日野川支流 琵琶湖2次流入/淀川水系一級河川
佐久良川支流
杉谷川、互瀬川、杉川、前川(←大池川、宮川 )、池川、法光寺川、野川、大同川
滋賀県蒲生郡日野町から、東近江市旧蒲生町域に流れる、日野川の支流。
竜王山(825m)の麓に発し日野町北部を西流、東近江市横山と合戸(ごうど)の境で日野川右岸に注ぐ。
一級河川の起点は日野町の桑原。
流域の谷筋を佐久良谷と称し、桜谷の表記もある。
佐久良の名は賀川神社の祭神に因むともいい、桜の樹が多いことによるとも伝わる。
日野町原 奥野橋から 左上流、右下流望 | |
河床 | 原頭首工 |
原の里の奥には頭首工があり、取水が行われている。
川には多くの砂防工が設けられるが、堰と堰の間には元の河床も見られる。
日野町川原 |
川原の里で山から出る付近には親水護岸がなされている。
飛び石(左写真)に降りるテラスもついている。
堤には桜が密に植えられ、水面に枝を伸ばす。
日野町中之郷 桜渓橋から下流望 | 桜渓橋上手の落差工 |
中之郷は元東桜谷村の中心地。
ここから川幅がぐっと広くなってゆく。
川相は堰堤上の湛水域とその下の草川原を繰り返す。
日野町安部居 常永橋から 左上流、右下流望 | |
常永橋上手の河床 |
佐久良の里付近から見えだす河畔林は、この先この川の大きな特徴となる。
このあたりでは、林は竹だけでなく様々な樹種から成る。
安部居では、一枚岩の河床をすべる流れが見られる。
日野町中在寺・北脇境 | 野川合流直後の頭首工 |
丸山の裾を洗い国道307号を過ぎたあたりからは、川まわりも広く開ける。
広い河川敷を持つようになり、水の利用度も高くなってくる。
東近江市蒲生寺町 寺村橋から 左上流、右下流望 |
東近江市に入ったあたりから、流域は広大な田園地帯となる。
遠い昔、この川には人魚伝説があった。下写真は、伝説のある「小姓ヶ淵」。
寺村橋の上流側には淵があり、「小姓ヶ淵」と称する。その謂れは、1400年前の大旱魃の際の奇譚に発している。
耕作に必要な水を淵から得ていたが枯渇、しかし後日見ると水は満ちており、この後何度も汲んでは涸れを繰り返すうち、人とも魚とも思えぬ姿のものが、水底から尾で水を掻い出しているのが目撃され、この不思議は噂となり、やがて一体が捕まり、見ると人魚であったという。
この話は日本書紀にも記されていて、「推古帝二十七年の夏四月『蒲生河に物あり、其の形人の如し』とまうす」とある。
人魚といわれる不思議のものは、当地に庵を結ぶ尼僧に仕える三人の小姓で、亡骸は願成寺に祀られているという。これとはニュアンスの異なる伝承もある。
橋たもとに小姓ヶ淵の伝説を記した説明板が、また村落西端の公園の一角には立派な人魚伝説の碑が建てられていて、人魚のモニュメント(左写真)もある。
東近江市大塚町 佐久良川橋から 左上流、右下流望 右写真奥の鉄橋は近江鉄道本線 |
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佐久良川橋下の川面 | 佐久良川橋上手 川ガキ |
旧蒲生町域では、広々とした高水敷を持つようになる。
河畔林は密生しているが、途切れる個所もある。
東近江市合戸( ごうど )・横山境 横山橋から 左上流、右下流望 | |
東近江市川合町 右岸堤 |
堤が高くなるのは旧蒲生町役場の北付近、日野川合流手前から。
川そのものはふだんごく浅い。
上写真・横山橋付近の河床は重機で均されたあと。
■ 河畔林 | |
佐久良川河畔林 東近江市蒲生寺町 中流以降の河畔林はほぼ竹から成る 広大な田地のなか、小山のようにも見える |