江戸を斬る
  梓右近隠密帳

1973-1974TBS/C.A.L./東映

大坂城天守閣 キャスト
 梓右近/竹脇無我
 葵小僧新助/松山英太郎 一心太助/松山省二 仏の長兵衛/大坂志郎 小夜/榊原るみ お艶/鮎川いづみ
 由井正雪/成田三樹夫

 将軍・家光の目となって動く右近。たいていのトラブルは、幕府転覆を目論む由井正雪が引き起こす。
右近のサポートは、表が岡っ引の長兵衛親分、裏では元盗賊の新助がつとめる。たまに辰巳芸者のお艶姐さんが料亭に潜入し密談を盗み聞きするなどの活躍を見せ、柳生但馬守の娘・奈美は颯爽と男装で現れ立ち回りも行うなど女性陣の活躍も多い。長兵衛の娘で右近を慕うお小夜は右近の身の回りの世話を焼くほか、下っ引きを従え捕物小町として現場にも出張るが、時には右近の足手まといになったりする。
賑やかに展開する右近の日常、しかし世の流れを見る彼の眉根は常に寄せられ、憂愁に沈むのであった。


第1話 1973.9.24

 将軍家光の弟にして会津の殿様の双子の弟・梓右近は市井に暮らしていたが、或る日大久保彦左衛門に見つかってしまい、将軍直々に裏街道の大掃除を依頼される。由井正雪が紀州と組んで暗躍するきな臭い情勢が背後にあり、これらに翻弄され難渋する民衆のために右近は申し出を受けるのであった。
今回のお話は登場人物をさらっと紹介するのに旗本の無法組が跋扈するさまを描く。キンキラ衣装の部屋住みの一人に福ちゃん発見。
 ロケ地、右近の生母菩提寺・目黒成就院墓地、不明。


第2話 将軍の密使 1973.10.1

 右近が上様に神君の鍛えた葵の御紋入り銘刀を拝領し、隠密として稼動するはじめの一話。
右近の初手柄となる事件は、ならず者に殺された水夫が持っていた猫目石からはじまる。新興の回船問屋・田島屋は抜け荷で大儲けし、由井正雪と通じ紀州候出入りも目論んでいた。秘密が漏れるのを恐れた田島屋は水夫の妹を拉致するが、葵小僧が助け出し、次いで右近に乗り込まれてしまう。捕り方も出張り危機一髪の田島屋、娘を楯にし逃げようとするが正雪くん出てきてばっさり・証拠隠滅。事後、葵小僧は右近が使うということで北町奉行に了承を得るエピソード描かれ、初期設定がだいたい揃う。
 ロケ地、張孔堂から逃げてきた葵小僧を逃がしてやる右近、追っ手とチャンバラは相国寺鐘楼。台座に乗っての大立ち回り。
*娘たちをかどわかすチンピラの一人に福本先生、町人姿。


第3話 天下の一大事 1973.10.1

 田舎大名と事を構える大久保彦左衛門、さんざんじじいに揶揄されたうえ瓦版(右近作)に面白おかしく書きたてられた殿・川添丹波守は青筋立てて怒りまくり。これに江戸家老が悪知恵をつけるからどうしようもない。しかも正雪の幼馴染ときていて、川添家の実権を握ろうと企む。
或る日、行商途中の一心太助は誘拐現場を目撃、駕籠を追いかけさらわれた娘を助けようとするが、開けさせた駕籠の中には江戸家老。そのまま捕まり彦左衛門を陥れる道具にされる。勢いで太助の無実証せねば腹を切ると約してしまう彦左、右近の奔走でハラキリ寸前に誘拐の芝居をした証人が揃ってメデタシ。
 ロケ地、誘拐現場の寺町、建仁寺両足院前。追いかけた太助がハメられるのは建仁僧堂(道場)前。川添邸探索の結果を右近に報告する新助、仁和寺五重塔前に茶店セット。川添丹波守邸、大覚寺大門
*今回証人ゲットには正雪くんが貢献。誘拐の芝居をした江戸家老の妾と下女を消そうとして寝返りにあう。本シリーズの特徴のひとつ、正雪くんたちの証拠隠しもたまには失敗。*ラス立ちには片岡の御大も参加、殺陣が見られる。


第4話 忠弥 槍の別れ 1973.10.15

 丸橋忠弥が決定的に由井陣営に引き込まれるプロセスを描く。
まず、病床にある丸橋の妻に見舞いと高麗人参が大量に届けられる。次いで、危篤の妻のもとに紀州藩の典医が来て看取る。仕官を焦るあまり罪を犯した弟子を見送った丸橋は右近に別れを告げ、正雪と同じ道をゆくと告げる。
今回の事件は、丸橋の弟子が仕官のための支度金を調達するため押し込みを働くというもの。丸橋は彼を庇い奉行所へ引っ張られるが、その間に彼の妻は落命する。
 ロケ地、弟子を訪ねた帰りの丸橋と行き合わせる右近、中ノ島橋上。丸橋の弟子・三浦が藤堂藩の宴席に出る、嵐山公園内の料亭・錦か。三浦が押し込みの一件を許者に告白する、広沢池東岸。ラスト、八丈へ送られる弟子を見送る丸橋が右近に別れを告げる高台の神社、不明・キャプチャ。


第5話 和蘭陀囃子の謎 1973.10.22

 お艶の過去が明らかとなる一話。彼女の父は大手の海産物問屋であったが、同業の淡路屋にハメられ獄死、仇討ちに助力を要請される右近だが、お上に任せろとアドバイス。焦れたお艶は淡路屋の内懐に飛び込むが捕われてしまう。結局助けに入る右近と新助。町方出張り、捕縛された淡路屋と、結託していた役人の髷を斬って仇を討つことに代えるお艶だった。
 ロケ地、日本橋南新堀で南蛮匕首で殺られた浪人の死体上がる、中ノ島橋下手汀。
*今回、仏の長兵衛に右近の身分が明かされる。婿にと思って北町奉行に右近の素性聞きたわけ者と叱責されるというお話。*タイトルはお艶の父の遺品の南蛮時計に仕込まれたオルゴール、これは抜け荷の符牒でもあった。


第6話 曲垣流霞隠れ 1973.10.29

 馬を引いて中間連れで江戸にやって来る浪人・和田平助。豪放磊落な彼は紀州藩御馬役が市中で暴れるのを鮮やかに処理したりする。さっそく張孔堂に目をつけられるが、正雪を悪相と言い即座に断る。正雪の手下が襲うが右近が介入、意気投合。長屋に泊めてやり知恵伊豆にはかり仕官の段取りもつけてやる。これが家光の鷹狩の際催される馬術大会に参加して、というもの。聞きつけた優勝候補の紀州藩御馬役は正雪に唆され、和田の愛馬を盗むという挙に出る。右近らの奔走で愛馬を取り戻し会場に駆けつけた和田は、鉄砲ぶっ放す悪党を曲垣流霞隠れの秘技で始末する。この功で仕官かない、奥義を伝えた弟子もゲットでメデタシ。
 ロケ地、お小夜が無断で連れ出した馬を奪われる、落馬のダートは酵素か。鷹狩の黄金ケ原、広すぎ。饗庭の演習場かも。


第7話 二人葵小僧 1973.11.5

 ニセ葵小僧が暗躍、凶行を繰り返し市中を不安に陥れる。これにより町奉行・石谷の地位が危うくなり、この後釜に座ろうとする村越兵衛、知恵をつけているのはいつもの通り張孔堂。
右近たちの奔走で忍びのニセ葵小僧を追い詰めるが、追った新助は村越邸に捕われてしまう。松平伊豆守の沙汰書をゲットし村越邸に討ち込む右近と町方、拝領刀の紋を見せ村越を屈服させ黒幕の名を聞こうとするが、これもいつもの通り正雪に阻止されてしまう。
今回は新助と太助が兄弟とわかり涙の再会、のエピソードが挿入される。
 ロケ地、村越邸、相国寺とは微妙に違う…大徳寺?


第8話 喜内のにわか彦左 1973.11.12

 太助が早合点して助けた(水に落とした)浪人は、やはり困り果てていた。浪人は離れて暮らす娘に大久保彦左衛門の用人に取り立てられたと大嘘をかましていて、奉公先の主の大森代官を連れて挨拶に来るという事態に至っていた。彦左不在を奇貨として喜内がご主人に化けて芝居を打ち対面はなんとか無事に済むが、今度は大森代官が無実の罪で括られてしまう。これには右近が乗り出し、代官の下僚と悪徳商人をブチのめし、グルの勘定吟味方には奉行が乗り出しワル一巻の終わり。
 ロケ地、新助と太助が墓参の待ち合わせ、仁和寺観音堂脇。主の無実を晴らすべくワルの下僚にカマをかけるお節、大覚寺大沢池北畔に茶店セット。


第9話 決闘鍵屋の辻 1973.11.19

 剣友・荒木又右衛門を助けて渡辺数馬の本懐を遂げさせてやる右近と十兵衛。旗本と大名の対立回避にレギュラーの彦左や柳生但馬守が動く。張孔堂もしっかり噛んできて、今回は旗本に恩を売る。旗本のボス・阿部四郎五郎に川合伸旺。
 ロケ地、捕えた又右衛門が逃げたあと河合又五郎を近藤邸に移す際、渡辺数馬たちが仇と斬りかかる武家屋敷街、随心院大乗院前。河合が人吉へ向かう途中の東海道、琵琶湖西岸松原。藤堂藩領で鍵屋の辻へ河合一行を追い込む罠に使われる狩場、酵素


第10話 辻斬り将軍 1973.11.26

 道場で十兵衛に叩きのめされクサクサ上様を近習が市中に誘う。たまたま催されていた相撲大会に飛び入り上様は優勝、お追従でない実力の勝利にホクホク。これに味をしめてお忍びの夜歩きは続く。そんななか辻斬りが出没、犯人は葵の紋をつけていた。このことは瓦版に書き立てられ、市中に良からぬ噂が蔓延、右近らの奔走で陰謀の正体はやはり張孔堂と知れる。
右近たちがほんものの辻斬りを捕え(いつもの証拠隠滅アリ)、正雪と通じていた近習は自刃で解決。
*本作の家光公はなんか貴公子然として上品、と思ってるといきなり「辻斬り」。十兵衛が調査に乗り出す際石でギコギコ刃引き(すごい乱暴な手つき)して出るのは、ひょっとしてほんとに上様だったら困るからなのかなー。


第11話 小坊主剣客 1973.12.3

 父の仇を討つべく柳生に入門しようと丸亀から出て来た小坊主、もちろん門前払いを食う。これを助け面倒を見てやる右近と奈美、これに丸亀藩のお家騒動が絡み、小坊主の仇討ちに事寄せて讃岐入りの右近たち。姦計におちた城代を助け、陰謀を企てていた次席家老を裁き、きちんと仇も討たせてやる。江戸に銃器を持ち込む陰謀にはやっばり張孔堂が一枚噛んでいたりする。
 ロケ地、柳生屋敷、随心院薬井門。入門を断られた小坊主・坊太郎が佇む丸亀藩邸近くの橋、大覚寺参道石橋大門前の参道を来た丸亀藩士たちに誰何され追い詰められる、天神島。右近宅に引き取られた坊太郎に稽古をつける奈美、今宮神社稲荷社前ほか。右近が長兵衛を伴い調査に赴く品川の浜、琵琶湖西岸松原(舞子浜と思われる)。丸亀へ赴く右近たち、丸亀の浜と港に琵琶湖西岸(松原と船着)。丸亀藩城代屋敷、随心院大玄関


第12話 浪人非情 1973.12.10

 荷運びのバイトで浪人・木塚弥九郎と知り合う右近、禄を離れた暮らしの厳しさを聞く。その後仕官を望む弥九郎は雇主の遠州屋にハメられ辻斬りの罪を着せられる。その前に遠州屋に人殺しを頼まれるなど少し曲折あって、最後は病の妻と心中までしかける彼を救ってやる右近、でもラス立ち後遠州屋に一件の黒幕を吐かせようとしてまたまた失敗。
 今回の陰謀は正雪の配下・林の独断で、札差のトップに昇ろうとする遠州屋と共謀しライバルを消して回っていたという設定。林くん怒られてやんの。


第13話 巷談八百屋お七 1973.12.17

 神田・下谷一帯を焼く大火、右近や長兵衛親分も焼け出される。避難した駒込・正仙院では一様に落ち込む人々のなかにあって高声で笑う小町娘あり、耳目を集める。これこそ名高い八百屋お七で、以降伝えられるとおりの話が進行するが、お七を唆し自宅に火を放たせ江戸を火の海にしようと企む山伏があり、これが正雪の一味。お七は白州で自分がやったと申し立て市中引き回しのうえ火焙りに処せられるが、磔刑台から新助がすり替え、若い恋人達は右近の計らいで密かに江戸から落とされるのだった。
 ロケ地、正仙院、西賀茂神光院。炊き出しを受ける右近たちが中興堂縁先にいる。また、お七に託された吉三郎への文を取り次ぐ右近のシーンではが使われている。お七が処刑される鈴が森、広沢池西岸農地。旅立つ二人を見送る右近、北嵯峨・陵前の地道


第14話 忠長卿謀反 1973.12.24

 駿河大納言・忠長卿は境遇に不満を持ち、諸侯を糾合し幕府転覆を図る。知恵伊豆は潰しにかかり、柳生は事を平穏に収めるべく動く。そのさなか、命がけで駿河に向かう十兵衛・奈美兄弟を助けて動く右近、忠長卿に弟として会い心を尽くし説得する。結果、忠長卿は兵を動かさずに終わる。この件にはもちろん張孔堂が噛んでいるが、忠長卿も駒扱いの正雪くん。
 ロケ地、斬られた伊豆の密偵が浮く川、中ノ島橋(血が派手に流れる)。お小夜が覗き込んで発見。その密偵を埋めた無縁墓に参る十兵衛、二尊院か。駿河へ向かう右近たちが辿る甲州路、谷山林道(杉林の地道)
*忠長卿に中村敦夫、大名衣装も案外似合う。妙と奈美は瓜二つという設定で二役。


第15話 笹野権三郎誉れの仇討ち 1974.1.7

 槍の名手・佐分利左内が立会いで遺恨を持たれ暗殺される。仇討ちに江戸へ出る娘、これを助け師の無念を晴らす弟子・笹野権三郎、右近をはじめ丸橋忠弥や大久保彦左衛門も出張りサポート。張孔堂は逃げ込んできた暗殺者を匿い、大名に推挙するというイヤーな関わり方をする。
 ロケ地、子供が木に絡ませた凧を槍で取ってやる笹野、上賀茂神社神事橋。拉致された八重を探し若槻藩へ帰る家老の駕籠を大宮付近の街道で確かめる笹野、下鴨神社参道。将軍のお声掛かりで晴れて仇を討つ笹野と八重、上賀茂神社北神饌所前。柳生の紋入りの幔幕が巡らせてある。
*笹野に加藤剛、大岡越前見てるみたいなメンバー揃い。八重を拉致する覆面の男達の一人に福本先生。


第16話 悲願の直訴状 1974.1.14

 下総・佐倉藩ではうちつづく飢饉にも関わらず圧政敷かれ、佐倉領印旛沼の名主・木内宗五郎は将軍に直訴を試みる。追う佐倉藩士たちから宗五郎を逃がし、幕閣にはかって直訴の罪をナシにと計らう右近だが、宗五郎は小金欲しさの遊び人にチクられ捕われ、佐倉送りとなってしまう。牢にまで赴き宗五郎を救おうとする右近だが、本人に断られてしまう。そして宗五郎は民衆の記憶に深く刻まれる英雄として堂々と刑死するのだった。
 ロケ地、印旛沼の渡し、西の湖か。直訴の将軍参詣の寛永寺、仁和寺参道(塔映りこむ)


第17話 飛竜祈願 1974.1.21

 左甚五郎が世に出るきっかけのエピソード。
 日光東照宮の彫り物を巡って寺社奉行の独走に水を差す大久保彦左衛門、ひろく天下に名人を求めるべきと主張。右近の推薦で、大工の甚五郎が寺社奉行・山根丹波の推す広常と試作を作り競うことに。あらぬ罪を着せられ入牢、釈放後も手鎖というハンディをはねのけ彫り上げた甚五郎の雄渾な作品が勝利を収める。
その後広常の弟子で甚五郎の幼馴染の弥平次は板ばさみとなり、苦悩の末甚五郎の右腕を斬り、返す刀で師匠にも襲いかかるというエピソードが挿まれ甚五郎は左利きならぬ片腕というお話に。
 ロケ地、広常の作品が展示される神社、日吉大社東本宮楼門日吉東照宮。広常と甚五郎の作品が対決の宝泉寺、金戒光明寺(石段、本堂、鐘楼)。ラスト、山根が罷免されたことを語る彦左の家の庭、阪口青龍苑
*実在かどうか怪しい部分もある左甚五郎、落語にあるエピソードから、鼠の彫り物が生きているかのように見えるくだりや自由奔放な人柄であることなどが採られたものか。


第18話 大奥に挑む 1974.1.28

 お取次役罷免をめぐって春日局と対立の彦左衛門、怖いおばさん相手に糞婆呼ばわりに加え拳を振り上げるなどして上様の逆鱗に触れさんざん。
しかし大奥で進行中の春日局暗殺計画が裏にあり、右近の奔走とお小夜の潜入で解決、最後は彦左と春日局のしこりは解けメデタシ。右近が市中で助けた大店の娘の恋わずらいのエピソードが挿まれる。
 ロケ地、大黒屋の娘が神社でならず者に絡まれるのを助ける右近、今宮神社(合祀摂社、高倉脇坂)。江戸城イメージに姫路城天守


第19話 盗人ざんげ 1974.2.4

 大久保彦左衛門大ピンチのお話、神君より拝領の三つ葉葵紋入りの陣羽織が盗まれる。
差し金はもちろん張孔堂で、実行犯は仏の長兵衛が情けをかけてやった元盗っ人。女房の薬代欲しさの犯行で、当の女房にその行為を責められた男は張孔堂に忍び入り陣羽織を盗み返し、届けるのであった。
 ロケ地、下城の彦左衛門を襲う正雪の手下・林戸右衛門たち、相国寺大光明寺南塀前路地〜鐘楼前。駆けつけた右近は基壇上から登場。大久保彦左衛門邸、相国寺林光院(門、式台)。伝吉がくちなわの紋次に陣羽織を返してくれと頼む、御室八十八ヶ所の堂。
*彦左襲撃は林の独断、失敗を聞いた正雪が「秘策」を伝授というパターン。


第20話 将軍家謀殺 1974.2.11

 中央から退けられた本多正純が将軍殺害を謀るという、「宇都宮釣天井」話。講談にある、城に施す仕掛けを映像化してある。
 松平伊豆守から相談を持ちかけられた右近は新助を連れて宇都宮入り、刺客に襲われた城代家老を救い邸に招かれる。探索のすえ謀略の概要をつかむ右近だが、時既に遅く将軍一行は城内の新御殿に。本多正純の舞う船弁慶が終わり、天井が崩壊し始めるところへ駆け入る右近は大立ち回り、城代家老は家光に逃げ道を示し主の罪を詫びるのだった。
 ロケ地、宇都宮城を眺める右近たちに普請場の仕事を持ちかける口入屋、大坂城大手門前。城代家老を迎えに出た右近が張孔堂の金井の姿を見る、大坂城二の丸青屋門。江戸へ馬を走らせる右近、木津堤木津河原


第21話 凧々あがれ 1974.2.18

 庶民に慕われる医師・奥村仁斎のもとへ太助が運び込んだ行き倒れの若侍は、なんと奥村を父の仇と狙う伊之助。太助の言い立てに応じた彦左衛門が奥村に事情聞くと、裏には幕府転覆を企む陰謀、伊予松山藩の家老・原田主水が十年前に大坂城から持ち出された金塊をクーデタの軍資金として隠匿したのだという。これに巻き込まれ親友を斬った男と偽られた奥村は、弁明も訴えもならずに江戸で医師として暮らしてきたのだった。
右近たちは、金塊が薪に隠され藩邸に運び込まれたことを察知、彦左が原田にカマをかけ薪能(薪を運び込んだ言い訳に原田が開催)の席で断罪、しかし張孔堂や紀州とのつながりは吐かず自刃されてしまう。
 ロケ地、「薪」を運び込む松山藩邸、随心院寺務所門。江戸城、姫路城天守を備前丸から見上げ。
*仇討ちを藩士たちに強要される伊之助だが、仕了せず。藩士たちは長屋衆の投石でボッコボコ。*もちろん陰謀に加担している由井正雪、原田主水役の南原宏治と成田三樹夫の怖くて暑苦しい密談シーンは見もの。


第22話 闇のなかの狼 1974.2.25

 夜釣りの右近が闇討ちされ手傷を負う。刺客は以前柳生道場で共に学んだ男、危険な剣技を師に咎められ破門の後浪々のうちに目を悪くし、ゴロツキの手下と成り果てていた。また、彼には右近ともう一度試合い己の腕を試したい欲望があり、右近の情をもっての説得も師の温情も届かず、果し合いに至る。
僅かの差で右近の勝ちとなり、しかも刀が刃引きされていたと知り、狼のような刺客は剣を擲ち蹌踉といずこかへ立ち去るのだった。
今回ももちろん、ゴロツキのうしろで糸を引くのは張孔堂で、はじめは林の暴走。
 ロケ地、伝八郎のねぐらの苫船、大覚寺天神島。大道芸の寺社不明。右近が闇討ちに遭う寺、伏見・宝塔寺(多宝塔前で殺陣)
*進藤伝八郎に夏八木勲、9話の荒木又右衛門と同じ。時専で毎日視聴のためすごい違和感。


第23話 浪人無惨 1974.3.4

 ますます厳しくなる浪人の雇用情勢、その窮状に付け込んだ詐欺が横行する。手口は、大藩の名を騙り士官話を持ちかけ、殿に目通りの支度と称して呉服屋に連れ込み、お着替え中に名刀を奪取しドロンというもの。被害者は身を恥じて自刃することが多い。
或る日、浪人・加古川もこれに引っ掛かり重代の名刀を盗られてしまう。先に彼と知り合っていた右近は加古川の自殺を止め、捜査に協力するよう説得する。加古川の親友は一味に加わっていたが、もともと嫌々だったのと相手が親友だったことから離脱を決意、最後は一味と河原で対決の右近と共に戦う。
 ロケ地、加古川浪人と知り合う右近、仁和寺塔前に茶店セット。詐欺一味と対決の河原、木津河原
*今回張孔堂は動かず。正雪くんは刻々と悪くなる世情を見てくつくつと笑う。


第24話 狙われた秘薬 1974.3.14

 のんだくれの町医者・野々村玄碩が抗生物質をもって世に出る話。
玄碩は独学で黴から薬を作り研究を重ねるが、未完成のそれで患者を死なせる事故を起こしていた。間の悪いことに患者の兄がゴロツキで、玄碩を脅し金をせびり続ける。このせいでいつもピーピーの生活の彼を助けて、幼い息子は蜆売りに精を出す。そんななか、毒にもなるこの薬のことが張孔堂の耳に入って騒動が起こる。
 ロケ地、玄碩が連れ込まれる林の中の小屋、下鴨神社糺の森にセット。彦左が玄碩の捜索を頼みに行き断られて出てくる柳生屋敷、大覚寺大門。ラス立ち後、逃げる鉄五郎を消しに来る林戸右衛門、糺の森池跡
*薬のことを聞いた正雪くん「大量に江戸の上水に投ずれば」と今回は凶悪。


第25話 反乱前夜 1974.3.18

 蜂須賀家の門前で切腹と騒ぐ浪人・木塚、腹切るつもりは全くなく、門前を汚され面倒に関わりたくない名家が小金を渡すのが目当て。次にやったのが強面の井伊家でしくじり、右近らに助けられる。この木塚が紀州の兵隊集めに引っ掛かりタコ部屋に込められてしまう。いよいよ事を起こすつもりの「南海の龍」頼宣、正雪とマップ広げて放火の相談までしているありさま。
この事態を受け知恵伊豆は強硬な態度に出、蜂起させ紀州ごと叩き潰す方針をとる。市民に災難がふりかかるのを恐れた右近は、事態打開のため柳生にはかり浪人を集めている紀州の下屋敷に乱入。しかし正雪の部下・林が待ち構えていて浪人を込めてある蔵を爆破してしまうのだった。木塚はこの前に脱出、右近に情報をもたらす役割を果たすが、夫婦して死に至る羽目となる。
 ロケ地、徳島藩邸、大覚寺大門。大久保彦左衛門邸、相国寺林光院。下城する徳川頼宣が駕籠を開け右近を凝視する、大坂城青屋口門大手門


第26話 対決 1974.3.25

 破軍星を幕府瓦解の兆しと見る正雪、しかし紀州藩付家老・安藤帯刀の奔走と捨て身の諫止が功を奏し、頼宣は国元へ帰還してしまう。後ろ盾を失った張孔堂危機一髪、久能山へ籠り諸国の浪士や大名糾合を図る正雪だが、時勢は彼の上になかった。
丸橋忠弥は恩義を返す時と自ら申し出て張孔堂の殿軍をつとめ、右近に別れを告げ、炎上する邸内に駆け入り自死を遂げる。
駿府へ入る正雪一行、しかし宿を囲まれ万事休す。打って出た林は壮絶な斬り死にを遂げ、正雪は右近と十兵衛の眼前で壮烈な切腹を果たす。
 事件は瓦版に書き立てられ、右近が将軍の弟であることも知れてしまうが、日常は変わらず続くと語られ、物語は幕を閉じる。
 ロケ地、下城の知恵伊豆の駕籠に強訴の丸橋、大坂城極楽橋周辺。紀州藩上屋敷、不明。
*成田三樹夫の切腹シーンは見もの、この表情が撮りたいためのキャスティングかと思われるほど。


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ