時代劇の風景  ロケ地探訪

長岡天満宮

本殿 八条池 白梅 長岡稲荷 天神さんの牛

 洛西・乙訓の地にある長岡天満宮・通称長岡の天神さんは菅原道真を祀る。周囲は商業施設などがひしめく繁華な地であるが、神社は大きな八条池と深い社叢を持ち、中でも数多く植えられたキリシマツツジが赤く染まるGW頃には花見客で賑わう。
 この境内に老舗の料亭・錦水亭があり、特産の筍料理で有名である。
ロケ地に使われるのはこの料亭が多く、劇中でも高級な店として設定されていることが多い。
天神さんそのものの使用例は2004年の村上弘明版銭形平次で、神田明神として本殿が使われている。

八条池に張り出した東屋
 錦水亭の建物の一部は八条池に張り出して建てられている。外観を映さず内部のみ撮られたシーンでも障子に水紋がゆらゆらと映りこみ、なかなかの風情を醸し出す。紅殻の壁が特徴的である。
このなまめかしい「赤」から、船宿や待合、出合茶屋などに設定されることが多い。
必殺スペシャル「主水死す」の冒頭・権四郎登場シーンや、鬼平犯科帳スペシャル「蛇苺の女」におけるおきさの料亭、同じくスペシャル「炎の色」における長谷川平蔵の息のかかった鬼子母神近くの料亭など、使用例は枚挙に暇ない。
暴れん坊将軍でもよく出てくるが、さすがに上様は座敷に上がったりすることはなく、この東屋の見える対岸の池端で町娘の悩みを聞いてやったりしている。
 東屋はそれぞれに趣向を凝らした門を持つ。
門と東屋の間には庭があり、そこに渡された橋もまたロケに用いられる。
中庭の橋 中庭
 中庭の橋は剣客商売「まゆ墨の金ちゃん」で、秋山大治郎襲撃の謀議が行われるくだりで使われていた。
京極夏彦「怪」
・隠神だぬきにも用いられた。
2003年1月にキャストを一部変更して始まった剣客商売4では、佐々木三冬の住む和泉屋の根岸の寮として錦水亭の東屋入口が使われている。以前の設定は嵐山の宝厳院(旧中山邸)で、比較してみるのも一興である。
寺坂吉右衛門を主役に据え、討ち入り後を描いた最後の忠臣蔵では、ここの草戸が京での大石妾宅であった。設定は長岡天神となっている。
漬物の樽などが置かれた小屋 入口付近
☆長岡天神 ロケ使用例一覧
長岡京市天神二丁目

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