闇の狩人

2014年10月4日、5日 時代劇専門チャンネル

原作/池波正太郎 脚本/金子成人 音楽/遠藤浩二 ナレーター/能村太郎 監督/石原興

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闇の狩人 前編 2014.10.4

 湯治場で記憶喪失の若侍を拾って保護した弥平次は、別れたあとも彼のことが気になってしかたない。
江戸へ戻った弥平次は、ある夜人を斬り殺す侍を見るが、果たしてそれはかの弥太郎。闇におちた青年を救い出そうとする弥平次だが、自身も「稼業」の跡目をめぐるトラブルで、退くもならぬ暗がりへ踏み込んでゆくのだった。

広沢池

ロケ地

  • 弥平次が湯治に来ている坊主の湯(上州と越後の国ざかい)の湯元、保津峡落合汀に掘っ立て小屋設営・スモーク演出。宿へ帰る途中、倒れている若侍を見つける滝、金引の滝。崖から落ちた的を捜しまわる侍たち、大覚寺五社明神本殿脇・有栖川河床から見上げ。
  • 宿も家捜しされたため、弥平次が若侍と二人隠れる脇湯の小屋、酵素河川敷。降り口付近に設営。三日経ち当地を離れる弥平次、女房のおしまと合流し行く山道は酵素ダート
  • 釜塚の金右衛門一党がお盗めをする夜のイメージ、八幡堀(堀に影を落とす蔵を撮ってある)
  • 金右衛門おかしらが弥平次を呼び、己の死後のことを相談する品川の宿、窓から見える海はマジ海か。
  • おかしらの死後、跡目についての何度目かの寄り合いに出かけてゆく弥平次、渡る夜の橋は八幡堀白雲橋で降雪演出。谷川弥太郎が人を斬るのを目撃するシーンは大覚寺大沢池木戸、ここにも雪。
  • 身辺に危険が迫ったため浅草の三政から葛飾渋江村へ引っ越す弥平次夫婦、家のイメージに広沢池東岸「萱葺民家」をロングで。除夜の鐘、金戒光明寺鐘楼(今年は浅草の観音さまへ行けない・毘沙門にでもと夫婦の会話あり、題経寺か)
  • 五名の元締の回想、信州追分で谷川弥太郎と出会った道、大覚寺遣水跡(六地蔵をあしらい、弥太郎は破れた衣を着てそれの傍らに蹲っている)。弥太郎に竹筒の水を呉れて去る清右衛門、直後追い剥ぎに遭うのは遣水近くの竹林か(弥太郎が浪人どもを撫で斬り)
  • 伊藤又右衛門とツナギをとる清右衛門、法事の寺は西教寺大師堂唐門前にお供と駕籠が待つ絵。内部はセット撮り。
  • 豆問屋を襲った凶賊は伴助一味かもしれないと弥平次に告げる与平、広沢池東岸葦原傍・船上。
  • 伴助の情婦の店を見に行った与平、戻る際弥太郎とぶつかり笠を落としてしまう町角は日吉の馬場(里坊から出てきてぶつかる図、路地に見立ててある模様)。このとき弥太郎の顔を見た中間が、居所を突き止めて伊藤又右衛門に報告する際に出る屋敷イメージ、大覚寺明智門(土岐丹波守下屋敷)
  • 弥太郎が暗殺仕事をする夜道、日吉の馬場。使いの助五郎に案内されて行く。清右衛門が見届けに来ていて、里坊の門内にいる構図。山向き、琵琶湖向き両方のアングルが出てくる。
  • 伴助を始末したあと、金右衛門の墓に参る弥平次、西教寺墓地

雲津の弥平次/中村梅雀 おしま/風吹ジュン 谷川弥太郎/福士誠治 おみち/谷村美月 土原の新兵衛/本田博太郎 伊藤又右衛門/山口馬木也 徳次郎/鶴田忍 市兵衛/秋野太作 伊太郎/金山一彦 倉沢の与平/鷲生功 助五郎/吉見一豊 五郎山の伴助/真砂京之介 五郎吉/青山勝 おます/田村友里 熊吉/谷口高史 河半の女将/園英子 日影の長次/池田勝志 露店の親父/多賀勝一 釜塚の金右衛門/加藤武 政七/石橋蓮司 お浜/波乃久里子 五名の清右衛門/津川雅彦

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闇の狩人 後編 2014.10.5

 前編で広げられた風呂敷が、小気味よく畳まれてゆく。
弥平次夫婦が弥太郎を我が子とも思う心と、恩だけでなく夫婦を好きな弥太郎の心は遂に呼応し、互いを闇から引き上げる力となる。

鍬山神社

ロケ地

  • 新兵衛の依頼で谷川が刺客となり弥平次を襲うくだり、舟宿を出た弥平次の動向が見張られている掘割のシーンは八幡堀、明治橋下など堀端をあちこち使って表現。斬りかかってすぐ相手が弥平次と気付く谷川のシーンは大覚寺五社明神摂社祠付近、有栖川河床から見上げたアングル。咄嗟の打ち合わせで立ち回りは続き、弥平次は堀へドボン・これは有栖川へ飛び降りているのだが、水音を被せたうえ広い水面にスイッチし「堀へ飛び込んで逃げた」絵を作ってある。
  • 前金を返し仕損じ料を新兵衛に渡す清右衛門、密会の屋形船は大覚寺大沢池に浮かぶ(船内はセット撮り)
  • 見張られていることに気付き、夜を待ってよしのやを出る弥平次、尾行を承知で築地方面へ向かうくだり、セットから八幡堀へスイッチ、弥平次が船をおりるシーンには杭を置いて船着を表現してある。浪人たちが襲い、谷川が防ぐシーンは、セット撮り。
  • 谷川の記憶を取り戻すため、木挽町へ出向き土岐家上屋敷を見せる弥平次、大覚寺明智門。おちかが勤めていた料亭の少し先にある舟宿・ひたちや、錦水亭。ここの女将・お吉から、谷川の素性が知れる運び。東屋の門と内庭の橋を使い、昼夜両方のシーンが出る。
  • お吉の想像というかたちで出る、若君毒殺の陰謀を調べ上げ国元へ向かう「笹尾」が行く街道、酵素ダート。これが金引の滝で倒れていた若侍のシーンにつながる。
  • おみちに会いに駒込の小屋へ行った谷川、帰り道で弥平次を襲った浪人(谷川に峰打ちされた奴)に見つかり、新兵衛も出て囲まれてしまう神社、鍬山神社。立ち回りは本殿裏手で行われる。境内の「用水」を新兵衛の手下が走ったりするシーンもある。
  • おみちを連れて江戸を出ようとした谷川、待ち合わせの神社は走田神社、おみちは小鳥の駕籠も持って本殿前灯篭の傍らに腰掛けて待つ。谷川は参道を来るが、清右衛門が現れて仕掛を強要、おみちは伊太郎に押さえられてしまう。
  • 谷川たちの危機を救い戻ってきた弥平次、おしまの待つ宿は前編で釜塚のおかしらが居た品川の宿か(夕映えの海が窓から見えている)
  • 弥平次が足を洗って三年後、夫婦で出かける坊主の湯、金引の滝前を通り、馴染みの宿へ(セット、廃業している演出)。市兵衛が現れ、いい宿があると案内するくだり、愛宕参道鳥居平野屋(提灯には「谷川」と書かれており、赤子を連れた夫婦が出てくる)

雲津の弥平次/中村梅雀 おしま/風吹ジュン 谷川弥太郎/福士誠治 おみち/谷村美月 土原の新兵衛/本田博太郎 お吉/小林綾子 伊藤又右衛門/山口馬木也 徳次郎/鶴田忍 市兵衛/秋野太作 伊太郎/金山一彦 倉沢の与平/鷲生功 助五郎/吉見一豊 おちか/原田麻由 五郎吉/青山勝 おます/田村友里 熊吉/谷口高史 青木/伊庭剛 河半の女将/園英子 政七/石橋蓮司 お浜/波乃久里子 五名の清右衛門/津川雅彦


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