時代劇の風景  ロケ地探訪

酵素

− ダート −

ダートの崖道 現場真上にある待避所
 谷筋の道は途中から未舗装路となる。離合困難な崖道で、ところどころに待避所が設けられている。撮影スポット真上にもあり、ロケバスや大道具さんのトラックが停まっていることもある。ここに発電機を置いて下にケーブルを這わせてあるのも見る。
 この山道も時に撮影に使われることがある。
長七郎江戸日記「べに椿異聞」では長七郎に京での調査を依頼された蕎麦屋の六さんこと柳生忍の沢木兵庫が鬼の如く走る東海道筋、という画がここである。
暴れん坊将軍2「永代橋に消えた恋」では昔関わりのあった芸者の話をしながら上様と一服の大岡忠相という場面で待避所が使われている。切株や石仏があしらってあった。設定は品川御殿山付近の間道である。
鬼平犯科帳1スペシャル「流星」では板橋宿はずれをゆく長谷川平蔵が生駒の仙右衛門差し回しの刺客に馬上から斬りかかられるのがこの山道。
陰陽師 安倍晴明「王都への怨み」で野盗に襲われる親子を助けた四の宮が女児にお礼の貝殻を貰うシーンもこのダートで撮られた。
待避所から谷を見下ろす ダートから谷を見下ろす
 ダートの崖道から谷を見下ろす構図もよく使われる。探索の捕り方が出張るのを林から窺う逃亡者、なんていうケースにはまことにぴったりと言えよう。
翔べ!必殺うらごろし「突如奥方と芸者の人格が入れ替わった」では上州漆ケ原へ向かううらごろしチーム一行のシーンが林の間から撮られている。
服部半蔵 影の軍団「瞳の中の殺人者」では伊豆天城山に薬草採りに来た津々見京介が天魔一族に襲撃される場面で林越しのショットがある。
暴れん坊将軍2「永代橋に消えた恋」では先に述べた待避所から谷を見下ろす上様が谷底をゆく作事奉行一行を見る場面で林越しの画がある。
ダートすぐ下にある獣道 獣道に置かれていたロケ用小道具
 崖道から川筋に降りてゆくと右手に短い獣道がある。ちょうど上の崖道から一段低く平行して通じる短い区間を用いて面白い使い方をしているのが翔べ!必殺うらごろし「人形が泣いて愛する人を呼んだ」で、濡れ衣を着せられかかっている若侍に事を知らせるべく藩役人に先んじて走る正十のシーンがそれである。藩役人は騎馬で上の崖道を、正十が獣道を走る。

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