐野屋(老中とぐるのヤクザ)寮、錦水亭
・老中・阿部の動きについて報告する庭番、姫路城西の丸
・老中・阿部邸、大覚寺大門(御殿川越し)
*忠相の部屋で機密書類を盗み見る旧友に工藤堅太郎、老中は江見俊太郎で用人は宮口二郎、ぐるのヤクザは早川研吉。*ワルのもとに乗り込む上様は白イカで、後から入ってくる忠相は黒イカ。朝右衛門は大岡切腹の信憑性を増すためと、ラス立ち後のっそり老中を介錯に現れるのと二回登場。


第68話 涙のにせ訴状 1979

 一件の岡っ引殺しに絡む夫婦・親子の情と幕閣がらみの悪企み、複雑な裏事情をほどいたのは、目安箱に細かいチェック入れてた上様の目にとまった、女文字の一枚の訴状だった。

ロケ地
・呑み屋の女将・お紺が岡っ引殺しを偽証して貰った松造に金を渡し別れる、神光院蔵脇(本堂脇に足場をセット、普請中の町外れを演出か)
・お紺の亭主が南町与力を呼び出し自首しようとするも口封じに斬られる水辺、広沢池東岸
・忠相の辞職願を破り捨てた上様が鯉泥棒の話をして笑い酒宴に移行の庭、不明(願書提出は芝地の庭、酒宴は池端で対岸は崖か築山に刈り込まれた植栽)
*お紺に久保菜穂子、亭主の仁吉に有川博。陰謀の主の回船奉行は田中浩。*忠相に捕縛された男の釈放を求めるも道理をもって拒まれる上様、ちょっとムカ・むすっと席を立つ姿が可愛い。


第69話 名刀誇りあり 1979

 若年の藩主の剣術好きに付け込み籠絡・藩政壟断を目論む悪家老、これを阻もうとした正義派は、硬骨漢の剣客を指南役にあて殿様の目を覚まさせようと動く。お話は指南役に推挙された浪人を中心に進み、苦しい暮らしぶりや妻女の苦悩、就任を阻もうとする悪党どもとの対決が描かれる。

ロケ地
・松山藩主・板倉伊予守とお城で手合わせの上様、姫路城西の丸(幔幕めぐらせ)
・一人鍛錬の岡本浪人のところへ剣友の板倉藩士が指南役就任の話を持ってくる林、下鴨神社河合社塀際。
・売った刀に未練の夫を見ていたたまれず場を去った妻女が佇む橋、日吉大社走井橋(大宮橋の透かしからのショット)
・夫の刀を買い戻しに行き、刀を買った剣客に悪し様に罵られた岡本の妻女が悔し泣き、励ます新さん、慈眼堂境内燈籠脇。
・伊予守藩主就任の経緯を聞いた上様の回想、片袖抜いて剣を振り回す「新之助」のもとへじいが紀州家相続が決まったと駆け寄る林、酵素
・指南役を決める試合に向かう岡本を阻む刺客が出る道、日吉大社走井橋と周辺。大宮川河床でも立ち回り。
・伊予守が人足にまじり立ち働いていると庭番に聞く上様、姫路城るの門。伊予守のその後を語るナレーション部分の上様は三国濠端で天守を背負う図。
*岡本左内に川津裕介、江戸家老は浜田寅彦で悪徳商人は汐路章、悪党と気脈を通じる剣客は小林勝彦、岡本に話を持ってくる正義派の藩士は石倉英彦、かつて岡本が仕え諫言して不興を買った殿様は国一太郎。朝右衛門の役まわりは、掘り出し物の刀が出たと城へやって来る場面と、刺客に手間どり試合に遅れかかっているところへ現れ立ち回り。*刺客の襲撃で手を斬られ、刀を握れず荒れる岡本に新さんの手荒い一喝、「クララが立った」的展開で笑える。タイトルの名刀は朝右衛門が見つけてきた出物、岡本が妻の薬代のため売ったもので、回りまわって悪どい剣客の手に渡り上様に向けられることになるが、怒気を発した怪力上様に叩き折られてしまう←さすが名刀、邪剣になるを恥じてと上様の述懐。八百万石の当主が相手とは面白いかなんか不敵な台詞を吐いて向かってきやがった剣客は、上様に叩きのめされたあと岡本が袈裟がけ、直後伊予守が出てきてトドメ(ちょっと姑息)。


第70話 三万石よりどじょう鍋 1979

 奥州の小藩に起こるお世継騒動。我が子を藩主にと謀る江戸家老に狙われた若君は、忠実な守役と新さんファミリーに助けられ、ワルは失脚。しかし幼い若君が選んだのは、市井に暮らす道であった。

ロケ地
・千住宿で若君と守役を危機から救った新さんが二人に事情を聞く林、上賀茂神社渉渓園
・次期藩主の地位を捨て町で泥鰌掬いの若君、上賀茂神社ならの小川
*守役の爺さまに小池朝雄、江戸家老は葉山良二。朝右衛門の役まわりは若君の母方の祖父がらみ、近所の碁友達で、暗殺の場に来合わせる。


第71話 日本一の名づけ親 1979

 代官の苛政に耐えかねた伊那の百姓衆は、15年前現れた英雄を求め江戸へ。しかしその「信州の虎」は市井に暮らし、可愛い娘も生まれていた。

ロケ地
・伊那の衆が代官の手先に襲われめ組が介入、大覚寺天神島朱橋。
・調査のため信州へ走る助八、酵素ダート(中山道の道標)。通行人を厳しく詮議する関所、酵素ダート待避所に柵あしらい。関所を避け間道を行こうとした助八が誰何され狙撃される野原、酵素河川敷(妙な土盛りが多数)
・伊那の衆が代官の手下に斬られる道、大覚寺五社明神
・ラストシーン、天守を背にした上様、姫路城三国濠端。
*元「信州の虎」で今は蕎麦屋の長次に中野誠也、40歳近いという年齢設定はちょっとアレ。現伊那代官は横森久、伊那の衆の爺さまは河合絃司、代官の手下の強面は内田昌宏、「虎」に斬られた代官は国一太郎、産婆に和歌林三津江、虎が代官を斬った際のモブに福ちゃん。*タイトルは長次の赤ん坊が生まれたとき居合わせた新さんから一字貰ったもの。代官の屋敷へ乗り込んでしまった長次を追って登場した新さん、白イカ頭巾で出てきて「余は八代将軍吉宗だ」と名乗るが、代官の奴ったら即座に「構わぬ斬れ」で笑える。


第72話 紅花で染めた復讐 1979

 殿様に夫を殺されたうえ無理矢理妾にされた女は、辛抱強く復讐の機会を待っていた。次席老中らのチクリから山形藩の紛争を知った上様は、側室の悪評を聞くが腑に落ちぬものを感じ、関わってゆく。

ロケ地
・最上川の岸で紅花摘みの農夫を蹄にかける遠乗りの水野出羽守、木津堤(法面に紅花あしらい、堤下に茶畑)
・水野の正室と側室の評判を忠相と話す上様、枳殻邸印月池(背景に侵雪橋)
・山形藩下屋敷、相国寺大光明寺(門、前庭、方丈)
・側室が「正義派」藩士に襲撃される道、大覚寺五社明神。助けに入った新さんに、事の次第を大岡忠相に伝え明らかにと託し、側室が自ら身を躍らせる千鳥ヶ淵、大沢池
・山形へ飛んだ庭番たちが聞き込みに回る百姓家や典医宅、不明(萱葺民家)
・事後、故郷へ旅立つおていと「若君」、北嵯峨農地竹林脇。
*側室・おていの方は朝丘雪路、おていの方が生んだ「若君」を掌中にし藩政壟断を企んだ元郡代の江戸家老に大木正司、これに取り入る紅花目当ての悪徳商人は玉生司郎、山形藩の殿様は五十嵐義弘(おていの亭主を蹄にかけた時しか出てこず、処分の有無等不明)。


第73話 富士の白雪に燃えた男 1979

 お氷道中もの、宰領役の三日月藩賄役はとびきりの善人で、道中で無体を働くどころか餅の代金まできちきち帳簿つけ、高熱を出した百姓の子を救うため内緒で氷を分けてやったり。途中、頓珍漢な盗っ人が義憤に駆られ氷を盗ったり、仲の悪い隣藩の妨害があったりで、艱難辛苦のすえ小さく小さくなってしまった氷を献上。しかし自分が正規のお役でなく囮と知ってガクーの善人、ずっと道中を共にしていた上様はこれを賞揚するのだった。

ロケ地
・上様が忠相相手に剣のお稽古の庭、不明。
・御氷献上を妨害にかかる新倉藩士に浪人が御氷一行の通るルートを報告する山道、大内亀岡道の登りはじめ付近。
・献上氷宰領の駒田主水が餅を買い求める甲州街道の茶店、谷山林道
・仙吉が駒田にこの先の橋が落ちていると告げる辻、大内辻堂前。仙吉が指し示す峠の迂回路は亀岡道
・峠をゆく一行に岩石落し、谷山林道
・盗んだ氷を返しにゆく仙吉と百姓女の前に新倉藩の人数が立ちはだかり荷を奪う高井戸宿付近の道、不明(大内と似た谷地田、欄干のない木橋)
・御氷が投げ捨てられている谷、谷山林道の崖。引き上げた氷を運び始める街道、七谷川付近の畦道と大堰川堤か。
*駒田主水に藤岡琢也、妨害をはたらく新倉藩士に伊達三郎、思い違いで氷を盗む自称義賊の仙吉に蟹江敬三、駒田の仕える殿様は溝田繁で新倉の殿様は森幹太。


第74話 江戸煩いを叩き出せ! 1979

 謎の病・江戸煩いを解明し治療する志乃先生、見立て違いをやらかし地位の危ない典医が彼女を亡き者にと策謀をめぐらす。こやつの裏には実兄の寄合旗本、弟の地位を利用し大儲けを企むワル。再度の襲撃を画策するところへ乗り込む新さん、大うつけの兄弟を成敗。

ロケ地
・剣のお稽古上様、枳殻邸(池とゲストハウス間の芝地・両方に幔幕)
・上様トリオが江戸煩いについて協議の庭、枳殻邸印月池畔。
・典医・渋沢法印道伯邸、大覚寺望雲亭
*女医・君島志乃シリーズでもちろん江利チエミ。御典医は井上昭文で、兄の旗本は原健策、配下に西田良。*謎の病は脚気、白米を食べる習慣が広まり蔓延というお話。上様とその周辺は七分搗きの粗食ゆえ病知らずというオチ。


第75話 失踪!加納五郎左衛門 1979

 尾張大納言を推していて冷や飯食いの旗本、将軍に目にもの見せんと加納じいを拉致、辻斬りの汚名を着せる陰謀をめぐらす。しかし策謀はじいにシンパシーを抱いた妾により崩される。

ロケ地
・上様が助八を相手に剣の稽古のあと、忠相と盃を交わしつつじいを待つ東屋、不明(芝地と芝地続きの茶亭)
・じいが月に一度の休みにお散歩、大覚寺有栖川(河床から見上げ)大沢池畔でさしこみ女を介抱、送って行って殴られそのまま拉致監禁される丸一の竜佐宅、望雲亭
*不平旗本に川合伸旺。城中、加納じいが辻斬りして失踪・上様も大変なことにと騒ぐのを見て呵呵大笑、何を笑っておるとじいに前に立たれすわ幽霊かと足元を見る目線がキュート。妾に佐野アツ子、つるむヤクザは沼田曜一、手下に江幡高志など。栗塚旭、白木万理のセミレギュラー陣も登場。


第76話 正体見たり枯尾花 1979

 物堅い作事奉行が御用商人と用人にハメられ、あと一歩で廃人の危機。仕掛けは自害した妻が夜な夜な化けて出るというもので、お化け屋敷から人を引き抜きというとんでもなさ。そのうえ妻の自害もワル一味が仕組んだ殺人、からくりを解いた上様が乗り込んで悪を一掃。

ロケ地
・忠助と作事奉行の変事について話す上様、姫路城はの門下坂西の丸
・作事奉行が思いつめて参る妻の墓、西寿寺山門、墓地。
・用心棒を買って出た新さんが刺客に襲われる道、相国寺仏殿跡林間路地
*作事奉行に藤巻潤、主を気遣い慕う侍女に北林早苗、用人は外山高士、お化け屋敷の座頭に岡八郎。


第77話 紀州から来た花嫁 1979

 大火に心痛める上様は民家の瓦葺化推進を打ち出すが、火事がなくなっては儲けが減る者どもはこぞって妨害に回る。安価で質の良い瓦を作ろうと精励する瓦職人と、加納のじいがらみで紀州から出てきた窯元の娘の話が挿まれる。

ロケ地
・瓦を並べて品質詮議の上様、姫路城西の丸
・船着き傍らの茶店で菊枝と語らう新さん、広沢池東岸
・深谷へ向かう中山道(平吉が菊枝を待つ茶店あしらい)、亀岡の農地か。襲撃される竹林の道は嵯峨か。
・菊枝が斬られたと報告を聞く弓のお稽古中だった上様、姫路城三国濠前に幔幕。
・深谷へ赴く瓦問屋・万年屋と菊枝が襲われる赤羽の荒川、木津川流れ橋。上様がじいとタンデムで駆けつけるのは木津川堤
*菊枝は中村玉緒、じいと縁談があったが放置され、返事を貰いに江戸へ。紀州・善明寺の窯元の娘設定。万年屋平吉は亀石征一郎で悪人要素皆無。悪役陣、作事奉行に林彰太郎、悪徳商人の親玉に遠藤太津朗。


第78話 天下を狩る男 1979

 狩り大好きな上様、普段は民の迷惑を避けるため少人数のお忍びだが、泰平の世に晴れやかな出番の無い大御番衆の不満を抑えるため、巻狩りを行うことに。しかし根性の腐った旗本たちは、上様の言いつけにも関わらず民衆に無体を働く。はじめから徳田新之助として現地入りしていた上様、百姓の女房にまで悪さをする侍たちを成敗。

ロケ地
・冒頭、少人数のお供を連れ狩りに出る上様、不明(荒地に幼松の野原)
・御狩場との境界で大御番衆と紛争になる鶴吉の畑、酵素竹林際か。
・御狩場へ出張ってきた大御番頭が鶴吉の女房に目をつける道、谷山林道か。
・勢子徴発もしくはお詫び金のお触れが出され、絶望した村人が女房の件で鶴吉に嫌味を言い喧嘩になる道、酵素河川敷
・御狩場へ乗り込み不心得者を懲らす上様、冒頭の荒地と同じ(饗庭や井尻に似る)
*大御番頭に高品格、手下に千葉敏郎や唐沢民賢、鶴吉は柴田p彦で名主は黒川弥太郎。


第79話 天下御免!おふくろの味 1979

 「からくち一番!母子酒」の後日談、昆布の高騰を調べに江戸へやって来る天満屋おまさ。恩ある得意先のことでメゲかける息子を叱咤激励、我が店を手放す覚悟も。彼らを苦しめる悪党は裏でみんな繋がっていて、雁首揃えているところを新さんに叩きのめされる。

ロケ地
・天満屋おまさと新さんを襲う恵比寿屋差し回しの刺客、大覚寺大沢池堤(チンピラ池に叩き込まれ)
・地回り酒の蔵元を狙う高利貸しの件を上様に報告する忠相、姫路城西の丸。召し出して話を聞いた松前藩江戸留守居役のことをじいと話す、弓のお稽古上様、三国濠(幔幕張り)
・房州佐原流山付近を探索の庭番、松本酒造前東高瀬川左岸堤に茶店セット。銀屋の駕籠がゆくシーンで渡る鉄パイプ欄干の小橋は、今は架け替わった大信寺橋。銀屋が取り立てにゆく朝霧蔵元邸、民家門
・庭番から銀屋について報告を受ける城内の坂、姫路城はの門下坂
・銀屋に拉致されたおまさの息子が監禁される小屋、大沢池北西畔にセット。拉致されたおまさの乗った船は大沢池上。馬で駆けつける新さん、大沢池堤ほか。ラス立ちは五社明神、舞殿に駆け上がっての殺陣もあり。この間、海をゆく松前船のイメージも挿入されている。
*天満屋おまさは京唄子、倅の島屋長吉は佐々木剛、義父は永田光男で朝霧蔵元は村田正雄。悪役陣、高利貸しが藤岡重慶で海産物問屋が永野達雄、松前藩江戸留守居役は牧冬吉(上様に促され切腹)。


話数は、時代劇専門チャンネルで再放送時に打たれたナンバーに準拠しています。
これにはスペシャル番組やフィルム亡失分が含まれていないので、本放送時と異なります。
私的資料をここに挙げたナンバーで作ってしまっているので、ここはこのままにします。
全話リストを別に作りましたのでご参照下さい。

→吉宗評判記 暴れん坊将軍 表紙へ


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