くノ一忍法帖 蛍火

BSジャパン/松竹、2018年4月〜9月


第1話 「瞳術開眼」 2018.4.3

 将軍となった綱吉は、前政権の影を一掃し、根来忍者を登用する。その頭領は孤雲、娘のお蛍を含むくの一三人を早速任務につける。強力な技を持つお蛍はしかし、忍びとしては不適格な熱いハートの持ち主なのであった。

大覚寺

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城はの門下坂から天守望む図。
  • 高田城イメージ、岡山城天守。セットに合成しての画もある。
  • 任地の越後高田へ向かうくの一たち、街道は大覚寺大沢池堤。戻り道も同所。

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 お漣/木下あゆ美 堀田正俊/峰蘭太郎 徳川綱吉/井之上チャル 谷口高史(高田藩主・松平光長) 柴田善行(伊賀者・堤玄堂) 伊庭剛 大石昭弘 加藤正記 小澤明弘 中島崇博 三上祥弘 大西由恵 橘かれん 美咲 森野忠晋(酒井雅楽頭) 柳沢吉保/松田悟志 根来孤雲/木下ほうか

脚本/土橋章宏 監督/井上昌典

※谷口高史は好き者の殿さま、「易者」の堤玄堂に操られてるのか地なのか不明。
※お蛍の姉・お漣は城助の婚約者、伊賀者に拉致され消息不明。


第2話 「傘骨連判状」 2018.4.10

 江戸に戻るや、次の指令が飛んできて、くノ一たちは沼田藩へ。そこで民の窮状をみた三人は、それぞれの思いから恋人たちに加担する。クールな姐御は、とりわけ過激な肩入れを仕出かしていた。

聖護院

ロケ地

  • 傘骨連判状を使って、直訴に行く者の籤引きが行われる夜の林、北嵯峨か。雑木まじり、大きな岩らしきシルエットも。離れて見守るくノ一たちは斜面林間に。
  • 沼田藩江戸屋敷イメージ、聖護院長屋門
  • 沼田城イメージ、福知山城

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 お民/小林涼子 茂左衛門/大石昭弘 お漣(回想)/木下あゆ美 本山力 南条好輝 仲野毅 江村修平 西村諭士 根来孤雲/木下ほうか

脚本/土橋章宏 監督/井上昌典

※お民は村長・五兵衛(南条好輝)の娘で、直訴に行く者の嫁にすると父が決める。結局その役に決まるのは恋人の茂左衛門で、捕らわれて磔に。本山力は沼田に派遣されている伊賀者、催淫剤を振りまく。


第3話 「神隠しの謎」 2018.5.8

 任地で、かつて自分を捨てて組織から抜けた男に出会うお美代。そして、いま彼が属する「組織」はお蛍を生き神扱いして崇め、くノ一たちに助力を乞うのだった。

大覚寺

ロケ地

  • 肥前大山藩へ向かう三人、大覚寺大沢池畔。道中、ひもじがって駄々をこねるお玉のシーンは大沢池堤。
  • 道侑を問い詰める三人、大覚寺放生池堤。斬りかかるお美代、護摩堂前。
  • 物思うお美代が佇む水辺、大覚寺天神島(東端付近)

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 井坂道侑/篠田光亮 お久爾/大島蓉子 お漣(回想)/木下あゆ美 山田かつろう 西園寺章雄 美藤吉彦 平井靖 池田勝志 清水麻里亜 小川敦子 中村祐美子 三上祥弘 音喜多子平 馬場えりか 大西由恵 根来孤雲/木下ほうか

監督・脚本/井上昌典

※お久爾は、お蛍をマリア様と呼び秘密の礼拝所に連れてゆく予言者。道侑は現在そこのメンバーの隠れキリシタン。信者を摘発し銀山採掘に従事させる、殿の嫡子・黒川綱泰は池田勝志、手下をつとめる伊賀者・田部孔明は山田かつろう。


第4話 「妙薬春房丹」 2018.5.15

 強精剤を探りに行った隠密たちは、好き者の殿さまと伊賀者に翻弄された、哀れな恋人たちを見る。彼らに元の暮らしが戻るわけもないが、とりあえず不幸の元凶は成敗してくるお蛍たちであった。

長浜城

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守。将軍に魚津特産の春房丹が献じられるくだり。
  • 越中魚津の海イメージ、マジ海の汀は丹後か。
  • 魚津城イメージ、長浜城天守
  • 御国御前・百代の方は己の許婚であり、殿さまに引き裂かれたとお蛍たちに告白する天内、大覚寺遣水跡。お美代が百代の方を連れてくるが、彼女は出家の意思を示す。
  • 帰途につくくノ一たち、大覚寺大沢池北辺並木

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 乙国天内/中山義紘 百代/池田琴弥 徳川綱吉/井之上チャル お漣(回想)/木下あゆ美 西村諭士 柴田善行 大迫英喜 加藤正記 船津正康 仲野毅 江村修平 みひろあき 美咲 柳沢吉保/松田悟志 根来孤雲/木下ほうか

監督・脚本/井上昌典

※魚津藩主・前田将監は柴田善行、実は伊賀者の医師・鴨野長英は西村諭士。乙国天内は、春房丹で出世した側用人。
※趣味の長風呂で体調を崩し魚津行きに遅れるお蛍、そのことは別段筋立てにからまず、本作のゆるさを象徴しているように見える。


第5話 「忍びの恋」 2018.6.5

 明石藩の探索に出向く根来忍者たち、しかし邪まなのは藩主ではなく、家老とその一味であった。
お忍びで城下をぶらつく殿さまと出会うお玉は、たちまち優しい彼にのぼせ上がるがかなわぬ恋、くノ一として暗殺の危機を阻み去ってゆくのだった。

広沢池

ロケ地

  • 明石城イメージ、オープンセットの背景に彦根城天守を合成。城下の雑踏を見るくノ一たちのくだり。
  • 城助とツナギをとるお蛍とお美代、広沢池観音島(水無)
  • 明石城イメージ、彦根城天守。先に出たのよりは寄った画で、森の上に顔を出した姿。くノ一たちが潜入するくだり。
  • お玉と再会した殿さまが伊賀者に襲われる帰り道、酵素ダート。林間の画は付近の山腹か。

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 本多出雲守政利/田中幸太朗 本田貫兵衛/森下じんせい お漣(回想)/木下あゆ美 山本禎顕 田村ツトム 奥深山新 細川純一 国木田かっぱ 根来孤雲/木下ほうか

脚本/藤井香織 監督/服部大二

※お玉の「トシさま」は出雲守政利、家老は貫兵衛で腹心は小川(山本禎顕)、グルの悪徳商人・舟橋屋は細川純一で彼を介して動く伊賀者・天龍は田村ツトム。トシさまとお玉の出会いの団子屋のあるじは国木田かっぱ。


第6話 「剣士と女」 2018.6.5

 老中・堀田の強硬路線が反発を招いた結果、単独で暴発する向きも出る。新婚の夫の身を案じ、思い余って剣の師に縋る若妻だが、勘違いに加え師の性癖がアレで、話はおかしな方向へ転がってゆく。

広沢池

ロケ地

  • 天剣がお苑を連れ出し段取りを話す野原、広沢池西岸湿地葦原・ヤナギの根方。
  • 天剣を成敗したあと、逃げた伊賀者を追い戦う山道、酵素ダート

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 穴馬谷天剣/比留間由哲 お苑/畦田ひとみ お漣(回想)/木下あゆ美 吉田佳 稲田龍雄 浅雛拓 福本清三 北川裕介 栗本真愛 愛里彩 松本結菜 渡辺圭悟 根来孤雲/木下ほうか

脚本/土橋章宏 監督/服部大二

※舞台は武蔵国古利根藩。従兄弟の沼田藩改易に不満を持ち自藩にも手が伸びると危惧し堀田暗殺を思いつく側用人は長谷見平馬(吉田佳)、妻女はお苑。師の剣指南役は天剣、頼みごとをしに来たお苑に懸想するほか、女に縁が無かったゆえいろいろアレなことを仕出かしてしまう。天剣が公儀隠密に扮するよう頼んだ伊賀者は山崎弥太郎(稲田龍雄)、しかしお苑は同じく薬売りに化けていた城助に接触してしまう次第。福ちゃんは、城助の回想で出る、幼児の彼を厳しく指導した老師…5話と6話の間にオンエアされたメディケア生命のCMにもご出演、奉行の裁きを褒める殿さま。
※山崎と対峙する城助、「小太郎」と呼ばれる。


第7話 「巨摩の落としだね」 2018.7.3

 お世継ぎが次々と早世し、藩主自身も急に病を発し明日をも知れぬ情勢の巨摩藩。弱気になった殿さまは、村娘に産ませたご落胤を思い出すが、加担していた伊賀者が看過する訳もなく騒動に。
任務上行きがかりで赤子を保護し、城助さまと夫婦に扮することになったお蛍、どぎまぎもじもじラブコメディが展開されるのであった。

大阪城

ロケ地

  • 巨摩藩城イメージ、大阪城天守
  • お蛍の回想、五年前任務をしくじり落ち込んで座り込んでいると城助が慰めに来る水辺、京都ゴルフ倶楽部の池端。

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 巨摩刑部/杉森大祐 風巻隼人/八田浩司 巨摩甲斐守/田井克幸 お漣(回想)/木下あゆ美 國藤剛志 山田永二 橘ゆい 多賀勝一 宮崎杏 周防ゆう 平尾優光 沢暉蓮 吉田陽登 根来孤雲/木下ほうか

脚本/藤岡美暢 監督/大脇邦彦

※殿さまは甲斐守、一見いいヒトそうな養子の刑部は裏で伊賀者・風巻に通じており毒を盛る次第。解毒剤調製でお玉活躍。


第8話 「毒霧の舞」 2018.7.3

 伊賀者が盗賊団を結成し暴れまわるという桜田藩へ赴くくノ一たち、ヒャッハーな忍者に毒霧を浴びせかけられ大苦戦、お蛍は記憶を失ってしまう。倒れていた彼女を保護してくれた若き塩問屋のあるじは、甲斐甲斐しく働くお蛍を嫁にと望むまでになるが、かなわぬ恋であった。

今宮神社

ロケ地

  • 権蔵の毒にやられたお蛍が倒れていた祠、今宮神社摂社裏手。宗一郎に助け起こされたあと話す茶店は絵馬舎下に設営。
  • 事後、自身のクナイを眺め物思うお蛍、京都ゴルフ倶楽部の芝地斜面。朋輩二人は坂下に。

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 松戸屋宗一郎/夕輝壽太 毒霧の権蔵/倉本発 お漣(回想)/木下あゆ美 五馬さとし 村尾オサム 金子珠美 田中蒼馬 久保山知洋 根来孤雲/木下ほうか

脚本/宮沢みゆき 監督/大脇邦彦

※松戸屋の番頭・喜兵衛は五馬さとし、裏切者。


第9話 「呪い絡繰り」 2018.8.7

 任務を終えての帰途、人として見逃せぬ案件に引っかかるお蛍。他のくノ一たちもやむなく協力するが、城助は彼女たちに冷水を浴びせかける。結果、謹慎で済まされるものの、憎からず思うひとの別の顔を知り、心は揺れるのであった。

楊谷寺

ロケ地

  • 上総・茅野城イメージ、伊賀上野城天守(遠望の図)
  • 家老・秋山が、中老・木島に彦左衛門を極刑に処すと申し渡すくだり、お城イメージに伊賀上野城天守(拝観口下から見上げの図)
  • 秋山が悪徳商人・伊藤屋と密談する町外れの別邸、楊谷寺書院を上書院から見下ろす図。夜景で、障子に灯りがさしている。役者出ず。
  • 城助がお蛍たちを連れ出し諭す野原、酵素河川敷。木の下に卒塔婆等演出、設定は野末の墓地か。

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 麻生彦左衛門/岡本富士太 木島半兵衛/堀内正美 お漣(回想)/木下あゆ美 露伴/中野・R・新一 秋山益弘/野田普市 伊藤屋/浅田祐二 麻生淳之介/鳥谷宏之 太田雅之 井之上淳 根来孤雲/木下ほうか

脚本/宮沢みゆき 監督/前原康貴

※木島半兵衛は彦左衛門の剣友、「乱心し自刃した」勘定方の麻生淳之介に家老の不正を内偵させていた次第。家老に与する伊賀者・露伴の使う技はサブタイトルの通り、お美代にお蛍のと比べて不完全な技と言われている。


第10話 「暗躍の影」 2018.8.14

 堀田さまの指示で遠国御用の三人組、帰国以来消息のわからぬ夫を案じた正室のたっての願いで共に領国・肥後天草の不知火藩へ。虚弱で優しい殿さまは、どうしたわけか鍛錬フェチの猛々しい下卑た男に変貌していた。
敵の口から姉の消息が知れ、幕閣にも不穏の気配。

嵐山自転車道

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守。伊賀者の働きが将軍に嘉されるくだり。
  • お蛍たちがゆく肥後近くの街道、里山か。御正室・七瀬が具合を悪くして休む峠も同所と思われるが、こちらは切り通しの林道ふう。お美代の施療後、駕籠が出立するシーンは嵐山自転車道(東公園、土手見上げ)
  • 不知火藩城イメージ、金沢城櫓。

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 お漣/木下あゆ美 七瀬/舞羽美海 天草周防守/山中聡 井之上チャル 峰蘭太郎 平井靖 浜口望海 勝野賢三 中村大輝 岡嶋秀昭 竹本真之 いま寛大 柳沢吉保/松田悟志 根来孤雲/木下ほうか

脚本/藤井香織 監督/前原康貴

※堀田正俊は峰蘭さん、綱吉は井之上チャル。殿に化けていた忍び・オロチは浜口望海。家老・海老沢半兵衛は平井靖。


第11話 「大奥の闇」 2018.9.4

 江戸へ戻り、今度は大奥での連続怪死事件に携わる三人組。任務遂行後、捕えた女忍者から姉の消息がもたらされるが、地下牢につながれたお漣は妹を認識せず、立ち現われた百足の刺青の男は鬼面の下の顔をあらわにするのだった。

姫路城

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城。はの門下坂のほか、天守アップなど。
  • 酒井雅楽頭邸イメージ、唐破風の門は塔頭か勅使門か。

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 お漣/木下あゆ美 沙羅/我妻三輪子 徳川綱吉/井之上チャル 静香/松岡美紗 如月/小川夏香 朱美/島居香奈 旭屋光太郎 谷口知輝 森野忠晋 柳沢吉保/松田悟志 根来孤雲/木下ほうか

脚本/土橋章宏 監督/服部大二

※静香、如月、沙羅、朱実は御側室。身重の沙羅は女忍者が取って代わっていた次第。大老・雅楽頭は谷口知輝。


第12話 「くノ一の明日」 2018.9.11

 城助の正体が明らかとなり、その兄はいよいよ凶悪な顔をむき出しにする。
土壇場で正気に戻った姉も、絶体絶命の場に立たされた父もなくしてしまうお蛍だが、かけがえのない仲間は残った。

姫路城

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守。お蛍の代わりにお美代が大奥へ上がる段。
  • 父と姉を葬った塚に参り、仲間とともに歩みだすお蛍、酵素か亀岡山中か(山中の崖下、および山道)

お蛍/ベッキー 吹矢城助/高橋光臣 お美代/黒川芽衣 お玉/樋井明日香 お漣/木下あゆ美 堀田筑前守正俊/峰蘭太郎 徳川綱吉/井之上チャル 山口幸晴 福本清三 野々村仁 菅原洋美 木村康志 入木将志 黒川英二 飯島順子 勇家寛子 渡辺圭吾 愛里彩 松本結菜 柳沢吉保/松田悟志 根来孤雲/木下ほうか

脚本/土橋章宏 監督/服部大二

※お蓮に操られて堀田正俊刺殺の稲葉正休は山口幸晴、少年の城助に鬼面を与えた伊賀の老師は福ちゃん。
※城助は吉保の異母弟、お蛍の危機に将軍に化けて現れ救うが、彼自身は兄のきつい叱責を受け一生飼い殺しを言い渡される。
※吉保の武器エスカレート、ガトリング砲持ち出して笑える。お蓮の怪光線も大笑い。


※第5話と6話、7話と8話は同日に二本立てで放送された。


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ