合葬

合葬

2015.9.26松竹

キャスト
柳楽優弥(秋津極) 瀬戸康文(吉森柾之助) 岡山天音(福原悌二郎) 門脇麦(福原砂世) 井之脇海 桜井美南(かな) 高山侑子 藤原令子 隆大介 飴屋法水 峯村リエ 小市慢太郎 りりィ オダギリジョー(森篤之進)
ナレーション/カヒミ・カリィ

脚本/渡辺あや 監督/小林達夫

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 最後の将軍・徳川慶喜がお山を去って無血開城成り、大樹警護の意義を失ったあとも、「彼ら」はそこに居続けた。
圧倒的な戦力が不満分子を一日で鎮圧するまでのひと月あまり、各人各様の目的と意思をもってお山に籠り総攻撃に際会した、青年たちのドラマ。

大覚寺 大沢池

ロケ地

  • 慶応四年四月十一日、謹慎地の寛永寺を出る徳川慶喜、大覚寺明智門が開くと、石畳の向こうに増上寺大殿。拝跪して見送る幕臣たちはセット塀際。慶喜が出てゆく門は不明。
  • 極を連れ戻すためお山へ向かう悌二郎、大覚寺放生池堤。大沢池畔や堤には森を合成、「不忍池弁天堂」も配してある。境内描写は、春性院もセット。後段にも出て、蓮の花はイメージにも挿まれる。
  • 極宛てのかなの文を読み破り捨てる柾之助、松竹セットの「あの橋」、運河と蔵は合成。
  • 組頭から出た金で深川へ繰り出す隊士たち、遊女相手に会談をぶつくだりで出る「ある寺境内の大きな楠」、大覚寺護摩堂脇の木、護摩堂は裏側を映し夜景、酔った男は根方に凭れ掛かり。
  • 砲声轟く上野のお山、大沢池に咲く一面の蓮の上をカメラが這い、遣水跡の戦闘シーンへ。戦死した悌二郎を見つけ介錯するのは梅林。この間、ずっと雨が降っている。
  • 百姓衆が極を葬ってくれる塚、酵素か。

※上野戦争の派手なドッカンは目立たず、総じてみると「江戸市民」たる青年たちの暮らしが丁寧に描かれていることに気付く。その時代を愛した原作者の謂「日曜日の昔話」に通じ、趣深い。

参考文献 杉浦日向子著「合葬」 ちくま文庫


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