神谷玄次郎捕物控

神谷玄次郎捕物控

2014年BSプレミアム、NHK/松竹

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第一回 「誘拐」 2014.4.4

 商家の娘が誘拐され、見張りに出た下っ引も失踪。はじめ疑われた浪人もシロ、膠着状態に陥るところ、子守女の申し立てに不審を抱いた神谷の慧眼が道をひらく。

月桂冠大倉記念館

ロケ地

  • 朋輩・鳥飼に頼まれ、ともに捕物へ出向く神谷、八幡堀白雲橋下(船上、乗り合いの渡船)〜明治橋たもと堀端(上陸、船着場演出・石段中ほどで鳥飼配下の岡引・弥之助が待っている)〜堀端の道。このあとセットへつなぎ、菅生浪人の長屋に踏み込む場面へ。菅生連行も船で八幡堀。
  • 菊屋の子守女・お杉の申し立てによる回想シーン、猿回しを見ていた隙にお八重がさらわれた回向院、仁和寺。猿回しは参道(石段下)、「人さらいを見た」林は塔そばの林間。お杉を現場へ連れ出して聴取するくだりでは、塔前石畳。お杉の友達の子守女も交えて話を聞く段では、茶所前に床机を出して茶店仕立てに。
  • 身代金を持って出た弥之助を尾行する銀蔵、月桂冠大蔵記念館(東の道路側から)大覚寺(護摩堂脇、放生池堤)〜竹林(鳥居本に似た林床)〜松竹セット「民家」(「酵素」似のアレ)

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 おみち/山下容莉枝 直吉/長谷川朝晴 弥之助/西村和彦 菅生半蔵/前川泰之 作太郎/飯田基祐 より江/陽月華 勝蔵/上瀧昇一郎 おしの/柊瑠美 お杉/金澤美穂 お糸/内田もも香 鎌吉/長江英和 お鷹/池田愛 政右衛門/西園寺章雄 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸本加世子 銀蔵/中村梅雀 

脚本/安倍徹郎 演出/本木克英

※お津世の身の上、口減らしで根津権現の岡場所に売られ、その後男と駆け落ち。「亭主」の親が始末をしてくれて店も持たせてくれたが、当の男は失踪。以来三年、嫌われたか捨てられたか理由も判らずと、本人が語るくだりがある。


第二回 「針の光」 2014.4.11

 茶屋女の連続殺人は、本命のための擬装。はじめ的を取り違えていた神谷だが、人殺しの供述を聞いて閃く。
始末されかかった女の心情が哀切な一話。

八幡堀

ロケ地

  • 女の土左衛門が浮く、夜の小名木川、松竹セットの橋たもと。翌朝、検分に急ぐ神谷と銀蔵は八幡堀堀端を走る(神谷は「浅草の女」お津世のところから出てくる設定)
  • 犯人と目される「武州無宿茂作」の人相書きが張り出される町角、八幡堀明治橋たもと堀端。
  • 神谷がまいないを受けに行く矢田藩上屋敷、妙心寺天祥院(イメージのみ)。この金は銀蔵に渡され、捜査費用に。
  • 人相書を持って聞き込みに回る銀蔵、八幡堀堀端。同じく聞いて回る下引の直吉、八幡堀堀端・石垣際。神谷が人相書を携え行く道は妙心寺大庫裏脇路地
  • 殺された女の勤務先の茶屋・お滝からの帰り、神谷が直吉に今の店の客を全て当たれと支持する夕暮れの橋、八幡堀白雲橋上。
  • 二人目の女が殺される夜の神社、吉田神社竹中稲荷本殿裏手摂社群。翌朝、ここへ走ってくる神谷たちは参道石畳。
  • お咲の男・秋月兵馬のことを聞き込む直吉、出入りの魚屋に話を聞くのは妙心寺放生池畔生垣際、植え込み越しに見える養源院門が秋月邸という趣向、出てきた兵馬を尾行し始めるシーンは、玉鳳院前路地。
  • 兵馬がお咲を殺そうとする夜の川べり、上賀茂神社ならの小川畔。神谷との立ち回りは、川中に入って。

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 伊佐清兵衛/上田耕一 おみち/山下容莉枝 直吉/長谷川朝晴 秋月兵馬/中村大樹 お咲/黒川芽以 勝蔵/上瀧昇一郎 おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 お滝/池谷のぶえ 茂作/森下能幸 清水の亭主/松村利史 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸本加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/武末勝 演出/酒井信行


第三回 「疑惑」 2014.4.18

 絵草紙屋の主殺し、いかにも怪しい、寄場帰りほやほやの勘当中の養子と、隣に寝ていたにもかかわらず殺しに気づかなかった後妻。
二人をシロと見た神谷は、彼らの過去を調べ確信に至り、事を仕組んだ者どもを炙り出してゆく。

妙心寺

ロケ地

  • 自分が寄場送りにした男の帰還を見届けにゆく神谷、船手蕃所は西の湖園地に設営。ここで、同じ船で着いた鉄之助と、迎えのおるいを見る運び。
  • 賭場ですって帰る鉄之助を捕える銀蔵たち、大覚寺放生池堤〜五社明神(鳥居下でお縄)。夜間撮影。
  • 鉄之助のねぐらから凶器が出たと知らせに走る直吉、八幡堀堀端。
  • おるいと鉄之助いずれが真犯人か、もうお手上げと神谷に愚痴る鳥飼、妙心寺大庫裏脇路地。二人は大番屋へ向かう途中。
  • 事後、上方へ発つ鉄之助を見送る神谷、琵琶湖岸(岸辺は草原、画面右手に河口州。東岸と思われるが、ランドマークが見当たらない)

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 伊佐清兵衛/上田耕一 おみち/山下容莉枝 直吉/長谷川朝晴 おるい/雛形あきこ 鉄之助/山下徹大 弥吉/木下ほうか おつる/高橋真唯 弁天の五郎蔵/新井康弘 政次/生津徹 庄兵衛/伊庭剛 杢兵衛/多賀勝一 勝蔵/上瀧昇一郎 おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸本加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/寺島誓 演出/酒井信行

※ラス立ち福ちゃんや峰蘭さん入り、クレジットはベタ・五郎蔵配下の用心棒のセンセイ方。


第四回 「闇の穴」 2014.4.25

 失踪していた、お津世の亭主が突然帰ってくる。すっぱりと身を引く神谷だが、三年も妻子を放って置く男の身持ちは、果たしてそれなりのものだった。
戸惑いつつも幸せを噛み締めていた、女哀れ。

大覚寺

ロケ地

  • 松葉屋の主従が浪人に言いがかりをつけられ窮するところへ出て、たちまち蹴散らしてみせる松五郎、今宮神社絵馬堂前。設定は富岡八幡宮、導入に楼門が映し出される。
  • 帰ってきた亭主の動向を怪しんだ勝蔵に相談を受け、外出した峰吉を尾行する直吉、金戒光明寺永運院下坂(見上げ)〜長安院下坂(坂上・鐘楼下)〜セット長屋にスイッチ。
  • 音止一味の凶行の際生き残った下女に、峰吉を面通しさせる川べり、上賀茂神社ならの小川。峰吉と坊は右岸汀に、下女は祠の陰から峰吉を見る。
  • 一味が一堂に会しお盗めの相談をぶつところへ捕方、逃れた松五郎や峰吉を追い詰める掘割、大覚寺有栖川河床。御殿川落ち口の少し下手に柵を設置して行き止まりとし、殺陣を盛り上げる。

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 伊佐清兵衛/上田耕一 おみち/山下容莉枝 直吉/長谷川朝晴 峰吉/山口馬木也 音止の松五郎/でんでん いの/水澤紳吾 坂崎平四郎/市川月乃助 勝蔵/上澤昇一郎 おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸本加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/古田求 演出/木本克英


最終回 「霧の果て」 2014.5.2

 一人の勤番侍の横死が、十四年前の事件を解き明かす糸口となる。
狼のような刺客が、なぜかお津世を斬らなかったことから、神谷は彼の内懐へ飛び込んでゆく。

随心院

ロケ地

  • 毎月の手当てを受け取りに、水野の隠宅へ入ってゆく鶴木浪人、宝厳院通用門。内部描写はセット撮り。水野の「女」から金を受け取って帰る道は、大覚寺大沢池北辺並木道
  • 神谷に、印南殺害犯探索を依頼していた伯耆守家臣の橋本が、よし野へ来て待った末さっき帰ってしまったと聞き追ってゆく神谷、夜道は随心院参道。橋本が斬られて死んでいる、主家・堀井家屋敷の門は随心院長屋門
  • 刺客の浪人は札差・井筒屋の用心棒との報告をする銀蔵、大覚寺天神島スダジイの根方。大沢池には行き来する船があしらわれている。
  • 鶴木と対決する神谷、夜道は随心院裏塀際。対峙する林は随心院境内東側の竹林。雌雄決した後、お津世が裏塀際で待っている運び。

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 伊佐清兵衛/上田耕一 おみち/山下容莉枝 直吉/長谷川朝晴 お寿賀/大河内奈々子 水野康方/西田健 井筒屋善右衛門/岡本富士太 橋本兵助/内浦純一 印南数馬/朝倉伸二 村井藤九郎/河野洋一郎 勝蔵/上瀧昇一郎 おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 鶴木右膳/豊原功補 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸本加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/古田求 演出/木本克英

※原作とは人物設定を変えてあり、怪しの寺とか祈祷師とかは出てこない。


参考文献 藤沢周平「霧の果て-神谷玄次郎捕物控」 文春文庫

 →神谷玄次郎捕物控2 (2015年)

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