時代劇の風景  ロケ地探訪

南禅寺

− 三門 −

 創建当初の門は焼失し、現在見るものは寛永年間に藤堂高虎が寄進したものである。天下竜門とも称し、上層は別に五鳳楼とも呼ばれる。
禅寺特有の重厚な造りと太い柱が圧倒的な量感で迫る。知恩院三門、東本願寺大師堂門とともに日本三大門のひとつ。
三門 西面下部
 三門はかなり大きいので全体が映ることはあまり無い。下部の特徴的などっしりした太い柱をモチーフにすることが多い。
設定は待ち合わせ、連絡場所などが見受けられる。夜間の撮影もよく行われ、門越しに照らされた木々が映え美しい。
 寺の山門は時代劇によく使われるアイテムだが、南禅寺三門の識別ポイントはよそより太い柱、柱の上と下に嵌る黒い金輪、門外に見える落葉樹の林といったところだろうか。また、山門の向こうはすぐ石段、という寺が多いが、南禅寺三門では西面から撮った際向こうは平坦な参道であるのもポイントと言える。
三門西面 参道から 三門 南西から 石段と三門
 鬼平犯科帳「男のまごころ」では功を焦る盗賊改同心・田中が配下の密偵と夜半言い争うシーンに用いられている。同「五月雨坊主」では絵師・竹仙が自分そっくりの男と行きあう谷中の寺町として使われた。
京極夏彦「怪」の「福神流し」では実父・風見に呼び出されるおぎんのシーンに使われた。時間は夜。
篠田正浩監督の鑓の権三では追っ手から逃れ京に辿りついたおさゐと権三のシーンで用いられている。八坂の塔の直後に映るので、京都を表すイメージかも知れない。
必殺!ブラウン館の怪物たちでは、怪しの黒谷屋敷の門として使用された。他に世にも奇妙な物語/携帯忠臣蔵陰陽師[2001東宝]にも使われた。
三門 列柱 三門 扉
 雲霧仁左衛門[山崎努版]では「狙われた男」ラストで仁左衛門が小頭の木鼠の吉五郎とツナギをとるシーンで使われた。捕われた配下を救出するのに大胆不敵な手口を用いたことを述懐する仁左衛門、予定の大仕事を口にする吉五郎の二人が柱の陰に見え隠れする。同「おかしら」では雲霧に縁を切られた盗賊・草間の勘蔵が夜中に仲間とツナギをとる場面に使用された。
三門から法堂参道 三門から正因庵
 三門をフレームに法堂への参道と木々の緑を望む清々しい風景はなかなか絵になる。長七郎江戸日記「旗本愚連隊」では事が終わり長七郎の心情がナレーションで入るラストに使われ、心象風景として上々の仕上がりとなっている。
 門から境内の他の建物を映し込む例もよくある。炎の奉行大岡越前守で生き別れの妹に会うため城を下がってきた大奥年寄役・絵島が秋月数馬と話す市中のシーンで門越しに映っているのは正因庵の塀。
三門東面と林 北西石垣下から三門を見上げる
 暴れん坊将軍2「つめたい春の夫婦花」では境内の別の場所で一暴れしてきた上様が境内の林をバックにずんずん歩き、三門に至りお庭番の報告を受けるという使い方がなされている。
 南禅寺は東山の山裾に立地し境内地は緩やかな坂となっており、三門下は中央が石段、北西には丈の低い石垣がある。その上に役者が立ち背後に三門が映りこむという画も撮られる。長七郎江戸日記「故郷が呼んでる」では六とツナギをとる長さんの姿が上写真右と同アングルで撮られている。
三門 屋根
南禅寺・表紙

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