時代劇ロケ地探訪


■ 慈光院

 戦国武将・片桐氏ゆかりの寺で、開祖は石州流茶道の祖である。少し南に行くと斑鳩の里、という丘に建つ。
庭からは青垣の山なみが一望でき、この借景を満喫する意図で、ダイナミックな大刈り込み以外は灯籠すら置かれていない。
庭を眺める書院に座すと、お薄と茶菓(紋を象った押し物・旨)が運ばれてくる。まことに贅沢な一時である。

書院から庭を見る 大刈り込み
山門 書院 床の間


 書院と大刈り込みは篠田正浩監督の鑓の権三で、松江の浅香市之進邸として使われた。
笹野権三がおさゐに伝授を受け、川側伴之丞に争うシルエットを不義とされてしまう、あの数奇屋がこの書院である。川側役の火野正平がこそこそと現れるのが大刈り込みの陰から、そこには石灯篭がセットされている。樽を押し込んで通路とする生垣は他の場所の模様、またフィルムをよく見ると書院床の間とは酷似しているものの微妙に寸法が違うので、ここをなぞったセットと思われる。
同監督の梟の城では、堺の豪商・今井宗久の屋敷として出てくる。庭のほか、萱葺きの山門も使われている。

大和郡山市小泉町


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