妻は、くノ一 最終章

妻は、くノ一 最終章

2014年、NHKBSプレミアム/松竹

原作/風野真知雄
音楽/西山宏幸、小笠原肇 主題歌/山崎まさよし「青いタペストリー」
語り/原田美枝子

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第一回 「彦星の涙」 2014.5.23

 変わらず寺子屋の先生をしている「夫」を、まさに陰ながら見守る「妻」。二人の未来は、大海へ漕ぎ出る船に託される。しかし抜け忍にも平戸藩にも公儀の目は光っており、大事な人が倒れてゆく。

乙女ヶ池

ロケ地

  • 縁日の神社で織江を襲う追っ手、大原野神社参道(本殿前、鳥居前後)〜林間。
  • 雅江の墓参に行く彦馬、三井寺唐院下坂。墓はセット撮り、静山と共に帰る道は往路と同所。
  • 町をゆく静山、掏摸を捻り上げる堀端は八幡堀。船にいた荘助が声をかけてきて、このあと共に西海屋へ。
  • 日比谷御門外の桜田屋敷、ロングの外観は二条城二の丸御殿と皇居を合成した図。門は大覚寺明智門
  • 彦馬が勤める寺子屋、神光院中興堂。お堂内部も使い、出入りの際には宝筐印塔なども映り込む。
  • 天竺丸の絵を見せられる下屋敷の一室、大覚寺望雲亭。対岸から建物を望むロングの絵と、室内から庭と池を望む図が出る。
  • 下屋敷からの帰り、さっき目通りした静湖の話をしながら千右衛門とゆく坂、金戒光明寺東坂。通行人あしらい。このとき語られる、姫の最初の見合い相手が頓死した堀、上賀茂神社ならの小川
  • 雁二郎の墓、不明(杉林の山腹?湖西か。五輪塔が印象的)
  • 寒三郎と戦い、痺れ薬にやられた上斬られた織江が落ちる橋、乙女ヶ池

雙星彦馬/市川染五郎 織江/瀧本美織 川村真一郎/和田聰宏 静湖/マイコ 西海屋千右衛門/堀部圭亮 奥寺勘兵衛/金井勇太 白瓜の寒三郎/瀬川亮 高杉新十郎/滝口幸広 平沢重兵衛/栩原楽人 荘助/宅間孝行 浜路/中島ひろ子 雙星雁二郎/梶原善 雅江/若林麻由美 松浦静山/田中泯

脚本/金子正人 演出/服部大二

※雅江の墓は、静山が水辺から改葬。
※雁二郎の芸、石を呑んで詐病するアレと、そのとき「病身をおして演じた」犬のぷるぷる?の再現。くだんの「至芸」が映像化されなかったのは残念。


第二回 「織姫の行方」 2014.5.30

 かろうじて生きていた織江、起きられるようになると星空を仰ぎ「夫」を思う。
一方、彦馬の方は静湖姫につきまとわれ、織江は二人が宵の明星を指差しているところを目撃してしまうのだった。

新海浜

ロケ地

  • 桜田屋敷イメージ、二条城二の丸御殿と皇居を合成した図。
  • 気を失った織江が打ち上げられる芝浜(芝湊町)琵琶湖東岸砂浜(水制の形から、新海浜と思われる)。つるが暮らす小屋など、漁村風景が演出されている。
  • 大事なものが無くなったと父に詰め寄る静湖姫、屋敷の廊下は随心院か。
  • 太郎吉と迷子札を貼りに行く彦馬、氷人石のある神社は梅宮大社本殿前。帰りに飴を買ってやるシーンは楼門前。
  • 道場で彦馬のへろへろぶりを目の当たりにした静湖姫、あれは何と父に詰め寄る庭先、大覚寺望雲亭。静山は池畔でスケッチをしている。
  • 寺子屋にまで乗り込んでくる静湖姫、神光院中興堂。このあと長屋について来られてしまう。
  • 町歩きの静山を尾行する寒三郎、三井寺。唐院から寒三郎が来て北の石橋を渡ると、たもとの植え込み際に静山が座っていて誰何され、斬り合いになる。塔や一切経蔵が映り込む。
  • 彦馬を訪ねるが長屋に居らず帰る静湖姫、向こうから本を読みつつ来る彦馬と遭遇する道は三井寺唐院前大路。村雲橋や金堂、唐院参道坂など映り込む。このあと、姫に案内させられる「神社参道の茶店」は今宮神社門前茶屋・一和、店前の床机に並んで座る姫と彦馬を凝視する織江(干物行商中)今宮神社東門内側にいる。
  • 江戸湾に漂着した幽霊船、マジ海か(暗)。船内を捜索すると、松浦星の紋入り道具が見つかる運び。
  • 静山から緊急呼び出しを受けた彦馬が走る道、妙心寺大庫裏脇路地

雙星彦馬/市川染五郎 織江/瀧本美織 川村真一郎/和田聰宏 静湖/マイコ 西海屋千右衛門/堀部圭亮 つる/松尾れい子 白瓜の寒三郎/瀬川亮 高杉新十郎/滝口幸広 平沢重兵衛/栩原楽人 荘助/宅間孝行 浜路/中島ひろ子 松浦静山/田中泯

脚本/金子正人 演出/服部大二

※織江を助け癒してくれたつるは、芝浜で干物を作り売り歩く女。生き別れた子を捜している。ドラマオリジナル設定。


第三回 「届かぬ想い」 2014.6.6

 幽霊船の詮議はやり過ごすが、もはや待ったなし。おまえの嫁をもう待てぬと言い渡されてしまう彦馬、絶望に苛まれ妻恋神社の前に立つが、そのとき敵とともに愛しいくノ一が現れる。

番所庭園

ロケ地

  • 静山に呼ばれ下屋敷に駆けつける彦馬、話を聞く庭先は大覚寺望雲亭
  • 船手頭・向井将監邸イメージ、妙心寺隣華院門。奥祐筆・奥寺が川村を伴って訪れ、静山の詮議を求めるくだり。
  • 静山への質疑が行われる霊岸島、雑賀崎番所庭園。島の陰にある幽霊船はリアル設置かCGか不明。
  • つるに身の上を語る織江、つるの小屋がある芝浜、琵琶湖東岸砂浜・前回と同所。後段、静湖姫が負傷したつるを運んでくるくだりでも出る。
  • 彦馬が口上師に依頼をしているところへ、西海屋が走ってきて止める橋、八幡堀明治橋。二人話すのは堀端。このあと彦馬は橋上へ戻り尋ね人の件を依頼する。
  • 行商中のつるが子を見て駆け出すも、ならず者たちにからまれるところへ静姫とお供のくだり、上賀茂神社ならの小川畔。校倉なども映り込む。保護されたあと、つるが小屋で語る回想シーンの、子を元の婚家から連れ出すもはぐれてしまった神社も、ならの小川付近。
  • 口上師が「彦星が織姫を待っている」と謡う神社、吉田神社竹中稲荷。通りかかった織江が歌を聞く。このあと、古道具屋で彦馬の遠眼鏡が売りに出されているのを見る(店はセット撮り)

雙星彦馬/市川染五郎 織江/瀧本美織 川村真一郎/和田聰宏 静湖/マイコ 西海屋千右衛門/堀部圭亮 つる/松尾れい子 奥寺勘兵衛/金井勇太 白瓜の寒三郎/瀬川亮 平沢重兵衛/栩原楽人 高杉新十郎/滝口幸広 向井将監/渋谷天外 荘助/宅間孝行 浜路/中島ひろ子 雅江/若林麻由美 松浦静山/田中泯

脚本/金子正人 演出/服部大二


第四回 「運命の奔流」 2014.6.13

 天竺丸回航は決定、彦馬はいっそう急かされる。そして、ほかの人の運命もぐるっと回りだす。
静湖姫の恋は儚く散るが、別の縁が発生。つるは、生き別れた子・太郎吉と邂逅を果たす。そして織江は、浜路のおばちゃんと対峙するのであった。

大原野神社

ロケ地

  • 妻は生きていた・船出をもう少し待ってくれと静山に頼み込む彦馬、下屋敷の縁先は大覚寺望雲亭。ここはこのあと、天竺丸が伊豆大島に潜む計画を語る段や、静山が静湖姫と呑むシーンにも出てくる。
  • 行商中、つると合流し一息つく織江、大覚寺護摩堂前。得意先に貰った笹を渡す。
  • つるが静湖姫に頼まれて干物を届けに行く彦馬の寺子屋、神光院中興堂。このとき、太郎吉は本堂裏手縁先に。
  • お散歩静山を尾行する、雲水姿の寒三郎、大原野神社。導入は参道坂(上り下り両方の絵が出る)、茶店は鯉沢池近くの参道脇(南側)に設営。寒三郎に奢らせる荒技炸裂。
  • 静湖姫から織江のことを聞き、つるの小屋へ駆けつける彦馬、走る汀は琵琶湖東岸砂浜
  • つるが太郎吉と再会したあと、静湖姫と太郎吉の身の上を話しつつ歩く彦馬、金戒光明寺石段

雙星彦馬/市川染五郎 織江/瀧本美織 川村真一郎/和田聰宏 静湖/マイコ 西海屋千右衛門/堀部圭亮 つる/松尾れい子 白瓜の寒三郎/瀬川亮 平沢重兵衛/栩原楽人 高杉新十郎/滝口幸広 荘助/宅間孝行 浜路/中島ひろ子 雅江/若林麻由美 松浦静山/田中泯

脚本/金子正人 演出/山下智彦

※大原野神社参道坂の絵には手すりが無いが、2014年6月現在は両側に設置されていて、簡単には外せなさそうな一件。
※貰った干物を長屋衆に配る段、三毛猫が出ているが「にゃん太」ではないもよう。


最終回 「海の彼方」 2014.6.20

 船出して、新天地へ。そのために、大いなる試練を乗り越えるツインスター。
敵も味方も恩讐の彼方へ消え去り、波路の船を幸せが満たしてゆく。

ロケ地

  • 浜辺で貝殻を拾う巡礼姿の織江、琵琶湖・新海浜。つる、彦馬、静湖姫、それぞれのの言葉がフラッシュバックする。
  • 桜田屋敷、大覚寺明智門。平沢重兵衛が平戸の動きを知らせに入る段。
  • 寺子屋を閉める彦馬、神光院中興堂。いつものようにお堂の内外を使うが、今回は扉の閉まるさまを中から撮ってあって面白い。
  • 太郎吉に、つるが母だと告げる彦馬、氷人石のある神社は梅宮大社。本殿前に「石柱」を設営。
  • 彦馬が江戸を発つ前夜、静山と語らう下屋敷、大覚寺望雲亭
  • 旅立つ彦馬を見送りに出るつると太郎吉、金戒光明寺永運院前と坂。坂下に見える善教院の甍の向こうに海を合成。
  • 奥寺に平戸の動きを報告する川村、座敷は随心院か。
  • 浜路を倒し織江を追う寒三、気配を探るうちツナギが入る林、酵素ダートか。
  • 小船で江戸を発った静山が上陸する三浦村の船着き、大覚寺大沢池船着(大)。水面は合成。
  • 伊豆山中の道をゆく静山一行、待ち構えていた忍びと戦うのは酵素ダート退避所。
  • 荘助が小船に乗り天竺丸へ帰ってゆく下田の浜、沢の池か。
  • 下田へ急ぐ織江の前に立ちはだかる川村、海浜の林は琵琶湖・新海浜。奥に荒神山が見えている。途中彦馬も加わっての死闘は、鳥居本八幡宮舞殿まわり。
  • 洋上をゆく天竺丸、マジ海マジ船か。
  • 静湖姫が八回目の見合いに出てゆくシーン、清凉寺境内(奥に山門)

雙星彦馬/市川染五郎 織江/瀧本美織 川村真一郎/和田聰宏 静湖/マイコ 西海屋千右衛門/堀部圭亮 つる/松尾れい子 奥寺勘兵衛/金井勇太 白瓜の寒三郎/瀬川亮 お蝶(回想)/黒川智花 平沢重兵衛/栩原楽人 高杉新十郎/滝口幸広 荘助/宅間孝行 浜路/中島ひろ子 雅江/若林麻由美 松浦静山/田中泯

脚本/金子正人 演出/山下智彦


※第一シリーズに出ていた、利発な少女・おゆうや同心の原田さんは、「最終章」には出てこない。

 → 妻は、くノ一 (2013年4〜5月放送、第一シリーズ)

 参考文献 妻は、くノ一シリーズ 角川文庫


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