時代劇拝見日記
2003年5月

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2003/5/31

■ 新選組始末記 三隅研次監督作品 1963.1.3大映京都

 隊士・山崎丞にスポットを当てて新選組史を描く。山崎役に雷蔵、堅物で一本気な若者を涼しげに好演。でもなんか設定が他作品の山崎監察とちょっと違うので戸惑う。
 ロケ地、冒頭磔刑の鴨河原、渡月橋下の桂?池田屋探索の山崎、浪士に見つかり逃走の路地は洛中のどこかか。路地裏の浅い堀川は高瀬?池田屋斬り込み、土方隊到着後外での斬りあいのシーンの塀と川と切石橋、上賀茂の社家町?いずれも古すぎて判らない…。
2003/5/30

■ 翔んでる!平賀源内 第4話「口中爽やか漱石香」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 多額の借金をナシにしようと企むワルに陥れられ欠所となり、娘は遊里に売られた富商。源内たちの働きで証拠ゲットし北町で再吟味となる。
回を重ねるにつれ、田沼老中はますます源内に鼻毛抜かれまくり。今回は歯磨き粉の儲けの配分で源内と算盤はじいてギャグをかます。北町奉行のキュートさにも磨きがかかる(本来は田沼側の人物だからワル設定なんだよね…でも西田節横溢する本作では妙に好人物、普段の悪役との落差がやはり見もの。顔が平板に見えるくらいの厚塗りで福福しく笑う川合氏は一見の価値あり)
 ロケ地、足抜き女郎(富商の娘)を助ける夜釣りの一平(若手同心)たち、およびラス立ちとなる召し捕りの松川の渡し、広沢池東岸。いずれも夜間撮影。

■ 必殺仕掛人 第1話「仕掛けて仕損じなし」1972.9.2ABC/松竹

 のっけから殺しの依頼、ターゲットは作事奉行と材木商。横暴の限りを尽くすワルの行状が描かれ、はよ殺ってしまえムード漸次高まる。材木商は梅安が、奉行は左内が。それぞれに見所多い仕掛け。妾のおぎんをたらしこんでの梅安のコミカルな振る舞い、万吉が長屋衆を煽動しての奉行への仕掛けもリズミカル。事後、態度を豹変させる伊勢屋に釘刺した帰り、擦れ違いざま大岩の背に刀をぱすっと入れる元締がいちばんコワかったりして。
 ロケ地、左内に仕掛を邪魔される梅安のシーン、暗すぎて不明、くろ谷?左内を釣りに誘い仕掛人の話を切り出す半右衛門、大沢池に屋形船を仕立てて。奉行が検分に来る現場、背後に嵐山付近の山なみが見えるような気するけど確信なし。
*辻斬り左内と梅安の対峙、頭巾裂かれる梅安、草履を鍼で縫いとめられる左内、名シーン。狆のカクちゃんに仕掛ける梅安も傑作。
2003/5/29

■ 燃えて、散る炎の剣士・沖田総司 1984NTV/三船プロ

 なんか乱暴なつくりの一作。メインストーリィは沖田の「淡い恋物語」で、申し訳程度に新撰組のシーンが挿まれる感がある。相手の女が死ぬやいきなり池田屋→喀血だし、その後なんかテロップが数行出て近藤土方刑死・戦死で片付けるし。そんでもってシーンはまたまた唐突に沖田療養の植木屋の離れ、黒猫がいて縁先で頓死。すげぇモン見ちゃったな。
 キャストは豪華で、師匠の周斎にミフネ、近藤に若林豪、土方にあぶデカの人。沖田役はジャニタレ、黒ヒラメと称されたという沖田にはよく似てたかも。
しかしなんと言っても清河八郎に菅貫太郎、これだけで見る価値はある。狂乱の清河なんて珍しいし。才子・清河にあるまじき姑息さがイイ。清河暗殺シーン無いのが残念。
ロケは東京撮りの模様。

■ 翔んでる!平賀源内 第3話「浮世絵阿片地獄」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 タイトルのまんまの阿片窟もの。材木商と組んだ若年寄が田沼に公共工事の件で賄賂を使うお話、阿片漬けの女を供応に使うというもの。
「エレキ亭」が店開き、ここで聞き込んだ話で黒幕を突き止め田沼の危機一髪も救う源内先生、いつも通りの賑やかなどたばた。
 今回、北町奉行のギャグは田沼に「近う寄れ」と言われ真正面から顔を近づける川合伸旺、お白州前の毛づくろいもアリ。
*材木商の用心棒(浪人態)に福本先生、捕り方にはたかれくるっと一回転。
2003/5/28

■ 翔んでる!平賀源内 第2話「濡れ衣晴らしたエレキテル」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 鴻池の隠居が長崎から入手した謎の箱は「エレキテル」、同心が十手触れさせてビリビリ。田沼老中は相変わらず鴻池失脚を図るが、腰痛をエレキテルで治してもらうという体たらく。
鴻池の隠居のかわいがってる孫娘の拉致なんかあってドタバタ。誘拐犯の召し捕りがラス立ち代わり。ラストは北町のお白州で、出の前にほつれ髪を手鏡でチェックのお奉行様・川合伸旺がキュート。
 ロケ地、鴻池の水夫殺害目撃の沙織が拉致されるとこ、嵐峡?昼食時に小っこいモニタで見たから判らない。
2003/5/27

■ 翔んでる!平賀源内 第1話 1989TBS/東映太秦/C.A.L

 源内モノにつきものの実験失敗による爆発シーンもあり、賑やかにドタバタが進行する。
源内役に「局長」西田敏行、泣きはあまり入らない模様。田沼老中はステレオタイプの金権政治家で、サッポロラーメンのおっちゃん。これにちくちく皮肉入れる鴻池の隠居に森繁、その他鮎川いずみやピーターなんかも出てる豪華キャスト。なんといっても出色は北町奉行に川合伸旺、悪役でないメイクが可愛い。
ラス立ちには容疑者召し捕りシーンがあてられ、事件の被害者以外は誰も殺されない。
事件解決には源内がからくり仕掛け持って現れる。今回はポリグラフ。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第4話「逆転勝負」1975.1.25ABC/松竹

 島帰りの前歴に付け込み脅すなど、庶民を食い物にする岡っ引・蝮の弥三がターゲット。依頼は十手を取り上げることで、殺しちゃダメ(依頼者に疑いがかかるから)という珍しい設定。
しかし依頼者の吉五郎はおせいをたばかっており、政吉が弥三の家に入り込んでいる最中に弥三を刺し殺すという挙に出る。いっとき追われる政吉だが、吉五郎の手下が恐れてお上に訴え企みはバレバレ。おせいから半兵衛と政吉にあらためて吉五郎殺しの依頼が下る。
 ロケ地、最初のツナギのとこ、寺だか神社だかも判らぬ始末、加えて女と江戸を売る途次の吉五郎に仕掛けるシーンの重ね鳥居も不明…撃沈。
*弥吉の娘に思いいれ暴走気味の政吉がヤバい橋を渡ろうとするのを「母の顔」」で諌めるおせいのシーンが見せる「あなたが地獄へ堕ちるときは私も一緒です」。*小悪党の岡っ引・弥三に今井健二、いつも通りの憎さげな振る舞いから、もっとワルい奴かと思ってたら中ほどであっさり殺されるという「ガイ者」…。*娘のおすみも政吉を誘惑するシーンで襦袢一枚になってにしゃらっと笑ったりするから毒婦設定かと思っちゃったよ。
2003/5/26

■ 天罰屋くれない 闇の始末帖 第六話
「十三年目の絆!自分の始末を依頼された刺客!!」2003.5.26ANB/東映

 盲目の孤児・お琴を足長おじさんよろしく13年も見守ってきた「皐月の小父さん」の正体は元締だった。お琴には死んだ両親のことを世話になった善良な人と聞かせてきた元締だが、実は両親は凶盗・狐火一味の首領で、天罰を下したという経緯を持つ。
そして隠された真実は一味の生き残りのお琴の叔父・治郎により暴露され、13年前にし残した天罰が元締自身の手で下されることとなる。
 ロケ地、皐月の小父さんとお琴が年に一度会う祠、大覚寺天神島。お琴に皐月の小父さんとの関わりを聞く紅、放生池堤。治郎らに誘拐され身代金取られたうえ殺された富商夫婦の死体が上がる、中ノ島橋下河原。

■ 八州犯科帳 第二話「朝霧に消えた女」1974CX/C.A.L

 休暇をとり江戸へ帰るつもりの左近のプランは凶盗・闇の四天王出現でパアに。そして凶盗の正体は新兵衛の生き別れた兄たちだったりする。
今回、軍師っぽい役回りで中村敦夫演じる柴田外記登場、左近に事件解決のヒントを与えて去る。ビジュアルは口ひげに結わない総髪というもので、新兵衛の総髪と言い、なんなんだか。緒方拳が月代を剃っているというのに。
流れ橋によく似た橋、なかなか風情あり。まだあるのかなー。
2003/5/24

■ 鬼平犯科帳 「雲竜剣」

 半年ばかり平蔵の夢に現れ続ける怪しの刺客、その太刀筋は師匠・高杉銀平が語った「雲竜剣」。火盗改の同心が二人まで殺され、隙を狙っての急ぎ働きの凶盗が出る。
探るうち明らかになった雲竜剣の使い手の正体は、高杉が対峙した剣客の息子だった。
その剣客・塚本伯道は剣客のほか医師でもあり、またその裏の顔は本格のおつとめをする大盗っ人であった。盗みの目的は民に思うさま医療を施したいという発意からきており、長年にわたり各地に奉謝宿を設け、引き金を作る盗めを最後と定め江戸へ入る伯道。そのアジトへ一人乗り込む平蔵。伯道は平蔵が何者か既に察知しており観念、しかし凶盗と成り果てた息子の始末に猶予を願い出る。金打し諾す平蔵、伯道が斃れたあとを受け凶剣に立ち向かう。
 ロケ地補遺、牛久沼、西の湖。平蔵が襲われるからすみ川べり、大覚寺放生池堤。小貝川渡し及び街道筋、西の湖と周囲のダート。 ここは後段の保土ヶ谷付近の道にも使用。東海道の松原に琵琶湖畔。
2003/5/23

■ 新・座頭市 I 第19話「越後から来た娘」1977CX/勝プロ

 庄屋の妾にという話が進み、村を出た恋人を追って沼田領へやって来る娘。しかし再会した男は呑み屋のツケは溜めているは、貰ったばかりの給金は博打でスっているはの体たらく。動きのとれぬ状況に心中話まで出る。若い恋人たちの事情を察した市は賭場で稼いだ十両を与えるが、これがとんだホットマネーで馬子も娘も捕縛されてしまう。
小判に隠された陰謀を暴き、黒幕の八州の宿に乗り込んだ市の仕込み杖がワルを切り裂く。
*馬子役に火野正平、市の盃を盗む仕草が可愛い。毛髪も健在。相手役にはジュディ・オング、二人のアップばりばりのシーンもあり。大ワルの八州さまに岸田森、八州に賄賂使う貸元に五鉄の親父という豪華キャスト。
ロケ地は…京都撮りかどうか確信持てない。京都撮りなら広沢池かな、小屋。


■ 柳生新陰流 第一話「活人剣宿敵を斬る」1982TX/中村プロ

 関ヶ原の戦から凱旋の宗矩、秀吉に取り上げられていた領地本復に柳生の里では大喜びの大歓迎。足を痛め戦に出られぬ兄との葛藤、隠し田讒言の道場主との対決のほか、戦で討った武将の妻が仇討ちに来たり、あと雑賀忍びの暗躍がちらり。
いい人っぽいヨロキンの宗矩、しかし隆慶一郎読んでべったりと貼り付いた柳生=メチャ悪の構図、上書きされず…。
 ロケ地は役者の映らないイメージ映像に大仏殿や滝坂道と柳生の里の家老屋敷や十兵衛杉など映る。本体は東京撮りの模様。

□ 暴将が終わってしまい、ふと見ると時専に見るのがなくなっちゃってる…くそぅ仕掛人のDVD買ってやるぅ。プレイヤー無いからパソコンで見なくちゃ。げろげろ。
2003/5/22

■ 暴れん坊将軍IV 第70話(終)「献上雪が飛び散った」1991-1992ANB/東映

 雪国から真夏に将軍に献じられる「雪」、輸送に狩り出される農民の苦衷が描かれる。そのうえ、この「お雪さま」は上様を暗殺する小道具に使われようとしていた。
輸送に狩り出された許婚者を救おうと江戸へ訴状を持ってきた娘と関わりあった上様、陰謀の黒幕を突き止め万事解決の大活躍。最後は雪献上を廃し恋人たちが故郷へ帰るのを見送り、第四シリーズの幕を閉じる。
 ロケ地、冒頭野駆の上様、下鴨神社糺の森馬場。庭で迎える田之倉が恒例の雪献上の話をする、嵐亭庭園。越後・相楽藩領下川村から男たちが雪輸送に連行される際渡る橋、摩気橋(橋脚は木造)。訴状を持ち江戸へ向かうお初、谷山林道。鉄砲方の下役が溺死体となって上がる、広沢池東岸汀。おせいと新さんが保護したお初に事情聞く、広沢池東岸。相楽藩士が黒幕とのツナギの屋形船に乗る、広沢池東岸に舟着セット。人質交換の霧ケ原、酵素(葦原と川)。献上雪が途中で止められる、上賀茂神社ならの小川畔。雪の樽をすりかえ、スナイパーを仕込もうとする寺、神光院(本堂と中興堂)
*ラス立ちには鉄砲奉行・仁科配下の侍に福本先生、二回上様に斬られる。

■ 旗本退屈男 第一話「向う傷由来」1970CX/東宝

 改易となり切腹した旧主の仇を討たんとするかに見せ掛け、その実クーデタを目論む一味を鮮やかに処し「天下御免の向う傷」を得る早乙女主水之介の「起こり」を描く。
クーデタの首謀者に高松英郎、偽装の手段に鼻毛抜かれる馬鹿殿に中村敦夫、それぞれ天神の小六や先生に見えて仕方なかったり。
それにしても高橋英樹の殺陣はやっぱり着流しだよね。

■ 旗本退屈男 第二話「いろは狂女」1970CX/東宝

 隠れ切支丹話。元八丈代官が切支丹を利用し抜け荷で大儲け、八丈へ帰りたがった切支丹をたばかり、という悪行に家禄家名返上覚悟で主水之介が出張る。
八丈帰りの切支丹のなかには神君の妾の末裔がいて、という隠史があしらわれる。「用語」には「ピー」入り部分も。
2003/5/21

■ 暴れん坊将軍IV 第69話「誘拐!乙女涙の初恋」1991-1992ANB/東映

 奥女中・鈴加の小太刀の妙技を上覧の上様、宿下がりを下賜。何故か屋敷へ帰りたがらない鈴加は芝居見物の帰途、石見忍びくずれの怪しげな六部に拉致されてしまう。
忍びくずれ一味は拉致まで働くくせになんか情味あり、娘を拐された鈴加の父・矢野のほうがなんだか悪役ふうだなーと思っていると、見たまんま。石見代官だった矢野左近太夫は、今回誘拐犯となった忍びたちが開墾した土地を召し上げるは、大坂へ輸送する銀塊を盗ませ謀殺するはと悪事の限りを尽くしていたのだった。そのうえ鈴加の命も軽視するというトンデモ、一味のアジトに乗り込んで娘ともども始末しようとするが、うまい話作って一味に入り込んでいた上様が出てきてオシマイ。鈴加はなんとかシンドロームよろしく誘拐犯の兄弟に同情し、深く父の罪を恥じ命を捨てる覚悟をするが、上様のとりなしで生き残った忍びの妻となる。
 ロケ地、小太刀上覧ほかのお城の庭、嵐亭庭先。矢野左近太夫邸、相国寺大光明寺(南塀、門)。石見忍びが矢野の返書受取りは神護寺石段。
*今回、なんかいつもと違う物言いの才三、蓮っ葉に「だぜい」っぽい台詞連発。

■ 八州犯科帳 第一話「命を買った女」1974CX/C.A.L

 仕掛人コンビの緒方拳と林与一が八州役人を演ずる小味で古風な捕物帖。磊落で家族思いの小山田左近に緒方拳、スクエアな浅野新兵衛に林与一、のっけからお役人はつらいよ話。
鴻巣宿で妻子と逢うのを楽しみにしていた左近だが、殺人は起こるは娘は誘拐されるはの大騒ぎ。殺された男が前科者の大泥棒で、隠し金を巡っての仲間割れが真相なのだが妻が殺っちゃったと思い込んだ土地の富商が金で片をつけようとして八州の娘をさらうという複雑なストーリィ。権威はあるが薄給の八州様の苦衷が描かれる。
 ロケは関東撮りみたい。
2003/5/20

■ 暴れん坊将軍IV 第68話「お見事、上様の恋指南!」1991-1992ANB/東映

 時々回ってくる「プッツン姫」もの。今回は小太刀の名手で男装して歩き行く先々で男に喧嘩を売り叩き伏せ、自分より強い「婿」を求める婚期逃しかけの大身旗本の姫様。もちろん新さんにこてんぱんにやられメロメロという筋書き。
しかし姫は父の政争に巻き込まれ、加納屋殺しの罪を着せられ窮地に陥る。姫様を思うあまり町奉行所に出頭し自分が犯人と申し立てる家臣の又三郎、新さんは姫に彼の誠意を説き、また姫の内心で又三郎を思う気持ちを指摘して仲立ちをする。無論、その足でワルの館に赴きちゃっちゃっと成敗してくれる上様なのであった。
 ロケ地、ワルの勘定奉行・有馬大学頭邸、相国寺大光明寺(門)。又三郎を救うため謹慎の身を顧みず屋敷を飛び出した姫をとっ捕まえ諄々とお説教の新さん、神護寺(山門を内側から/毘沙門堂)
*ラス立ち要員に福本先生。姫の父・勘定吟味役の小牧出羽守に懐かしの焼津の半次、品川隆司。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第3話「いかさま大勝負」1975.1.18ABC/松竹

 政吉が拾った田舎娘は坊主そばに居着き、半兵衛はまとわりつかれて博打にも行けぬ毎日にキレて家を飛び出す。許婚者を探しに来たその娘・お初だが、今回のターゲット・女衒の伝八こそ三年前江戸へ出た「茂作」なのだった。
 伝八がつるむ口入屋は政吉が女郎の足抜きの話を持ちかけうまうまと連れ出し、依頼人の女郎が縊死した部屋で待ち構えていたおせいに始末される。手下を政吉が殺る頃合、坊主そばに堅気の奉公人装いお初を連れに来る茂作=伝八、すんでのところで駆け戻った半兵衛が雪降る街角で始末する。
*天然系のお初に桃井かおり、純朴な田舎娘を好演。ラスト、何も知らぬまま茂作との幸福に思い馳せる駕籠の中での表情が秀逸、詳しく語られない後段もまた良し。*半兵衛が語る坊主そばの店を入手した経緯、博打狂いなんざ皆ろくでなしと述懐のエピに加え、お春が語る半兵衛に救われたエピも見せる。
 ロケ地、ゴロツキから助けたお初を負い行く政吉、桂川渡月橋下・左岸河川敷。
2003/5/19

■ 暴れん坊将軍IV 第67話「謎!流人船いずこへ」1991-1992ANB/東映

 浦賀開港に際しての逸話として語られる、八丈送りの罪人たちがワルに食い物にされるという悲話。浦賀に出張る徳田新之助、旅もので贅沢に本物の海をふんだんに使った一作。
 一艘の流人船が行方不明となる。これを得々と注進に及ぶ本所奉行(深川奉行なのか?)、こいつがワルの黒幕なのはハナから知れるキャスティング、菅貫太郎。
安房勝山の地回り・乙五郎は弱い立場の流人の携行する財を奪うばかりか、竜神岬に巣食い遊郭をおっ立てる心算、近隣の民も土地を追われ窮乏。乙五郎が支配する宿に乗り込み調査の新さん、城へ結果を知らせ黒幕の本所奉行を焙り出す。
 ロケ地、全編遠方ロケの海辺、間人海岸か。
*浦賀奉行の平同心と祖父を一味の秘密隠匿のため殺された娘が登場するが、あまり本筋には関係ない添え物。この二人が浜でいちゃつく姿は青春ドラマふう、なんか火野正平の歌が聞こえそうだったり。*菅貫はラス立ち前、断罪されにたぁと特有の笑いを見せ「誰かある!出会え」のお決まり台詞。しかしこの仕草が独特なんだよなー。*妙な大入道一行が登場し、ラス立ちにも絡むがめ組のかわりか。

■ 天罰屋くれない 闇の始末帖 第五話
「愛の逃避行!品川宿で待つ女!!」2003.5.19ANB/東映

 子を流産したことから齟齬を来し擦れ違う夫婦、しかし表層の奥で二人は固く繋がっていた。
自分の不摂生から子を亡くしたと思い酒びたりの亭主に尽くす女、仕事も碌にしないのに妙に金回りのいい亭主は盗っ人の一味と成り果てていた。しかし一味に加わった経緯は、女房の病を治すための多額の出費、これに付け込んで錠前破りをさせていた盗っ人の頭目は医師の玄庵。
女房は無頼時代の竜次に捨てられた女で、絶望し入水するところを今の夫に救われた経緯を持つ。過去のしがらみから女の身辺を探り天罰に掛けようとする竜次、女の同僚で身を案じている紅、はじめは依頼も無いことから動かないチームだが、元締は玄庵を店に呼び出し探りを入れる。事の真相が次第に焙りだされ、夫婦を江戸から落とそうと図る竜次と紅だが亭主は玄庵の凶刃にかかり殺されてしまう。女房は苦界に身を沈め、「天罰」を乞うのだった。
 ロケ地、紅とお袖・矢吉夫婦の話をする竜次、大覚寺大沢池船着。竜次に捨てられ絶望し入水するお袖、中ノ島橋・堰堤下。見掛ける矢吉、橋上。
*回を重ねてストーリィも落ち着き、ホンも作りこまれてなかなか見せる。毎回ラストに見せる紅の「青さ」も段々とはまってくる。からくり人形からマスタードガス?ぶしゅーは笑えた…笑っちゃいけないのかな。

■ 銭形平次 第553話「人形は見ていた」1976CX/東映

 殺人現場を目撃してしまった少女、町方の探索が進むうち狙われることとなる。少女の持ついちまさんがモチーフとなる。ガイ者が残したキーワードは少女の人形に隠されていた。
いまだ子のない平次夫婦の日常と、事件に関わった少女と、老いた岡っ引の義理の息子と、ペーソスを混じえてドラマが描かれる。
 ロケ地、二人の男に追い詰められ殺される瓦版書きの梅泉、上賀茂神社ならの小川。目撃者の少女・お咲は左岸の摂社祠脇で見ている。お咲が一人遊びの情景、ケンパは黒谷金戒光明寺塔頭道、笹舟を流す小川は社家町の明神川、登る石段は金戒光明寺本堂前石段。矢場の女に事情聴取の平次、広沢池東岸(夕景)。お咲を送ってゆく平次がお静と会い三人でゆく道、金戒光明寺塔頭道。拉致されたお咲を追った平次が仙造一味を叩き伏せる、谷山林道か。
*久しぶりの銭形の親分、ディティールもしっくり作りこまれたホンがなかなか。最近のはこれに比べると荒っぽいよなー。*火野正平目当ての視聴、スクエア正ちゃん固いくらいの演技、でも声も仕草も今とあんまり変わりないように思える。カラーが強烈なのかな。声だけで判るし。*お咲を川越で売り飛ばす心算の仙造一味の一人に福ちゃん発見。
2003/5/18

■ 刺青 増村保造監督作品 1966.1.15大映

 勝気な富商の娘と手代の悪戯のような道行きは、関わった者どもを巻き込んでの心中に昇華される。
騙されて芸者に売られ、女郎蜘蛛を背に彫り込まれた女。行き掛かりで次々と人を殺し、罪に脅える男。自分の彫った蜘蛛が罪を犯すのに耐え切れず狂う彫師。これに加え、女を売り飛ばした船宿の夫婦や妓楼の主も破滅に追い込まれてゆく。
鬼気迫る妖艶な「運命の女」を若尾文子が好演。また、美術が碌に映らないところまで丁寧に、勿体無いくらい作りこまれていてドラマを彩る。雷光に光る蔦屋の二階の襖なんかサイコー。
 ロケ地、権次の船宿へ新助を伴うお艶、広沢池東岸。新助の実家の漁師小屋付近は不明。罧原堤か琵琶湖か、はたまたセットか。なにせホンペンだから、何やってるか知れたもんじゃないからなー。「林」もセットだったし(木の並び方ひとつにも気を遣った逸品)

□ 本日はSARSの噂にもめげず京都行。西賀茂の神光院、剣客4の品川お匙屋敷回の三冬が女の亡骸託した寺、ビンゴ。ついでに回った正伝寺、使用例全く思い当たらずケチョーン。仏教大前の天一で昼食後今宮神社へ。撮り損なってた部分をゲット。撤収の道すがらR171を長岡へそれ和菓子屋「みずは」で麩饅頭に水羊羹、向いの肉屋で焼豚購入、口福。
2003/5/17

■ 暴れん坊将軍IV 第66話「鉄火芸者に花一輪」1991-1992ANB/東映

 徳田新之助が出会った気風のいい芸者・小太郎。剣突を食らわされ喧嘩腰の初対面、雨の天神様でふと触れ合う機微、しかし小太郎は仇討ちの使命を帯び同志とともに大ワルの大目付・京極丹波を付け狙う、亡き広江藩主の恋人だった。小太郎たちの動きを知った新さん、危ないと止めるが同志たちは次々と京極に弊されてゆく。どうでも京極を討つ覚悟の小太郎に、身分を明かした上でつきあう上様なのであった。
 ロケ地、雨の天神様、木島神社本殿。京極邸へ潜入の小太郎の仲間の死体が上がる大川、嵐山公園分流南岸。小太郎とつゆ八が新さんに事情を打ち明ける茶店、公園中州北岸・堰堤バック。いきり立ったつゆ八が下城の京極の駕籠を襲い斬り死に、南禅寺僧堂坂。駆けつけた上様に京極の抜け荷の証拠書類を渡す才三、僧堂南西角。
*ラス立ち福ちゃん発見。*今回マジ惚れ上様、名残りを惜しんで小太郎と「舞う」…。
2003/5/16

■ 暴れん坊将軍IV 第65話「陰謀あばいた饅頭姫!」1991-1992ANB/東映

 災害続きで日本一貧乏な椎谷藩にお家騒動、藩内に銀山を発見した跡継ぎ姫の叔父が老中や悪徳札差と結託して藩主の座を奪おうとする。姫は心労から過食症に罹っていて、これが追い落としのネタになる。手口たるや、饅頭屋に代金滞納してると訴えさせたり、瓦版に「妖怪饅頭姫」なんて書かせて恥をかかせるという卑劣なもの。そのうえ、銀山の件で百姓から土地を取り上げ、お上に訴えようとした衆を襲ったりもする。
新さんは姫とその夫を諭すやら、百姓たちの言い分を聞いてやるやら大忙し。ワルの集う座敷に乗り込んだ姫と夫の危機にもきちんとタイミングよく駆けつける。
 ロケ地、お葉が姫の乳母に強引に連れ去られる、仁和寺観音堂前。直訴の百姓衆が襲撃される山道、保津峡落合落下岩(四人まとめて川にザボーン)。いたたまれず出奔した姫が饅頭を食らう、仁和寺参道に茶店セット。百姓衆が姫を拉致ろうとして新さんに阻まれる、観音堂前。藩邸に乗り込んだ直訴衆が帰途襲われる、九所明神。札差が入ってゆく老中邸、中山邸通用門
*ラス立ちには配下の侍で福本先生、上様に二回ぶっ叩かれてる。

■ 隠密・奥の細道 第九話「闇にきらめく一刀流」1988TX

 本田博太郎目当ての視聴。役どころは仇持ちの兵法者で、かかってくる兄妹を難なく蹴散らし兄を斬って捨てるが妹のほうに気がある本田氏。紆余曲折あって最後は隠密衆にヤラれたあと娘がとどめを刺すのだが、自ら刃を受けるふうもありなんだか複雑な性格。特有の台詞回しはあんまり目立たない。
 芭蕉役に嘉葎雄ちゃん、くりくりと頭を剃り上げてとぼけた味、しかし妙に声の甲高い飄化けた芭蕉翁だこと。
 今回の舞台は平泉、「高館」の一節を吟ずる嘉葎雄ちゃんがなんかおかしい。ロケ地は…現地じゃないよね、光堂ってもっと派手だったと思うし…行ってるなら毛越寺くらい使うよね。しかし川相や植生はまるっきり近畿じゃないから東京撮りみたい。
 芭蕉実は忍者説のトンデモだと思うんだけど、句を丁寧にあしらうなど見所は多そう。
2003/5/15

■ 暴れん坊将軍IV 第64話「危うし!吉宗、妖刀村正騒動」1991-1992ANB/東映

 お城の宝物蔵から村正を盗み出させ、抜き身持ってけたけた笑う尾張藩江戸家老。村正が徳川家に仇なす刀であるエピを得々と語り、吉宗暗殺計画を練る。まず田之倉の刀を村正とすり替えて、なんてプランを立てる…村正を手にしたじいが妖刀に操られて上様に斬りかかるって寸法(イメージ映像つき)、これは村正盗難に気付いたじいが城中に大刀持ち込み禁じちゃってボツ。次には増上寺参詣の折を狙って刺客団を差し向けることになり、飼ってる道場主に手練れ集めるための武道大会(賞金つき)を開催させる運びに。これに参加しちゃう上様、理由はめ組に賞金ねだられたから。新しい竜吐水買う予算が無い・将軍がケチだからと言われ、つい引き受けてしまう徳田新之助。
 斉藤道場で行われる試合、勝ち進む新さん。決勝という段になって相手の姉から負けてやってと頼まれ、気軽に応じる…賞金はいいのか。この試合を見に来た尾張の家老に顔見られて正体ばれてるし。いつもならラストに鳴る上様と気付いた印の「カーン」効果音が中段でかんかん鳴る始末。預けてあった葵の御紋付きの刀も見られて「カーン」…そんなもんたばさんで来るなよ。上様であることを確認したワルどもは予定を早め「弟」に殺らせることに計画変更。
で、決勝では頼まれた通りつらっと負ける新さん、このあと勝った「弟」は仕官と姉の命を楯に尾張の家老に徳田新之助暗殺を命じられる。村正持って斬りかかって来るのはなんとか防ぎ、その足でワルが「今頃は吉宗も村正の露と消え」と高笑いの座敷に乗り込み大暴れ。
 ロケ地、尾張藩下屋敷、不明・キャプチャ。負けてやってと頼まれる、仁和寺(参道・疎林・九所明神)。じいが掛矢で村正を叩き折ろうとする庭、料亭坂口・青龍苑
*会場へ届けられるお葉たちの心尽くしの弁当(二段重)、あの中の丸い赤いの、プチトマトじゃないだろうな。気になって寝られない。*計画がなんか粗漏で、結局詰めは村正の妖力頼みのワルが…いちびってるなー。刀見られたかどうかを確認するため鯉口のとこにこより挟んでおく上様…スパイ大作戦かい。
2003/5/14

■ 暴れん坊将軍IV 第63話「三年目の新妻化粧!」1991-1992ANB/東映

 先代に拾われたことを恩に感じる古風な忠義者・川口彦太郎は、当主の跡部主計頭が同僚に恥辱受けたと地団駄踏むのを見て暇乞いして相手を討ち果たす。そのまま出奔した彼だが、江戸に戻ると何故か上位討ちの命が下っていて襲撃される。先代とはがらりと品下る主計頭は彦太郎を偽りライバルをまんまと葬ったのだった。薄々事情を勘付きながらも彦太郎は救ってくれた朝右衛門のもとから何度も逃げ出し殿に諫言するが聞き入れられる訳もなし、始末されかかるところへ上様の正義の扇が飛んでくる。
 ロケ地、跡部の用心棒と対峙の朝右衛門、仁和寺(参道、塔前)。元結斬りで追い払ったあと手水場で血を洗う朝右衛門にお楽の方が唐突に現れる、仁和寺鐘楼前。跡部の駕籠に駆け寄る彦太郎、妙心寺玉鳳院前(彦太郎は東海庵の東の路地から出てくる)。彦太郎の回想、先代に拾われる雨の街道筋、大覚寺大沢池堤。跡部の行状について茜から報告受ける新さん、大覚寺参道石橋。彦太郎を待ち続ける小夜に事情聴く新さん、大覚寺放生池堤の朱橋上(対岸からロングの画もあり)。事後、跡部に騙されて殺してしまった太田の墓に参る彦太郎たち、二尊院墓地
*跡部の配下のラス立ち要員に福ちゃん、先頭切って出てくるが上様が構えると真っ先に座敷へ逃れる。このあと三回ほどぶっ叩かれてのわぁ、相変わらずくるりとのけぞりタメを利かせて倒れる。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第2話「一発勝負」1975.1.11ABC/松竹

 旗本・朝倉主膳のもとに奉公していたおしのは殿に無体を働かれるが、言い交わしていた植松は承知の上で所帯を持ち赤子も授かる。その後殿の若君が夭折、おしのの子を召し上げに来る。窮した植松夫婦は赤子の奪還をおせいに依頼。
半兵衛と政吉は朝倉邸に潜入するが、邸の賭場で夢中になっているすぐ横で待ちきれず入り込んだ植松が殺されてしまうというヘマを仕出かし、利助にさんざん嫌味を言われる。
再度潜入した二人は猛犬もうまく処理し首尾よく赤子を助け出し逃走、馬で追ってきた朝倉をも始末するのだった。
 ロケ地、朝倉邸、相国寺大光明寺(門)。おせいに小言言われる屋形船は…木津だか桂だかよく判らない。あとで出てくる堤もなんか見覚えない。朝倉が騎馬で半兵衛たちを追ってくる、下鴨神社糺の森馬場池跡。木更津へ身を寄せるおしのを見送る芝浜、琵琶湖西岸(木の簡素な桟橋、対岸にうっすら見えるのは沖ノ島か…比良浜あたり?)
*赤子の話で政吉の態度に気色ばむおせいを見て半兵衛は二人の関係に気付く。おせいに事を正す半兵衛、口では否定しながら目で肯定のおせい、政吉が息子であることが明らかにされる。*朝倉の殿様に菅貫、侍女に手を出す好色ぶりも、馬で追ってきて政吉をぶっ叩く狂乱ぶりも見られてなかなか。*半兵衛が猛犬を始末するのに持ってきたのは蕎麦の片持ちザル、犬の口にかぽんと嵌めて封じる…きゅうーんと鳴く大きな黒犬がなんか可愛い。このあと中間を倒し、赤子を手にかけようとしている奥方も始末するのだが、その間ちゃかぽこと軽妙なBGMが流れている。博打のシーンといい、本作の真骨頂はこの妙な明るさか。
2003/5/13

■ 暴れん坊将軍IV 第62話「めおと三味線上州しぐれ!」1991-1992ANB/東映

 あらぬ罪を着せられ三山藩を追われた加納伊三郎は旅芸人の一座に一家で身を寄せていたが、過去からの魔手に捕まり江戸で客死。残された母子は伊三郎の遺髪を故郷にと旅立つ。その身辺にも迫る魔の手、新さんは父の死を見て刀を怖がるようになった遺児・正太郎のため両刀を脱し町人に身をやつして付き添う。幾度かの危難を乗り越え伊三郎の菩提寺に辿り着く一行、家老の差し向けた手勢が襲うのを正太郎が投げた遺品の脇差で仕留めた新さん、脇差の鞘から家老らの悪行したためた伊三郎の書付発見。その足で家老宅に乗り込み、つるんでいた材木商ともども成敗。
 ロケ地、三山藩江戸屋敷、大覚寺大門。芝居の帰り、伊三郎が斬り立てられているのに割って入る新さんとめ組一同、大沢池北西畔(心経宝塔バックのと池バックのと)。伊三郎の墓、二尊院墓地。中山道、大沢池堤・護摩堂。西瓜半割りのまま食う赤マフラーのならず者が襲う宿場はずれ、鳥居本八幡宮(鳥居下の広場・竹林)。道中小休止の水辺で過去を語るおりく、保津峡落合河口付近。おりくが熱出し倒れる、大沢池南堤。山道、谷山林道。三山藩領の加納家菩提寺、西明寺(山門、本堂)
*上様、宿場ごとにおりくにつきあい「流し」で喉を披露。体でかいから派手。*林奉行の手下の手勢に福本先生、西明寺門前で新さんの投げた振り分け荷物で首絞まったりする。そのあともしつこくかかってゆき、ぶっ叩かれて不思議な万歳ポーズ。もちろんラス立ちにも登場、二回ほど「のわぁ」。

■ 剣客商売4 第11話「待ち伏せ」2003.5.13CX/松竹

 小兵衛のパトロン・若林春斎の機嫌伺いの帰り、大治郎は仇と間違えられ斬りかかられる。狙われたのは若林家の関係者ではと忖度の大治郎、それと思われる侍を見つけ事情を聞くが詳細は語られず。小兵衛は捨て置けと言うが何か引っ掛かる大治郎、後日仇として討たれた侍を看取ることとなる。亡骸を届けた大治郎が妻女から聞いたのは他でもない隠居・春斎の過去の悪行だった。
 ロケ地、大治郎が間違えて襲われる本所六間堀川の猿子橋、中ノ島橋(ロングですごく大きく見えるアングルもあり)。小名木川沿いで「仇持ち」の近藤周蔵を尾行する大治郎、八幡掘(堀端、脇の路地)。頼まれた弥七が尾けるのも同所。酵素西の湖はいつもどおり。田沼屋敷もいつもの随心院薬井門だが、室内から門を見る変わったショットも。春斎と縁切りとなることを父に告げる大治郎、沢ノ池東岸汀。設定は鐘ヶ淵か。
*重苦しい陰鬱な後味わるぅい話は三冬懐妊の騒ぎであかるく締めくくられ、第四シリーズ棹尾を飾る。若夫婦二人の演出がなんか「加藤版」を意識したもののようでもあり、前キャストを横目に見たようでもあり、個人的にはどうもむずがゆい感が去らない。…続くのかなー、これ。沢ノ池端での小兵衛さんはマフラー巻いて、なんだかいつもより主水を髣髴とさせる。
2003/5/12

■ 暴れん坊将軍IV 第61話「さらば!悪名の男」1991-1992ANB/東映

 母を亡くしてからグレた桶屋の息子・真吉は任侠に憧れ、代貸の蝮の浅八と盃まで交わしてしまう。しかし浅八は作事奉行と裏で結託し地上げを行うなどの悪党、案じた周囲の助言も聞かぬ真吉のため浅八に談判の新さんは極道の酷さを知らしめてやってくれと依頼する。
蝮の浅八は新さんの意気に感じ、作事奉行が断罪された場で一芝居を演じ真吉の面前で捕り方に助命嘆願してわざと無様な態を晒すのだった。
 ロケ地、蝮の鉄砲玉が惣右衛門を刺す橋、中ノ島橋。真吉が幼馴染を助ける、および一人地上げに応じない矢場のお京が蝮一家に襲われ爪印を強要される神社、上御霊神社(境内、福寿稲荷、合祀摂社)。真吉を説得するが不調、その後浅八と対峙の新さん、神護寺石段。ラスト、田之倉と逍遥の上様が浅八を追想の庭、東山・料亭坂口の青龍苑
*ラス立ちの配下の侍に福本先生、斬られた顔のアップが相当時間映る。

■ 天罰屋くれない闇の始末帖 第4話
「罠に落ちた天罰屋!!恋を知った女刺客」2003.5.12ANB/東映

 次々と事件を解決し市中の評判高い火盗改同心・福田正衛門、紅の息子も憧れたりなんかして傘張り浪人の父を悲しませる一幕も。
しかしこれがとんだ悪党で、手柄はほぼでっち上げどころか押し込みは自分自身で、つるんでいる材木商・土佐屋のライバルを蹴落とすための所業。評判をとるため瓦版屋を抱きこんだり、押し込みに遭った商家の元奉公人を冤罪着せたうえ、生き残りの女将とまとめて始末したりと悪逆の限りを尽くす。これに天罰チームのお亜季と壱松がそれぞれに絡むエピソードが散りばめられ、調べの結果天罰が福田とその一味に下ることとなる。
 ロケ地、冒頭あくどい女衒を始末する天罰チーム、一人逃げ出した浪人を殺る紅、中ノ島橋(ターゲットの後藤は川落ち)。長州屋殺しの疑いで火盗改に捕縛された又吉のことを話す紅と壱松、大覚寺参道御殿川べり。火盗役宅は明智門。お亜季が瓦版屋・彦六に福田の悪行を告げる、広沢池東岸
2003/5/11
非時代劇視聴記
・赤い橋の下のぬるい水
 相変わらずドラマ部分そっちのけで風景を見ている馬鹿。雨晴の駅もいい。カミオカンデが出てくるシーンも興味深い。窓から見える書割のような立山もなかなか。
しかしなんといっても川端の凌霄花の家と、手前に架かる「赤い橋」であろう。家の前は汽水域であることが語られる。「現象」の起こる際の魚の集まり具合やカモメの騒ぎ方などもよく撮れていた。川は余川川、凌霄花と家の外観はセットされたもののよう。菓子工房の排水溝から溢れ出す水のイメージはタルコフスキーのそれとは全く違う、なんかマルケスの小説みたい。ことにラストの波止での「現象」はほとんどマジックレアリスモ。マコンドーかここは。
家の傍でいつも釣りをしている三人の男の一人に嘉葎雄ちゃんがいるのも愛嬌。
2003/5/10

■ 暴れん坊将軍IV 第60話「父の敵は愛しの人!」1991-1992ANB/東映

 金で殺しを請け負う稼業の者が暗躍、元締・金龍山の表の顔は口入屋の橘屋で、作事奉行と結託して公共工事一手に負う。
世話をしている母子の借金返済のため橘屋に雇われ刺客となる浪人・山口左内、実は彼は母子の仇なのだった。田之倉襲撃の人数に加わった彼を諭す新さん、しかし左内は既にそのとき蔭腹を斬っており、母子の許しの言葉聞きながら事切れる。このあと上様が作事奉行屋敷に乗り込みワルを一気呵成にやっつける。
 ロケ地、新さんが捕われ自害した殺し屋のことで報告受ける茶店、今宮神社東門外のかざりや。お順が訪ねる掛川藩上屋敷、大覚寺大門。橘屋が作事奉行の配下の侍に賄賂を託す屋形船が出る舟着き、広沢池東岸。お順に経緯を聞く新さん、大覚寺大沢池周辺各所。田之倉が襲撃される、仁和寺手水場下の通路および疎林。墓参の帰途二度目の襲撃は二尊院紅葉の馬場
*お順の借金のことで高利貸のもとに乗り込む辰五郎、手下に福ちゃん。*「仕事人」などの言い方が憚られるので「人殺しの仕組み」などというタームが使用されるのも一興。

■ 新必殺仕置人 第41話「解散無用」補遺

 今日二回も見ちゃったりして。視聴記のほうへ直接書き直し。
2003/5/9

■ 暴れん坊将軍IV 第59話「情けに泣いた復讐鬼!」1991-1992ANB/東映

 つとめを終え島から帰った駿府の網蔵は娘・お品に会いに江戸へ出てくるが、辰五郎が隠して会えず。武家に嫁したお品を気遣ってのことだが、島送りにされたことで辰五郎を恨む網蔵はいきり立ち火除地の件でめ組が邪魔な丁子屋に抱きこまれてしまう。
一方、お品の夫・今井幸次郎は主人の欠所物奉行の不正を諫言しクビとなるが、これが丁子屋に火除地予定地を破格値で払い下げ賄賂をとるというトンデモ。火除地で揉めている辰五郎を始末し網蔵がやったことにするという筋が書かれ、その際やっと辰五郎の情を信じ心を開いた網蔵は斬られてしまう。娘夫婦に看取られ事切れた網蔵を見届けた新さんは奉行宅に乗り込みひと暴れ、幸次郎の忠義思い詰腹を切らせ家名存続を図ってやる。
 ロケ地、幸次郎が暇を出された件を庭番が報告、今宮神社合祀摂社前。臨終の網蔵が回想する駿府の八幡様の祭礼、今宮神社境内。

■ 新必殺仕置人 第40話「愛情無用」補遺

 ロケ地はお徳殺害の広沢池東岸と、ラスト葦船を流す正八のは…罧原堤だと思うんだけどほぼ水面しか映ってないからなー。
鉄の「善根を施す日」の揉み揉み教室や、正八の女に酒をたかる松と鉄のくだりが笑える。しかしこんな深刻な話にも出てくる屋根の男はなんなんだ。
2003/5/8

■ 暴れん坊将軍IV 第58話「花婿新さん晴れ姿日本一!」1991-1992ANB/東映

 民のため阿波の藍製造の秘法探る高遠藩領の庄屋・幸兵衛、五年も阿波に潜入し秘密をゲット、しかし追っ手かかり落命。秘伝を記した文書を託された高遠藩士・浅野清三郎は命からがら江戸屋敷に辿り着くが、江戸家老は秘伝をひったくるようにして取り彼を牢に込めてしまう。その後藍大尽の桑野屋に自藩での藍製造をしないことで闇取引持ちかけ大金ゲットの江戸家老だが、上様に乗り込まれてオシマイ。
この浅野くん、ちょっと堅物で密命帯び阿波に赴く際に祝言間近の恋人に別れを告げ行っちゃったから、娘は入水しようとするは、娘の母が祝言に出席するために出てくるのを誤魔化すために新さんが偽装の三々九度やらされるはでタイヘン。娘の母に「ムコ殿」扱いされ引っ張りまわされる新さん、何故か台詞回しがしがない婿養子の万年平同心ふう。それもその筈母親のおとき役に白木万理なのであった。
 ロケ地、秘伝持って逃げる清三郎が追い詰められ落ちる阿波の断崖、保津峡落合落下岩。め組に保護された清三郎の許婚者・お妙がおさいに伴われ参拝の神社、今宮神社本殿。高遠藩邸に家老訪ねカマかけた新さんが帰途イカ集団に襲われる、粟生光明寺紅葉道薬井門上。箱根に逗留中の辰五郎、箱根の湯治場イメージに日吉山荘飛竜の滝も映る。庭番とツナギとっているところをおときに見つかり主水ふうに応対の新さん、今宮神社稲荷社付近。事後、まだ「ムコ殿」と呼ばわり新さんに駆け寄るおとき、今宮神社東門内石橋上。

■ 新必殺仕置人 第39話「流行無用」1877.10.21ABC/松竹

 腕はいいが頑固な飾り職人・藤五郎は老いと病のため引退を決意、三人の弟子のうち最も年季のいった清太郎に二代目を継がせると言い出す。他の弟子のうち定吉は師匠の娘・おくみといい仲だが、二代目を継げないと娘とは一緒になれないと嘆く。いま一人の宇之助は野心抱き、評判のわるい岡っ引・蝮の久蔵を抱きこみ清太郎を殺すは定吉に罪を着せるは、しまいに師匠を密殺するという挙に出る。うまく立ち回る宇之助だが、金をせびりに来た久蔵が大声で経緯を話すのをおくみに聞かれてしまい、とらの会にかけられてしまう。
 定吉と旧知の正八は引かれ行くのに取り縋り松っぁんに止められ「友達なんだ」と泣く。また、定吉の様子を主水に聞き、既に処刑されたことを聞きいきり立つ正八に主水が言う「奉行所を甘く見るな」の台詞が意味深。最終二話に向けて緊張が高まる。
 ロケ地、二代目が決まったあとおくみと定吉が話す、大覚寺護摩堂。去る定吉を追うおくみ、放生池堤を北から。家から姿消したおくみを探し当て話を聞く正八、大覚寺聖天堂(バックに心経宝塔大写し)。仕置が行われる間挿まれるおくみの姿に大沢池畔・五社明神祠・心経宝塔
*今日の屋根の男はとらの会から帰った鉄に仕儀を聞く正八の場面でいきなり鉄の部屋に「戦が始まるぞー」と喚きながら乱入、布団かぶって寝てしまい鉄に足蹴にされる。相変わらず赤褌一丁だが足袋を履いていて、裏が真っ黒。
2003/5/7

■ 暴れん坊将軍IV 第57話「嵐呼ぶよな島帰り!」1991-1992ANB/東映

 神君の遠忌に格別のことはせず日光参拝も取りやめの上様、御成道の工事当て込んで業者に賄賂貰っていた日光奉行大慌て。亀安に捻じ込まれ御府内の公共工事に割り込ませることに。ここで邪魔になる御用五人衆の元締・大政を黙らせるのに息子の旧悪を暴き立てる。これはその息子の恋人の父で島帰りの侠客が罪を肩代わりしてやった秘密が隠されていた。
愛憎人情入り乱れるなか侠客は単身ワルの巣に殴りこみ、もちろん危機には新さんの扇が飛んでくる。
 お調子者の老侠客に財津一郎、使い古された題材を好演。日光奉行に与する道場主に福本先生、ラス立ちの際の斬られっぷりが見事。
 ロケ地、御赦免船が着く金杉橋、大覚寺大沢池北西畔に舟着きセット。侠客を迎えに来る娘が走ってくるのは放生池堤。後段娘に大政の若棟梁を諦めろと告げるのは大沢池北畔の夜泊石前。弓の稽古しながら上様が報告受けるのは大覚寺宸殿前白州。日光奉行の指示で大政に斬りかかる道場主・戸田甚内、粟生光明寺石段上部。

■ 新必殺仕置人 第38話「迷信無用」1877.10.14ABC/松竹

 父が若死に、亭主が二人までも変死したことで丙午に生まれた己の魔性に脅える材木問屋の跡取り娘・おもん。しかしそれは父の後妻が番頭や手代と組み、店を乗っ取るための策略だった。
市中でおもんを引っ掛けて狂態に辟易の鉄、次第に不審抱く。そこへおもんの店に先代から仕えるじいやがとらの会に後妻の殺しを依頼。さっくりとワルを仕置のあと立ち直ったおもんの噂聞きもう一遍コネつけて来よと笑う鉄の顔で幕。
*屋根の男はおもんのことを書きたてた瓦版読みながら歩く正八に「寒いよー」「もたないよー」。*死神が主水を知らない設定がさりげなくはさまれている。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第一話「出たとこ勝負」1975.1.4ABC/松竹

 奇縁に導かれ集まる仕事屋チームの起こりを描く一話。
メイン二人の出会いはもちろん賭場。半兵衛と政吉の三番勝負がじっくりと描写される。
その後食い逃げ客の伊之を追った半兵衛は仕事屋の彼が北町与力に返り討ちに遭うところに行き合わせ、犯人として捕縛される。釈放された半兵衛に元締・おせいがコンタクトを取り与力殺しを依頼。一方、政吉のほうも当の依頼者から酒席で同じ殺しを依頼されていた。
与力を呼び出しだ寮で鉢合わせの二人、ほぼ同時に仕掛けて与力を殺害。その後「見たな死ね」とやりあう二人に割って入る元締、政吉の得物の短刀見て我が子と知るが黙し政吉を仲間に入れる。
 ロケ地、政吉が入水寸前のおみよを止める、中ノ島橋。与力を呼び寄せる小梅の山城屋寮、中山邸(門、通用門)
*ターゲットとなる北町与力に石橋蓮司、なんでこんなに酷薄なワルが似合うのか。半兵衛につきまとう幼馴染の岡っ引のオカマ、必殺オカマ中でもしんねりとなかなかの雰囲気。
2003/5/6

■ 暴れん坊将軍IV 第56話「大奥の殺人者!」1991-1992ANB/東映

 大奥総支配の滝乃と御広敷用人・岸和田図書が結託し、大奥に上がった富商の娘を奸計に陥れざっくざっくと私腹を肥やす。これに気付いた桐山家の麻紀が消されたことからワルの企みは綻びを見せ始める。桐山家に養われ麻紀と姉妹同様に過ごした小間使い・美保は大奥に潜入し自らを囮に滝乃たちの企みを暴き対決、意気に感じた大奥のお末たちも参戦したりして。もちろん、彼女らの危機には正義の扇が飛んでくる。
 ロケ地、代参の滝乃の駕籠がゆく、仁和寺金堂。これを窺っていて誰何され囲まれる美保、御室桜林。滝乃の罠にわざと落ちた美保が新さんに事情を話す、大覚寺大沢池堤。内神田永富町の図書屋敷、相国寺大光明寺(南塀・門)
*大奥へ麻紀殺害の件を糺しに行って「御台さまがいらっしゃらない大奥など」と返された上様、「余の一番痛いところを」とボヤく。また、美保に麻紀殺害は上様がしっかりしてないからと批判されたり。ラス立ち後、お末たちに城抜け出した件は不問にするから俺のこと「シー」とやるなど、悲惨な話のわりに上様おちゃらけモード。

■ 新必殺仕置人 第37話「生命無用」1877.10.7ABC/松竹

 偽証文や質札強奪などで客を騙し阿漕な真似を繰り返す質屋の大黒屋、訴えは引きもきらないが岡っ引がグルでほぼ泣き寝入り。そろそろヤバくなるところ、材木問屋の馬鹿息子にターゲットを絞り店を乗っ取り毟る算段を立てる。
大黒屋の手下のチンピラ・銀平は親が島送りになったことからグレてこの道に。その親は永のつとめののち江戸に帰りつくが息子の行状に心を痛める。島帰りを責める息子に父は墨の入った腕を自ら叩き斬りようやく和解するが、当の息子は足抜けを嫌った大黒屋に邪魔になった材木問屋の馬鹿息子殺害の濡れ衣を着せられ殺されてしまう。
「命売ります」と大書した紙を背に悄然と町をゆく父、これは虎のもとに届き鉄に緊急の依頼が来る。
 ロケ地、銀平の恋人・八重の勤める茶店、今宮神社東門内側にセット。白昼、衆人環視の中で行われるとらの会、今宮神社舞殿。銀平の死を知らずデートの約束を待つ八重、今宮神社東門内石橋上。銀蔵の背の紙を引き剥がす死神、今宮神社合祀摂社前。
*冒頭、鉄に売り物の本を万引されかかる、ラストは主水に秘蔵の浮世絵を質に入れられるなど正八毟られまくり。屋根の男は主水が大黒屋から袖の下貰うのを見て「汚ねーなー」。

■ 剣客商売4 第10話「剣の師弟」2003.5.6CX/松竹

 唐突に己のもとを去った愛弟子・黒田精太郎と思わぬ再会の小兵衛、薄汚い殺し屋に成り果てた弟子を手にかけるに至る苦悩が描かれる陰鬱な一作。
 ロケ地、染井村の旗本・阿部屋敷近くで町人の匕首にやられる侍を見る小兵衛、上賀茂神社ならの小川畔。馬鹿な申し出をしに来た大治郎夫婦が帰りの船、罧原堤下桂川。大治郎の道場に立ち寄ったあと物思う黒田、中ノ島橋上。黒田のターゲットの足袋問屋・丸屋勘蔵の根岸の妾宅、安楽寺(山門)。妾宅を出た丸屋を金杉新田外れで狙う黒田、下鴨神社河合社塀〜馬場。小兵衛が駆けつけ弟子と対峙、じりじりと追い詰められるのは池跡。事後、大治郎とゆく小兵衛、妙心寺大庫裏脇の路地。
2003/5/5

■ 必殺スペシャル・新春
「決定版!大奥、春日野局の秘密 主水、露天風呂で初仕事」1989.1.3ABC/松竹

 大御所・家慶の艶福が災いし後継争いが激化、次期将軍家定の乳母・春日野局が襲撃される事件が勃発。これに巻き込まれる主水、使い捨てにされ殺された甲賀衆の遺族が依頼人となり、また仕事人をも道具に使う黒幕との最後の対決は南紀・勝浦の洞窟で繰り広げられる。
SPらしくゲストも豪華に揃え遠方ロケも入る。
 ロケ地、春日野局が代参の増上寺、粟生光明寺(石段・参道・本堂)。甲賀衆・望月の妻と妹が組屋敷から逃げる、大覚寺参道。妻が落ちる堀、御殿川。根来衆の鍛錬を視察の春日野局、姫路城西の丸。根来衆・関口佐太郎を仇と斬りかかる望月りえ、大覚寺放生池堤。政にマフラーを渡すりえ、木津川流れ橋。江戸城西の丸田安門に二条城大手門、ほか姫路城・彦根城各所。紅葉山東照宮に日吉東照宮。政が逃げる江戸城下水に大覚寺有栖川河床。南紀勝浦のシーンにらくだ岩忘帰楼(ホテル浦島の露天風呂)那智滝紀宝町井田舞子浜

■ 天罰屋くれない闇の始末帖
第三話「天罰屋VS葵の御紋!引き裂かれた夫婦愛!!」2003.5.5ANB/東映

 ほうぼうで無体を働く御三卿・田安家の三男坊・右京介、天罰屋チーム各員はそれぞれに右京介の悪行に苦しめられた人々と関わってゆく。
祖父を殺された百姓の孫娘の依頼は果たされ、元締は温情こもった扱いを施す。
今回は積極的に「天罰」を段取りする紅だが、依頼人の身売り話に耐えかね元締に訴える青さも見せる。
 ロケ地、野菜売りの百姓が右京介の蹄にかけられる森下町往来、下鴨神社糺の森馬場。その孫のお千代が身投げする、中ノ島橋。助けて介抱したあと紅と壱松が送ってゆく、大覚寺放生池堤。田安家本所下屋敷、大覚寺大門勅使門橋御殿川。右京介らの死体が上がる、嵐山公園中州舳先
2003/5/4

■ 新必殺仕置人 第36話「自害無用」1877.9.23ABC/松竹

 南町の福原与力が仕置人狩りだしを企図、探索の糸が切れるや今度は自分の女房・志乃を道具にあぶり出しにかかる。この際志乃が前の亭主との間に作った子で何も知らず福原邸に中間奉公している粂次を志乃にけしかけ不義密通の相手として殺してしまう。
これまた志乃が母であることを知らぬ粂次の姉は、志乃を仇と思い込み仕置を依頼。福原たちは志乃を仕置にやってくる者を捕まえようとするが、張り込み中の主水がゲットした志乃の手紙でからくりは明らかとなる。怒りに燃えるチームはとらの会を通さずフライングするが事後承諾で済む。
志乃の前夫で元牢屋同心の斉藤(現在は牛太郎)が冒頭とラストに哀切なフレームを作りストーリィを締める。
 ロケ地、町方に目をつけられたことで死神に制裁を受ける仕置人、大覚寺御殿川河床を走り大沢池溢水口から池に逃れるが銛で殺られる。主水が粂次と世間話、大覚寺放生池堤。鉄が洗濯の掘割、深い・橋低い・水質等から堀川かもと推測されるが確証に至らず。去り状受けた志乃が出る福原邸、相国寺光源院(門)。潜んでこれを見るお糸、宗旦稲荷。弟の仇と襲いかかる、鐘楼。鉄が福原の手下を誘き出し仕置は今宮神社高倉脇の坂。仕留めきれず高倉の南に待ち構えていた巳代松が仕留める。
2003/5/3

■ 暴れん坊将軍IV 第55話「炎上!銃口に立つ大岡越前!」1991-1992ANB/東映

 伝馬町の牢で赤猫、忠相を恨んでいる囚人・佐七もお解き放ちとなる。しかし火事は付け火で背後に忠相の後釜を狙う旗本がおり、南町与力を抱き込んで佐七を使嗾し忠相殺害を謀る。
佐七の恨みは兄が立てこもり事件を起こした際射殺されたのを、命を助けると約した忠相の違約と思い込んでのもの。佐七夫婦を哀れと動く新さん、土壇場で佐七の心を解き、その足で黒幕を成敗にゆく。
 ロケ地、佐七の兄が幼女を人質に立てこもる船小屋、木津川流れ橋下にセット。解き放ち後の佐七の動向を新さんに報告の才三、梅宮大社神苑汀に茶店セット。黒幕の旗本・丸山主膳邸、金戒光明寺塔頭。丸山が南町与力に手を組む話を持ちかける回想シーン、大覚寺天神島。佐七が女房と連絡をとりあう神社、梅宮大社(楼門・本殿)。佐七が丸山邸へ行く道、金戒光明寺塔頭道。遠島になる佐七が送られる浜、罧原堤下河原に柵セット。
2003/5/2

■ 暴れん坊将軍IV 第54話「吉宗変化!お狩場の鬼退治」1991-1992ANB/東映

 下総のお狩場を不当に拡張し農民を追い出し、息のかかった米問屋に耕作させノータックスの米で大儲け企む関東代官・笹山。こいつのバックには若年寄がいて茶道狂い。これを利用して一芝居打ち懲らしめるという逃散農民の伝六の提案受け「変装して」入る新さん、白髪の鬘かぶって眉も髭も白い茶頭の宗匠に化ける。笹山らが農民たちを追いやった荒地に関東一の名水が出るという話を作り誘い込み、お墨付きを渡す段で署名に「吉宗」と書き変装解き「余の顔見忘れたか」とやる。ラス立ちは袴まで間に合わず着流しスタイルで。
 ロケ地、武蔵屋でしくじり簀巻きにされ大川に放り込まれる寸前の伝六を救う新さん、大覚寺大沢池畔。伝六の娘が金魚を放すのにつきあう新さん、上賀茂神社ならの小川神事橋たもとの水場。赤根沢の「名水の井戸」、酵素の木のそば。
*変装した上様が笹山に茶について薀蓄たれるうしろでくすくす笑う庭番二人がおかしい。暴将では珍しい才三の「このお方をどなと心得る」もあり。

■ 新必殺仕置人 第35話「宣伝無用」1877.9.16ABC/松竹

 江戸へ新作の輪島塗を売りに来た平蔵、家を出た兄を訪ねかんのん長屋へ。連れて来た幼い娘は妙に鉄になつく。新作の沈金彫りの価値を認めた兄・宇之吉は博打仲間の唐木屋と組んでひと儲けを企み、平蔵を白昼プロに殺させ遺体の前で美談を仕立てて評判をとり漆器を売りまくる。この勢いで輪島に乗り込み更なる悪事を働こうとするが、鉄が一味をとらの会にかけ現地に乗り込み仕置。
 ロケ地、御陣乗太鼓響く輪島の浜、琵琶湖西岸(対岸に近江八幡の山なみ)。能登へ向かうチーム、中山道の情景に嵐山自転車道(川側からの撮り・鉄とお弓)北嵯峨農道(主水一行)谷山林道(松っぁん)保津峡落合(伝八が誤認して殺した鉄に似た坊主のシーン)
*鉄になつくお弓、でも呼び名は最後まで「泥棒のおじちゃん」。これは鉄が巳代松の仕事場で銭を掠めたのが出会いだったことから。お弓を膝に乗せ、よく聞けばど助平なことを口走る鉄っぁんが笑える。*屋根の男は竿を掲げてなにやら体操。*水中からの松っぁんの発射、鉄のシルエットで見せる外道の殺し屋との対決がなかなか見せる。

■ 必殺仕事人 第79話「隠し技潜入喉輪攻め」1980.12.19ABC/松竹

 依頼を受け秀が始末した勘定方、その後元となった同心の死体が今更ながら発見される。勘定方の死が殺しであることに気づいた兄は、弟に公金横流しをさせていた過程での恨みと勘付き同心の妻女を見張らせる。これに木更津のことを洩らすのを手下の岡っ引に聞かれてしまい、おしまは一味の火盗改同心に引っ括られてしまう。窮した主水たちはツナギにも細心の注意を払い善後策を練るが、ぎりぎりの決断を迫られる。安っぽい感傷は捨てろと言う主水に左門は心情を汲んだうえで助けに入ることを提案するのだった。
 ロケ地、冒頭勘定方の屋敷に向かい走る秀、相国寺大光明寺南塀。奉行所の書庫から白骨死体で見つかった同心・小谷の妻が斬られる、相国寺鐘楼脇。火盗改役宅、相国寺大光明寺(門、南塀通用門)
2003/5/1

■ 暴れん坊将軍IV 第53話「恋いちど!にごりえの女」1991-1992ANB/東映

 深川の酒肆・極楽亭の酌婦・お幸は何人もの男を破滅させたことから「白い鬼」と異名をとる女、しかし幼馴染の半七が自分に入れあげ身代を潰したことに心を痛めていた。
お幸の隠された優しさを知った新さんは力になるべく立ち回るが、ますます入れあげる半七は贋金作りに足を踏み入れてしまう。工房から小判をかっぱらい極楽亭に現れる半七、しかし追っ手かかり、男を庇ったお幸は深手負い落命する。見届けた上様は贋金ばら撒き出世目論む旗本邸へ乗り込み成敗。
 ロケ地、半七の息子に手車買い与えるお幸、および極楽亭で同僚と大喧嘩の挙句銭の亡者と言われ傷ついたお幸が泣きに来る神社、わら天神。半七との思い出の回想シーンに大覚寺天神島御殿川べりの塀。お幸の墓、金戒光明寺墓地

■ 新必殺仕置人 第34話「軍配無用」1877.9.9ABC/松竹

 勧進相撲の興行主・大間の一蔵のもとで木戸番している島仲間の留吉と再会の巳代松、しかし約束の酒場に来ない留吉。一蔵たちに勧進相撲のあがりを強奪した犯人に仕立てられた留吉の死体を発見したのは松だった。ワルどもはこれに留まらず意のままにならぬ行司を嵌めて自決に追い込むなど悪行を重ね、遂にとらの会にかけられる段となる。
 ロケ地、勧進相撲が行われる寺社に相国寺大光明寺(門、方丈塀)
*大評判の勧進相撲で一山あてようとするチーム、正八は人気力士の手形を偽造して(グローブでぺったん・のちに主水が作業を手伝っているシーンもあり笑える)売り、鉄とおていは小博打の胴元をしてしくじる。*屋根の男は小博打を取り締まりに来た主水が銭をナイナイするのを「うーそつーきー」。*また、鉄が仕置の際小道具に使う手形を小屋根の上で泥縄作りしているシーンもおかしい。

■ 必殺仕事人 第78話「疾風技浮世節無情斬り」1980.12.12ABC/松竹

 病臥中で国元の殿をいいことに江戸家老らが私腹を肥やすのを諫止の江戸詰藩士はワルの逆鱗に触れ女とともに追われることになる。市中に潜んだ彼を南町与力抱き込み探索させるワル一派。同心たちにハッパがかけられ、査定を控えた主水は裏の仕事を断るが、その藩士が木更津に依頼しており結局表の仕事はパーになる。主水が手にした仕事料は藩士の女からおしまが託された小銭一刺し。
 ロケ地、中津藩江戸屋敷、相国寺大光明寺(南塀、門)。捕まった恋人がいる妓楼で見つかってしまった藩士が斬られ落ちる橋、中ノ島橋
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