時代劇拝見日記 2005年3月

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2005/3/31

■ 江戸を斬るVI 第15話「お千代を襲う恐怖の影」1981.5.25C.A.L

 ヤクザの抗争、片方の親分暗殺現場に来合わせたお千代が、見られたと思い込んだ殺し屋に狙われる。二組のヤクザで悪役脇役陣わんさかご出演、殺し屋は宮口二朗で怖すぎ。
 ロケ地、木川屋の葬儀、相国寺大光明寺門(見張りのお京は方丈塀際)。葬式に出席の山鷹屋に斬りかかる木川屋の子分、鐘楼脇。お政とお千代がお祓いを受けにゆき殺し屋に狙われる神社、不明(神殿は萱葺の構えを持ち、脇に石段)

■ 大奥 第25話「過去のある女」1983-1984関テレ/東映

 水戸光圀や幕閣に養子を迫られた綱吉は、「ひょっとしたら我が子」と拝領妻を思い出す。しかし女は頑として否定、同じ痣を腕に持つ父と子はすれ違う。
 ロケ地、柳沢吉保上屋敷、大覚寺明智門。柳沢吉保染井上屋敷(六義園)枳殻邸(庭の描写のみ、野点に印月池まわり、吉保の嫡子・吉里と遊ぶ綱吉のくだりに遣水が使われる)。この間、間者に連絡を取りに来た水戸光圀が馬をやる塀外に大覚寺大門脇の塀。六義園から帰る綱吉の駕籠は参道石橋

■ 暴れん坊将軍 VIII 第20話「好きです!さらわれた鶴姫」1997-1998テレ朝/東映

 忠相暗殺未遂から起こる事件、復権を願う伊賀忍びの裏には抜け荷を働く長岡藩、更なる黒幕は吉宗が無役から抜擢した大目付だった。抜け荷に加担の大店の娘が明徳館の生徒だったことから千鶴先生がワルに拉致されてしまい、助けに乗り込んだ新さんが拷問されてしまう一幕も。タイトルは、自分のため身を投げ出してイタい目に遭った新さんに感激の千鶴先生が思わず漏らすひとこと。でもって、ナレーションでは「鶴姫は徳田新之助を選んだ」なんて言ってるんだよね。
 ロケ地、明徳館、相国寺大光明寺門。忠相襲撃で捕まった根来忍び・伊助が泳がされ入る長岡藩上屋敷、大覚寺大門。再びの密命を受けた伊助が屋敷を出たあと渡る橋、上賀茂神社ならの小川神事橋。尾行していたあやめを呼びとめるのはならの小川畔の祠前。ここへやって来た忠相を銃で狙うも失敗、逃げた先で伊賀者の頭領・服部玄蕃(服部半蔵の孫)に斬られる、大覚寺大沢池畔。抜け荷に加担している大黒屋の娘が明徳館へゆく道、妙心寺方丈脇路地(玄蕃が塀際で見張っている)。夜、大黒屋の娘と千鶴先生が新さんに相談に出る道、大覚寺有栖川(河床から見上げ)。玄蕃らに拉致される、五社明神。上様が大目付・朝倉を呼び出す寛永寺、仁和寺(まず塔が映ってゴーンと鐘が鳴ったあと、朝倉と対峙の上様は金堂前参道・塔へ通じる路地のあたり)
2005/3/30

■ 江戸を斬るVI 第14話「親子を結ぶ情の捕縄」1981.5.18C.A.L

 貧ゆえの盗みから追われる父、健気に生きる残された母子。この設定でこれでもかのベタベタ情話が積み上げられてゆくが、白州では「罪は罪」のお説教。行きつけの質屋に強盗のなっさけない父に河原崎健三。
 ロケ地、塾帰りの堅太郎が付木売りの長太と会う、金戒光明寺三門石段。まさごで付木押し売りの帰り二人がゆく坂、永雲院下坂。父のため心中を思い詰めた母子が立つ橋は映画村日本橋だが、流水は中ノ島橋上手の堰堤。寄場送りの伊佐吉を見送る浜、広沢池東岸

■ 長七郎江戸日記3 第8話「十手も刀も捨てて」1990.12.4NTV/東映

 青目同心の昔の恋。数奇な再会に再びの夢をと期する彼だが、女は馴染んだ男の帰りを待つ道を選ぶ。事件は役人と札差が組んで偽の米手形で濡れ手に粟、悪事を見てしまい巻き込まれパターンのお話。
 ロケ地、源八が殺されて見つかる日本堤、広沢池東岸(夜)。源八が札差を恐喝していたことを長さんに報告の宅兵衛、水場越しの神殿、不明。お絹を出牢させ二人で逃げる青目同心、旅先で佇む桟橋、広沢池東岸
*植木職人のお絹の亭主が「聞いてしまう」庭、斬りかかってくる「先生方」の一人に福ちゃん。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第19話「妖しき占いの謎 グータラ夫に説教された吉宗」1997-1998テレ朝/東映

 御用商人を襲い、市中に吉宗退陣祈願の絵馬をぶら下げて回る賊が出現。これをネタに、老中一同が声を揃えて上様に迫る事態に。解決の糸口は、たまたま知り合った空屋敷番の釣り好き昼行灯からもたらされる。
 ロケ地、明徳館、相国寺大光明寺門。空屋敷番の小役人・江川が新さんに同僚受け持ちの一件(中でオークション?開催中)を見せる、妙心寺龍泉庵(竹矢来あしらい)。いまひとつの空屋敷(修験者が怪しげな占い)、不明(ポーチに石段)。そこへ潜入の千鶴が帰る道、仁和寺観音堂脇石畳。ラスト、お庭逍遥の上様トリオ、坂口青龍苑
*空屋敷番の昼行灯に津村鷹志、いい人設定で吉宗の施策にも一家言。この際「北風と太陽」を引いてのお説教、これを受けて上様が「ゆっくり行こら」とやるが、違和感アリ。念のためネイティブに確かめると「ぼちぼち行こら、やろ」との指摘。方言は難しいねぇ。

■ 大奥 第24話「わんわん行進曲」1983-1984関テレ/東映

 生類憐みの令をモチーフに描く、大奥インサイドストーリー。大筋は次期総取締をめぐる鞘当て。強引で意地悪なお局さまの陰謀は、土壇場で自身の飼うお犬様によって頓挫する。
 ロケ地、犬の五郎様にうまく餌をやれず池ボチャのお端下・おとき、大覚寺大沢池船着(大)。お散歩中、他のお犬様と鉢合わせして混乱、放生池堤。同じく竹尾のお端下・おくみが大奥へ小間物を売りに来た養母と話す、勅使門橋。ED、のびのび駆けてゆく五郎様、大沢池畔。
*お犬様くらべイベントなんてあるので、いろんな犬出まくり。外国から献上もアリなのでチャウチャウからアフガンハウンドまで登場。今回主役を張る二犬は役名クレジットまである。竹尾さまの五郎くんは柴系の雑種「お野良」、やんちゃで竹尾さまに恥をかかせたりするが、世話してくれるお端下の危機に駆けつけ、大型犬にも敢然と立ち向かう忠犬。ばかりか、竹尾さま断罪のピンチにはここ掘れワンワンで焦点の鳩の死骸を嗅ぎつける。かたや広岡さまの金剛丸は、お犬様くらべで栄えある一位を獲得の由緒正しきドーベルマン。しかし最後は主人が殺して埋めていた鳩を咥えて上様御臨席の座にどっかと座り、広岡失脚の因となる。
2005/3/29

■ 江戸を斬るVI 第13話「金公お京の夫婦旅」1981.5.11C.A.L

 人買い船の悪党を追ってお京親分は潮来へ。すかさず追う金公、出女はヤバいので夫婦で鹿島詣をつくろい二人旅、しかしワルの手が伸びていて危地に。今回は支配違いの水戸領なので、金公を牢から出すのに「アレは雪姫さまの婿」が来る。
 ロケ地、怪しい船を臨検するお京、嵐峡(湛水域から船着き、権蔵が逃げるのは嵐亭下の舗道)。取手宿で人買い一味と悶着のすえ人殺しとされ追われるお京と金公、捕り方から身を隠すのは広沢池東岸。その後葦原を突っ切り、潮来近くの水郷で船を借り受け娘船頭に化けるお京、西の湖。金太と次郎吉が講に混じってゆく道は不明。
*二人旅で内心期待のお京親分、もちろん金公は全く取り合わず進展なし、その代わり水戸黄門ばり「入浴シーン」あり。

■ 大奥 第23話「醜聞に消えた美女」1983-1984関テレ/東映

 大典待をあてがわれるも一度きり、右衛門佐にぞっこんの綱吉。このまま行く筈もなく、桂昌院の意を受けた吉保の魔手が伸びる。副産物でますますお犬様大事となり、右衛門佐の「男」を処断の表向きも犬。
 ロケ地、三の丸御殿に着く大典待、相国寺林光院門、式台玄関。庭に佇む右衛門佐に、カピタン屋敷へ使いにと持ちかける御台、枳殻邸印月池(背景に侵雪橋)。鬼子母神へ安産祈願に詣でる右衛門佐、西明寺山門。参道林間に半蔵が来ていて、本堂渡廊前でお話。医師から右衛門佐の心労を聞いた綱吉が、大典待には心を移さないと告げる、枳殻邸印月池畔(背景に漱沈居)。護持院、本法寺山門越しに多宝塔と本堂大屋根。右衛門佐の流産後も執着の綱吉、吉保に回復すれば戻すよう告げる、枳殻邸臨池亭(バルコニーから鯉に餌やり)。吉保の指示で右衛門佐が入る小石川休息屋敷、毘沙門堂(薬医門と石段、勅使門石段下部)。大典待に味方なら怖くないと告げる吉保、枳殻邸縮遠亭下。尼姿の右衛門佐がゆく野、北嵯峨農地畦道。
*休息屋敷へ「不義者」を成敗しにくる捕り方の一人に福ちゃん、半蔵にとどめを刺す。

■ おしどり右京捕物車 第23話「穴」1974.4-9ABC/松竹

 御府外へ出張り、獲物を捕らえて連行の右京夫婦からはじまるお話。捕えたチンピラはクーデタを目論む一味の金をかすめており、「世直し党」との死闘が展開される。タイトルの「穴」は、はなが偵察に出た隙にチンピラが逃亡をはかったせいで落ちてしまう草原の氷室。ここから脱出して一味と戦うに至るドラマは圧巻。
 ロケ地、氷室のある草原・雉ヶ原、不明。世直し党のアジト、丹波国分寺。あと、不明な民家や野原に道、多数。北町奉行所、御所長屋門
*世直し党の大砲購入資金を盗るチンピラに石橋蓮司、イデオロギーがちがち集団との対比が見事なチンピラぶり。共に穴に落ちた際の右京とのやりとりも絶妙、立ち回りでは獣じみて強いし、網を掛けられて絶体絶命の右京に思わず駆け寄り楯となって散るくだりは涙モノ。世直し党の頭目は田口計、総髪でインテリ設定。
2005/3/28

■ 大奥 第22話「不倫の円舞曲」1983-1984関テレ/東映

 御台所の要請で大奥入りの右衛門佐が巻き起こす波紋、それぞれの思惑が錯綜するなか右衛門佐はお手つきとなり身籠る。右衛門佐には梶芽衣子、桂昌院や隆光の思惑をはねつけてゆく小気味よさが見もの。
 ロケ地、御所御廊下で右衛門佐に江戸行きの話をする大典待、相国寺方丈北廊下。長崎へ旅立つ恋人を見送る右衛佐、桂川松尾橋下手右岸堤。右衛門佐対策を話す桂昌院と取り巻き、枳殻邸侵雪橋、印月池畔。柳沢吉保が大典待に大奥入り要請の庭、不明(流水庭園)。江戸へ向かう大典待の行列、木津堤流れ橋(背景に絵画チックな富士山合成)
*若年寄と大老が殿中の刃傷により斬られる修羅場あり、右衛門佐は綱吉を慮って「安全な部屋」へ連れ込むが、ほっと安心でヘタヘタの女の胸に手を入れる将軍…。またこの際の津川雅彦の表情が。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第18話「口づけが起こした波紋」1997-1998テレ朝/東映

 公儀御用の銀を横流しし抜け荷取り引きに使う悪党の話に、天然系の姫の恋騒動まで添えられてかなりドタバタ。抜け荷船が船番所を通るのに、火付け名人の忍びが時限式火矢を使うエピソードもある。
 ロケ地、小名木川を横切って飛ぶ火矢、大覚寺大沢池(夜)。寄合席の無頼旗本らが女郎を足抜けさせるのも、中川船番所も大沢池畔。火事騒ぎに巻き込まれた佐知姫を寝かせる友之進、聖天堂(気を失った姫にキス)。銀が搬入されたことを寿ぐワルが集う唐物問屋・豊栄屋の寮、望雲亭。明徳館、相国寺大光明寺門。友之進のことを報告する隼人、大覚寺勅使門橋。火事の際船番所で見逃された一隻のことを報告の隼人、心経宝塔前に茶店セット。芸者殺しの男を尾行する友之進、仁和寺九所明神。友之進は無頼と千鶴に聞かされた佐知姫が行ってみるあの折のお堂、大覚寺聖天堂天神島朱橋。ワルの黒幕・勘定奉行大江邸、大門。お堂でデートの佐知姫と友之進を見る新さんと千鶴、放生池堤
*鶴姫関係者の姫はやはり天然、初めてのキスで「運命の人」扱い…ほぼ根拠なし。だいじょうぶか井伊家。*船番所パスの銀運搬船、船頭に福ちゃん。

■ 江戸を斬るVI 第12話「鍾馗が解いた贋金事件」1981.5.4C.A.L

 贋金作りの一味は用心深くよそで製造、嵐をついて搬入するが大川に沈んでしまう。これを引き上げるためワルに目をつけられる潜りの達人、彼は病気の息子のため陸に上がった元船乗りだった。タイトルの鍾馗さまは元船乗りが息子に与えようとした五月人形で、ワルに引っ掛けられるきっかけとなり、また屑として捨てられていたことで事件発覚の鍵ともなる。
 ロケ地、大川で難破した船の水夫が土左ヱ門で見つかる、広沢池東岸
*贋金回収の船、水夫の一人に福ちゃん、ヒゲつき。
2005/3/27

■ 巷説百物語 孤者異 2005.3.27WOWOW 堤幸彦監督作品

 凶賊・稲荷坂の祇右衛門は何度処刑されても甦る「化物」、人々はその「噂」に震え上がる。しかし世に不思議なし、おぎんの「因縁」は又市らによってほどかれ、「祇右衛門の仕組み」は他ならぬ町方に葬られる運びとなる。
 ロケ地、北町与力・笹森の手柄で捕らえられた祇右衛門の処刑、広沢池東岸。首の無い祇右衛門地蔵を拝むおぎん、大覚寺天神島池畔(これを見る又市は大楠の根方)。梟された祇右衛門の首を見にゆくおぎんを呼び止める又市、妙心寺大通院裏路地。又市から預かったノートを百介に渡すおぎん、仁和寺茶店。その後話しながら歩く二人、御室霊場(雪化粧)。梟首台は広沢池東岸。「仕組み」の張本人が化物「孤者異」として戒められる六道稲荷堂、鳥居本八幡宮舞殿。田所同心の手柄として処刑される「孤者異」祇右衛門、広沢池東岸
*「怪」と比べるとずいぶんコメディ寄り、「トリック」に近い印象。いちばんの違いは登場人物の薄汚さ、わけても大杉漣演じる事触れの治平の汚さ加減は徹底している…見ていて痒いのもあるがラブレーばりの大げさな表現が笑える。渡辺篤郎演じる又市も、嗤う伊右衛門ほどではないが、田辺誠一と比べるとかーなり小汚く演出されていて面白い。北町同心の遠藤憲一はおっちょこちょいのイイ奴設定で、これもなんか月代とか薄汚いへんが妙味。この汚くて薄暗い感じは、最近のテカテカ画面の時代劇にはない味わいで、実に好感がもてる。*百介がしている手袋や、書物問屋が百介に示すベストセラー恋愛小説「冬乃素奈多」(表紙の男はマフラー巻いて眼鏡の優男)などは「怪」と同じく、お遊びたっぷり。もちろん「京極堂」もさりげなくご出演。
2005/3/26

■ 月影兵庫あばれ旅2 第4話「弱い女が一番怖い」1990.10-12TX/松竹

 舞台は掛川、殿の病に付け込んで悪家老が暗躍、息子を姫の婿にして乗っ取りをはかる。タイトルは、「反対派」の若侍が罠に落ち処刑されようとするとき、磔台の前に飛び出して藩士たちに恥を知れとぶつ、か弱きフィアンセを述懐する会話。
 ロケ地、掛川さして街道をゆく兵庫たち、雲助に絡まれている男装の娘を助ける、谷山林道。姫が監禁されている万勝寺、粟生光明寺(石段、本堂、回廊とふんだんに使われ、夜間撮影もあり。本堂内陣も使われる)。国家老邸に乗り込み誘い水をまく兵庫、息子に立ち合いを申し入れる玄関、相国寺大光明寺式台玄関。屋敷を辞した兵庫がゆく道、南路地。刺客が出る、鐘楼裏手。二番目の監禁場所、兵庫を待ち受ける人数が伏せられる、高山寺石水院門、南塀際と金堂道への路地。処刑場、下鴨神社馬場に竹矢来と幔幕をセット(旅立つ一行も同所)
2005/3/25

■ 大奥 第21話「赤ちゃん騒動記」1983-1984関テレ/東映

 本筋と離れたお端下のエピソード、ミヤコ蝶々とジュディ・オングが掛け合い漫才の楽しい一話。振り回されるお局さまは白木真理だったり。お話は、身籠ったことを知らず奉公に出てしまったお端下が産み落とした赤ん坊をめぐる珍騒動。
 ロケ地、生類憐れみの令で民衆大弱りの説明、田んぼを荒らす馬と鶏を襲う犬の情景、の塀前の田んぼと庭先。峰蘭太郎演じる赤子の父が落雷に遭う、下鴨神社池跡。大奥を辞すおとよ、大坂城大手。巡礼の旅のおとよ、北嵯峨農地畦道。

■ 江戸を斬るVI 第11話「願いをかけた釣忍」1981.4.27C.A.L

 盲いた妹を治そうとする兄、健気に生きる妹。彼らに兄の昔の悪い仲間が手を伸ばすが、幼馴染の次郎吉や魚政メンバー、金公が出張り事なきを得る。タイトルの釣忍は、枯れたシノブに水をやり続け芽だしを待つ妹の願掛け。希望を持たせてやるため、シノブの玉を取り替える情話がコメディタッチで挿まれる。
 ロケ地、揃ってお参りの魚政メンバー、松尾大社本殿、楼門。おるいが酔っ払いに絡まれているのを助けるのは参道(茶店等セット)。幼馴染のおるいの兄を訪ねるも、すげなく扱われ考え込む次郎吉、上賀茂神社ならの小川神事橋。賊一味がおるいをさらい、呼び出しをかける弥生神社、鳥居本八幡宮
*賊の頭目に汐路章、じっくり下調べをして入るとされるが、見た感じ行き当たりばったりっぽいのが笑える。ラス立ち福ちゃん入り、盗っ人の一味。
2005/3/24

■ 大奥 第20話「奥様は魔性の女」1983-1984関テレ/東映

 駄々っ子将軍、臣下の妻を寝取る。コキュを演じるは田村高廣、抑制の利いた動きで懊悩を表現。津川雅彦は本領発揮の怪演、ヤラしい目つきがもうたまらない。花束で阿久里をびしばしやるのが圧巻。
 ロケ地、初めて御成りがある牧野備前守邸、相国寺林光院(門、式台玄関、二回目・野駆けの最中の御成りのくだりでは仏殿跡林越しの騎馬シーンあり)。関宿城主になってからの牧野邸、仁和寺本坊表門。阿久里のせいで大奥閑古鳥のくだり、導入に二条城東南櫓二の丸御殿の池泉。御成りの将軍を待ち伏せする牧野の娘、中山邸通用門。綱吉が安を連れ込む屋敷のイメージに青蓮院長屋門(大楠越しに見上げ)。安が大奥へ上がったあと、上方巡礼の旅に出る牧野夫妻、広沢池東岸(堤道〜汀で乗船)

■ 江戸を斬るVI 第10話「魚河岸小町は瓜ふたつ」1981.4.20C.A.L

 松坂慶子二役もの。お家騒動の渦中にある娘の身代りになるお話で、魚屋のおゆきが御用人に目撃されなくてはいけないため、夫婦喧嘩して実家へ戻っているシナリオが用意される。
お家乗っ取りを目論むご舎弟に菅貫、ずるがしこい放蕩者を演じる。ねちねちと用人に絡んだり、脇息に凭れてびろーんと足を投げ出すしぐさはスガカンならでは。
身代りのお見合いの席へ乗り込んでのラス立ち、身分を明かしているので金四郎はお奉行スタイルでの立ち回り。

■ 必殺まっしぐら! 第6話「相手は佐渡金山の乱脈男」1986.9.12ABC/松竹

 舞台は佐渡、仏づらをして山師肝煎を狙う外道を始末。しかし頼み人の娘は仕掛け寸前にワルの罠にはまり落命という悲劇。
 ロケ地、釣りの向島の元締に接触、秀を狙った手裏剣を持ち主に「返す」神楽坂の元締、大覚寺放生池堤。町でボコられお決まりの入水の麻呂、中ノ島橋(日照り続きで浅いとお銀、ほんとうに水は少ない)。旅立つ秀、酵素河川敷(ダート林越しに向島の元締が手下に秀の顔を認識させる)。馬に乗ってゆく麻呂、北嵯峨農地畦道。茶店で休む東吉、手配書を持って役人が来る、谷山林道分岐道下手。佐渡の浜、茶店で東吉と秀がツナギ、間人海岸(ラストも同所、この際秀は立岩の上)。加茂屋が頭領になったと聞き怒って乗り込む大黒屋の娘、広沢池東岸(秀を老婆に化けた刺客が襲う)。大黒屋の娘が首吊りを偽装されて見つかる、大覚寺大沢池畔。拝んでみせ、嘆いてみせた加茂屋と大黒屋の娘婿がほくそえむ、護摩堂前。

■ 天皇の世紀 第1話「黒船渡来」1971ABC

 仕留人の黒船が見たくての視聴だったけど、やはり面白い。アメリカの恫喝外交ってなんも変わってないじゃんとか、阿部伊勢役の高廣さん巧いなーとか、サムパッチ可愛いとか、確か日曜の朝にやってたなーとか、ぼーっと視てて関東撮りか京都撮りかちゃんと確認するのを忘れた…。
2005/3/23

■ 江戸を斬るV 第26話「花火に散った老中暗殺」1980.8.11C.A.L

 タイトル通りの暗殺の悪企み、ターゲットは老中首座・阿部伊勢守。ご老中、視察と称して町を一人でうろつく趣味あり、金四郎やおゆきと絡めた笑い話もある。大筋は、スナイパーとなることを強要される猟師のお話、騙されて岡場所に売られた妹を取り返しに来て罠に落ちる。
 ロケ地、堅太郎ぼっちゃんが虫とりに行って鐘の音に混じる銃声を聞く寺の裏山、鳥居本八幡宮本殿脇の祠から崖を登って(眼下に舞殿の屋根)
*阿部伊勢守を川開きに誘って撃たせる企みの水野越前、銃撃失敗ののち浪人たちがやけくそで殺到するや、こそこそと逃げ出す背がおかしい。猟師を脅す怖い浪人に亀石征一郎、赤っぽい毛が凶悪。

■ 長七郎江戸日記3 第7話「死神をぶっ飛ばせ」1990.11.27NTV/東映

 富商乗っ取り話、下女が医者を勧める→医者が死病と診断→修験者がフォロー→安楽死を勧める→容赦なく密殺→財産譲渡の証文に爪印、という段取り。これに引っかかりパニックの三十路の後家、番頭に相談を受けた長さんと、別件で一味に気付いた青目同心が動く。
 ロケ地、牡丹餅で暗殺される蝋燭問屋の隠居の寮、大覚寺望雲亭。後家を呼び出して死病の話は騙りと告げる長さん、護摩堂前。
*黒幕の旗本に亀石征一郎、不行跡で閉門中、すすどく凶悪。*グルのニセ医者に島田順司、トホホな感じで髭つき、けっこう似合う。

■ 大奥 第19話「姑は猫千匹」1983-1984関テレ/東映

 桂昌院に「道具」と言われ己が道に疑問を抱きはじめるお伝、自ら罪を得て桂昌院と綱吉を痛烈に批判し大奥を去る。
 ロケ地、御前相撲の土俵、不明。三の丸に桂昌院を訪ねた綱吉が雨に降られる庭、梅宮大社神苑。中の丸御殿へ去るお伝、枳殻邸回棹楼付近の林間。
*お伝の父が無心に来る際応対の伊賀者に福ちゃん、刀置いてけ・ここで待てと台詞多し。小谷の脇差を抜く素早さが見もの。

■ 江戸を斬るVI 第9話「闇に消えた江戸小町」1981.4.13C.A.L

 若い別嬪の神隠しが頻発、お京の幼馴染も失踪。裏には、占いで巧みに娘たちをおびき出し誘拐する人身売買組織がいた。
 ロケ地、神隠しに遭った娘の一人が死体で見つかる大川、広沢池東岸。備前屋のおひろがお百度を踏みにゆく八幡さま、鳥居本八幡宮本殿前。おひろの身代金受け渡しの常盤橋、中ノ島橋(誘拐団は船で)。お京が占い師の託宣通り水垢離をとる神社、鳥居本八幡宮井戸。
*エセ占い師の光明大師に多々良純。ラス立ち福ちゃん入り、町人。
2005/3/22

■ 江戸を斬るV 第25話「嵐にひそむ非情の罠」1980.8.4C.A.L

 新堀河岸があわや決壊、勘定方与力と材木商が組んでの企みで、請け負った業者を追い落とす目的。しかし土留めに作為の証拠が出てきて大変、罪を現場采配の小役人に押し付ける陰謀がめぐらされる。
 ロケ地、野博打の人夫たちに聞き込みのお京、竹中稲荷舞殿。塾帰りの堅太郎たちと行き会う、重ね鳥居下参道。瓦版に父が汚職と書き立てられ苛められる小三郎、お堂下の亀腹、お長屋のロケかセットか?の建物、不明。与力のもとに乗り込み悪事に気付いて消された堤精四郎が首吊りに偽装されて見つかる、大覚寺天神島大楠。手がかり出ぬ事態に、大博打を打つと次郎吉にはかる金公、桂川大堰下手左岸。
*ワルの木場材木商に金田龍之介、お白州でこうなったら一蓮托生とグルの与力の悪事を述べ立てるあがきを見せ、ちょっと阿部怪異。*ワル一味の口入屋用心棒に福ちゃん、浪人の「センセイ」。

■ 大奥 第18話「女の髪は象をもつなぐ」1983-1984関テレ/東映

 綱吉に代替わり、桂昌院が権力を振るい始める。下馬将軍も大老職を罷免され、お伝の方の兄の横死すら将軍の権威づけに使おうとするのを見て、お腹さまの苦悩は増してゆく。
 ロケ地、神田橋御殿、西本願寺大玄関門。安南から献上の象を見る将軍、下鴨神社馬場に上覧の席をしつらえて。暴れ象から逃げたお腹さまが弥太郎と束の間過ごす林、池跡。城内新御殿に入る桂昌院、東本願寺内事門。桂昌院を訪ね茶を献じる綱吉、茶亭外観に枳殻邸漱沈居

■ 江戸を斬るVI 第8話「義賊うの字小僧」1981.4.6C.A.L

 鼠小僧にあやかり義賊を気取る素人の盗っ人、正体は病の母に孝行する気の小さいかざり職人。町での人気を聞いてやに下がるが、本物の賊が彼の名を騙り凶行に及ぶ事態に。かつての自分を思い諌めに動く次郎吉が泣かせる。
 ロケ地、金四郎の温情で寄場送りになった梅吉を見送る船手番所、広沢池東岸に柵と番小屋に船着きをセット。
*梅吉に赤塚真人。「うの字」フォントの件を聞きつけてくる凶賊一味の椋十に中田博久。

■ おしどり右京捕物車 第22話「峠」1974.4-9ABC/松竹

 右京の足の治療に一縷の望みを抱いて遠出の夫婦、木の根道の峠を車は通れず右京ははなを麓の茶店で待つことに。この峠に、三年ぶりに凶悪な山賊が帰ってくる。お話は、峠を無理に通ろうとする者たちが賊に遭っての、それぞれのドラマを描く。
今回右京は最後の最後に現れ賊と対決するが、メインのお話にはほとんど出てこない。
 ロケ地、ほぼ不明。滝だか堰堤だか要領を得ない激流などあるし、もう到底残っていないと思われる歪んだ木橋も見える。最後の草原も山上やら河原やら皆目見当つかず。
2005/3/21

■ 江戸を斬るV 第24話「瞼の母は女掏摸」1980.7.28C.A.L

 捨て子の少年掏摸が母に出会うお話。石橋同心父子が深く関わり、母子には温情の遠山裁きが下る。
 ロケ地、印籠師が修理の品を届けに行く道の浅草寺で掏摸に遭う、金戒光明寺本堂参道(縁日セット)。変装(女装)して見回りのお京親分が幸吉に懐中物を掏られる不忍池、仁和寺参道(縁日)五重塔前の道(幸吉は木の上で獲物を物色)。幸吉が掏った財布を隠している墓地、金戒光明寺墓地(堅太郎ぼっちゃんは母の墓参)。石橋父子が幸吉を発見、金戒光明寺墓地石段。幸吉がねぐらにしているお堂、本堂裏手の縁下(基壇の亀腹を使用)。掏摸の親分の手下がシマ荒らしと幸吉を簀巻きにして運ぶ不忍池、大覚寺大沢池堤(放り込もうとするのは水門脇)。幸吉が母に置き去りにされたやしろ、五社明神本殿。掏摸の手下が金公に殴りかかる、仁和寺観音堂前。寄場送りの幸吉とおせいが石橋に伴われて行く、大覚寺放生池堤。見送る堅太郎、背景に心経宝塔
*おせいを尾行する金公にぶつかり「気をつけろぃ!」の通行人に福ちゃん。

■ 八丁堀の七人6 第10話「別れの時!全員抜刀の総力戦」2005.3.21東映

 殺しの現場で目撃された浪人からはじまる事件は、17年前の駿府城代の悪事を明るみに出す。揉み消しにかかる現大目付、町方の意地をかけて北町一同は定法破りの討ち込みをしてのける。渦中の浪人はおやいの実父設定、娘の存在を知ったことで、冤罪に落ち死んだ駿府勤番組頭の父の汚名を雪ぎ、お家再興を志す。
 ロケ地、薬屋へお使いに出たおやいが秋月の情婦・おしまに名を聞かれる、妙心寺福寿院への路地。元駿府勤番侍の小間物屋が殺されて見つかる湯島天神裏、梅宮大社舞殿脇。駿府城、彦根城天守。元駿府城代で現大目付の如月民部邸、大覚寺大門。座敷と庭は不明(直指庵によく似る)。おしまを連れ出し勤番組頭の倅・矢作数馬の居所を迫る八兵衛、大覚寺放生池堤(後段、斬られたおしまが這ってくるのも同所、ラストのトリオ漫才も)。大目付の配下を尾行していて恫喝される磯貝ら、妙心寺東海庵前。品川宿手前の街道をゆく秋月とおやい、大覚寺大沢池堤。おやいが去ったあと傷心の市之丞がうろつく、五社明神
*タイトルそのまんまの展開、「全員抜刀」は十手を使わないと宣して抜きつれる北町一同。予告にあった白装束は、同心一同打ち揃って着用しお沙汰を待つくだりで。*大目付の部下に福ちゃん、ラス立ちに登場。

■ 江戸を斬るVI 第7話「男やもめが陥た罠」1981.3.30C.A.L

 石橋同心が十手を盗られたうえ、それを凶賊の押し込みに使われてしまい窮地に陥るお話、謹慎の父に代わって堅太郎ぼっちゃんが出張り金公がサポートする、おきまりパターン。十手紛失は珍しく女に騙され設定、酒席で一服盛る女のほうも夫の仇は石橋とたばかられていた。
 ロケ地、湯島天神へお参りの石橋父子が急病のおふでを助ける、今宮神社(本殿、境内)。おふでが石橋を呼びとめ酒席に誘う、東門前(茶店も映り込み)
*男やもめに蛆、は金四郎の示唆で謹慎中の石橋を見舞ったおゆきが押入れを開けると、どどっと落ちてくる汚れた衣類で表現される。堅太郎ぼっちゃん、こういうのは放置しているのか。おゆきさんは今回このお見舞いだけ、珍しく旦那さまの言いつけ通りお転婆はやらかさない。*賊の正体は、揃って評判のよくない口入屋と岡っ引。威嚇のため飼っている犬も凶悪、ばうばう吠える「アカ」の鼻先の皺が可愛い。こいつの毛が現場に残っていて堅太郎に発見される設定。

■ 大奥 第17話「女の情に蛇が棲む」1983-1984関テレ/東映

 将軍の出てこない、奥向きの女たちのお話。見目良い娘たちの顔を切る、ジャック・ザ・リパーもどきが出る。正体は心壊れたお半下、贈った品を無下にされたことを恨んでと思いきや、元中揩ニのレズビアン関係が絡んでのドロドロ愛憎劇。
 ロケ地、現場に残された七夕の短冊を見て考え込むお浪、石庭と回廊、不明。大奥へ上がることになり夢を語り合うおせんとお浪、長良川設定の川堤と橋下の河原、木津堤流れ橋下の河原。カマをかけたお浪を襲ったおせんが「告白」、大覚寺勅使門橋と前の林間。追い詰められたおせんが墜死、彦根城天秤櫓

■ 水戸黄門34 第11話「津軽馬鹿塗り 頑固比べ」2005.3.21TBS/東映

 舞台は弘前、塗り師親子を藩用人と悪徳商人の魔手から救う老公のお話。仕事に賭ける父の情熱を知る、塗り師の息子の成長物語がメインテーマ。タイトルは頑固な職人に文箱を注文して断られるも食い下がる老公、事あるごとにはじまる親子喧嘩の傍らで、「私の文箱はどうなりましたかな」とツッコミ。
 ロケ地、津軽入りの一行がゆく街道、山室堤道。道の真ん中で火を焚き酒を食らうチンピラに意見する徳次郎、大覚寺放生池堤。岩木山に塗り師父子の安寧を祈る酒肆の女将(徳次郎の亡妻の妹)広沢池東岸(対岸に岩木山を合成、池は水抜き後)。事態を打ち合わせる老公たち、大覚寺大沢池堤。息子の回想、初めて仕上げた塗りを持って八幡さまにいる父のもとへ走る幼時の姿、五社明神(幼時の息子は「大五郎」小林翼が演じる)。ラスト、弘前を発つ一行、山室堤(登り口南望、河畔林のバックに岩木山を合成)
*頑固職人の父に赤塚真人、悪徳商人に中田浩二、用人に津村鷹志。ラス立ち福ちゃん入り、老公に杖でぶっ叩かれている。
2005/3/20

■ 三匹の侍 五社英雄監督作品 1964.5.13松竹

 人気ドラマの映画化、三匹は丹哲と平幹と長門勇。
大筋は、悪代官の苛政に苦しんだ百姓がとる捨て身の行動に関わってゆく三匹のお話。
柴左近は、百姓の罪を自らが受ける約束をして百叩きに耐えるが、代官との「侍の約束」は反故にされる。桜京十郎は、反射的に百姓を斬ってしまい、その女房の嘆きを見て苦しみ、言い出せないまま百姓の味方に。桔梗鋭之助はラスト近くまで代官の用心棒のまま動かず、しかし結局野良犬扱いで消されかかり、その際親しんだ女が巻き添えになってしまう。
はじまりの水車小屋へ集まってくる三匹、甚兵衛が斬られる間際川に流した直訴状も奇縁に導かれ彼らの手に。三匹の命と訴状に藩士たちが殺到、ド派手な大殺陣がはじまる。
 ロケ地、壊滅的に不明。水車小屋周辺なんか、わかりそうで判らない…1964年だと河川改修や圃場整理もろくに始まっていないし。代官所は仕舞人第一話の佐渡奉行所と同じ、でもこれがまた未だ不明なとこなんだよね。
*若々しい丹哲は殺陣も役柄の青臭さも良し、平幹演じる桔梗は出番少ないもののキャラクターが確立されているので見事にハマっている。桜京十郎は…暴れん坊将軍なんかのゲストでもあまり変わらないような気もするけど、「おえりゃあせんのう」が聞けるのが嬉しい。
2005/3/19

■ 月影兵庫あばれ旅2 第3話「天中殺!美人女房に迫る罠」1990.10-12TX/松竹

 沼津への旅の途中兵庫が助けた男、女房のことをのろけるが帰ってみると行方不明。ヒヒ爺の勘定奉行への贄にされかかっているパターン、屋敷へ入り込むのに桔梗が「月影流華道家元」なんて吹くのが傑作。前後のフレームに、宿場女郎の話をしていて桔梗の「フケツ!」が飛んでくる。タイトルは男の運勢を筮竹で占う兵庫。
 ロケ地、三島を出て街道をゆく一行、どこかの川堤に富士山を合成。その後の道も河畔林のある堤道の模様だが特定できず。留吉を刺客から助ける墓地、不明。留吉が女房の話でのろける茶店、大覚寺護摩堂裏にセット(背後に心経宝塔)。女房の無事を祈る留吉、上賀茂神社奈良社。三番番頭が浪人刺客とツナギをとり消される町外れの神社、鳥居本八幡宮(石段、舞殿、裏手の杣道)。旅立つ一行を見送る留吉夫婦、大覚寺五社明神放生池堤。次の宿の話で桔梗を怒らせる、大沢池堤

■ 必殺まっしぐら! 第5話「相手は仙台のワル家老」1986.9.5ABC/松竹

 ターゲットは私腹肥やしで恨みを買う伊達藩の国家老、更なる陰謀が進行中。しかし秀たちの仕置が下る直前、ワルどもは自らの罠に陥ちていた。
 ロケ地、元締が語る国家老・秋月のイメージに相国寺方丈前廊下。青葉城、二条城東南櫓と濠。世継の若君が剣の稽古、相国寺方丈白州。秀がゆく街道、およびお銀と麻呂がゆく道、北嵯峨農地の田脇と思われるが確証得られず。仙台へ十里の道(陸羽街道?)脇の茶店、下鴨神社参道石橋たもと(ここで向島の元締の刺客、趣向は茶店地獄)〜戦闘は林間池跡。臭いと言われた麻呂が顔を洗う川(歴史人物紹介コーナー、刺客と間違われる間宮林蔵)、嵐山自転車道下・桂川右岸河原か。若君を預かる国家老の屋敷、相国寺大光明寺(鶴千代ぎみの駕籠が入るシーンでは前庭から門を見返るショット、式台玄関が使われる。乳母の子と衣を取替え抜け出す若君のシーンでは通用門から出る。仕置のくだりでは通用門と南路地を使用)。抜け出した若君が魚獲りの子らに「苦しゅうない」をやり小突かれる、広沢池東岸。これを助けた秀が「若君」に飯をやる、大覚寺天神島。家老屋敷へ潜入したお銀の報告で仕事を早めるチーム、せかせかと歩く秀は放生池堤。仕事を終え帰途に着く秀、さぶが出迎える茶店、酵素ダート待避所にセット。秀が顔を洗うのは河川敷
2005/3/18

■ 新三匹の侍 第13話「何処へ行くのか獣道」1970.9.28フジ/松竹

 最後の舞台は極めつけの、無人の宿場。戸板は全て打ち付けられ、風が吹きぬけてゆく。この荒涼たる町に、山鳴りが不気味に響く。
ここで三匹が対決する相手はなんと三方向、小諸藩と、九鬼一族と、公儀隠密。楓は肩を撃ちぬかれ、流は腹に一発受け、桜も手傷を負いぼろぼろの三匹、騒動のもととなった女は彼らに詫び羨望を口にして死んでゆき、決死の脱出がはじまる。
 ロケ地、小諸藩主が腰元を追いかける林、下鴨神社糺の森。風泊宿はずれの国境、崩壊地形は湖南アルプスか白水峡かはたまた演習場か。
*小諸藩側役に雇われた用心棒に和崎俊哉、九鬼一族の頭目に北村英三。*山鳴りは噴火直前の浅間山、ために風泊宿は無人。

■ 江戸を斬るV 第23話「人情がまの油売り」1980.7.21C.A.L

 天誅組と称し凶行を繰り返す浪人たち、金四郎は腕を見せつけ内部に入り込み、金座を襲ったところを懲らしめる。市中で知り合った気のいいがまの油売りの人情話が織り込まれる。
 ロケ地、扇田浪人ががまの油売りで稼ぐ八幡さまの縁日、今宮神社境内。天誅組の大沼らが豪遊後仲間に殺される、夜の嵐山公園中州・桂川堰堤前(川中の立ち回りも)。翌朝、現場に駆けつける石橋とお京、中ノ島橋中州下河原。金四郎が捜査の見込みを石橋に話す、中ノ島橋下・堰堤を背に。
*磊落な扇田に誘われがまの油売り体験の金四郎、演出のお髭がまったく似合わない西郷輝彦がおかしい。扇田浪人は藤木悠、天誅組に南原宏治や五味龍太郎。

■ 江戸を斬るVI 第6話「女辻斬り紫頭巾」1981.3.23C.A.L

 病身の夫の薬代のため多額の借金をする妻、これをお偉方の贄にしようとはかる悪徳商人一味。金を借りる際迫られ逃げた女は、辻斬りで金子を工面するまでに追い詰められる。
フツーだと女は辻斬りを思いつかないが、この武家女は小太刀の名手で、辻斬り騒ぎの紫頭巾からヒントを得て犯行に及ぶ。その紫頭巾が辻斬りというのは、例によって「お転婆」が本物の辻斬りを懲らしめに出てお京親分に見られ早合点されてしまったもので、江戸を斬るおきまりパターンのひとつ。
 ロケ地、塚本浪人の妻・節がお参り、松尾大社本殿。助平侍にからまれた節が鮮やかに切り返すのを目撃するおゆきは参道にセットの縁日。
*塚本浪人に島田順司、さすがに病人がよく似合う。妻の行為がバレたあとが傑作で、小太刀の名手は「このうえは悪を討ち果たして」と絶望の中でも勇ましいのに対し、夫は「…死のう」。*女を世話されて上機嫌のお偉いさんには河合伸旺、卑猥な行為に及ぶ際の目尻下げたうひょひょ笑いはこの人ならでは。最後は金四郎たちの計略にハマり紫頭巾に髷を切られて大慌て、必死に髪を掻きあげて元に戻そうとするのがラブリー。*節は辻斬りに出る際、きっちり聞いたままの紫頭巾に扮する。紫頭巾対決もちゃんとある。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第17話「謎!孤児を集める男」1997-1998テレ朝/東映

 火事が相次ぎ、孤児となった子らが町で悪さを重ねる。これを保護する謎めいた浪人は、焼け跡を岡場所にとはかる材木商のもとに乗り込み真実を追求するが、これは置き去ったままの実子への思いがなせるものであった。
 ロケ地、法輪寺へ参詣の月島さまが孤児らに襲われる、龍潭寺(山門、境内)。材木商と若年寄がつるむと報告の庭番、梅宮大社神苑汀・門前に茶店をセット。こそ泥ガキを連れてゆく岡村浪人と新さんが緊張の対峙、大覚寺天神島。明徳館、相国寺大光明寺(任されたものの持て余し悪ガキを預けてゆく新さん)。明徳館を出た新さんについてきてしまうおさき、山室堤道か。
*岡村浪人に目黒祐樹、天真爛漫だったり磊落だったり策士だったりもする人物を熱演。*孤児らの家を建ててくれた将軍さまへの、子らからのお礼は目安箱にどっさりの千羽鶴。これは青空に舞う折り紙のCG(ちょっと脱力系)につなげられる。

■ 大奥 第16話「断崖に立つ女」1983-1984関テレ/東映

 死にゆく浅宮を描く。天樹院らに追放されかかる矢島親子や、スキャンダルに死す甲府宰相、お島の流産など事件はてんこ盛り。そして顕子は、家綱を死によって解放しようとした手を愛の告白により止めるのだった。
 ロケ地、東照宮の回廊をゆく家綱、下鴨神社楼門続きの回廊か。飛鳥山の滝、琴滝。二人で乗馬を楽しむ家綱と御台、下鴨神社馬場
2005/3/17

■ 江戸を斬るVI 第5話「消えた怪盗土蜘蛛十蔵」1981.3.16C.A.L

 土蜘蛛の十蔵は、仲間にも顔を見せない賊。手下に密告され仕事をしくじったあと、長くアジトに姿を見せず裏切り者を焙り出す…という筋だが、この間変装して石橋同心宅に潜り込むという荒技をやってのける。そのなりというのがよぼよぼの老婆、堅太郎ぼっちゃんの同情を誘い奥の間で床につき、ちゃっかりと捜査情報もゲット。演じるは西村晃、ひっつめ白髪で杖ついて歩く姿は必見…男にしか見えない・青島幸男のいじわるばあさんよりひどいかも。最後は、油断して石橋宅で変装を解いているところをぼっちゃんに見られ、アジトを突き止められる結果となる。
 ロケ地、神社で素振りの堅太郎、脇の崖から「お筆婆さん」がよろばい出てくる、平岡八幡宮石段下。十蔵のアジト、谷中天徳寺裏の一軒家、不明。「お筆婆さん」が手下の源七(仲間に耄碌爺と思わせている)とツナギをとる神社、松尾大社(楼門から入り、水場脇の木におみくじを結ぶ形で接触)。十蔵に始末された密告者の死体が見つかる、広沢池東岸汀。
*十蔵の手下の一人に福ちゃん、お京を捕まえたり、ラス立ちもあり、お白州もちらっと参加。

■ 江戸を斬るV 第22話「蜆を売ってた若殿様」1980.7.14C.A.L

 旗本のお家騒動、病の当主に取って代わろうとする弟が跡継ぎの若君を密殺。しかし用人のみ知る双子の弟がいて、焦ったワルがこれも消しにかかるところへ金公は待ち構えているのであった。
 ロケ地、学問所から帰る若様が女中とゆく道、大覚寺放生池堤護摩堂前でチンピラが出て襲い、船に乗せて逃げるのは広沢池東岸。神田川で見つかる若様の死体、広沢池東岸汀。
*出生まもなく捨てられた双子の弟は大工に拾われ育つ。この子が蜆売りをしていて、堅太郎ぼっちゃんと知り合う…江戸を斬るは蜆売りが異様に多いような気がする。*福ちゃん二態。若様をさらうチンピラの一人、プロの殺し屋らしい。船で逃げる際は棹を操る。そしてラスト、土屋家に引き取られる清太の供侍の一人になって駕籠の後をゆく。

■ 新三匹の侍 第12話「訣れの鐘が鳴っている」1970.9.21フジ/松竹

 ヤクザの小日向一家を全滅させる三匹、大評判となり子供たちのチャンバラごっこのネタも「我こそは槍の名人・桜京十郎!」「正義の味方・流右近だ」。噂に踊らされた民衆は、この町にも三匹が現れて横暴な西虎一家をやっつけてくれるものと期待するが、来たのは偽者。しかもそれは三匹を小日向一家の仇と憎悪する西虎の、誘き出しの仕込みだった。
 ロケ地、小日向一家を全滅させたあと、桜とはぐれた流と楓が野宿の神社、走田神社(二人が寝ているのは本殿内陣、子らがチャンバラごっこは本殿前)。楓と流を呼び止める子ら、名乗るも桜いないじゃん偽者!と走り去る、谷山林道。試してみようと子らが二人に投石→水落ち、沢ノ池汀。偽三匹歓待騒ぎから逃げ出した三匹が衣を乾かすお堂、金戒光明寺経蔵。おりはの知人のお咲の家、不明。お咲の亡夫の菩提寺、西寿寺(鐘楼、本堂前、石段、墓地への坂)。事後、桜が酒肆の女将に追っかけられる道、北嵯峨農地竹林脇。当地を去る三匹とおりは、金戒光明寺石段(側面から見下ろしのショットと、本堂大屋根を背負ったアングル)
*父を西虎に殺されすねる勘吉を宥め諭す流、仇討ちに得るところなしと道を説く。いつもむっつりと怖い顔の「安藤組長」が見せる優しい笑顔は必見。*偽三匹、似て非なる微妙さが抱腹もの、宿場の道で三対三のじりじり寄るシーンは音楽も最高に笑える。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第16話「弟よ 江戸に来た姉の思い」1997-1998テレ朝/東映

 出世講なるサークルを主宰する若年寄、中身はトンデモの、役職のセリ。競り落とされたポストの現職は殺し屋に消させるという非道、この手先に使われる若いチンピラと、更正させようとする姉の情話が主軸となる。
 ロケ地、明徳館、相国寺大光明寺(門、塀際)。ヤクザと話す弟・清吉を目撃する姉・おはつ、相国寺鐘楼裏手(おはつが植木越しに覗くのは法堂前)。おはつが奉公していた大番頭・瀬戸邸、妙心寺隣華院門。幕閣の変死について報告の庭番、大覚寺護摩堂。新さんに弟のことを相談するおはつ、上賀茂神社ならの小川畔。おはつの回想、弟がいたずらをする木更津の浜、琵琶湖西岸(後段、弟の回想も同所)。作事奉行が事故を装って暗殺される妙輪寺別当院、大覚寺大門。清吉を騙して連れ出したおはつを拉致するヤクザ、大覚寺天神島。大番頭・瀬戸を拉致しようとする一味、参道石橋。おはつが乗せられた駕籠の前に立ちはだかる長次郎、五社明神
*若年寄に田口計。出世講の座敷を床の間の鬼面から覗いてる姿が可愛い。

■ 大奥 第15話「めんどり歌えば家亡ぶ」1983-1984関テレ/東映

 矢島の嫌がらせは続き、飛鳥井の策でお身代わりに上げ見事懐妊のお振も死に至らしめる。一方家綱の癖はやまず、悪夢を見ては発熱し果たせぬ責務に苛まれる。見かねた顕子は酒井大老に談判し日光社参を実現させるが、彼女のもとに死の影が忍び寄るのだった。
 ロケ地、顕子が佇む池泉、不明。弓の稽古をする家綱、下鴨神社馬場(幔幕張り)。勅使下向を受けての曲水の宴、城南宮か。東照宮参詣の将軍の駕籠が渡る橋、日吉大社走井橋。行列が進む参道、西本宮参道坂。死病を悟った顕子が城内飛鳥山の滝に帝から賜った扇を放り投げる、琴滝
2005/3/16

■ 江戸を斬るV 第21話「姿なき脅迫者」1980.7.7C.A.L

 大店の孫娘が誘拐されるお話、博打の借金で脅された番頭が一枚噛んでいて巧妙、町方は遠ざけられてしまう。母親の親友として相談を受けおゆきが動くが、子をタテにとられ紫頭巾危機一髪、荒っぽく賭場に乗り込んだ金公が大暴れで解決。
 ロケ地、身代金引渡しの九郎八幡、鳥居本八幡宮(本殿、舞殿、小柴垣道)
*おゆきさん、親友に子の無い人にはわからないと言われ結構傷つくが、ラス立ちの最中の金四郎の「子作りは家へ帰ってからだぜ」に浮上。*ヤクザの親分の手下に江幡高志と小峰隆司、似合いすぎ。賭場の中盆には福ちゃん、金公に斬りかかるが刀とられて殴り倒され。

■ 長七郎江戸日記3 第6話「がめつい女?」1990.11.20NTV/東映

 乳飲み子の自分を捨てたと恨み母を認めない佐貫屋の若旦那、父に事情を聞くや一転「おっかさん」の情話。これに、ろくでもない理由で佐貫屋を殺そうとする馬鹿者どもの悪企みがからむ。
 ロケ地、佐貫屋が荷車で殺されかける坂、不明(石鳥居と坂)。荷車の留めをはずした男が口封じされ見つかる、大覚寺放生池源頭部の汀。辰が青目同心に男の情報を耳打ち、五社明神裏手。息子に追い返されたおやすが佇む水際、大沢池(草ぼうぼう)。佐貫屋の回想、奉公人だったおやすと親に隠れてデート、吉田神社竹中稲荷(参道重ね鳥居、舞殿)。さらわれたおよしを取り戻しに黒田屋根岸寮へ赴く若旦那、中山邸通用門、庭。家族との暮らしを捨てて旅立つおよしを見送る長さん、広沢池西岸沿いの道・農地からの撮り(形のよいヤナギを背景に持ってくる)
*およし登場シーン、長屋に女が越してくる情報で妄想炸裂の辰がおばちゃんを見てがっくり。そのあと騙されてるし。辰の長屋のデコレーション派手、衣装と合わせてあるのかも。*佐貫屋に中田浩二、珍しい善人役。祠の注連縄がはずれてるのを「おかわいそうに」なんて言って直したりする。*佐貫屋殺しは高家の殿様の意向、理由は佐貫屋所有の長屋が自邸の月見櫓からの眺望の妨げになるからという、とんでもない我儘。殿様は西田健、ちょっと変わったおじゃる調で、乗り込んできた長七郎ぎみに甲高い声できいきい喚くのが傑作。

■ 江戸を斬るVI 第4話「殺し針連続殺人事件」1981.3.9C.A.L

 抜け荷の濡れ衣で獄死させられた長崎屋の遺児が、十五年を経て仇討ちに江戸へ。南京手妻の清国人として活動する香蘭太夫はお京親分そっくりという設定、もちろん由美かおる二役で出まくり。三人目を殺ろうとして負傷した太夫を保護の金公、強引に残りの一座と代役のお京を率いてワルを懲らしめにかかる。そしてお白州、御定法では厳罰のところ清国人は適用外とスーパーロジックを展開、江戸払いの温情を見せるのだった。

■ 新三匹の侍 第11話「夜光珠が哭いている」1970.9.14フジ/松竹

 一揆の扇動者として捕われ唐丸で護送される浪人・津山を巡る、様々な人間模様。一揆のリーダーとして津山を尊敬し慕う庄屋の娘、お宝の夜光珠を求める宝飾品バイヤーのオランダお京、津山を仇と憎み命を狙う百姓の孫七、腰抜けと侮られるも実は凄腕の居合の達人である藩士の宮地、そしてなぜか唐丸から出たがらない当の津山周馬。津山を助けようとする者に雇われた側と護送の用心棒と、三匹も割れて対決寸前になったり。津山の正体が知れ、誰も幸福にならず得もしない殺伐で幕。
 ロケ地、桜が依頼者の庄屋の娘に不首尾を告げる、御室霊場地蔵前。護送の山道、湖南アルプス天神川。浦住本陣、お京が差し向けた刺客のほか、腕前を見た同僚も斬る宮地、下鴨神社河合社裏。高津の船着場、琵琶湖(東岸、愛知川の三角州あたりか)

■ 大奥 第14話「京より天女が舞い降りた」1983-1984関テレ/東映

 明暦の大火で天守が焼失するなど、ハナっから波乱含みの家綱の治世。トラウマからしばしば人事不省に陥るひ弱な将軍を囲い込む矢島局、危惧を抱いた伊豆は京より下向した正室・顕子に望みを託す。矢島の仕打ちに耐えかね城を去ろうとした顕子が、飛鳥井のため思い直すところで中ほど。
 ロケ地、伏見宮の姫・浅宮顕子が帝に暇乞いに参内する宮中、相国寺方丈(白州からのショット)。顕子江戸下向の街道、琵琶湖西岸松原。輿入れまで暫時滞在の竹橋御門外の天樹院御殿、相国寺林光院。綱重とのやりとりがある庭は不明。強い将軍にと自ら期し乗馬の家綱、下鴨神社馬場(伊豆を蹄に掛けてしまう場面も。平幹、耳から血出てるぞ)。京へ帰る覚悟を決め城を出る顕子、大坂城大手口

■ 暴れん坊将軍 VIII 第15話「買われたお姫様の秘密」1997-1998テレ朝/東映

 鶴姫のいとこ姫が、借金のカタに悪旗本に結婚を迫られる話。姫を案じて相手の旗本を調査する若侍などいて、フツーならしっとりとした情話だが、姫が鶴姫関係者なのでやっぱりアレ。そもそも登場からして、お城の濠で鯉を密漁しているんだからトンデモ。貧乏藩なので、藩主自ら藩邸では畑仕事、食うだけでなく販売もしている模様。借金は凶作に苦しむ領民のためにしたもので、姫は父の事情を察し結婚を承諾という涙話だが、親子の会話がとっても伝法…男手一つで育てたから設定らしいが、町場でもそこまでは。
悪旗本は、最初から名前を聞くやイヤーな顔をしていた上様に成敗され、下品な姫様は悪旗本の弟(無理矢理隠居させられた父とこいつはイイ奴設定)と結ばれてハッピーエンド。
 ロケ地、鯉に餌やり上様に目通りの大友摂津守、二条城清流園。おわい船で城を出る上様、セットからつなげての水面は大沢池、茶々姫が密漁は池堤下の汀。明徳館、相国寺大光明寺(門、前庭)。今津藩下屋敷、不明。摂津守の弟・竹二郎が刺客に遭う、妙心寺玉鳳院(尾行していた茶々が飛び出してくるのは涅槃堂四脚門際)。手傷を負った竹二郎が身を潜めるのは相国寺鐘楼。摂津守が馬鹿な遊びをする料亭、錦水亭東屋。その場にいた芸者が始末される道、大覚寺大沢池堤の片側に竹垣セット。これを目撃して追われる茶々を助ける竹二郎、望雲亭南側の有栖川脇の道。明徳館へ来た若侍たちから茶々姫の話を聞く新さん、護摩堂脇。藩邸で茶々の手当てをしたあと送ってゆく竹二郎、罧原堤下汀
*貧乏藩では江戸家老も薬の行商に出ていたり。これが小峰さんでメチャ可愛い。
2005/3/15

■ 江戸を斬るV 第20話「母恋しぐれ」1980.6.30C.A.L

 女房が男と逃げてから腑抜けのかざり職人、飲んだくれて幼い子らに厄介をかけるが、贋金作りに誘われてきっぱり抵抗、白州でお奉行がリードして妻と和解させてやる運びに。
 ロケ地、元金座職人が殺されて見つかる弥生稲荷、大覚寺天神島。いきなり帰ってきた母に反発した正太が堅太郎に会いに来る、金戒光明寺石段。正太親子が楽しげに行くのを見てブルーな堅太郎が参る母の墓、くろ谷墓地
*贋金つくりの炭問屋の用心棒に福ちゃん、言うことを聞かない源七を拷問。ラス立ちにも登場。*源七を諌めに来る親方に御木本伸介、後から出てきて悪役になったりはせず善人。

■ 江戸を斬るVI 第3話「雛祭の夜の恐怖」1981.3.2C.A.L

 雛祭りの夜、寄場から脱走した凶賊が女子供ばかりの魚政に立てこもり。金太親分は中に入ってくるもののお約束で気付かず、若い衆も女たちをタテにとられむざむざと括られ。うまうまと逃れる賊だが、堅太郎ぼっちゃんの機転でアジトを嗅ぎつけられてしまう。
 ロケ地、金公に乗り込まれ一人馬で逃げる賊のかしら、追う道は酵素ダート、追いついての組み打ちは河川敷
*霞の五郎蔵に今井健二、女も容赦せぬ凶賊と語られるが、その割にはあんまり非道は働かない…足手まといの手下は消すが。はじめに寄場から逃げる際、撃たれて取り残される手下に福ちゃん、親分の正体を霞と明かして悪態をつく。どアップあり。

■ 新三匹の侍 第10話「決闘三対三」1970.9.7フジ/松竹

 武芸者の三兄弟は狂犬、刀番の屋敷から殿の小太刀を盗み出し、娘を次兄の嫁に寄越せと横車を押す。楓はエラい目に遭った仕返しと金のため、桜は世話になった男の仇討ちに、流は「偏屈だから」と三兄弟に向かってゆく。
 ロケ地、ヤクザの親分の女を寝取ったと追い掛け回される楓、広沢池東岸(腹減ってふらふらで、篠崎家の用人に鰻で釣られる)。狂犬三兄弟・高島の屋敷、随心院長屋門。かつての恋人のため小太刀を返して貰いに行った元足軽が膾にされて叩き出されるのは拝観口。一文にもならず当地を去る三匹、随心院参道
*次兄の徹次郎(沼田曜)がいちばんキレてて、うひうひ笑う顔がメチャ怖。

■ 大奥 第13話「子連れ将軍と五人の女」1983-1984関テレ/東映

 東照宮改築、鎖国政策の確立と多忙な家光、そして後継者に関して火花散るなか、長子の家綱が重い病に。心労の果て昏倒し床につく家光を見て、お万の方は中の丸へ赴き御台に大奥へ戻るよう懇願するのだった。
 ロケ地、家光畢生の仕事である東照宮改築の解説に本物のイメージカット。江戸城、姫路城天守。庭で遊ぶ子らに馴染まず、亡母を求める家綱のくだり、枳殻邸傍花閣前〜侵雪橋。家綱平癒の祈願に参詣する大奥の女たち、寛永寺イメージに仁和寺五重塔。家綱平癒の「おねだり」の天下祭り、神輿が繰り出すのを見物する桟敷、下鴨神社馬場にセット。御台に生涯勝手と伝えにゆく道で落飾した孝子を見る伊豆、二尊院紅葉の馬場(雨)
*朝松ぎみの母・お夏、徳松ぎみの母・お玉は表面上取り繕うが、言葉の端々に我が子を将軍にとの願望が出る。呪いの藁人形もつらっと出る。この二人以外のお部屋さまはクサって捨て鉢、下品な態度が描かれる。*御台に接触のお万の方、羅山や天海に家綱廃嫡を迫られる伊豆などのドラマも見もの。そして最初からくぐもった声で重苦しい演技の沖雅也、家綱をいとしむくだりや、祭りでの派手な昏倒や孝子との会話など涙モノ。

■ おしどり右京捕物車 第21話「怒」1974.4-9ABC/松竹

 米相場を牛耳るため大量の鉄砲を求める近江屋、武器ブローカー探索を命じた同心が殺されたことに責任を感じフライングの秋山が窮地に陥る。これは自身の手でと右京の助力を断る秋山だが、右京は友情から首を突っ込んでゆく。はなは秋山の妻女の心遣いを受け取らず、右京もまた事後秋山が「料金」を支払おうとするのを拒否する。
 ロケ地、同心が試し撃ちの的にされ殺される野原、酵素河川敷。北町奉行所、御所長屋門(前路地から東望のショットもあり)。一味の浪人・速水をつける音三、相国寺方丈前〜大通院南塀際〜林光院(気付かれボコられる)。ブローカー・玉次郎が鉄砲二十丁を運び込む大川端、広沢池東岸

■ 暴れん坊将軍 VIII 第14話「箱根湯けむりに浮かぶ陰謀」1997-1998テレ朝/東映

 沼津藩のお家騒動、殿様は幽閉され隠居届を出されてしまう。明徳館の新任先生・雪乃(正体は沼津藩主の姉・雪姫)をサポートするかたちで介入の新さん、旅役者夫婦を装って街道をゆく。最後は悪家老たちにたばかられ国家老の息子と祝言を挙げる雪姫の前に将軍として現れ、成敗の雨嵐。
 ロケ地、明徳館、相国寺大光明寺(門、前庭)。暗殺された沼津藩の若侍について上様に報告の忠相、二条城鳴子門前。吉宗の示唆により一人旅行く雪姫の前に品川へ一里の道で旅役者姿で現れる新さん、山室堤道。雪姫のなりを鳥追いに変えさせる茶店(箱根旅行のおぶんと生徒が来て、雪姫と新さんが駆け落ち?と騒ぐ)、不明。逃げ出した二人が夕陽を見る街道は山室。新さんと雪姫が一緒と聞き馬で追いかける千鶴、嵐山自転車道。長次郎をたばかっておぶんたちを追いかけるめ組の源次一行、谷山林道切り通し。箱根の山なみ、谷山林道からの眺望。箱根で温泉につかるおぶんたち、摂津峡山水館露天風呂。早朝一人で箱根を出た雪姫に追いつく新さん、谷山林道分岐道。雪姫が国家老の息子に迎えられたあと、黒幕は国家老と隼人の報告を聞く新さん、琵琶湖西岸松原。事後、帰途につく新さんを相模の海浜で待っている千鶴も同所。
*国家老に河合伸旺、江戸家老に山本昌平と悪役陣こてこて。*今回の見ものは鶴姫のジェラシー、初手から雪乃に目をつけたと新さんにムカつき「不潔・サイテー」とぷんぷん怒る鶴姫、雪姫と新さんが一緒に道中と聞いては暴発して馬でだかだか追いかける。でも熱を出して倒れた自分を夜通し看病してくれたのは嬉しい鶴姫、沼津への介入は避け帰途の新さんを待っているのだった。しかし「嫁にいく」と言ったのに取り合わない新さんに「鈍感男!」のカミナリ。
2005/3/14

■ 江戸を斬るV 第19話「金太が落ちた恋地獄」1980.6.23C.A.L

 婀娜っぽい年増の小唄の師匠は凶賊の一味、富商の主を誘惑し裏木戸を開けさせる手口で犯行を重ねる。金太はその女に利用され、引き込みの片棒を担がされる・監禁される・十手を悪事に使われるの悲惨な事態に。
 ロケ地、金太が金公の誘いには応じるお京に怒って去る縁日、大覚寺放生池堤から天神島にかけてセット。朱橋に立つお京の背後に心経宝塔も映り込む。
*賊のかしらは今井健二、もみ上げぼうぼうの凶相。白州で奸商を懲らしめたと嘯くのがよく似合う。七化けのお蓮の被害者のヒヒ爺に遠藤太津朗。

■ 江戸を斬るVI 第2話「死体が消えた藪の中」1981.2.23C.A.L

 お化け屋敷「八幡の藪知らず」が大評判、しかしそこは凶盗のアジトだった。魚政一行とお化け屋敷に入った堅太郎ぼっちゃんが死体を見つけて父に急報、しかし入ったときは始末されていて×、懲りないお子は夜中に入って賊に捕まってしまう、いつものパターン。
 ロケ地、堅太郎が見た死体が発見される大川、広沢池東岸

■ 八丁堀の七人6 第9話「悲しき夫婦愛!居酒屋占拠事件」2005.3.14東映

 振幅の激しいキレた系本田博太郎が演じる、純愛の哀話。掠奪してまで得た女の業病に絶望した浪人は、薬代のため町方を引きつけるための立てこもり事件を起こすが、そのさなか女の命脈は尽きてしまう。現場の酒肆には青山さまが居合わせ、盃を傾けつつぽつぽつと浪人と話すのが見どころ、ハチはその間裏事情の調査に回り、浪人を落す役回りも演じる。
 ロケ地、亡妻の墓に参る青山さま、大覚寺梅林。呑んで寝込んだ木の下、病身の妻を労わる浪人を見る、護摩堂脇の木(佐野夫婦は堂縁先、設定は「護摩堂」)。伊勢屋の押し込み強盗の浪人の探索について報告を受ける釣りの青山さま、大沢池船着(小)。おやいが佐野から薬代を預けられる、妙心寺大通院裏路地。志乃の墓、罧原堤下河原
*人を害するつもりもない佐野、心ならずも立てこもるゆえにキレて刃を振り回し大音声を発する。志乃を奪い去る際の「俺の命だー!」の雄叫び、走り方が妙。青山さま、この佐野の処置を「器物損壊」に。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第13話「欲望のくし 美しき人妻の苦悩」1997-1998テレ朝/東映

 伊豆七島の産品を一手に扱い値を吊り上げる悪徳商人、伊豆代官と勘定奉行がグル。秘密保持のため終生遠島の囚人を使い、万が一赦免となった際は密殺という悪辣さ、魔手を逃れた一人は江戸に帰りつき命を賭して告発しようとする。この男の、娘との確執と和解の情話が織り込まれる。
 ロケ地、赦免になった囚人が消される八丈の断崖、保津峡落合落下岩。明徳館、相国寺大光明寺。八丈で調査のあやめが娘を巻き添えで殺された漁師に話を聞く、保津峡落合河口。悪徳商人のことを報告の隼人、梅宮大社舞殿前。事後、いつになったら鶴姫ととじいに詰め寄られる上様、二条城清流園内濠端。
*からがら逃げ出して江戸に帰還の職人に河原崎建三、勘定奉行に和崎俊哉。伊豆代官の部下・吉岡半兵衛(劇中称のみ、クレジットに役名なし)に福ちゃん、断罪に現れた上様に斬りかかるが、この際の片手で鞘を払っての抜き打ちは必見の美技。

■ 大奥 第12話「見ざる言わざる聞かざる」1983-1984関テレ/東映

 御年寄のポストを狙うお局さまたちの鞘当て、被害者を装って自作自演の御客あしらい・藤岡さまの企みは結局バレて、追放の憂き目をみる。藤岡さまの部屋のお端下・元気な田舎娘のおりきにスポットが当り、お話を引っ張る。
 ロケ地、なにやらひそひそ画策のお局さまのイメージに二条城清流園。追放される藤岡さまがゆく不浄門へ続く隠し道、下鴨神社河合社裏手。藤岡さまの部屋子たちが後にするお城、二条城北大手門前堀端。おりきがうきうきと故郷へ向かう道、北嵯峨農地か。
*上様は登場しない回、春日亡き後総取締となったお万の方がけっこう迫力。おりきと同郷の、屑集めの甚平に長門勇、お国訛りがいい味というかほとんど桜京十郎。*象徴的意味合いか、大奥御廊下に本物のタヌキが出てくる。

■ 水戸黄門34 第10話「女占い師が悪を討つ!」2005.3.14TBS/東映

 騙りの女占い師が、亡き妹に似た少女の健気な願いを叶えてやるファンタジー。新任代官が申し付ける無体な運上金のウラを暴く大芝居が、老公のサポートで展開。流れ者の占い師・おまさ姐さんと、「日誌の兄ちゃん」格さんの交流がフレームとなり、「花輪にて、生意気だがイイ女と出会った」と記される運びとなる。
 ロケ地、八幡平は本物。花輪の野道は井尻か。
*格さん、飛脚便で「日誌第一巻」を水戸に送った模様。
2005/3/13

■ 江戸っ子祭り −太助・家光・彦左− 1981.7.24映像京都/フジ

 型どおりに進む堅苦しい日常に倦んだ竹千代は、彦左のはからいで貧乏旗本の部屋住みとして太助に預けられる。おきまりの珍妙な行動など描かれ、下町の暮らしに馴染む「竹」。自分が本当に強いと知って泣き、庶民の親子と我が身を比べては泣き、可愛い恋人までできるが、暗殺者が現れたことで「竹」の日常は唐突に終わりを迎える。
 ロケ地、江戸城解説のナレーション背景に彦根城天守二条城本丸櫓門。竹千代の日常、相国寺方丈廊下(北と南と)白州。辻斬りに出て柳生但馬守に斬りかかってしまう竹千代、相国寺方丈西塀際。大久保彦左衛門邸、大光明寺門。太助宅の隣の娘と稲荷へお参りの竹千代、松尾大社亀の水場(娘に言い寄る男の手下と喧嘩)。後段ではデートに楼門脇の石灯籠裏手。お城へ戻った竹千代のイメージに大覚寺むらさめの廊

番外

■ パッチギ!
 当たり前の話だが、時代劇ロケでは使われない「京都」が溢れんばかりに使われていて、新鮮な感動…現代劇見ないからなんだけどね。疎水脇に新京極、高瀬川沿いのアンソンたちの住む街、嵐電の駅、東山橋下の鴨川、狸谷不動のパーキング、円山公園、陶化橋下手の鴨の土手道(浜口染工の煙突がまた泣かせる)、弔い合戦の剣先、鴨堤下?のチェドキの家。みんな見慣れた場所なのに60年代の京都に見えるから凄い。剣先の亀さんも、気にならない。
「泣かす」仕掛けのイムジン河は、さまざまなアレンジでふんだんに流される。ソフトが出たらもちろん買うが、やはり劇場で見てこそのもの、上映はそろそろ終わりなので急いで見るべし「恨」の情感。
2005/3/12

■ 岡っ引どぶ3 「流人島殺人事件」1982.11.19映像京都/フジ

 八丈帰りが次々殺される事件が発生、お仙の弟分の身代りに拉致されたどぶは、不思議な女のもとへ導かれる。町小路の殿様の推理とどぶの探索により、少しずつ謎は晴れてゆく。
 ロケ地、八丈の荒海や赦免船の出る岸、南紀か。江戸・新大橋で解放される帰還者たち、広沢池東岸汀に大きな柵をセット。その夜どぶと飲んだ嘉助が酔い潰れたお仙をおぶって出る料亭、嵐山公園内料亭・錦(ぼんぼりそのまま、夜景)。八丈帰りの一人が土左ヱ門になって漁師の網にかかる、桂川中州下付近か。同じく八丈帰りの女の死体が見つかる墓、くろ谷か。同じく赦免仲間の乞食坊主が連行される道、相国寺林光院前路地(次郎吉、お仕事中に目撃・塀の上)鐘楼(中へ連れ込まれ殺される)。お仙にフラれて座り込む嘉助、大覚寺天神島大楠の根方。町小路左門邸、不明。志村浪人を島送りにした吟味与力が殺されて見つかる弁慶橋たもと、桂川大堰木杭(染料流して演出)。嘉助と誤認したされたどぶが拉致される、大覚寺天神島朱橋たもと。連れ込まれる本郷菊坂の荒れ寺、西明寺石段〜山門(内外)。脱出のどぶが立ち回りには本堂縁先や前庭が使われるが薄明でほぼシルエット、追っ手をやり過ごすのに門の上に次郎吉と二人乗っかるシーンもある。与力殺しの犯人にされてしまった志村浪人が渡世人のなりで女房のいる松戸宿へ向かう水戸街道、北嵯峨農地竹林脇の道。どぶが志村と女房を保護する天神池西の船小屋、広沢池西岸湿地。志村の処遇について同心を丸め込む料亭、(桜宿膳の字もはっきり見える)。宴の帰り、どぶが歩く汀、大覚寺大沢池堤下汀。忍びとの戦闘は堤上で。十六夜御殿、不明。大盗・夜嵐の蔵三が御金蔵破りの十二万両を隠していた谷中総林寺の墓地、鳥居本八幡宮(竹林、広場、石段、舞殿)。事後、舟遊びのどぶとお仙兄妹、大覚寺大沢池に船、呼ばわる嘉助は船着(小)

番外

■ ゲロッパ!
 放ったらかしにしていたテープ視聴。管理がHDDに移行しているので忘れ去っていた。観に行けなくて井筒監督ゴメンナサイの後悔していた一作、堪能させて頂きました。なにやらボロクソに言う向きもあったようだが、「岸和田」や「二代目」と同じく、これぞ映画と自分は思う。安っぽい物真似ショーで展開される浪花節なんて、いまどこで見られるというのだ。ヤクザ映画へのオマージュにはじまり「西田局長」の泣きに至る祝祭空間は、Otto e mezzo のロケット台と重なった。明日は、「パッチギ!」を観に映画館へ行くことにしよう。…アレは京都が舞台、背景にばかり目がいってワヤの予感もあるが…ここ十年おさらいもしてないハングル、ちゃんと覚えてるかな。
2005/3/11

■ 江戸を斬るVI 第1話「捕物小町初手柄」1981.2.6C.A.L

 下っ引きの金太はそのままでお京チェンジ、由美かおるに。
初手柄となる事件は、浜野藩側用人がお部屋さまと組んで藩政を牛耳るための資金集め。手段は押し込み強盗だからトンデモ、お京は臨検した船の吃水に着目しターゲットに辿りつく。
 ロケ地、賊が逃げた川筋を見張る金公(釣り)にお京(茶店)大覚寺大沢池畔。下屋敷から出た怪しの貸本屋を尾行するお京、有栖川(河床から見上げ)護摩堂(襲撃)
*初手柄と言い条、このシリーズのパターンに則り金公の手柄を譲られるかたち。酒を飲まされ気を失っていたお京が、出役の石橋に発見される運び。…酒は同じくとっ捕まった紫頭巾も飲まされているが、こういうのフツー麻薬でしょ。*名和宏演じる側用人、遠山に追い詰められお部屋さまを刺して自刃、炎に消えるという派手さ。*警護の藩士に福ちゃん、ラス立ちも。

■ 新三匹の侍 第9話「巡礼女の唄が聞える」1970.8.31フジ/松竹

 恋しい男を出牢させるため賞金稼ぎとなって殺しを続ける女、しかしやっと外に出せたその男の志は挫けており、女には売女の罵声が浴びせられるのだった。
 ロケ地、巡礼姿のお妻が身売りを装って賞金首を仕留めるお堂、御室霊場か。流が顔を洗う渓流や近くの山道、献上馬を隠匿している村(遠景にダム湖)、馬を引いて届ける三匹がゆく河原(大きめの礫)、不明。代官所、民家長屋門。馬を掠めて逃げようとする男の前に立ちはだかるお妻、谷山林道
*お妻の天保銭のアイパッチが印象的。お話のテーマは正義派の挫折と転向で、親身になってくれた桜たちをあっさりと裏切る農民といった「七人の侍」ふうエピソードも入り、時代の匂いがぷんぷん。

■ 月影兵庫あばれ旅2 第2話「辻斬りが惚れた女」1990.10-12TX/松竹

 荒んだ小田原城下で頻発する凶盗、これに関わる辻斬りは桔梗を長年思い続けていた男だった。桔梗に退けられた際「汚らわしい若党ふぜい」と罵られた男は狂気に落ち、身分の高い女や恵まれたボンボンを斬り続けてきたと告白し、兵庫に戦いを挑む。
 ロケ地、程ヶ谷付近の街道筋、不明(川堤?遠景に田と民家)。兵庫と市中をゆく桔梗を見る辻斬り「風」、大覚寺五社明神(舞殿に壁セットしてお堂に)。鶴屋押し込みの手引きをした女が消されるのも同所。「風」を尾行する安、下鴨神社参道石橋河合社脇。賊の女頭目が語る回想、桔梗にからんだ男たちをたちまちやっつける兵庫(設定は大磯の首切地蔵付近)池跡。EDにかぶる街道筋、稔りの田と萱葺民家、
*辻斬り「風」に西岡徳馬、かなり変態さんも入っている暗ぁい浪人を熱演。なりは着流し、背に法華のお題目でポニーテール。*冒頭から女性論をぶつ兵庫が描かれ、賊の女頭目が手下に刺されるくだりも情痴がらみでドロドロな話だが、酸素の吸いすぎ気味の兵庫がシメるのでタッチは明るい。

■ 江戸を斬るV 第18話「恐怖!嵐の夜の侵入者」1980.6.16C.A.L

 寄場から逃げた男たちに立て籠もられてしまうまさご、女の子たちに次郎吉まで人質にされあわやの展開。次郎吉が連行される際撒いていった米でアジトは割れ、金公の大暴れ。
居座りを繕うお芝居が作りこまれていて見せどころ。
*賊の一人に福ちゃん、お亀ちゃんを運ぶ駕籠屋にもいる。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第12話「母親なき家庭 誤解された父親」1997-1998テレ朝/東映

 無役の御家人・角田は常々息子に不甲斐なさを指摘され、一念発起して御意見番方の会合で不正を糾弾しようとするが消されてしまう。このあとは、視野狭窄ぎみの息子をケアして父の真情を悟らせ、不正糾弾の場に立たせる展開。
 ロケ地、弓の上様に御意見番方の寄り合いを仕切る老中について愚痴るじい、大覚寺勅使門(外側)。明徳館、相国寺大光明寺門。中庭は鹿王院回廊前。津山藩留守居役が大目付に更なる賄賂を要求される屋形船、乗り込みは大覚寺大沢池船着(小)、密談は池上。大目付の所行を報告の隼人、心経宝塔前に茶店セット。角田の息子・龍太郎に津山藩の賄賂のことを告げる新さん、天神島。留守居役たちの会合を立ち聞きして見つかり、誰何される龍太郎を助けて連れ出す千鶴、大沢池畔。大目付の懐柔をはねつけた龍太郎を襲う刺客、妙心寺玉鳳院前。ラスト、じいと上様が逍遥の庭(流水庭園のバックに姫路天守は合成か)、不明。
*息子に軽侮される苦悩の父に内田稔、早い段階で消されるも回想シーンで出まくり。大目付役の立川三貴がなかなかに憎たらしい嫌味っぷりでマル、これに無理難題を吹っかけられる留守居役は峰蘭太郎で、またいい味。

■ 大奥 第11話「上様はさんまがお好き」1983-1984関テレ/東映

 家光を狙う駿河大納言の家来との戦いは続き、またまたお玉プランで残党一網打尽。しかし今度は殺された残党の妻が春日局を狙い、これは春日の死につながってゆく。一方お玉は病床の春日から大奥取締の後継に指名されるも、酒井老中の反対に遭う→その席で懐妊発覚。
 ロケ地、亮賢の寺、不明。遠乗りに出る家光、彦根城天秤櫓。目黒のサンマ民家、不明。春日局が腰元に化けた刺客に遭い池ボチャ、彦根城玄宮園竜臥橋。お玉の方の引き立てにより召しだされる母や亮賢たちがゆく回廊、高台寺のそれに似るも不明。
*落語みたいなタイトルは、お玉プランで残党を誘い出すのに流される噂。他言無用を付け加えるとぱっと広がるプロセスが面白い。
2005/3/10

■ 江戸を斬るV 第17話「涙が光った遠山裁き」1980.6.9C.A.L

 18年前捨てられた娘の親が現れ、養親に暴利で金を貸しているという設定。すったもんだはお白州に持ち込まれ、なみだ涙の遠山裁きが下る。ベタの情話は、過半をお白州に裂く。
 ロケ地、おるいが偶然実の親と出会う源正寺(捨てられていた寺)金戒光明寺。掛取りのチンピラに絡まれるのは石段下。事後、実の親と養親と娘と4人で楽しげに行くのは極楽橋石段

■ 新三匹の侍 第8話「御金蔵破り」1970.8.24フジ/松竹

 三匹はそれぞれ別々の筋から大盗・夜霧の仙蔵のもとへ導かれる。彼は最後の大仕事と、甲府城の金蔵から一万両を盗み出す計画を立て三匹にヘルプを依頼、まんまと盗み出したあとには間抜けなオチが待っているのだった。
 ロケ地、米俵が闇取引されたり、一揆衆が隠れるお堂、不明。甲府へ三里の街道、流のピンチに短刀を投げた老盗・仙蔵が待っているのは北嵯峨農地竹林沿いの道。甲府城、彦根城。天守下、天秤櫓に濠、三重櫓が金蔵で米蔵が佐和口多門櫓だったりと各所を使用。ラスト、一文も手に入らず肩を落として甲府を去る三匹におりはが追い討ちをかける道、不明。
*綿密な計画を立て入る仙蔵、濠を泳いで渡り金蔵から米蔵へ荷を渡し米俵に隠して逃げるなどの間、うきうきと実に楽しそうな流たちが、見る者も楽しませる。*お城に雇われた凄腕用心棒に夏八木勲、正体を現したあと流とのチャンバラが圧巻。

■ 大奥 第10話「虹を掴んだ少女」1983-1984関テレ/東映

 お玉のサクセスストーリー。幼時乞食坊主の観相で告げられた人身位を極めるとの託宣を、少女は持ち前の気性をもって一歩一歩実現してゆく。
 ロケ地、御室へお参りのお玉母子、仁和寺イメージに本物の二王門中門から見返り。乞食坊主の託宣、金堂前。長じたお玉が恋人に託宣のことを話す川辺、柊野堰堤下落差工前(山に虹かかる)。お万の方のお話相手の選考に合格したお鈴に芝居を仕掛ける、上御霊神社本殿前、井戸、高倉下(茶店セット)。お中掾E津和が出立の屋敷、相国寺大光明寺(前庭、門、湯屋、南塀際)。道中、土山へ二里の茶店、谷山林道。江戸城天守、姫路城天守。遠乗りの家光のくだり、グラウンドみたいな広場や狙撃の道、不明。お玉プランで道の警護を固めたあと、遠乗りに出る家光、彦根城天秤櫓大覚寺放生池堤。お玉がサンマを焼いている沿道の農家、不明(山に虹かかる)

■ 暴れん坊将軍 VIII 第11話「覗かれた大奥 女たちの陰謀」1997-1998テレ朝/東映

 大奥のお局さまが、小普請奉行と組んではたらく悪企み。月島さまを失脚させる道具に使って殺そうとした娘が我が子と知ったお局さまは、母性をもって真人間に立ち返り死んでゆく。
 ロケ地、大奥イメージに姫路城西の丸。お奈津の件で謹慎をくらった月島さまを拝領屋敷に訪ねる千鶴、妙心寺天祥院門。見張っている小普請奉行の手下は寿聖院入口から覗く。月島の後を襲う企みのお局さま・綾瀬の屋敷、相国寺光源院門。小普請奉行と悪企みの庭は坂口青龍苑。明徳館、相国寺大光明寺。甲府帰りの青木半十郎がお奈津にプロポーズ、上賀茂神社渉渓園。綾瀬が鶴姫を訊ねる井伊家上屋敷、大覚寺大門。夜の市中で襲われるお奈津と半十郎、五社明神。亡母の知り合いと墓へ参った奈津が出生の秘密を聞かされる、くろ谷墓地。衝撃を受けたお奈津の話を聞く新さん、大覚寺大沢池に屋形船。綾瀬にお奈津が実の娘と告げる上様、茶亭は坂口か。事後、トリオ逍遥のお庭、坂口
*綾瀬に高田美和。ラス立ち福ちゃん入り、きれいな「一旦静止」ののけぞり。

■ 必殺まっしぐら! 第4話「相手は長崎のぜいたく女」1986.8.29ABC/松竹

 今回は遠出・長崎行き、ターゲットは長崎奉行の奥方で、将軍の子であることを笠に着て横暴の限りを尽くすトンデモ女。秀が仕留めた奥方の死骸を見てくつくつ笑う、奉行役の西沢利明がコワい。
 ロケ地、麻呂が祈祷の呼び込み、上御霊神社楼門本殿脇で打ち鳴らされる太鼓に秀飛び入り。長崎イメージの蛇踊りは現地、以降役者さんが入っての長崎情緒は黄檗山萬福寺を使用。長崎入りの秀がくぐる門、文華殿入口の竜宮門。カピタンと行き会う東吉、回廊の合山鐘。長崎奉行所は開山堂門。奥方のバースディパーティに潜入の秀のシーンには、三門脇の竜宮門。このほか、セットにも竜宮門が演出されている。誕生祝いの宴会で仕留めると協議のチーム、大覚寺大沢池北西畔(麻呂、カステイラを丸かぶり)。長崎を発つお銀と麻呂、心経宝塔前〜五社明神。秀が頼み人は奉行と東吉に話す街道筋、谷山林道
*やっとリズムに乗れそうな面白さ。個人的事情で「必殺」そのものがちょっとイヤンな感じだったが復活できるかも。それにしてもやっぱり鶴瓶脱ぎすぎ。
2005/3/9

■ 江戸を斬るV 第16話「紫頭巾の復讐鬼」1980.6.2C.A.L

 松前藩勘定方の父を謀殺した重職と悪徳商人を仇と狙う息子、これがよりにもよって紫頭巾かぶって現れるから、おゆきさん黙っちゃいない。禁足にも関わらず抜け出して関わりまくり、免許状なしの仇討ちはご法度という金四郎に「法で裁けぬならこの手で」…おゆきさんそれ闇の仕事人。ラス立ちには、森次晃嗣のでっかい紫頭巾と本家がダブルで立ち回り。
 ロケ地、仇討ち頭巾の母がお百度を踏む祠、相国寺宗旦稲荷。仇討ち息子が追っ手に囲まれる野や崖、不明。
*藩重職と松前屋密談の料亭を警護する若い衆に福ちゃん、モロボシダンに当身くらってうわぉ。

■ 新三匹の侍 第7話「荒馬娘が吠える町」1970.8.17フジ/松竹

 馬方の一家と捕り方の大乱闘が導入。ここへ父を助けに馬に乗って乱入する荒くれ娘、彼女を中心に話が進んでゆく。造り酒屋を強請っていた馬方の親分を大層な人数を仕立てて殺した代官は、酒屋の女将とつるんで藩特産の水晶を横流ししており、荒くれ娘は父のネタを引き継ごうとする。
 ロケ地、冒頭の馬虎一家との乱闘、代官を斬った城代の密偵とチャンバラ、ともに流れ橋下の河原。当地を去る四人は橋上を行き、見上げのシルエット。代官所、大覚寺明智門
*実は密偵の代官の雇った計算高い用心棒、垂れ目でつるんとした表情もなかなかに目を惹く武林に大塚吾郎。桜とのやりとりが面白い。荒くれ娘は倍賞美津子。

■ 長七郎江戸日記3 第5話「葵小僧推参!」1990.11.13NTV/東映

 葵の御紋を小道具に押し込み強盗の一味あり、正体は忍び。幕府に裏切られ抹殺された根来衆の残党が、倒幕をエサに元老中に踊らされる哀話。うかうかと侵入しとっ捕まった辰を救出する過程で、青江同心が甲賀者と知れる。まだ長さんの正体には気付かず、なんかおかしいと首を捻る。
 ロケ地、釣りの長さんと宅兵衛を尋問する青江同心、大覚寺大沢池畔。忍びのかしら・お里が語る紀州山中での虐殺、酵素河川敷。

■ 大奥 第9話「猫と金魚と尼君」1983-1984関テレ/東映

 慶光院を見初め還俗させる家光、お万の方誕生。寵愛のめでたさから起こるイジメ、心労の果ての侍女の縊死、遂に逃げ出すお万の方だが少年のような家光にほだされる。
 ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。還俗を求められた際拝領屋敷から逃げ出す慶光院、彷徨う水際は広沢池北西の汀と湿地。大奥を飛び出したお万の方を探し馬をやる家光、下鴨神社馬場。倒れているお万の方を抱き起こすのは池跡
*公家の出ゆえ、お万の方にも出産は許されず春日局に釘をさされる。その後のことはナレーションで。ついでにお玉のその後(桂昌院)も。タイトルの猫と金魚は、イジメのお局さまの愛猫をけしかけて上様下賜の金魚を食わせるお玉の仕返し。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第10話「陰謀に巻きこまれた黄門様?」1997-1998テレ朝/東映

 水戸黄門漫遊記なる黄表紙が大はやり。当の黄門の息子である水戸のご隠居・綱篠も読んでさすがわが父とご満悦、しまいに側用人の介之丞と鶴右衛門を従え世直し旅と洒落こむからタチが悪い。ご機嫌で町をゆくご隠居、徳田新之助や鶴姫とも出会いどたばた展開、しかし隠居が邪魔な付家老と、失脚して憎悪をたぎらせる間部詮房の魔手が忍び寄る。
 ロケ地、水戸綱篠隠居所、不明(池泉と茶亭、梅宮神苑に似るも確信なし)。漫遊記取締りを上申の水戸の江戸家老について話すじい、姫路城はの門下坂。水戸家上屋敷、大覚寺大門。明徳館へやって来るご隠居、相国寺大光明寺前庭〜門。ご隠居を狙う間部の娘に声をかける新さん、大覚寺天神島祠。ご隠居を襲う浪人たち、護摩堂前。父を諌めるも出て行けと大喝された美雪が佇む、大沢池畔(木戸越し)。箱根へ向かうご隠居を止め連れ帰る江戸家老、酵素ダート。事後、水戸の隠居から御台は鶴姫以外無いと文が来たと開陳の月島、姫路城西の丸にガーデンセット。
*水戸の隠居に神山繁。間部詮房に西沢利明、銀髪のほつれ髪に加え病んで喀血してみせ、線が細くて癇性な憎悪のかたまりを好演。

■ おしどり右京捕物車 第20話「怨」1974.4-9ABC/松竹

 死者三千を越す大火は、悪徳材木商三人の仕掛け。これにより妻子を不幸に落とされた男の復讐譚が大筋。修行の辛さに逃げ出した観念が木場でバイトしていて巻き込まれる。
 拭き掃除や座禅でしごかれ、しまいに剃髪と言われる観念、神光院本堂廊下、回廊。北町奉行所、御所長屋門。吉野屋の番頭・与兵衛が妾のお供で渡る橋、中ノ島橋上〜橋たもと(大増水で水路背割からも溢水)。木場、ロケとセット併用…貯木場の背後には竹林と山、70年代にはまだ京都にもあったのかも?少なくとも住吉ではなさそう。
*吉野屋番頭にしてかつては悪党の「狼の与兵衛」に殿山泰司、実娘の妾を殺されたあとの表情が凄い。それでなくとも怖い顔、ライト下から来てて不気味そのもの。*木場乗り込みの右京の戦い、はながぎこぎこ柱切って小屋を引き倒すのが見もの。
2005/3/8

■ 江戸を斬るV 第15話「唐人形 浮世絵地獄」1980.5.26C.A.L

 前長崎奉行と悪徳商人が組んで幕閣に工作、接待は麻薬と女。阿片漬けの女が殺された件で動くお京は、ワルに唐人形にされかかる。
 ロケ地、阿片中毒の芸者の死体が上がる、広沢池東岸汀。金太を女衒に仕立てて潜入のお京らが船で連れて行かれる、広沢池(金太親分、池にドボン)
*ワル一味の絵師に口説かれるお冬に鮎川いずみ、漆奉行に菅貫など豪華な顔ぶれ、でも役どころは阿片中毒の弛緩した顔…でも菅貫の頓狂な表情はメチャ可愛い。*おゆき不在、危機には鈴でなく次郎吉の鼠(生)。

■ 新三匹の侍 第6話「俺が女にした女」1970.8.10フジ/松竹

 刺客に遭う女を助けて招かれる流、行った先は高級料亭。用心棒として腰を据えるが、そこのオーナーは政商で、流を雇った妾の女将は藩札発行高を探る公儀隠密という裏があった。女将の正体は割れていて、公儀に言い訳のできる方法での始末が計画されており、「犯人」に仕立てられた女は桜の昔の女というおまけ付き。
 ロケ地、女将とお紋が襲われる道、金戒光明寺石段長安院下坂。桜の回想、お紋を助けておぶってやる道、大覚寺放生池堤。女将が六部に化けた隠密とツナギをとる宮、吉田神社竹中稲荷(脇の石段、重ね鳥居、祠)。料亭、坂口か(築山と池泉、四阿)。女将殺しに雇った浪人とツナギに行くお紋のあとをつける桜、金戒光明寺本堂(仏像)墓地。お紋に女将の正体をバラし諌める桜、本堂前石段永雲院下坂。お紋の回想、京十郎に置き去りにされた祠、大覚寺天神島石仏群(桜隠れている)。お紋と国境を目指すも追っ手かかる街道、草の生えた欄干の低い土橋、不明…七谷川か本梅川か。
*お紋に三島ゆり子、女将に赤座美代子、実は藩目付の怖い浪人に亀石征一郎。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第9話「彼女を賭けた決闘!」1997-1998テレ朝/東映

 柳生を貶めて将軍家指南役を奪う陰謀、真の目的は上様暗殺の刺客送り込み。挑まれた勝負を前に柳生の総領息子は失踪するが、六年前の果し合いで臆して失ったプライドを取り戻すためだった。
 ロケ地、柳生の高弟が奥女中と心中を偽装されて見つかる、仁和寺塀際叢。柳生道場、民家長屋門。小野派一刀流道場、不明。明徳館、相国寺大光明寺門。夕餉の買い物に出た千鶴先生を呼び止める新さん、妙心寺大庫裏北西角のクランク。柳生兵庫がやってくるのは春光院南塀際、「鶴姫」との会話を立ち聞き新さんは大庫裏塀際の松の陰。御前試合に出ず水際で沈思する兵庫、嵐山公園中州・桂川堰堤前。兵庫に会いに二人でよく稽古した場所へやって来る鶴姫、上御霊神社本殿裏手。小野半平太と決闘の護持院ヶ原、下鴨神社河合社池跡(六年前の果し合いも池跡)。二人を見ていた上様が剣をおさめ帰る兵庫の前に立つ、南禅寺三門下。ラスト、千鶴先生にお重ぎっしりのご馳走を作ってもらってご満悦の新さん、いちゃいちゃデートは仁和寺鐘楼南側の草地
*六年前の決闘は鶴姫をめぐっての恋の鞘当て。戦闘中、柳生の血筋が絶えることを思い臆して敗れる兵庫、二度目の対決は半平太のほうが嫁の顔ちらついて萎縮、六年前の自分と同じ目と見た兵庫は剣を引く。*鶴姫の過去に興味津々上様、身を乗り出して月島さまに「余も知りたいぞ」…。そのうえ最後のランチデートではとってもオヤジくさいし鶴姫に突き飛ばされてるし。*ラス立ちは御前試合から成敗になだれ込み、福ちゃん入り。二回派手にくるくるのけぞり、上様の陰になって見えないとこでも一生懸命回っている。

■ 大奥 第8話「偽れる唇」1983-1984関テレ/東映

 駿河大納言・忠長卿の失脚と死。春日局の策謀も強烈、しかし最後は、家光の並び立てずの判断で自裁を賜る運びに。駿府→甲府→高崎の経緯が詳しく描かれる。
 ロケ地、将軍宣下の際衣冠束帯でキメる家光のバックは姫路城天守。駿府城、正室と庭を逍遥の忠長、枳殻邸印月池畔・背景に侵雪橋。野点は漱沈居を背景にした池畔。大御所重篤のくだり、江戸城イメージに二条城本丸櫓門(側面)。春日のスパイだった小姓を斬ったあと、鬱憤を晴らすかのごとく殺生禁断の浅間山で猿狩りの忠長、山中で本物の猿の群れを追い立てるのはひょっとすると虚空蔵さんの裏手の、岩田山のお猿さんかも。大御所・秀忠葬儀のあと、蟄居の身にも関わらず乱入した忠長のため許しを乞う孝子、粟生光明寺本堂裏手回廊
*身籠っていた忠長の正室は、孝子が春日に直談判した成果か安堵される→長七郎ぎみ無事ご誕生?
2005/3/7

■ 江戸を斬るV 第14話「女賊を泊めた同心父子」1980.5.19C.A.L

 女が首領の凶賊、人のよい石橋同心は傷ついてお堂にいたその女を賊と知らず家に伴い泊めてやるが、もちろんこれは大騒動に。落ち込んで謹慎の石橋に代わり、堅太郎坊ちゃんが探索に走り悪者にとっ捕まる、お決まりパターン。
 ロケ地、町を探索の堅太郎、大覚寺大沢池畔、放生池堤、護摩堂前。夜鷹姿で女を探すおゆきが言い寄った男を投げ飛ばす、中ノ島橋たもと。

■ 八丁堀の七人6 第8話「殺人を目撃した女!証言に潜む過去」2005.3.7東映

 大店の主殺しの目撃者の女中、偽証やDV亭主への献身には悲しい過去がからんでいた。真犯人の、殺された主の後添えがまんまと高飛びしようとするが、女はハチの説得に応じ全てを告白する。
 ロケ地、近江屋向島寮、宝厳院通用門。面通しのあとおちかを送ってゆくハチ、縁日の神社は梅宮大社本殿前。おちかの新しい勤務先の柳橋料亭、宝厳院門。おちかの亭主・定次が「真犯人」を脅迫して刺されるお堂、大覚寺護摩堂。翌朝、現場に駆けつけるハチ、放生池堤。凶器の匕首が出るのは石仏群。定次の墓、二尊院墓地。拝んだあとおちかとハチが連れ立ってくぐるのは黒門。ラスト、凧揚げハチと釣りの青山さまが漫才、大覚寺大沢池船着(大)
*幸薄き女・おかよに遠山景織子、「目」がいい。*高飛びの後添えが雇う用心棒の一人に福ちゃん、焦る女に背を押され捕り手の前に突き出されたり。このほか、おかよの新しい勤め先をハチに教える吉岡同心のうしろを職人姿で道具箱担いですーっと通ったり。

■ 大奥 第7話「種馬とれんげ草」1983-1984関テレ/東映

 春日局のみならず、愛する孝子にまで種馬扱いされてブルーな家光。憤然と節分の宴席を立ったそのとき、お端下に混じって下品ダンスのお蘭を見て心から笑う→夜毎の奥泊まり。まこと観世音のお引き合わせと春日も哄笑、お蘭が「お楽の方」になり家綱生母となったと語られ幕。
 ロケ地、寵愛を受けて輝くお蘭に斬りかかるお縫、唐破風の向こうに大屋根…不明。

■ 水戸黄門34 第9話「お娟の身代り見合い」2005.3.7TBS/東映

 盛岡城下で進行中の闇取引、このための政略結婚を嫌い家を出た娘を保護したことから、老公は事件に関わってゆく。お話は、糟糠の妻を亡くしたあとその夢を叶えようと悪事にまで手を染める富商と、心が掛け違ったまま父を憎む娘の和解。
 ロケ地、局アナがゲストの冒頭の茶店やラス立ちの取引現場、井尻か。
2005/3/6

■ 江戸の大騒動 −太助、家光、彦左− 1982.6.18CX/映像京都

 魚河岸立ち退きの大騒動、将軍家光を飾り物と侮る老中が材木商と結託しての横車。このお話では、あんまり威勢のよくない一心太助の渋面が続くが、ラス立ちには大久保のじいさまや魚屋のかっこうの家光と共にワルの屋敷に乗り込んでぱぁっと大立ち回り。凱旋には彦左を盥に乗せて町を練り歩く。
 ロケ地、庭で彦左に太助の消息を聞く家光、枳殻邸印月池畔。酒井老中が彦左に嫌味を言う御廊下、相国寺方丈北廊下。魚河岸差配の娘が空の荷車で襲われる、金戒光明寺永運院下坂。植木屋を装って佐野屋に偵察に入る太助、枳殻邸庭の植え込み。彦左の書状を持ってお城に潜入(紅葉山と山王権現に通じる抜け穴を使用、神君が彦左に伝授)する用人の喜内、相国寺方丈北廊下(縁先と裏方丈庭園)。天秤棒持って材木商・佐野屋に乗り込む太助、枳殻邸園地入口と付近。
*太助に井上順、家光に田中健、彦左は東野英治郎。
2005/3/5

■ おしどり右京捕物車 第18話「燃」1974.4-9ABC/松竹

 右京を父の仇と狙う娘の話、善人を装い近づき身の上話で哀れを誘い、うまうまと夫婦を連れ出す…ここまではフツーのお話だが、娘には奇妙な仲間がいた。
虚無的で体制を嫌う放埓な若者たち、半裸でうろつきドラッグもやり、人の話は茶化すだけ。70年代のサイケデリックな風俗は出ているが、唐突の感は否めず。
 ロケ地、本所・常念寺、神光院門、中興堂。板橋宿へと誘い出される右京夫婦、「近道」とおきぬが導く道、保津峡落合崖上。落石の道、谷山林道。崖から落ちた右京が這い上がってくるのは落下岩

■ 新必殺仕事人 第38話「主水女の節句に遠慮する」1982.2.26ABC/松竹

 ワーカホリックの一徹な鍛冶職人、それが母を死なせたと反発する娘は家を飛び出すが、精魂込めた道具を殺しに使われた挙句消された父の恨みを、仕事人に託す結果となる。
 ロケ地、家を出たおこうが共に出た父の弟子と立ち尽くす雪の堀端、中ノ島橋下背割堰堤。氷川神社再建の地鎮祭、下鴨神社参道。芸者になったおこうにからむやくざな宮大工、中ノ島橋上。己の作った鑿が殺しに使われたと知り、無理矢理買っていった大工のいる普請場へ駆け込む、地鎮祭の場所と同じところに足場セット。

■ 新必殺仕事人 第39話「主水友達を気にする」1982.3.5ABC/松竹

 お女郎たちに三味を教授するおりくと勇次、手に職を持ってと女たちに自立心が芽生え、年季明けの延長にも応じなくなる。これが面白くない楼主はおりくを痛めつけ、更に勇次と女たちを奸計に陥れる。
楼主らとグルになり勇次らをハメる占い師の巫女が出色。依頼は彼女からおりくに。
*主水、畳めくり斬り。
2005/3/4

■ 江戸を斬るV 第13話「酔っていた目撃者」1980.5.12C.A.L

 傘張り浪人が冤罪に落ちかかるが、恩人への意地を通し「容疑者」の名を言わない。「金公」は記憶の飛んでいる目撃者に酒を飲ませて思い出させるほか、身を危険に晒して辻斬りを追い詰める。酔っ払いから聞き出すくだりは落語ふう、辻斬りとの戦いでは衣一枚切らせて腕を見る緊張の立ち回り、裂かれた衣から桜吹雪を見せる趣向。お白州は冤罪浪人へのお叱りだけなので墨は見せない。
 ロケ地、石橋に刀屋を調べるよう指示の「金公」、灯籠と松の参道?不明。
*辻斬りに遭う金貸しの手下に福ちゃん、強面で女の子を震え上がらせる。夜逃げされないよう表で筵かぶって寝ていて、傘張り浪人が「犬の血」を洗っているのを目撃、お京らに得々と注進。劇中「三次」の名が出るがクレジットには役名なし。

■ 月影兵庫あばれ旅2 第1話「江戸で悪を斬る!」1990.10-12TX/松竹

 再びの旅の起こりを描く一話。兵庫は友の恋人の借金返済のため道場破りで稼ぐが、当の友が殺され恋人も狙われる事態に立ち上がる。友を殺した人身売買組織はやっつけるが、未返済の借金のため桔梗に雇われ、京への旅のお供となって荷物持ち。京行きは伊豆の仕込みというオチ。
 ロケ地、松平伊豆守邸、大覚寺大門。その帰りに桔梗と結婚について話す道、北野天満宮境内。北町同心・出淵が斬られて落ちる橋、中ノ島橋。出淵の恋人・おみつを連れて番所へ走る安、大覚寺放生池堤石仏脇。おみつに出淵からだと金を渡す兵庫、今宮神社若宮社前。水茶屋の蔵に監禁されている娘たちのことを兵庫に告げる安、北野天満宮参道(灯籠の陰から刺客出る)。桔梗を呼び結婚相手に選んだ男を見に京へ行けと命じる伊豆、梅宮大社神苑汀。伊豆の用人が兵庫に桔梗の京行きを告げる、北野天満宮本殿裏手。おみつの勤める茶店、不明。騙されて呼び出されたおみつが拉致される、下鴨神社泉川畔。おみつらが監禁され人買いに売られかかる小屋、広沢池東岸にセット。用心棒の雇い主を待つ兵庫、下鴨神社参道(大荷物を背負ってやってくる桔梗の背後に二の鳥居)。EDに被る街道筋、不明。

■ 新三匹の侍 第5話「死神の鈴が聞こえる」1970.8.3フジ/松竹

 おりはに化けた抜け忍にハメられ、何度も危ない目に遭う流と楓。一人食い扶持を稼ぎに出ていた桜がおりはを偶然救い出し、抜け忍夫婦を見捨ててくる三匹だが、おりはの「赤ん坊は?」の言に戻ってゆく。そして、忍者集団のヘッドと戦い危機一髪の流を救ったのは、彼が最後まで信じずにいた老巡礼の形見の持鈴だった。
 ロケ地、五条大橋たもとでおりはの稼ぎを待つ三匹が忍者に襲われる、木津河原。ニセおりはが赤ん坊を隠していた稲荷、伏見稲荷の末社か。桜と別れ赤ん坊をあやしつつ歩く三人、金戒光明寺石段。老巡礼に声を掛けられるのは三門。白川女に化けた忍びを追う楓がトラバサミに掛かる、下鴨神社糺の森。目をやられた流を癒すため老巡礼がいざなう西国三十三番札所の滝、不明(設定京都なのに…33番って岐阜やんか)。赤ん坊を奪われたあと、老巡礼の供養と貰った飯を食う流、金戒光明寺経蔵。まだ忍者の襲撃、本堂前〜墓地。ニセおりはが夫の煮売り屋とツナギをとるのは三門。以降、ここを「塔」に見立てて立て籠もり。おりはの命をタテにとられた流と楓が忍者集団に向かう坂、東坂。ラスト大立ち回りは冒頭の河原と同所。

■ 大奥 第6話「一に引き二に運三に器量」1983-1984関テレ/東映

 春日局のプランで、将軍の子を生む責務を負わされた娘が三人大奥へ。一方、御台・孝子は抑えてきた春日への憎悪をたぎらせ、お夏を側女に献上する運びに。古着屋の娘・お蘭にスポットが当り珍騒動が描かれる。
 ロケ地、女たちを家光に見せる野点、二条城清流園。のしかかる重圧に鬱屈した家光が馬を駆けさせ落馬、下鴨神社馬場。浅草寺参詣の帰り、お蘭を見て帰城の春日の駕籠が入る、二条城北大手門。召しだされたお蘭がお城を仰ぎ嘆息、外濠端。
2005/3/3

■ 新三匹の侍 第4話「血しぶき賽の河原」1970.7.27フジ/松竹

 正義感の強い二足の草鞋の親分、しかし息子は旅先で三人も娘を殺すという悪行を仕出かしていた。息子可愛さと道義の狭間で揺れる親分、そこへ不満分子を煽り立てて一家乗っ取りを狙う動きがあり、組を二つに割っての大乱闘に。
 ロケ地、騒動を煽る浪人が屯する釣り小屋、不明(第3話の河原に酷似)。大乱闘の河原、流れ橋と河原。
*広い河原での桜京十郎の殺陣は、トリッキーさも充分に発揮され必見。

■ 江戸を斬るV 第12話「鍾馗人形殺人事件」1980.5.5C.A.L

 長崎の仇を江戸で討つ姉弟、夫と石橋の話を立ち聞きしていたおゆきも出張り危機に陥った二人を救出。弟のほうは人形師で、最初の殺しの際は鍾馗さまのなりをして入り、勤め先の店頭展示の等身大鍾馗人形の剣に血を塗っておいたりする。なんだか猟奇な雰囲気は、お奉行が犯人を油断させるため命じた人形召し捕りでギャグに。鍾馗は抜け荷の罪を着せられ獄死した島原屋の船印。

■ 大奥 第5話「お湯殿の誘惑」1983-1984関テレ/東映

 逡巡の果て大奥入りのお振。もちろんストレートに家光が振り向く筈もなく、先に因果を含められたお小姓の死があって、惑乱の将軍を抱きとめる形となる。
 ロケ地、お切手門を入るお振、二条城本丸櫓門。春日局の室へ向かう一の側の御廊下、仁和寺宸殿前廊。春日の回想の父・利三の処刑の四条河原、罧原堤下汀。一旦春日の申し出を断ったお振が、帰り道素心尼に説得される林、仁和寺御室桜林(冬)。弓の稽古をする家光にお振の笛を聞かせる春日、嵐亭延命閣前庭。家光が小姓の笛にあわせ鼓を打つ音を聞く春日と老中・伊豆、仁和寺宸殿縁先北東角。遠乗りの家光、一部下鴨神社馬場。春日局の拝領屋敷、不明。吹上庭での宴、嵐亭延命閣

■ 暴れん坊将軍 VIII 第8話「怒りの吉宗 棺おけの中の策略」1997-1998テレ朝/東映

 普請奉行が材木商と組んで企む儲け話は、自分たちが放火した先の再建ラッシュ。しかし隠居していた豪商が儲け無しで入札に乗り出すと聞き、奇妙な策を仕掛けてくる。
今紀文と呼ばれた豪商・大島屋に新克利、資金調達のため偽りの葬式を出して早桶に出たり入ったりのどたばたが実によく似合う。新さんを将軍と知ったあとの気抜けギャグ・ちょっとヘンな紀州弁の「香典おありがとうございますでのし」もなかなか笑える。暴将によくある、黙っていればいいのに上様の腹を探りに罷り出て怪しまれるパターンも出る。
 ロケ地、焼け出された被災者に炊き出しの千鶴先生と生徒、神光院本堂脇(被災者収容のお堂は中興堂)。大島屋急逝を上様に報告する忠相、二条城清流園(ラスト逍遥も同所)。め組に匿われていた大島屋が元手代にたばかられ連れ出され殺されかかる、今宮神社合祀摂社前。普請奉行と材木商肝煎りが結託と報告のあやめ、相国寺法堂基壇。入札出席を阻止するため連れ出され斬られる大島屋の内儀、大覚寺五社明神裏手。

■ 必殺まっしぐら! 第3話「相手は壇ノ浦の亡霊」1986.8.22ABC/松竹

 ターゲットは壇ノ浦に出る化物、しかし鉄球で人殺しの鎧武者は出世欲のため奉行に頼まれてのお芝居、抜け荷船から人の目を遠ざける陰謀だった。
 ロケ地、秀に仕事の指令を出す釣りの元締、大覚寺放生池堤石橋上。壇ノ浦の海、間人の浜や磯。平家の亡霊の噂をする漁師を見る秀、鳥居本八幡宮舞殿下。

■ 「ヨヨヨイ」は東京撮りのため視聴のみ。番組のあとの梅之助インタビュー、捕物の小道具や術の工夫のお話は実に興味深し。「金さん」後東京に戻ると生田スタジオしか無かったという逸話にはホロリ。
2005/3/2

■ 江戸を斬るV 第11話「仮面の悪夢は夢じゃない」1980.4.28C.A.L

 寺社から奪った宝物を好事家に売り捌く悪徳商人、「冒険」の堅太郎ぼっちゃんが盗っ人のアジトを見てしまう。おゆきも真砂メンバーも出てこない回だが、やんちゃ坊二人の可愛い冒険やお政の脱ぎ脱ぎ酔っ払い狸踊り、気風のいい佃の漁師と見せ場多し。
 ロケ地、塾帰りの堅太郎が八吉イジメを見る、中ノ島橋。八吉が体を洗う大川、嵐山公園桂川本流の堰堤下河床(ラストも同所)。高麗仏を盗られる芝増永寺、大覚寺(盗っ人が町方に見咎められるのは参道石橋、逃れる溝は御殿川、翌朝石橋らが寺僧や寺社方に門前払いされるのは大門。お政が金四郎を侵入させるため酔態芝居も大門)。漂流して遭難の堅太郎たちが沖で網を打つ漁師に助けを求める、琵琶湖西岸。二人を乗せて大川を遡る漁師の船、琵琶湖流入河川(三角州を造る川)。堅太郎の消息を塾の子供に聞きこむ金公、大覚寺有栖川畔〜大沢池木戸(入口に仕立ててある)

■ 長七郎江戸日記3 第4話「ひとつぶの銀」1990.11.6NTV/東映

 浪花屋へ逃げ込んできた賊をなぜか親身に庇う喜久蔵、上方弁の男は心中寸前だった喜久蔵夫婦を思いとどまらせてくれた命の恩人だった。喜久蔵から事情を打ち明けられた長さんは、借金のカタに男を追い使う大ワルどもを成敗し男を自訴させ(お説教つき)、喜久蔵の望んだほうへ事を持ってゆく。
 ロケ地、町方から庇ったあと上方へ清兵衛を送ってゆく喜久蔵、夜営して魚を焼く河原、中ノ島橋下河原。江戸へ舞い戻り、船番所で誰何され捕まる清兵衛、広沢池東岸(柵セット)。悪徳札差の差し向けた浪人に追われる清兵衛、嵐山公園林間〜中州湛水域へドボン。
*清兵衛に桜木健一、なかなか人の言うことを聞かない強情な男がよく似合う。雁之助に負けてない上方弁もマル。*札差とつるむヤクザ・金山一家の一人に福ちゃん、乗り込んだ長さんに帯切られておわっ?と前はだけ。このまま立ち回りを続ける。役名なしでクレジットあり。

■ 新三匹の侍 第3話「狂い斬り闇を裂く」1970.7.20フジ/松竹

 理不尽に殺された父母の仇を狙う若者は、役者となって家老が二親にした仕打ちを芝居に仕立てる。家老が面白かろう筈もなく、また彼が辻斬りとなって重職を暗殺したこともあり、押し包まれる運びとなる。彼と三匹の関わりは、各人のカラーがくっきり出たエピソードが用意され上々。家老役の加藤嘉がまたいい味、好々爺に見えて腹黒の老人が見もの。
 ロケ地、壊滅的に判らず。町はずれの河原や「家老風呂」のある渓流、楓が半四郎に斬りつける塀際など、見たことがあるような気もするが針も触れず…。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第7話「美しき婚約者の悩み」1997-1998テレ朝/東映

 上様が創立した養老宿を私腹肥やしに利用する北町奉行、気付きかけた与力二人のうち一人は暗殺され、いま一人にも魔手が迫る。この危機に、陰から見守り助け手となる夜鳴き蕎麦屋は勘当され家を出た異母兄。この、弟と義母を思いやり身を引いた兄の人情ばなしがメインテーマ。
 ロケ地、明徳館、相国寺大光明寺門。許婚者の北町与力を案じて沈む早苗に庭で話を聞く千鶴先生、鹿王院回廊。これを新さんに相談する千鶴先生、広沢池東岸(汀に船着き、与吉が店を出していて二人の話を聞き、弟の危機を知る)。早苗の回想、許婚者の数馬にしばらく会えない・何かあったら母を頼むと言い渡される、妙心寺放生池(背景に玉鳳院門)。数馬のあとをつける男は武士と千鶴に話す新さん、鹿王院本堂前。奉行の使いで出た数馬が弓で射られる明神堀、大覚寺有栖川(河床から見上げ)。弓で狙う奉行とグルの北町同心は五社明神の中から。そのあと出た刺客と戦いあとを追う「蕎麦屋」与吉、船に乗り込む刺客団は渡月小橋南たもとの階。これに礫を投げる与吉は橋上。事の次第を新さんに報告する隼人、大覚寺五社明神裏手。与吉の女房が新さんに話す身の上、信州追分の飯盛女だった彼女を足抜けさせる与吉が逃れる道、保津峡落合崖上、崖下、河口汀。早苗を拉致った奉行邸を探っていて露見・負傷した与吉が同心に斬られて落ちる堀、嵐山公園中州湛水域
*紫頭巾は出ず、千鶴先生で出張る。新さんと別に発展はない微妙な会話がある。*蕎麦屋の「兄」は大橋吾郎。

■ 大奥 第4話「禁じられた愛」1983-1984関テレ/東映

 正室・孝子が大奥を去って以来、家光の奥泊まりは絶える。中奥では閨に小姓を引き入れ、これがもとで刃傷沙汰も起こり不穏な雰囲気。激しく反発する駄々こね将軍に疲れた春日局は、相談に赴いた素心尼のもとで美しい娘を見る。
 ロケ地、春日局が家光に女を宛がう目的で催すお庭目通り、二条城清流園。孝子のいる中の丸へ馬を飛ばす家光、下鴨神社馬場。素心尼の如水庵へ向かう春日局、中山邸参道〜通用門。春日のたっての願いで大奥へ赴くお振、二条城内堀北側〜本丸御殿櫓門。
2005/3/1

■ 江戸を斬るV 第10話「当り富札は殺しの番号」1980.4.21C.A.L

 博打と富籤狂いの指物師が巻き込まれる騒動は、阿片がらみ。通しナンバーの富籤三枚が割符に使われ、そのうち一枚は当り札。これをはずれてばかりの男が入手してしまうからややこしい。ワルの側は今井健二を中心に強面、仲間も容赦なく消す冷酷さ。かたや品川隆二演じる指物師周辺は道楽男を中心に落語タッチで進み、「芝浜」めいたエピソードも入る。
 ロケ地、魚政の衆や真砂の衆が富突きを見にやってくる谷中天王寺、神護寺(富突きは毘沙門堂、指物師の弥吉がお政らに声をかける帰り道は山門下石段)。売人の死体が上がる川端、嵐峡船着き汀。売人を刺し殺す虚無僧、平岡八幡宮石段。
*おゆき不在、指物師の女房替玉はお志乃がつとめる。*岡場所で売人を尾行するお京らにからんで見失わせる大工に福ちゃん(ただの酔客でワルとは無関係)。

■ 新三匹の侍 第2話「申の刻には獣が死ぬ」1970.7.13フジ/松竹

 賞金稼ぎが群がる先には、水車に括りつけられた男。傍には盲いた雲水と武家女。前藩主に多大な恩を受けた乳兄弟の雲水は、謀略によって先君を弑した現藩主を憎悪し、藩も許せず抱き込み心中を企てていた。流右近は、暴虐の殿に父母と村の衆を皆殺しにされた男児に見込まれ、一番の弱点を衝かれてしまう。
 ロケ地、現藩主が雲水に捕まった狩場でずっと進行。野原の背後の山腹にガレ場がのぞくが不明。
*狂乱の殿に菅貫、結局妻を殺す家老に五味竜太郎。

■ おしどり右京捕物車 第19話「眩」1974.4-9ABC/松竹

 ヤバい事件を抱えた秋山が毒を盛られ危機一髪、おぼろげな記憶のアシをとるもワルの口止めが厳しく、秋山自身も夢かと思う事態に、右京が立ち向かう。
 ロケ地、北町奉行所、御所長屋門。観念が聞き込みにゆく船頭の船、嵐山公園中州湛水域に係留・中州汀も使用。白金屋の白山寮へ馬を飛ばす秋山、木津堤。秋山と共に毒を盛られた酌婦の実家(茗荷谷)へ向かう右京に襲撃、流れ橋(橋上で襲われ、河原と川中を引きずられる)。右京に遅れて寮へ着く秋山、中山邸参道を馬で駆け門へ。
*川中での車を引き倒されての戦闘、武器もない右京は妻の帯をはぎ応戦。パァにした着物代は別料金。

■ 暴れん坊将軍 VIII 第6話「犯された義母の仕掛けた罠」1997-1998テレ朝/東映

 藩主の三男に妻を陵辱され面目を失って切腹した指南役、その娘の仇討ちに手を貸す上様。芸人に身をやつし仇を求める娘の健気さが主題だが、今回の見どころはトリプル紫頭巾。仇討ち娘は黒羽藩士たちの髷を夜な夜な切り落としに出るが、その格好が紫頭巾。正義の味方のコスチュームに倣ったと本家紫頭巾に解説するのが笑える。同じ衣装のよしみと出る鶴姫の紫ちゃんは、助けに入った新さんが紫頭巾の正体を認識していることを知る。そして藩主三男のど助平ぼんぼんのもとへは、仇討ち娘と上様のダブル紫頭巾が乗り込んでゆく。特大の紫頭巾は見逃せない。
 ロケ地、酔った黒羽藩士が髷切り横行のことを笑って話すと出る紫頭巾、大覚寺勅使門橋。仇討ち娘・おりんの芸「やれ突け小町」に仕掛けて失敗の黒羽藩士たちが江戸家老に雷を落とされる、相国寺鐘楼脇。明徳館、大光明寺門。彦根藩上屋敷、大覚寺大門。おりんが参る父の墓、二尊院紅葉の馬場〜墓地。行方不明だった義母が、藩主三男と密通していたことを知りシメ上げるおりん、中山邸通用門前。事後、明徳館で大きいほうの紫頭巾は誰?と千鶴に聞かれる新さん、鹿王院回廊。娘たちに囲まれ逃げるのは庭。

■ 大奥 第3話「陰謀の毒薬」1983-1984関テレ/東映

 家光将軍宣下、忠長駿府大納言に、和子は入内、若御台として孝子が輿入れ、最後にナレーションで大御台・お江与の死が語られる。重点が置かれるエピソードは忠長の惑乱と、孝子に盛られる子堕しの毒。後者については、大御所の遺言と世論に従ったお福の言い分を、男の論理と排斥するお江与の方が「女の城」の意義を説く。
 ロケ地、惑乱した忠長の銃声に堀端で駕籠を止める家光、二条城西虎口。忠長の住まいである北の丸御殿、相国寺林光院。京都御所、建礼門。愛姫を遠ざけられた後水尾帝が不興との早馬が出る京都所司代、大覚寺明智門。大御台の意向を受け参内するお福、仁和寺宸殿。孔雀に餌をやる大御台のもとに土井利勝が和子入内の日取り決定を報告、枳殻邸印月池畔。二条城から出る入内の和子、本物の本丸唐門。内裏女御御殿へ和子に挨拶に出向く孝子、大覚寺宸殿白州〜むらさめの廊。増上寺へ代参のお福がお歯黒の子は徳川の子でないと囃す民の声を漏れ聞く、金戒光明寺(三門、塔頭道、石段下)
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