時代劇の風景  ロケ地探訪

大覚寺

− 勅使門 −

 ここが「嵯峨御所」なのを再認識させる門。ちょうど宸殿正面に当たる。
意外と新しく、幕末の再建である。四脚門を持つ切妻造で、銅板を葺いてある。表裏に唐破風が設けられている。
勅使門周辺はふだん立入禁止で、境内外の道路の高い塀から覗くか、宸殿から眺めるほかは近寄れない。
勅使門(内側) 勅使門(外側)

 勅使門はやはり憚りあるのか、そう頻繁に使われるものではない。使用例としては当たり前のようだが勅使が入ってゆくシーンが多い。設定では忠臣蔵における勅使接待のくだりが目立つ。
 三匹が斬る!「空っ風、可愛い女の恨み文字」は時代劇のパターン物のひとつ・日光例幣使ものだが、東照宮参拝を終えた勅使一行が帰途にくぐる門として使われている。
炎の奉行大岡越前守は前半を忠臣蔵に費やすが、ここでは江戸城辰の口伝奏屋敷として使われ、勅使接待のための品々が運び込まれるシーンに使われている。
忠臣蔵1/47では勅使が入ってゆく江戸城の門として用いられている。
変わった例としては斬り抜ける・俊平ひとり旅「綾姫御殿」が挙げられる。三河吉田の松平家で日常に倦み爛れた生活を送り領民を害したりとトンデモの将軍の血筋の綾姫が出先で見染めた楢井俊平を御殿に連れ込むのだが、むさくるしい着たきり雀の不義者俊平がなんと勅使門から入ってゆく姿が撮られている。最愛の女性を亡くし半ばキレている俊平は綾姫に殺されるどころか姫を大屋根に吊るし上げて斬奸状を掲げて辱め三河を去ってゆく。

 勅使門前には御殿川が流れていて、小さな太鼓橋が架かっている。この橋もスポットである。
服部半蔵 影の軍団「将軍蒸発」では幼君誘拐を受け動く半蔵が大奥から生母・お楽の方を連れ出す際に待ち合わせ場所に使われている。
必殺!主水死すでは主水が姉小路と元老中を暗殺するシーンに用いられた。
新必殺仕置人「牢獄無用」では南町奉行所付近でおていや正八とツナギをとる主水の姿が橋上にある。

 以上は何れも門外側からの撮影であるが、たまに内側からのものもある。宸殿前の白州が使われる際に遠景にちらっと映る程度だが、壬生義士伝での新撰組隊士の調練や、陰陽師安部晴明での御所清涼殿前で行われる怨霊調伏のシーンなどがそれである。

■ 大覚寺 表紙

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