時代劇拝見日記
2006年2月

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2006/1←→2006/3

2006/2/28

■ 闇を斬る!大江戸犯科帳 第5話「悲しい嘘」1993.3-12NTV/東映

 殺しを目撃するものの全く違う男を名指し証言する娘、裏には哀れな事情があった。今回ワルの断罪は二段階、米を隠匿の悪徳札差を表の奉行がお白州で裁き、裏にいて逃げおおせようとする巨悪を闇奉行が退治る。
 ロケ地、一色邸、相国寺林光院(北西角から塀越しに屋根)。お咲に殺人者と言われたちんぴらが首を吊った状態で見つかる橋、中ノ島橋(夜)。その男の死を告げ真実を迫る一色、大覚寺護摩堂(六助が縁先に腰掛け、裏に助六がいて立ち聞き)。彼らを見張る浪人は放生池堤で釣り。船頭に米の流通量を聞き込みそのまま川越へ船を出させる六助、桂川河川敷(壁あしらい)。ここで妹と二人身投げのところを大黒屋に助けられたと話すお咲、中ノ島橋
*札差に西田健、牢で暗殺される。巨悪の蔵奉行は川合伸旺、閣議で悪事を指摘されにこぉと破顔。*お奉行のイヤミ捨て台詞、たまには一杯と誘った一色に「渇しても闇奉行の酒は飲めん」…。

■ 徳川おんな絵巻 第5話「お転婆娘の御殿奉公」1970-1971関テレ/東映

 舞台は出羽・本荘、殿様御寵愛のお道の方を守るため乞われて城に上がったお初だが、働き空しく老女のいじめに耐えかねたお道の方は自刃してしまう。
 ロケ地、本荘城、伏見城。城を下がった庵崎がお初とぶつかる街角、相国寺方丈塀南西角。そのあとお初についてゆき剣突を食らうのは上賀茂神社ならの小川神事橋。東照宮改修のための出国を前に菩提寺へ詣でる殿様、琵琶湖西岸松原(お道の方が駕籠を止めお初に錦貝調達を依頼)。菩提寺・永泉寺、宝塔寺(ご先祖の墓は塔前に並ぶ墓碑、これ越しに伏見城を遠望するショットがある。今は木が茂っていてこのアングルは得られない。偽恋文でお道の方を陥れようとするのは本堂縁先、多宝塔がちらっと映り込む)。近衛彰子(将軍家御台所の姉)を迎える玄関、大覚寺式台玄関。象潟近くの御殿で催される歌会、五大堂観月台(大沢池を古象潟湖に、堤を九十九島に見立てる趣向)。お道の方に頼まれた文を持ち飛脚屋へ急ぐお初、相国寺大光明寺南路地(文箱を落し中を見て足袋はだしで取って返す)
*武芸の達人設定のお初に美空ひばり、お道の方に高田美和、近衛彰子に加藤治子、殿の意を受け不正を探る勘定方の庵崎に伊吹五郎、殿様は里見浩太朗、老女・沢野に北城真記子、これとつるむワルに南原宏治。*老女のいびりは古典的でセコく、近衛彰子接待の段ではお衣装違いなんか出てくるのはほとんど吉良さま。

■ 銭形平次 第114話「山刄の掟」1968.7.3フジ/東映

 旅籠で殺される男、凶器は山窩(サンカ)の使う山刄(うめがい)。これを皮切りに立て続けに起こる血腥い事件、親分は僅かな手がかりをもとに二昔前の因縁を解いてゆく。
 ロケ地、旅籠に泊まっていた薬売り二人が土左ヱ門で見つかる水辺、広沢池観音島。奉行所で古記録を見てきた平次が八に殺された男は盗賊の啄木鳥の源十と話す道、大覚寺参道。猿回しを見張っていてバレてからかわれる八、不明・御香宮か。旅籠の番頭が縊死体で見つかる谷中の林、不明(林の奥に小柴垣)。信濃へ帰る猿回しの小六を見送るおゆきと峯吉、北嵯峨農地北端付近か(道端に蔵と崩れ土塀)
*人間関係複雑過ぎの設定、しかしよく練られたシナリオですっきりと筋が通る。途中何度もいろんな場面で「陰から見ている」猿回しがいい味、平次にサンカの生き方を呻くように漏らすシーンや、恩を仇で返した賊に誇り高く山窩の長と名乗りを上げる場面もカッコいい。*山刄は漂泊の民・サンカの神聖な守護神刀で、両刃の短刀。
2006/2/27

■ 水戸黄門35 第19話「箱入り娘と最強の用心棒」2006.2.27TBS/東映

 監査を前に悪事の証拠隠滅をはかる船奉行、消されかけた豊田屋親子を救う老公は父子のわだかまりも解いて中津を去る。
 ロケ地、中津入りの一行がゆく道、琵琶湖東岸・守山今浜町なぎさ公園菜畑東岸湖畔(おそらくマイアミ浜、ひょっとしたら佐波江、いずれにしても山なみの手前に見える緑帯は日野川河畔林。ラストも同所)。おみつが駕籠を降りてゆく山道、鳥居本か(巨岩露出、侍とやりあうのは竹林)。豊田屋の息子の十三回忌法要の寺、粟生光明寺阿弥陀堂(鬼若が踏み抜くのは回廊)
*アキの命でおみつ護衛をつとめる鬼若、お店者の格好もする。怪力見せつけシーン多数、しかし竹は引き抜けないだろうの「あなたの杖を作りますぅ〜」はなんなんだ。

■ 銭形平次 第113話「親子雲」1968.6.26フジ/東映

 子の病のため盗っ人の一味となる長次、親分は目星をつけて張り込むが、そのため家族は職を失い窮地に。苦悩する平次がひとしきり描かれ、最後は容態篤い坊のことで情をもって長次を説き幻組のアジトを吐かせるに至る。
 ロケ地、長次が盗んだ反物を売った行商人が斬殺されて見つかる谷、東福寺三の橋川(遠景に通天橋が映り込む)。その検分の帰り、八に下っ引を集めるよう指示する平次、東福寺境内か。そのあと渡る橋、臥雲橋(車止めが映り込む)。長次の女房が往診を頼みに走りこむ医師・竹庵邸、東福寺塔頭か(石段上がって門)。平次が手配する麹町の蘭方医・道庵邸、不明。長次が協力者と接触するとの情報を入手し下山神社で張り込む平次たち、下鴨神社御手洗社、楼門。長次が船でやって来るのを見て柵越しに説得するシーンは不明。
*タイトルの「親子雲」は熱に浮かされた坊が父を思って呟く言葉。今回は見ていて辛い親分の心情、長次の女房役の女優さんの熱演もお静の凛とした態度も光る。しかし膝が腫れる病ってナニよ破傷風だったらヤバ過ぎ。

■ 徳川おんな絵巻 第4話「炎の肌」1970-1971関テレ/東映

 お咲の背に咲いた大輪の牡丹を愛でる殿様、しかし「約束したから」と一向に手も触れずの日々が続き、もう元の恋人なんかどうでもいいお咲を苦しめる。殿様は浮世離れした芸術家で天然だからいいとして、彫宇之まで牡丹が萎れる意味を誤解するからトンデモ展開にまっしぐら、清吉にお咲を帰すよう計らうが、こっちはこっちで進んでいた出世のための良縁が壊れたとお咲を責める始末→お咲暴発。
 ロケ地、明々庵へお咲を伴う不昧公、本物(外観)。牡丹を愛でられるだけの日々、庭の池辺に佇むお咲、阪口青龍苑。参勤交代の行列がゆく街道、不明(道端に一本松。淀堤か)。江戸、松平藩下屋敷、東本願寺内事門。大名諸侯を招き催す野点、阪口池畔のほか芝地の茶亭(不明)。国元へ帰った不昧公が清吉を呼びお咲を帰すと告げる神社、不明(石段上がった先に回廊付き楼門、奥に社殿)。公が嫁入り行列で城を出てゆくお咲を天守から見下ろす「門」まわり、不明(石垣なども見える。ここは冒頭前回のお話をリプレイの場面でも出る)。新床での清吉の暴言に外へ走り出るお咲、琵琶湖西岸松原。清吉に迫られ錯乱の果て刺してしまう四手網の漁師小屋、不明。二人の「心中」死体が見つかる浜、琵琶湖西岸松原(苫屋あしらい)と汀。
*不昧公アブなすぎ、お咲に触れたいにもかかわらず約束破ったらこの身は炎にとかぶつぶつ…それ妄想。彫宇之かなり鬼畜、お咲の遺骸を抱き嘆く公が触れた牡丹が「発色」するのにTPOも弁えず高笑い「俺の仕事は確かだった」…しかし己の目すりは反省し自嘲。

■ 闇を斬る!大江戸犯科帳 第4話「風花に泣く女」1993.3-12NTV/東映

 大奥や御三家と通じ賄賂を渡さぬ諸大名を改易に追い込む大目付、面当てに門前で切腹して果てた家老の娘は、父の遺志を継ぎ仇を討つべく立ち回る。これが日陰者として育った女で今は辰巳芸者、母と自分を捨てたと恨んでいた父の真情を知り仇討ちを志すところがドラマになる。
 ロケ地、悪徳大目付・月形に助け舟を出した一色を責めるお奉行、下城の道は梅宮大社神苑(お奉行を青いとからかう)。一色邸、門は相国寺林光院。芸者・小りんに切腹した家老のことを聞くお奉行、中ノ島橋。メジロに餌をやる月形に斬り込みをかける改易にされた陸奥の元藩士たち、大覚寺大沢池(峰蘭太郎が切込隊長)。小りんと協力して月形を探っていた堀田家老の使用人夫婦に身分を明かし危険を知らせるお奉行、梅宮大社境内。奉行を信じず逃げた夫婦が斬り殺される堀端、大覚寺有栖川(河床から見上げ)五社明神。江戸城イメージ、姫路城天守
*小りんに蜷川有紀、父家老に滝田裕介、悪徳大目付に浜田晃。*助け舟を出した直後一色邸に貢物わんさか届き、妻女と用人舞い上がりが笑える。
2006/2/26

■ 松平右近事件帳 第16話「残された赤ん坊」1982-1983日テレ/東映

 藪太郎先生が取り上げた赤ん坊は訳あり、高富藩のお家騒動が関わっていた。我が子の安全のため身を隠す母、身に引き合わせぐっと来た右近が動く。
 ロケ地、吉原帰りの客を降ろした梅吉が身重の女を拾う、広沢池東岸。高富藩士が殺されて見つかる大川端、広沢池東岸(先のシーンとはアングルを変えてある)
*悪家老から身を守るためうつけを装う若殿という設定、正気とうつけの落差が面白い。悪家老は名和宏、若殿の子を産む奥女中に朝加真由美。

■ 遠山の金さん 第10話「仏の正体をあばけ!!」1975.12.4NET/東映

 捨てられた恨みを抱いて生きてきた女は、男との間にできた娘が惨めに死んだことを知り暴発、芝居を打って男とその妻を苦しめようと図るが、協力者のワルは一人歩きし思いもせぬ殺人も引き起こしてしまう。
 ロケ地、山城屋とお仙の間にできたおせいが土左ヱ門で見つかる大川端、嵐山公園中州堀端右岸(橋たもと)。そのおせいと揉み合い川に落としてしまった山城屋の女房の回想では、脅迫者となる男が中ノ島橋の上にいる設定(この男が川の流れが速くて助かるまいと夜の「堰堤」の前で発言、昼の検分シーンでは濁流を見せる趣向)。山城屋夫婦が脅迫者に金を渡す林、下鴨神社池跡。「おせい」の墓に参るお仙に推理をぶつける金さん、化野念仏寺(卒塔婆は石仏群の外)。沈み水辺に佇むお仙にアタックをかける長命庵の親爺、下鴨神社泉川畔。脅迫者にありったけの金を渡す山城屋夫婦、広沢池観音島(設定は品川はずれの土手)。それを船で運び上げる汀、広沢池東岸
*山城屋に小林昭二、影で事を操っていた二番番頭に睦五郎。

■ 功名が辻 第8話「命懸けの功名」2006.2.26NHK

 織田勢大ピンチの朝倉攻め、秀吉が殿を買ってでる段まで。千代さん六平太使ってけっこう世の中動かしてる?東寺のCG興味深し。光秀をぺたぺた触る将軍キモ。
2006/2/25

■ 維新の篝火 松田定次監督作品 1961.10.14東映

 新選組副長・土方歳三の恋を描く異色作。時流や新選組内部の話は、土方の置かれている状況を表すために挿まれる。
 三度の出会いを経てわりない仲となる新選組の鬼副長と商家の後家、お互い子供ではない・会っている時だけの仲と前置きしての、「大人の恋」はその後も続く。時勢は大きく回転し新選組が京を離れる日、土方は女に遊びだったのか・やはり世間のいう鬼だったのかと泣き縋られるが振り捨ててゆく。伏見に戦端が開かれ敗走するなか、土方は従僕に女への金品を託すが、戦の混乱のなか従僕は路傍に頓死し、真情を込めた「約束」の簪は届けられることなく冷たい雨に打たれる。
 ロケ地、見知った長州の侍が緊張の面持ちで走り去るのを見るお房、不明(玉垣と石段、長州の侍が潜む縁下からのアングルが導入。八坂神社境内か)。直後土方を襲い返り討ちに遭い、止めの刀にお房が割って入るシーンはセット、もろに作り物だが丁寧な仕事がしてある(設定は祇園さん境内)。新選組屯所、京都御所管理事務所長屋門(後段、新選組が京を去るシーンでも出てくる。はじめのは池田屋直後だから壬生、後のは不動堂村の筈なんだけど気にしナイ)。日之岡番所、不明(小さな門の脇に蔵、左手に長い塀、門から見返る風景には萱葺民家があって遠景は谷地田。八木町諸畑の政徳寺に似るも、なんかちょっと違う…前に老人ホームとか建っちゃってるし)。二人の「初めて」の場所となり以降も逢瀬の場となる蹴上の茶屋はセットなれど、作りこまれたしつらえが目を惹く。設定は南禅寺境内に続くと劇中語られるが、池泉がいかにも東山付近にいまある別荘ふうでよい雰囲気。デートの最中呼ばれた土方が、近藤とともに二条城を下がってくる道、二条城堀端と思われるが、石垣低すぎで断定に至らず。このあと伏見の戦の野面等セットと思われるが、近年作られた幕末ものの「鳥羽伏見」と違いモブシーンも凝っていて良し。
*土方の性格設定は傍目は規律にうるさい鬼副長、しかし内面はナイーブという最近では珍しくないものだが、これを描き出すのに平隊士の処断や山南総長断罪を持ってくる。女の子といちゃついてて役目に遅滞し切腹となる平隊士に里見浩太朗、山南は岡田英次でなかなかに見せる。近藤勇の月形龍之介も「型」をよくつとめいい感じ。御大演じる土方のなりは切り下げ髪の総髪、お年召しすぎかもの千恵蔵土方をちょっと若く見せている。隊服は白基調の浅葱のダンダラ。里見の父に志村喬が配され、土方が恨み言を黙って聞くシーンがあり秀逸。ラストの土方は東帰の船上、江戸での再戦を期し暗いけどやる気満々、でもそっとお房の名を呟いてみる演出が心憎い。*お房に入ってくる情報は、店を手伝っている妹の亭主が町の噂を聞き込んでくる設定で、これがなかなかに利いている。後家さんの火遊びに終わる哀しい恋が、一方のテーマにもなる脚本は素晴らしい。*東映時代劇の旗手である松田監督が作った、勧善懲悪のラス立ちがない「明るく楽しい東映明朗活劇」とは毛色の違う貴重な一作、新選組ものとしても異色で沖田総司なんかどこに出てたかわからなかった。
2006/2/24

■ 闇を斬る!大江戸犯科帳 第3話「闇奉行VS闇奉行」1993.3-12NTV/東映

 早や三話目にして出る偽者、殺るのは悪徳商人ばかりでない偽の闇奉行は、巨悪に怒り行動するものの、その実大ワルにたばかられ操られていた。
 ロケ地、遠州屋殺しの噂を聞き込み釣りの一色に報告する六助、大沢池か。一色とお奉行が会議で話題に出た闇奉行の件について話す下城の道、梅宮大社神苑汀。春木屋殺しに騒ぐ民衆を見て去った紫房の十手を持つ侍を尾行する一色たち、建仁寺霊洞院脇坂(門前で呼び止め名乗りあう)。勘定組頭・荒木に春木屋は本当に悪党だったのか問う八州の井坂、不明(祠脇?周囲は建て込む)
*正義感強く暗殺に利用されてしまう八州に萩原流行、ワルの首魁・勘定奉行に中田浩二、手下に中田博久。*ラス立ちには偽闇奉行の八州も参加、しかし戦い終わったあと自責の念に駆られ自刃。一色さまってばコレを担いで帰るんだけど、出役の北町一行にバッタリ。お奉行の指示で通して貰えるが、役人たちに顔思いっきり見られてもヘーキなのが笑える。*一色の妻女が出没する桃太郎にやきもきしたり、じいやが小笠原と一色は最近疎遠と心配したり、細かいエピソードも挿入される。

■ 銭形平次 第112話「腹切り侍」1968.6.19フジ/東映

 奉行所から三年前の調書が盗まれる事件、責をとって切腹と騒ぐ物書同心を宥めた平次は、捜査のすえ当りをつけ旅に出る。一味の間でのいざこざや、関わって落命した同心の女なども出て、親分のはったり芝居も飛び出す。
 ロケ地、南町奉行所へ入る平次、大覚寺明智門。記録係の同心の死体が上がる大川、不明(汀と並木のみ映る。広沢池か)。用心棒を従え東海道をゆく越前屋を追う平次と八、北嵯峨農地竹林脇。品川宿を逃げ出した越前屋が浪人に脅される街道、および平次らが駆けつけ立ち回りの道、北嵯峨農地竹林脇、陵付近の小径。御用部屋で揃った書類にご満悦の村垣同心を見た平次が出てきておうたに次第を告げる、大覚寺参道参道石橋
*「腹切り侍」は物書同心の村垣、演じるは芦屋雁之助。何度ももうダメ腹切ると衣を寛げ、形見に盆栽をやると騒ぐのに、またかと眉根を寄せる親分の困り顔が笑える。

■ 徳川おんな絵巻 第3話「いれずみ美女」1970-1971関テレ/東映

 舞台は出雲、殿様は松平不昧公。風流人の公はちょっとアブない趣味もお持ち、側室たちの背に刺青を施し薄物を着せて眺め茶を啜る。新築の茶室に牡丹を欲した殿様は、江戸からわざわざ彫師を呼び牡丹の似合う肌を探させる。
 ロケ地、宍道湖と町なみ、濠を映したあと松江城(現存天守)。洗い髪の女たちを観察する彫宇之、今宮神社境内、石橋〜東門。墓参の武家娘を剥いてみる彫宇之、金戒光明寺本堂脇〜墓地(怒った父親が抜刀するのを役人が出て「アレは上意」と制止)。殿様が窯場へ馬をやる松林、琵琶湖西岸松原。巫女のお咲をデートに誘う宮大工の清吉、出雲大社イメージ画のあと映る回廊は不明(屋根は檜皮、規模は平安神宮クラス)。滝で水浴びのお咲を見て「牡丹」に選定する彫宇之、菩提滝(滝壺と周辺の岩場や坂)。お城へ上がると清吉に告げに来るお咲、四手網の漁師小屋、琵琶湖か。城へ上がるも褥も刺青も拒否するお咲をその気にさせるため清吉に別れを告げさせる嫁ヶ島、本物のイメージ画のあとの島の松原は琵琶湖西岸松原(遠景に高島の岬が見えるのでおそらく舞子浜)
*川崎敬三演じる不昧公は変態ではあるものの紳士、嫌がるお咲に約束したとおり手も触れず几帳越しのお付き合いを守り、刺青拒否にも「もう諦めよう」。どうしても彫りたい長門裕之演じる彫宇之が、殿に内緒で清吉に金を渡しお咲に別離を言い渡させる。お咲は倍賞美津子。
2006/2/23

■ 闇を斬る!大江戸犯科帳 第2話「君よ怒りの剣を取れ!」1993.3-12NTV/東映

 悪虐の主を討つ決心をした男は、腰抜けの汚名にも甘んじ隠忍自重の日を過ごす。同士と徒党を組んでの企みが露見し返り討ちに遭い、満身創痍で藩主の狩場に現れた男が膾にされるとき、闇奉行は白昼馬を駆って現れる。
 ロケ地、助六が辻斬りを見ていた人夫に話を聞く普請場、不明(地道の坂、遠景に懸魚も大きい立派なお堂)。六助が聞き込みに行く大月藩領の道(勢いよく落馬、前は畑地)、北嵯峨か。去り状を突きつけられたしのぶが自刃するのを止める一色、大覚寺天神島汀。伊奈隼人正が狩の野、酵素(狩場は河川敷に幔幕張り巡らせ、騎馬で駆けつける一色はダート、妻女を伴い駆け寄る六助は降り口から)。登城イメージ、姫路城天守
*徳川直系を慮った奉行は隠居を勧めに行くが扇で散々に打ち据えられ、一色に藩主の居場所を告げに現れる。*血塗れぐちゃぐちゃの描写多し、藩主に無体をはたらかれたしのぶの、白無垢からのぞく傷だらけの顔が凄絶。

■ 銭形平次 第111話「蛇と人形」1968.6.12フジ/東映

 命を狙われた上総屋の娘を保護する平次、調べを進めるうち大昔の金塊強奪事件の真相が浮き彫りになる。タイトルの蛇は妻女が上総屋を嫌って呼んでいたもので、人形はその蛇を記した呪いの藁人形ともうひとつ、娘に託した書付入りの京人形のいちまさん。
 ロケ地、上総屋の娘が襲われ手代が殺される林、下鴨神社池跡(外塀が明瞭に見え外の建物も多数映り込み、資料的価値高し)。御用を終えて帰りの平次らが騒ぎを聞きつけるのは河合社塀際。岡っ引だった上総屋を使っていた当時の同心・駒田(隠居)を訪ねる平次、大覚寺参道、大門。姿を消した元盗賊・伝造を追って旅に出る平次、これより川崎宿の道標がある街道、北嵯峨農地竹林沿い。甲州・黒崎村の寺で和尚に伝造のことを聞き込む墓地、不明。寺の裏山の伝造の家跡や金を埋めてあった林間、不明。事後、墓参りの娘、不明(墓地の奥に花頭窓のある小堂やストゥーパ様の堂が並ぶ)
*元岡っ引で賊と組んでいた上総屋に沢村宗之助、怪優・伊藤雄之助の兄。上総屋と取引し遠島で済ませて貰った賊の一味・伝造に牧冬吉、白影さんと違ってずいぶん年寄設定。

■ 徳川おんな絵巻 第2話「女の生地獄」1970-1971関テレ/東映

 寵愛まぶしいお春の方に嫉妬するお国御前、様々な嫌がらせの果て身重のお春を流産せしめる。宗春には公儀の沙汰が下り死を賜るところ、お春が上使の前で自刃したことでお家は安堵され、宗春の隠居で決着。
 ロケ地、公儀隠密と通じるお国用人・田宮邸、不明(長屋門)。桜町天皇の祝いに上洛する宗春のためお春の方が催す宴に向かう宗春、西本願寺興正寺間・北小路通(傾いた衣装をまとい長煙管を吹かし牛に乗って行列、お春は宝恵駕籠道中。京町筋の下屋敷に向う設定)。京にある宗春を思うお春の方をからかうおふく、石橋不明。お春の届け物の饅頭に盛られた毒に苦しむ腰元たち、粟生光明寺本堂縁先。お春を成敗と薙刀を振るい階段から落とすお国御前、方丈回廊階段(いま脇にEVのあるところ)
*用人・田宮と公儀隠密を血祭りに上げる宗春、返り血のついた顔のままお春に会いにいったりする。
2006/2/22

■ 銭形平次 第110話「紅い扱帯」1968.6.5フジ/東映

 家族間のトラブルに見えた丸屋殺し、真実を探るうち哀しい女の秘めた恋も露わとなる。三十の誕生日と張り切る八が、はじめ一人で現場を仕切る設定が楽しい。タイトルの「しごき」は、対岸の嫁の実家に向けた逢引のサイン。
 ロケ地、丸屋と嫁の実家の間の川、不明(掘割状、岸辺に見える家は虫籠窓のある重厚な作り、堤に並木。ここを若旦那が監禁される蔵の窓から眺める趣向も)。小僧の注進を受け丸屋へ走る八、松本酒造前東高瀬川堤。嫁の実家、不明(ヨシズ作りを演出の前庭は道から一段低い模様で、石段を上がるさまが見られる。八の背後に並木が見えるからはじめに出た川と同所の可能性あり)。仕官先へ向う石巻浪人がゆく道、相国寺路地各所。上田藩上屋敷は林光院
*若旦那に住吉正博、浪人に待田京介、若旦那を密かに慕う下女に八木昌子。*八の「今日はあっしの命日」に親分も軽口「四十けぇ」が大笑い。

■ 闇を斬る!大江戸犯科帳 第1話「闇奉行誕生!」1993.3-12NTV/東映

 親友が爆殺された事件に立ち上がる「閑職」の大目付・一色由良之助、老中に願い出て内諾を貰うのが「闇奉行」成立の経緯。「闇」というのは「表」の北町奉行と対比させての洒落で、お奉行の小笠原と一色は幼馴染み。堅物の小笠原ははじめ一色の行動をとんでもないと苦りきるが、手の届かぬワルを目の当たりにし闇裁きを教唆するに至る。
 勘定奉行・綾部は、町で出会った遠州屋の後家と「二十歳の青年のような」恋に落ちるが、彼女の店は大店潰しの政策に乗じたワルに目をつけられていた。綾部の死後、いよいよ遠州屋に魔手が伸びるとき、親友の恋人を救いに現れた一色は与力の悪企みを阻止し、その後「成敗衣装」に着替えてワル一堂に会す幕閣の屋敷に推参の運びとなる。
 ロケ地、一色邸、相国寺林光院か(塀際に植え込み、塀内に唐破風)。綾部の墓、不明(高所と思われる地形、大きな五輪塔が林立)。遠州屋の荷に禁制品を仕込もうとした男が見破られ舌を噛む騒ぎ、これを監視していた忍者を尾行する六助、大覚寺五社明神(イカに追われ隠れるのは本殿裏手、小笠原の密偵・助六が本殿内陣にいて言い合いに)。一色が芸者・桃太郎に話を聞く屋形船、不明(嵐峡か罧原堤か、燃やしてるからある程度広い所と思われる)
*綾部に風間杜夫、彼を暗殺する黒幕の若年寄に青木義朗。「銀ちゃん」の恋のお相手は増田恵子。若年寄が追い使う凄腕の忍び?に福ちゃん、火矢を放ったり大活躍、ラス立ちでは闇奉行と化した一色に戸板ごとずんばらりと両断される。役名なしのベタなれどクレジットあり。*闇一色の密偵・六助成立の経緯も見もの、賭場でイカサマ騒ぎを起こして簀巻きのところを救われ心酔→ポチにして下さい。*闇ちゃんの決め台詞は「闇奉行参上」ではじまり、何だオマエはの誰何に「やかましいやい」と応え根拠を問われると「闇奉行の俺に証拠なんざ要らねぇんだ/叩っ斬る/性根を据えてかかって来い」→チャンバラ(基本的に皆殺し・峰打ちなし)。成敗衣装は黒ずくめでイカ頭巾、背中と胸元に「闇」の染め抜きで帯と刀の拵えは白。

■ 徳川おんな絵巻 第1話「尾張公の遊女妻」1970-1971関テレ/東映

 時は八代吉宗の御世、尾張宗春の「恋」を描く。倹約政策に真っ向から逆らう宗春の吉原通い、豪奢な宴を繰り広げる彼は或る日、向こうっ気の強い門付け芸人の女と知り合い惚れこみ召すに至る。以降、宗春の行動を快く思わない公儀と、寵愛を一身に受ける太夫の存在を憎む公の奥向きと、双方から恋人たちに手が回る。
 ロケ地、公儀隠密から宗春を逃がしたお春が「駕籠」を止め小休止の茶店、不明(橋の奥に石段、お春らが去る道には並木)。江戸城イメージ、姫路城角櫓。吉宗に宗春の所業を報告する密偵、彦根城玄宮園龍臥橋。尾張上屋敷、西本願寺大玄関門。宗春の正室が尾張のお国御前に放った急使が早馬を駆る街道、北嵯峨農地・陵前。名古屋城、本物の天守。
*宗春に大出俊、お春「春日野太夫」に藤純子。*吉宗が放つ密偵が「藪田助八」だったり、腹心がちゃんと「加納」だったりするのも面白い。
2006/2/21

■ 半七捕物帳 第19話「半七危機に立つ!」1992-1993NTV/東映

 殺しの濡れ衣で獄門を言い渡された男を救うため奔走する半七たち、偽証した女を当ると出てくる裏事情。殺された男は裏稼業の元締で、奉行所内部に黒幕がいた。
 ロケ地、証言のことで日立屋の女将に聞き込んだ帰り、その家の娘が遊んでいた紙風船(冤罪指摘の投げ文と同じ紙)を拾う半七、今宮神社東門内。千加が女将に真実を迫るのは石橋たもと。その言葉を噛み締めつつ歩く女将が、お初のお百度を見てしまうのは若宮社脇〜高倉脇坂。女将の娘時代の回想、行商の合間休むのは楼門
*女将に竹井みどり、彼女を後妻に迎えた日立屋に小沢象。象さん今回は完全な善人。ワル与力は宮口二郎、取って代わった元締に田口計。警動でお沢を手荒く捕縛する役人に福ちゃん。

■ 銭形平次 第109話「かげろうの女」1968.5.29フジ/東映

 奸計に陥ち店を追われた先妻、時を経て家に残した彼女の娘に同じ魔手が忍び寄るが、全てを見通した親分が企みを防ぐ。
 ロケ地、捕り方も多数出て張り込みの橋、中ノ島橋(越後屋の女中が人殺しがあったと駆けて来る。あとで平次の台詞に「両国橋も竹屋の渡しも固めていた」とある)。越後屋向島寮の裏手、船がもやってある岸、不明(ほぼ静水域、護岸は石積み。寮の裏手設定なので塀をしつらえてある)。投げ文の行商女を求め小梅村を聞き込む平次たち、大覚寺大沢池畔。行商中のおつやがならず者たちに囲まれるお堂、大日堂(今とステップが少し違う。東隣に建つ聖天堂も映り込む)。逃げるも追い詰められるおつや、天神島。寮にお美代を訪ねてきた新助が平次を見て逃げたあと上陸の岸、中ノ島橋下手右岸河川敷(栗石の高水敷)
*親分が家で着ている半纏の柄に「斧琴菊」。

■ 髪結い伊三次 第9話「約束」1999/4-9CX/松竹

 伊三次が人殺しの濡れ衣を着せられ投獄、不破チームの働きで疑いは晴れるが、牢から出た彼が真っ先に向うのはご隠居の心残りだった「約束の地」、そこで文吉と先途を誓いお話は締めくくられる。
 ロケ地、糸惣の隠居が辰巳芸者と駆け落ち(未遂)の待ち合わせ場所にした本所五ッ目・竪川渡しの菜の花畑、琵琶湖畔(対岸に高い山が見えるのでおそらく東岸、地形や規模と湖岸の植生から守山の今浜あたりと思われる)。糸惣から帰る伊三次や、牢から出た伊三次を迎える堀端は八幡掘
*伊三次にしみじみと昔を語るご隠居に織本順吉、伊三次を捕えて責め問いする南町の旦那に秋野太作。伊三次と文吉を竪川に送る船頭に中村勘九郎(現・勘三郎)。
2006/2/20

■ 銭形平次 第108話「腐れ縁」1968.5.22フジ/東映

 万七を利用し御金蔵破りをしてのける大ワル、親分は単身無法地帯の「川向こう」に潜入、怪しまれつつ立ち回り一味をお縄の大活躍。
 ロケ地、お静がさらわれる祠、不明(左右に石の玉垣)
*お手柄続きの万七大得意、かたやホシをとり逃す平次。落ち込み、商売替えなど思いつくしおれた姿がなかなかに可愛い。トホホ万七はもっと可愛い…折詰持ってきたときの硬直が最高。一味の首領は金田龍之介、愛想のいい顔してるうちも迫力でコワい。冒頭、平次らが取り逃がし万七が捕える島抜け男に福ちゃん、役名「与一」がしっかりクレジットされている。*笹野さま根上淳にスイッチ。

■ 半七捕物帳 第18話「十手無情恋しぐれ」1992-1993NTV/東映

 芸者に入れあげているうち十手を盗られる長次親分、それが札差への凶行に使われ大ピンチ。裏には御家人連中の借金事情があり、手を貸した芸者は恋人を刑死に近いかたちで失っており長次を恨んでいた。
 ロケ地、富突きを見に行き財布を掏られるお千加、今宮神社舞殿前。その掏摸に財布を返させる半七、仁和寺水場脇。事後、お初と漫才の長次、観音堂脇。
*芸者は蜷川有紀、人殺しの片棒担いでるから有罪なので長次を庇って斬られる設定。御家人連の一人に福ちゃん、里見浩太朗の十手にしたたかに打ち据えられる。コロコロひっくり返って珍しい立ち回り。

■ 髪結い伊三次 第8話「二代目」1999/4-9CX/松竹

 文吉を狙っていた伊勢屋の旦那がとうとう出てくる。当然伊三次と喧嘩になるが、そのパートは縁取りで、伊勢屋の過去の悪行が明るみに出る話が主体。伊勢屋は石橋蓮司、彼にハメられた島帰りの復讐者に本田博太郎、顔を寄せて対決のシーンは迫力。
 ロケ地、伊勢屋の寮「勢庵」、中山邸通用門。増次が身代金を持ってくるよう指定の深川八幡門前、上賀茂神社奈良社鳥居下。張り込む不破はならの小川を挟んで対岸に茶店。
*不破のダンナはメンドくさいことが大きらい、調書をひもとけと頼む伊三次に「そんな古いモンめっかるモンけぇ」→書類を家にお持ち帰りするがすぐに大いびき→仕方なく家人が引き継ぎ・徹夜。それなのに一人だけ飯食ってて弥八が来ても応対にも出ないんだよね。

■ 八丁堀の七人7 第6話 2006.2.20テレ朝/東映

 黒沢左門を操る黒幕が顔を見せる。それが仕出かす所業の被害者を見た左門は徐々に心揺れ、遂に我が身を擲ち逆らう決心をする。
目付のもとに赴く左門の前に浪人、斬り結ぶ段で中ほど→次回へ。
 ロケ地、磯貝らが弥生の一大事とハチを連れ走る堀端、八幡掘新町浜対岸の堀端。弥生にプロポーズする左門を見るハチ、明治橋(弥生は橋下の堀端)。おとせが放火と証言した若者らが殺される神社、日牟禮八幡宮本殿南側の路地・玉垣前。おとせが「恋人」の浪人に刺される神社、吉田神社竹中稲荷奥の摂社。おとせの墓、吉田山か(林間)
*目付・丹羽兵部に小沢象、「江戸を火の海」とか物騒な企み。

■ 水戸黄門35 第18話「脱藩者は老公に瓜二つ」2006.2.20TBS/東映

 舞台は豊後・佐伯。干し鰯の利権をめぐるヤクザの抗争は悪家老の企みで、不埒と責め専売制に。以後、この家老が成り上がるためになした過去の悪行の因縁話に。
 ロケ地、寅造一家と熊五郎一家が抗争の河原、酵素河川敷。佐伯城、イメージに二条城(役者が入っての情景は東映城)
*悪家老のせいで汚名を着、神君の脇差を探す流浪の日々を送った元指南役は里見浩太朗の二役。なりは総髪の浪人態、三匹の御隠居の関谷勘兵衛に似る。回想シーンなどに出る月代剃ったほう、思いっきり年寄に見えるのはなんでだろう…。*悪家老は亀石征一郎、「娟奴」に風呂に誘われるが湯船に鬼若というグロいシーンが大笑い。*具足改めのくだりに峰蘭太郎と福ちゃん、立ち回りでは峰さんは殿様を守り福ちゃんはチャンバラ。
2006/2/19

■ 松平右近事件帳 第15話「酔いどれ女と藪太郎」1982-1983日テレ/東映

 酔っ払い女の寝言から事件の匂い、彼女の亭主は脅され凶賊の犯行を手伝わされていた。二人を救おうとした手は僅かに届かず気弱な錠前師は賊の手にかかり、怒った右近の乗り込みで幕。
 ロケ地、おしんの回想、夫婦で大道芸をしていた明神様のお祭り、今宮神社境内。夫婦のことを話す釣りの右近と梅吉、広沢池東岸。おしんに助力を申し出るも警戒され拒否される梅吉、今宮神社高倉脇坂下〜楼門脇〜東門前(逃げるのに梅吉を人殺しと指差し逃げる)。雁六の墓、北嵯峨か。
*雁六に芦屋小雁、おしんに被害者顔の似合う赤座美代子、賊の首領は深江章喜。

■ 遠山の金さん 第9話「逃がし屋を追え!!」1975.11.27NET/東映

 獄門になったはずの男が現れ、お白州で桜を見せられ奉行と知っている金さんを狙う。裏には逃亡を助ける組織、一味を使嗾していたのは市中に騒擾をもたらし幕府弱体化を目論む西国雄藩のお殿様。秘密を知る北町奉行に魔の手が伸びる。
 ロケ地、金さんを狙う獄門になったはずの男、広沢池東岸。お竜が逃がし屋の情報を金さんに告げるのも、長屋に越してきた医師・絃斎が釣りをするのも同所。逃がし屋のもとに乗り込んで捕縛したあと、薩摩藩邸へ乗り込むお奉行の駕籠がゆく道、相国寺大通院塀際。薩摩候と会談を終え、討ち込みかけている与力・同心たちの前に現れるお奉行、林光院式台玄関
*金さんを殺しに長屋へ潜入した医師が人柄に惚れてしまい、始末できず己が毒を呷り身一つに収めようとしたり、北町与力同心たちが薩摩屋敷で斬り死にする覚悟でお奉行に付き従ったりと、いつもと違うノリのお話が展開される。お白州が冒頭、橋場の新助に罪状申し渡しの段で出て、桜吹雪は薩摩藩邸において殿様の前で開陳、「一件落着」はじりじりと待っていた部下たちの前・藩邸玄関で高らかに。医師は西村晃、実はヤブではなく侍で蘭方医という設定。

■ 功名が辻 第7話「妻の覚悟」2006.2.19NHK

 銃後の暮らしに異変、身重の新右衛門の妻女の死。妻子を顧みなかったと反発する、残された息子。この展開の合間に上洛→義昭将軍就任→秀吉京都奉行任官が描かれるが、メリハリ利いてないのでなんかワヤ。
2006/2/18

■ 出雲の阿国 第6話「神の踊り子」2006.2.17NHK

 小屋を失った阿国は一時北野で踊るが、三九郎が去り妹を失い故郷へ。その途次胸を病んでいた傳介が逝き阿国も同じ病を発し、出雲へ帰り着くものの斃れる。
 ロケ地、江戸への道をゆく三九郎とお菊、大覚寺大沢池堤(小雪舞う)。座の仲間と別れ北野の宮へ大八を引いて行く阿国ら三人、天神島。お菊のもとを去り北野へ向う三九郎がまどろむ木の根方、天神島大楠。出雲へ帰る阿国一行がゆく街道、嵐山自転車道。傳介が寝込んだため一時居着く美作の里、阿国に踊りを乞う漁師らが魚を焼いている水辺、広沢池北岸。求めに応じ舞う阿国、池底(南東岸、背景に遍照寺山)。斐伊川畔、出雲へ帰って来た阿国に駆け寄る姉・お加賀(尼姿)、不明(闘竜灘に似る)。病の床を抜け出しおばばの墓へゆく阿国、酵素河川敷
2006/2/17

■ 銭形平次 第107話「逃亡の果て」1968.5.15フジ/東映

 女房殺しで追われる男には過去、投降した彼に話を聞いた親分は、裏にあったもつれに縺れた事情を見事に解き明かし真犯人に迫る。
 ロケ地、サブタイトル背景に大覚寺天神島。女房の首を絞め逃げた与五郎が釣りの子供・ゲンと知り合う水辺、護摩堂前。松山藩上屋敷、大門か。与五郎の回想、松山藩士時代、釣った魚を町人に売る水辺、大沢池畔(水面に堤の並木や護摩堂が映り込む)。与五郎を逃がしたゲンが武士の乗る馬にはねられかける道、大沢池堤
*脱藩後江戸へ出るも人別改めから逃げ続けるため定職に就けぬ与五郎、松山から出るため与五郎を利用したけっこうな悪女の女房、忙しい母に構って貰えぬこまっしゃくれたゲン、人物描写がなかなかに細かい。*強請りを猫ババで済まそうとしたチンピラが平次に見抜かれて一言「万七親分の係りになった時助かったと思ったのに」…鼻白む三輪が笑える。

■ 半七捕物帳 第17話「恋仇!五十両の賞金首」1992-1993NTV/東映

 熊蔵の純愛、借金で身売り寸前の娘に肩入れし不器用なアプローチをかけるが、彼女には江戸払いの身を顧みず助けにやってくる男が。彼は、印旛沼干拓工事の汚職をネタにワルを強請ろうとしていた。
 ロケ地、不正のため進まぬ印旛沼の工事現場、広沢池池底(モノクロ映像)。栄次郎が隠れている小屋を襲う印旛の伝造たち、広沢池東岸(水少なし)
*恋に燃える熊蔵に水差しまくりの長次、ボロクソに言われさすがに怒る熊さん。照れ照れの長次のフォローもおかしい。

■ 髪結い伊三次 第7話「初恋」1999/4-9CX/松竹

 不本意な境涯に倦んだ大名が引き起こす誘拐事件、帰されたあとには周囲の好奇の目が娘たちに襲いかかる。軸はおみつを案じる弥八の話、理非を鳴らしに大名屋敷へ乗り込んで啖呵切ってくる不破の旦那がかっこイイ。
 ロケ地、当りをつけた植草藩邸へ向う不破と留蔵、随心院参道薬医門。おみつを案じ駆けつける弥八のくだりでは、薬医門のほか裏塀が使われ、木に登って中を窺うシーンには本堂前庭が映される。不破の藩邸乗り込みのくだりでは薬医門のあと、内部には粟生光明寺方丈が使われている。不破宅へ赴く伊三次は八幡掘堀端。おみつが預けられる小梅村は酵素民家セット

■ 鬼平犯科帳スペシャル「兇賊」2006.2.17CX

 芋酒を呑みにやってきたお侍に惚れ込んでしまう元盗っ人の九平は、その正体が鬼の平蔵と知り姿を隠す。しかし昔の誼で五郎蔵を頼り匿われた先は五鉄、しかも彼は故郷を訪ねた折に凶賊・網切の甚五郎が平蔵に宿意ありとの密談を聞いてしまっていた。
 ロケ地、故郷・加賀の田近谷を訪ねる九平、美山か(萱葺民家)。倶利伽羅峠で雷雨に遭い地蔵堂に雨宿りする九平、沢ノ池東岸汀(ラスト、甚五郎を待ち構え成敗する鬼平も同所)。加賀やを出た九平が行き暮れて佇む堀端、八幡掘明治橋下堀端(五郎蔵が橋上を通りかかり見つける)。匿われた五鉄で地蔵堂で見た一味の男を認め尾行する九平、妙心寺聖澤院前路地上賀茂神社ならの小川畔〜酵素の「木」の後ろへ入り川を渡って竹林→民家セットへ(このコースは後段伊佐次が尾行してならの小川でまかれるが、おまさに語った道筋は「久保町から梅窓院の脇道を南へ・青山様の下屋敷から小川に沿って赤い社の並んでるとこ」)。甚五郎の盗っ人宿を見張る九平、出てきた男を尾行するルート、日牟禮八幡宮八幡掘(上下二段の個所)大覚寺天神島宝厳院通用門(向島料亭・大村)。大村の小女が内緒で猫に餌をやっているのに声をかける九平、大覚寺天神島祠脇。盗っ人宿を覗いていて見つかった九平が簀巻きにされ放り込まれる裏の溜池、天神島鳥居前・大沢池。屋敷へ帰ってきて平蔵からOKを貰ったと「最上監物の家来・山本」に告げる天野彦八郎、建仁寺久昌院前庭、縁先。「最上監物」が寄越した迎えの駕籠に乗り平蔵がゆく道、八幡掘堀端〜大覚寺天神島宝厳院通用門(料亭・大村)
*九平が頼る昔馴染みを「大黒の吉右衛門」から五郎蔵さんに変えてあり、従って寄宿先は「青山久保町のいせや」ではなく五鉄。*「只者」でない九平の足運びが映像化されているが、鬼平でコレはやってほしくなかったかもの「特撮」…稔侍なんだしねぇ。*グルメ描写は芋酒屋の原作どおりのアレのほか、あんまりおかしらが芋酒屋をほめるもんだからむらむらと対抗心を燃やした猫どのの芋尽し。*本田博太郎もったいなさすぎ・しかし存在感は大きい。若村麻由美の夜鷹はさすがの巧さ。
2006/2/16

■ 銭形平次 第106話「黒い傷あと」1968.5.8フジ/東映

 子ゆえの闇に迷う老目明し。しかし女に誑かされたと思った息子は、逆に女を闇に叩き落すチンピラだった。愛憎交錯する三人の心を、親分が解いてゆく。
 ロケ地、おみのに茂十が上方へ帰ったことを告げ託されていた銭袋を渡す平次、大覚寺天神島
*お役目を擲ち上方から息子を探しに出てくる老目明しに嵐寛寿郎、タイトルの傷痕は「夜鳴き蕎麦屋」の彼の腕にあり怪しさが募る仕掛け。後年、ヨロキンの破れ新九郎や新必殺仕置人に出ていた折のヨボヨボぶりとは一線を画ししゃっきりのアラカン、鋭い目線や上方弁のボヤキも趣き深し。息子の情婦・おみのに三浦布美子。

■ 半七捕物帳 第16話「悲しみ色の女」1992-1993NTV/東映

 女郎に純愛の鳶の青年を軸に、横行する賊の動きを描く。女郎についている悪いヒモの時計師が、富商の情報を賊に売っているという図。
 ロケ地、長次に相談を持ちかけるお初、仁和寺中門。悩み解消で明るく振舞うお初を見る長次、金堂前参道
*元ヒモとつかみ合いの鳶のくだり、職人仲間の一人に福ちゃん。止めているのか加勢しているのかよく判らないが、やって来た長次に棒で退けられのけぞり。*賊の首領は五味龍太郎で半七の目の前で人を殺して見せたりするが、ちょっと意味不明。

■ 髪結い伊三次 第6話「敵討ち」1999/4-9CX/松竹

 不倶戴天の敵・日向伝左衛門が江戸にいることを知るいなみ、すぐさま仇討ちを決心。様子がおかしいのを察した伊三次らは連携して阻止しようとするが、いなみは日向の駕籠を襲ってしまう。
 ロケ地、回り中の伊三次が作蔵に呼び止められる門前町、石清水八幡宮(内陣塀際、楼門前参道)。弟・崎十郎に日向のことを告げるいなみ、大覚寺護摩堂脇・石仏前。崎十郎が仕える藤井市郎兵衛邸、大門。茶会(野点)随心院本堂前庭。日向が仕える皆川藩上屋敷、大覚寺明智門。伊三次に呼び出された幸助がくぐる鳥居、嵯峨鳥居本・愛宕参道鳥居。入ってゆく集合場所の茶店?は平野屋。伊三次に「固く」髪を結い上げさせたいなみがゆく道、妙心寺大庫裏脇路地。伊三次になぜ尾けると向き直るのは蟠桃院通用門前。吉原でまかれた伊三次がいなみを探して駆ける日本堤、木津堤。日向の駕籠を襲ういなみ、木津河原。縁日で文吉にやる品を見ている伊三次に声を掛け「今回の礼」を言う不破、石清水八幡宮参道
*いなみを気遣う「不破以外」のメンバーの働きが見もので、けっこうコミカル。でも結局決行されてしまい、させないと立ちはだかる伊三次のマジは泣かせる。それにしてもいなみさん強すぎ。*アタシ以外の女の髪を結ったとブチ切れ文吉が大笑い、「和解」のシーンで邪魔な猫を足で開けた障子から外へ出すのが色っぽいのかお間抜けなのか微妙なのも妙味。
2006/2/15

■ 半七捕物帳 第15話「べらんめえお嬢様!」1992-1993NTV/東映

 旧友・嶋屋の娘がグレた件について相談を受ける半七、底には出生の秘密があり、娘に要らざる事を吹き込んだ番頭は嶋屋に復讐の念を抱いていた。
 ロケ地、大川に娘の死体と聞き駆けつける嶋屋の女将(別人と確認)大覚寺大沢池畔。女将と船頭の寅吉(嶋屋、半七と幼馴染)の回想、お染が寅七の子と告白する祭礼のお宮さん、上御霊神社(楼門、境内、本殿裏手)。身代金を渡す如月の森、嵐峡左岸(暗くて判別し難いが祠の上の石段はおそらく亀山公園アプローチ)

■ 銭形平次 第105話「風車の唄」1968.5.1フジ/東映

 薄幸の女が初めて持った暖かいつながり、失うわけにはゆかぬ大事な亭主は悪事に手を染めていた。平次の説得を受けた女は、謗りを受けながらも耐え亭主を更生させるべく訴人するのだった。
 ロケ地、モデルを終えて絵師宅から帰るお時、御香宮本殿脇〜参道。お時への聞き込みから帰る平次らが通る道、御香宮本殿裏。いよいよ亭主の三之助への疑いが濃くなり今一度お時に聴取する平次、上賀茂神社(お時が風車を購める屋台はならの小川畔、話を聞くのは渉渓園のスダジイ脇)。お時を尾行する八、八をまいたお時が亭主と会う賭場のある屋敷裏、不明(築地塀と海鼠壁の蔵、遠景に複数の甍)。身の上を語るお時、角兵衛獅子のあと売られた旅芸人一座とゆく街道、不明(道端に蔵、行く手に低い山、北嵯峨か)。越後屋に押し込んだ賊を追い詰める平次、首領の浪人と立ち回りは上賀茂神社北神饌所裏手。お時に亭主が自首したと告げに来る平次、御所・厳島神社(導入は高倉橋からのショット)。奉行所前で待つお時に亭主の流人船は金杉橋から出ると教えてやる平次、大覚寺明智門前。
*三之助に川津佑介、お時に小野久美。*初のカラー作品、OPの吉田神社も朱が見えてはっきりと確認できる。今ひとつ頼りなかったごこんさんもこれで確定。

■ 髪結い伊三次 第5話「おっ母」1999/4-9CX/松竹

 伊三次と姉が幼時住み暮らした下町、そこには畳表の名手の老婆、彼らを可愛がってくれた「おっ母」。亭主に愛想をつかした姉が逃げ込んだそこで、ひととき母と慕う「おっ母」と睦む姉弟だが、老婆の息子の喜八が人を殺したという騒動が持ち上がる。いつものメンバーの奔走で喜八への疑いは存外簡単に晴れ、伊三次の「孝行」計画に後段を割く。
 ロケ地、おっ母の家で姉を発見した伊三次が表でしみじみ話す水辺、橘寺前に水面を合成(背景に富士山も演出、水面は広沢池か…あんまり汚くなさそうなので琵琶湖かも)。逃亡中の喜八を見つけて追いかけボコったあと、ホントにやってないか確認する伊三次、仁和寺林間塀際(背後に塔)。真犯人の巳之吉を呼び出させ追い詰めるお堂、大覚寺護摩堂。一度自分の作った畳表が使われているお座敷を見たいというおっ母の願いを叶えるべく赴く酒井雅楽頭邸、姫路城好古園(導入に姫路城天守。大八を引いて御門内の道をゆくての字屋の職人たち(喜八におっ母と伊三次入り)、好古園流れの平庭前。酒井邸の門、松の庭長屋門。邸内の描写、活水軒渡り廊下御屋敷の庭池泉。畳替え作業のお庭は築山池泉の庭で、遠景に西の丸の櫓。喜八が母にあそこが御正室のお化粧の間と指す、流れの平庭の塀越しに茶の庭を見る。これで我慢という喜八の言葉をよそにおっ母を背負ってお化粧の間へ連れて入る伊三次、御屋敷の庭を通り茶の庭・双樹庵。おっ母を背負い出てくる伊三次が衛士と行き会う路地、夏木の庭前)
*おっ母・おせいに杉山とく子、喜八に火野正平。彼を陥れ、ての字屋の娘も身代もゲットを企む悪党・巳之吉に遠藤憲一。年食っても母モノの似合う正ちゃんがキュート。*お話の前後を夫婦喧嘩で締める作り、怒気を発し伊三次の長屋に「お園をどこへ隠した」と乗り込んできた十兵衛の親方、最後は女房のいない生活に疲れ果て土下座して「帰ってきて下さい」が爆笑もの。
2006/2/14

■ 銭形平次 第104話「番神堂異聞」1968.4.24フジ/東映

 護送中殺された若侍から親分に託された護符が、職人三人の殺害現場でも見つかる。また、八が幽霊退治に行った神社ではきっちり怪異が目撃される。そのうえどう見てもいかがわしい祈祷師まで出て怪しさてんこ盛りのてんでばらばらな事象には、一本の筋が見えてくる。
 ロケ地、成田参りの帰りの平次らが守山藩の罪人護送の列に行き会う松戸の街道筋、不明(「首なし佛」で出た道と同じ、道端に蔵)。お百度参りで怪異が起こると評判の住吉神社、不明(今回の主舞台で文之進の養家、お由良の方を匿ってある。外囲いも立派な本殿の前に土間で横長の回廊のような拝殿、境内広く参道には段差多し)。三人の職人(左官・大工・屋根職人)が殺されて見つかるのは大覚寺天神島
*お由良の方に「お品親分」宮園純子、忠義の士・竹村兄弟に「赤影さん」坂口佑三郎が二役で。*番神堂は守山藩の神社、建替えの際出た古材が江戸へ運ばれ出入り商人の屋敷に移築される。*ラス立ち二段構えでど派手、犬のハチ引渡しの場で一味の大入道とまず一戦、武器の特大数珠(これで人絞め殺すんだからたまらない。絞め跡の不気味なことといったら)に立ち向かう…鹵獲品のこれを首に巻いて番神堂へ踏み込み、数珠で壁を破壊し金塊を暴露。掛けてあった槍をとっての殺陣もあり。

■ 髪結い伊三次 第4話「赤い闇」1999/4-9CX/松竹

 放火魔の正体は同役の妻女、行く末は火刑の女を救おうと不破も妻のいなみも動くが、婚家で孤立し心を病んだ女は夫の刃を受け、自邸が燃え落ちる炎の中に夫婦して消えてゆく。
 ロケ地、不破宅へ急ぐ伊三次が物書同心の村雨と行き会う堀端、八幡掘堀端。村雨の妻女・ゆきを尾行する伊三次と弥八、今宮神社高倉前〜民家裏塀民家長屋門(ゆきの実家、染井村の医者・内田朴庵邸)。尾行を終えた伊三次が弥八にゆきの犯行と思うか問う堀端、八幡掘明治橋下堀端(伊三次は猪牙船にちょこんと座っている)。訪ねてきたゆきと外で話すいなみ、浮御堂(岸から見たアングルもあり)。文吉とデート中鳴った半鐘に駆け去る伊三次、今宮神社石橋
*ゆきは国生さゆり、村雨同心は蛍雪次朗、いなみの姉を見返った大藩留守居役に中山仁。*ゆきがいなみに淡々と語る、子供の頃見た火事場の記憶が圧巻。この際いなみが過去を語るくだりで、不破の向こう傷のいわれが出てくる。
2006/2/13

■ 銭形平次 第103話「平次一番纏」1968.4.17フジ/東映

 若い火消しに殺しの疑い、その組のかしらはお静の親代わり。お役目と情に挟まれ苦悩の平次、粘り強く真犯人を追い詰めてゆく。珍しく嫌味も言わず平次を気遣う万七などもあり、彼に手柄を譲った平次は、傷ついた纏持を助けて大屋根に上る。
*ロケ地なし、セット撮り。引退間近のめ組のかしらに月形龍之介。

■ 半七捕物帳 第14話「折り鶴の女」1992-1993NTV/東映

 桐生で濡れ衣を着せられ殺された門付け芸人、その娘は長じて江戸へという復讐譚。最後の一人を殺ろうとする場に立ち現れる真の悪、仇討ち娘が危機に陥るところへ半七親分の介入がある。
 ロケ地、長次に番所へ引っ張られたおしののアリバイを証言し連れ出した仕立職人が自らつけた顔の傷を洗う汀、嵐峡船着付近(二人目のターゲットの船頭が前をゆく)。船頭を殺ったあとおしのが佇む汀、大覚寺天神島。父との旅を思い出すおしの、子らに石を投げられる渡し場、広沢池東岸(これ以外にも夕陽を背景に踊る父子など「砂の器」ふうの情景が展開)。織物問屋の三人に追われ父が殺されるシーンは落合か。次は自分と脅えた駿河屋が隠れる寮、中山邸通用門。半七のはからいでお構いなしとなったおしのが巡礼姿でゆく道、嵐山自転車道
*はじめ善人面の協力者として出てくる中田浩二、やっぱり大ワル。福ちゃん二態、門付け芸人の死体を運ぶ役人、正体を現した中田浩二に食ってかかるおしのから刃を取り上げるチンピラ。

■ 髪結い伊三次 第3話「裏切り」1999/4-9CX/松竹

 進展しない仲に焦れているところへ降ってくる旦那を持つ話、文吉と伊三次のちょっと深刻な痴話喧嘩が描かれ、文吉が憧れていた朝吉姐さんの後味わるい哀話が被され、伊三次は傷心の文吉の肩を抱く。
 ロケ地、魚花の主・芳蔵が茶屋遊びの帰りの猪牙船で「遭難」、西の湖岸辺〜太鼓橋付近。芳蔵の死体が引き上げられる河岸、八幡掘明治橋下汀(後段、そのことを述懐する文吉は橋の上)。伊三次が八丁堀へ急ぐ道、八幡掘堀端。芳蔵殺しの実行犯をシメる不破ら、大覚寺御殿川河床(勅使門橋下手)。おすみの回想、ストーカー浪人に襲われる小川、上賀茂神社ならの小川。事後、水辺に佇む傷心の文吉、琵琶湖西岸(対岸に八幡の山なみと沖ノ島、右手に高島の岬、砂浜で手前に疎らな草原)
*文吉の姉さん芸者で今は魚花の女将のおすみに土田早苗。黒羽織の芸者姿めちゃキレイだけど「あーれー」がカワイソ過ぎ。

■ 八丁堀の七人7 第5話 2006.2.13テレ朝/東映

 財政火の車のうえお上から普請を仰せつかった藩が思いつく調達の手段はドロボー、困窮者に貸し付ける町会所の御用金を狙う。町会所を仕切る役人がグルで、裏手に建つ医学館も一味なのだった。企みに加担し侍になろうとした飾り職人と、彼を探しにやって来た女房の哀話がからむ。ついでに、ハチに愛想尽かしで家を出た弥生先生が医学館に身を寄せていて巻き込まれる。
 ロケ地、勘定奉行所勝手方・梅島と亀沢藩家老が密談の屋形船、大沢池か。亀沢藩士のなりをして女房を呼び出す「利七」を説得にかかるハチ、沢ノ池東岸汀(利七=新之助は口封じに撃たれ、直後ハチらに人数が殺到→出役の北町とチャンバラ)。ラスト、ハチと青山さまの漫才、上賀茂神社神事橋たもと。
*黒沢左門の別の顔がのぞく。女密偵を使って町会所を探るが女は湯屋で殺され、自身は町会所役人殺しで牢に放り込まれたり命を狙われたり。でも正体はまだ現さない。*ハチいまだ物書同心のまま。

■ 水戸黄門35 第17話「その女に飲ませるな!」2006.2.13TBS/東映

 一行が阿蘇の麓・坂垣宿で出会ったうわばみ女は、その酒癖ゆえ娘の婚家に忌避され孫の顔も見れぬ境遇。しかし娘の嫁ぎ先の旅籠に降って湧く災難、郡奉行と悪徳商人が組んでの宿場乗っ取りに、孫をその手に抱く夢をあきらめ告発に立ち上がる。これがへべれけに酔って奉行の中田浩二に「やい大タコ!」とかますから傑作、波乃九里子が熱演。娘は小林綾子。
 ロケ地、前後の街道筋の野道等はいつもの通り不明。郡奉行と悪企みの富田屋の寮、大覚寺望雲亭。三崎屋の嫁・お幸に話を聞く老公、大沢池北側の原っぱに茶店あしらい。天気の良い日には赤子を連れて来るここは、遠目で母に子を見せてやる場所、母のお国は水路を隔てて向こうの天神島にいる(三崎屋との「約束」の近付いてよい距離・十間がこれに当るという趣向)。「孫」を抱いた老公に悔しいと掻きくどくお国、護摩堂前。散歩から帰るお幸が拉致される道、有栖川畔。誘拐犯の一人が富田屋とツナギをとるやしろ、五社明神内陣。
*悪い酒がテーマのお話、導入は泥酔した助さんが断酒宣言したことを書いてある格さんの日誌から。商家の番頭も顔負けの細かい記録をつける格さんはけっこう面白くて好き。
2006/2/12

■ 遠山の金さん 第8話「鬼火を消せ!!」1975.11.20NET/東映

 上方から来た凶賊を捕える話、ターゲットの店には下っ端の少年が引き込みとして送り込まれるが、彼はその屋の主が贔屓にしている芸者の弟という奇縁。押し込みの当夜、姉も危険と知った少年は一味であることを告白する。「賊」の真の狙いは口やかましい隠居の始末と過去の清算という、凝った作り。
 ロケ地、八尾の文蔵が江戸行きを断り仲間に刺される淀川、流れ橋上。送り込んだ丁稚とツナギをとっていて赤目同心に誰何される一味の男、大覚寺大沢池堤水門そば(池に飛び込んで逃走)。丁稚が一味に接触し押し込みの日を知らされる苫屋、広沢池東岸(尾行のお竜とやりあい船で逃走)
*凶賊を婿に選んでしまった越後屋の隠居に原泉、芸者に二宮さよ子。

■ 松平右近事件帳 第14話「打ち首千両」1982-1983日テレ/東映

 金貸し殺しとして自訴する船頭、裏には娘を幸せにしてやりたい事情。しかし結婚の約束は破棄どころか、娘を苛み自死に追いやるワル旗本、つるんでいた小普請支配と与力もまとめて右近の刃の露と消える。
 ロケ地、入水のおみつを助ける梅吉、広沢池東岸。旗本の住む横網町へ船をやる船頭の治助、広沢池。治助の墓、二尊院墓地。右近ファミリーが揃って甘酒、二尊院黒門付近塀際に茶店あしらい。
*最後まで娘を案じ「犯人は自分」と呟き事切れる治助に織本順吉。

■ 功名が辻 第6話「山内家旗揚げ」2006.2.12NHK

 足利義昭のもとから光秀が織田家に、次いで義昭自身が岐阜入り。二月後の上洛を約した信長は軍を発する。山内さんちの内情は口が増えて大変、たちまち飯櫃の底が見えて千代の絶食騒ぎに。
 ロケ地、越前一乗谷足利義昭御所、朝倉義景館跡唐門(門は平唐門に変えてある。本物は向唐門)
2006/2/11

■ 出雲の阿国 第5話「恋の亡霊」2006.2.10NHK

 阿国歌舞伎は大評判をとり大入り、しかし三九郎は下らぬ芸と吐き捨てお菊と睦み、阿国を嘆かせる。そんななかふらりと小屋にやって来た侍・山三と恋に落ちる阿国、有頂天の日々も続かず破局と死別が待っているが、天下一の踊りは新たなステップを軽やかに登ってゆく。
*秀康を落涙せしめたことは山三や三九郎に衝撃を与え、前者は燻っていた夢を喚起され、後者は己の才を見限り、結局阿国のもとを去ってゆく。三九郎はお菊と出奔するが、九蔵に小屋を売っ払うという最後っ屁をかましてゆく…ヒド過ぎの鬼畜…阿国の才を「化物」と表現し目を眇めるとこがイイ堺雅人。この際に「飽きられても次の踊りが」とか言われてるけど、なんかメインの踊りあんまり変わってナイ気がする…。
2006/2/10

■ 銭形平次 第102話「御前様は誰か」1968.4.10フジ/東映

 飛び切りの湯女を揃えて評判の極楽湯、女にとっては地獄。虐待の訴えを聞いた親分は解放を期す。女たちも用心棒も顔を知らぬ謎の黒幕「御前様」に迫る平次の働きが見もの。
 ロケ地、川岸に流れ着く極楽湯の女の死体、桂川か(対岸は礫河原、屋形船あしらい)。笹野さまの話を聞いて出てくる親分を待っている八、大覚寺参道石橋。浪人・森安のあとをつける妻女、上賀茂神社ならの小川畔。
*町奉行日記などのスラムものによくある仕立ての、黒幕の正体が見せ所のお話。最初からけっこうわざとらしい伏線が張ってあるのも面白い。

■ 半七捕物帳 第13話「氷雨の女」1992-1993NTV/東映

 引き込み女がターゲットの商家の旦那を愛してしまい悲劇に。半七が事件を知るきっかけは、つたやの手伝い女が斬られたことから。女は千加の衣を借りて着ており、真の狙いは秘密を聞いてしまった女将なのだった。
 ロケ地、千加が半七を騙って呼び出され斬られかける天神さま、車折神社地主社。千加が賊の密談を聞いてしまった雨宿りのお堂、大覚寺五社明神(舞殿に壁をあしらってお堂に仕立て)。かしらの指示で上方へ帰るべく品川へ一里の街道をゆくお蝶が思い直し踵を返す道、不明(奥に殿舎のような建物)。結城屋へ行く道でかしらに見つかり始末されるお蝶、上賀茂神社神事橋たもとと川中。照れてつたやを出た半七が庄太にからかわれつつゆく石畳、車折神社表参道
*上方から来た賊の首領は睦五朗。

■ 髪結い伊三次 第2話「幻の声」1999/4-9CX/松竹

 誘拐犯の幇間を庇い下手人は自分と訴えて出る芸者、彼女の筈はないのに進むお裁き。不破は伊三次を使い非常手段に打って出る。父の声に酷似した彦太郎の喉を「殺したくない」と泣く駒吉が哀切。
 ロケ地、成田屋夫婦が身代金と引き替えに孫娘を取り返す水辺、嵐峡か。豪遊して歩く幇間・彦太郎を追いかけ捕まえる不破たち、上賀茂神社(校倉、奈良社まわり)。八丁堀の不破宅へ赴く伊三次、八幡掘堀端。伊三次の回想、もぐりの髪結いとして留蔵に捕まる神社、伏見稲荷千本鳥居。駒吉の回想、父とゆく旅の途・夕照の汀、罧原堤下汀(愛宕のうしろに富士山合成)。誘拐の翌日、深川天神で駒吉に金を預ける彦太郎、北野天満宮参道石灯籠。彦太郎の引き回しを見た帰り、駒吉はやはり惚れていたと言う文吉と痴話喧嘩の伊三次、堅田浮御堂
*ひたすらに彦太郎を追う目線、牢で彦太郎の歌う声を聞きながら父との暮らしを思い出し涙する顔、荻野目慶子がめちゃキレイ。*無実の駒吉が死罪になるのに苛立った不破に理不尽に殴られ、怒って帰りフテ寝の伊三次の回想というかたちで、不破や留蔵との出会いが語られる。不破の癇癪のおおもとは伊三次が昼間っから文吉姐さんとよろしくやっていたことだったり。
2006/2/9

■ 半七捕物帳 第12話「艶姿 隼小僧参上」1992-1993NTV/東映

 田沼意次の息子が幕閣入り、その用人が蠢動しだすと現れる三十年前出た義賊。正体は二代目で娘、楽翁の指令で汚職を暴くべく動いていた。
 ロケ地、半七に追われた隼小僧が逃げ込む楽翁隠宅、中山邸(塀、通用門)。事後、初詣の「隼小僧」お紋と話す半七、今宮神社境内。
*初代の義賊は半七とうりふたつという設定で、里見の二役。殿様の意正は名前だけで出てこず、用人が主体で江見俊太郎。豪華衣装を着込みマフラー巻いてるお年寄はなんか吉良さまみたいなビジュアル。丹哲は登城風景なんかあって「罷り通る」の大喝がかっこいい。福ちゃん二態、用人宅の家士と、庄太をボコりに来る口入屋の人足(薪ざっぽ振り上げて殴りかかり、直後長次親分にボコられ)。

■ 銭形平次 第101話「翡翠を持つ女」1968.4.3フジ/東映

 因習により忌まれた双子がテーマのお話。よそへ出され過酷な環境で生きてきた妹は、悪い情夫を持ち悪事に手を染め姉を巻き込みかけるが、血の絆は断ち切れないのだった。姉妹は悠木千帆の二役、育ちのよい商家の娘と莫連を演じ分ける(後年のねっちょりした演技はないが、妙に貫禄がある)。小道具は、闇取引の紛い物の翡翠。
*ロケ地なし、セット撮り。近所の夫婦の双子の片割れを戻させるお静の人情話や、親分のアイパッチ+髭のヘンな変装も見られる。

■ 髪結い伊三次 第1話「盗っ人」1999/4-9CX/松竹

 店を構え文吉と所帯を持つために、伊三次がこつこつ貯めた三十両が盗まれる。やったのは可愛がっていた弟分とすぐ知れ、後段はかんかんに怒った伊三次を宥めるのに費やされる。
 ロケ地、八丁堀の不破邸へ赴く伊三次が通る堀端、八幡掘。弥八が姉を隠してある寺、神光院(本堂脇、宝筐印塔)。弥八が金貸しの巳之吉一味に囲まれ凄まれる池畔、不明(奥に石段、ブロック塀らしきものも見える)
*若年に加え姉のためを思っての事と伊三次を説得の面々、不破の妻女は己の秘事をぶちまけた上で二つの命を救った金と泣き落としにかかる…遊びの金じゃないと説くが、元は博打だったりするんだけどそれはイイのか。その場に連れてこられた弥八と姉が土下座するのに振り返る橋之助の表情の変化が秀逸。*導入の捕物で追われる賊に佐藤蛾次郎なんか使ってあって贅沢な作り、取立て男の櫻木健一もよく決まっている。
2006/2/8

■ 銭形平次 第100話「隠密有情」1968.3.27フジ/東映

 公儀に二心を抱く尾張が放った隠密、偽装のため娶った女房を心底愛してしまった男と、別離を悲しみ世を儚む女の悲哀を描く。上から詮議無用を言い渡された親分がせめてもと出す女の葬儀、非情の男はそれに甚く感じ入り忍びとしての己を捨てて逝く。
 ロケ地、隠密たちが追われ出てくる若年寄・堀田邸、不明(相国寺か)。先に逃げた二人が結城新三郎と合流する美土代町・随心寺、智積院大師堂(参道石段を駆け上がったところで合流、平次たちが来たため大師堂縁下へ隠れる。親分が降りてくるのは密厳堂に通じる石段)。「大工の新蔵」と知り合いの「薬屋」に新蔵の居場所を迫るお仲の弟・文二、相国寺鐘楼まわり(設定は下谷・宝蔵寺)。秘密を知られたと誤認し文二を襲う隠密たち、不明(蔵のような建物)。お仲の葬儀の寺、不明。
*大工に身をやつしていた隠密に岸田森、任務と私情の狭間で苦悩するさまはもちろん秀逸なんだけど、井戸に落ちた子供を助けるくだりでは関節はずしをやってみせたり。他作品でも見られるが、この人はホントに芸達者というか熱の入ったというか、とにかく「見せる」。

■ 半七捕物帳 第11話「闇の顔役」1992-1993NTV/東映

 外道殺し屋が横行、秘密に迫った半七が船ごと吹っ飛ばされるという椿事が出来。仇討ちを期した長次は裏の世界に潜入し殺し屋に雇われようとするが露見、捕えられピンチのところへきっちり生きていた半七が現れる。
今回の見どころはなんといっても江波杏子の顔役、縋ってきた長次をすげなく帰すがちゃんと追者をつけてあったり、自分から男を奪った憎っくき半七に頭を下げて長次の救出を依頼したりする。この際、表情が強面からカワイイに変化するとこがいいんだよね。
 ロケ地、紀州屋一家がお参りの神社、梅宮大社本殿。その境内の池端で句作のご隠居、神苑(これが殺し屋のツナギ)。鯉を見に行った息子を呼びに出た紀州屋の女将が首を斬られる料亭の庭、梅宮神苑池中亭への土橋。親子三人の無惨な死体を検分した帰り、庄太を従え歩く半七、仁和寺林間(背景に塔)。隠居に後金を渡した紀州屋の義弟が口封じに殺される水辺、広沢池東岸(一味の幇間がとどめをさすのを船で寝ていた長次が見て声を掛ける運び)。隠居・安西松風が住まう向島寺嶋村の隠宅・松風庵、中山邸通用門。ここへ招じ入れられた長次が座敷に上がる前ツナギの文を笹舟に付けて流す小川、梅宮大社神苑・池中亭への土橋(一味の女がそれを拾い上げる水面は別の場所)。小山のダンナが裏へ潜入するという長次を引き止める、仁和寺九所明神
*女子供も容赦なく殺す一味はほんとに外道、捕えた長次をさんざん責めたあと梯子に登らせて揺すり嘲笑う。
2006/2/7

■ 半七捕物帳 第10話「死神を刺した女」1992-1993NTV/東映

 とてつもなく凶悪な賊を亭主に持った女はお上に訴人、しかし心の奥底で男を慕い続けていた。お話は、なぜか死罪を免れたうえ五年で島から帰って来た男が再び凶行を続け、自訴を勧めた元女房を刺し殺す過程を描く。男のバックには与力がついており、これがもともとは賊の仲間という加減。
 ロケ地、おふみに半蔵が御赦免になり帰って来ると告げる半七、わら天神本殿脇(東側)。送って行き際おふみが額づくのは六勝大神。御赦免船が着く金杉橋、広沢池東岸(小屋と桟橋あしらい)。半七の家に侵入していた半蔵を連れ出し話す宮、わら天神本殿脇(西側)。お初が投げ落とされる橋、中ノ島橋(庄太が橋たもとの喧嘩を仲裁している隙にやられる)。寄場で事情を聞いて出てくる半七、嵐山公園中州下手・右岸際に柵をセット(かなり大掛かり)。半蔵一味が出す屋形船に船頭を装って乗り込んでいた親分が賊と戦う、大覚寺大沢池畔。事後、おふみの墓に参る半七と千加、黒谷墓地(背景に塔)
*半蔵に立川三貴、与力に長谷川明男。

■ 銭形平次 第99話「今日の月」1968.3.20フジ/東映

 どうにも不可解な研屋の主の自害、身内にも心当たりの無い借金を苦と遺言状にあり、貸し主の奈良屋は思いきり怪しい。殺し屋を使っての手口を暴くのに、親分は虚言と芝居の合わせ技で追いつめてゆく。
 ロケ地、研屋殺しの浪人が膾になって見つかる入船町河岸、中ノ島橋下手右岸河川敷(見物の衆を橋上に配してある)。見物を装って死体を見てきた八卦見(仲介者)が殺し屋に金を渡す川辺、不明(傾いだ玉垣が見える)。八卦見が店を出す神社、不明(楼門、簡素な回廊、殿舎外観は上御霊やごこんさんに似る)
*遺言状にあった妙な辞世の句、したたかに酔った研屋の座興「明月を三千両で買う・手持ちがナイから借金ね」が犯行を誘ってしまったと皆に解説の親分、オチは「酒は怖い」。*殺し屋メンバーの一人に福ちゃん、お静をさらいに来たりもする。気付いて騒ぐお民に匕首を突きつけたり、為吉のニセ鉄砲に驚いたり。

■ 戦国自衛隊 関ヶ原の戦い

 笑かすウププな展開のうち、なんも戦略立ててない一団は壊滅。戦車沼落ち火攻めとか、ファイヤふんだんの演出は素直に楽しむべきか。妙な非戦メッセージ入ってるなか、野太い声を発して斬られる幼女がなかなか。オチの大覚寺五社明神にオーパーツや生き残り女性隊員が涅槃に入るのも爆笑もの。だけど、中盤鳴った Sun goes down は泣かせる…千葉ちゃん角川映画放映時、嫌でも覚えるくらい流れていたCMを思い出して懐かしいのなんの。阿茶局と戯れる家康がくの一に伊庭隊の装甲車破壊を命じる茶室、白沙村荘倚翠亭なんか使ってあってびっくり。

2006/2/6

■ 半七捕物帳 第9話「恋しぐれ鎌倉河岸」1992-1993NTV/東映

 大恩ある家のため金策に走る男、思い余って縋った昔の「おかしら」はそれを強請りととり彼を消す挙に。同じく「大恩」を受けたお千加はその場に行き合わせるが、昔を半七に思い出して貰いたくなくて口を閉ざす。親分は調査でターゲットを絞り出し、最後は凶賊を一網打尽の大捕物に。
 ロケ地、善助の金策が気になり下谷へ出向いたお千加が袖に血をつけて飛び出してくる岩代屋の若旦那とばったり会う門、真如堂墓地裏の塔頭。善助が倒れているのを見るお堂、神光院中興堂(善助が若旦那に金を渡すはずだった待ち合わせの寺)。真如堂、神光院とも設定は下谷山崎町泉龍寺、うまく繋げてある。黒江町の丹波屋で善助のことを聞いた帰りお千加が殺されかける道、仁和寺水場(長次が居合わせ阻止)
*お千加の過去がのぞく一話。芸者時代のお母さんなんかも出てくる。*冒頭に門付け、ラストに笊揚げを配し師走の情緒を出してある。ザルの一件は鬼やらいではなく、天の財宝を受けるほうの事納め行事の模様。

■ 銭形平次 第98話「献上の琵琶琴」1968.3.13フジ/東映

 幕府お抱え琴師の家から消えた御台さまへ献上の琵琶、裏に複雑な事情が絡んでおり親分を悩ませるが、琴師の偉そうな態度にムカついた八の当て推量が正しいのだった。
 ロケ地、市井の琴職人・音吉が三輪に捕縛されたあと、八と歩きながら推理の親分、金戒光明寺長安院下坂瑞泉院前。とんぼを切って逃げた賊の調査で赴く浅草奥山の軽業小屋、不明(松の疎林の広場、生垣の向こうに萱葺き屋根がのぞく。軽業一座が鍛錬をしている)

■ 八丁堀の七人7 第4話 2006.2.6テレ朝/東映

 島抜けの凶賊は元の情婦のもとに立ち現れ、女が築いていた小さな幸せを踏み躙る。薄幸の女の無惨な死を見たハチは、職を賭けて一同とともに出役する。
 ロケ地、弥生をお祭りに連れ出すハチ、梅宮大社境内。そこで見かけた藤吉に女房・お小夜の過去を聞かれるのは神苑門。ナンパ男から弥生を助けた「患者」左門が弥生と話す水辺、神苑汀。老母の世話を焼くお小夜に土蜘蛛の喜十の島抜けを伝えるハチ、八幡掘堀端。そこへやって来た青山さまに小夜と喜十の経緯について話すハチ、日牟禮八幡宮拝殿前、石段。亭主が脅されていると気付いたお小夜が喜十の前に立ち自刃、二尊院墓地。磯貝らを怒鳴り散らす左門を見る弥生、大覚寺大沢池木戸五社明神。なんでハチの首がつながったかについて漫才のトリオ、参道石橋
*冒頭で弥生にアタックの左門を描き、ラスト「患者」の正体を知った弥生を描く。ハチの首はつながったが町回りには戻ってないみたい。また、左門にチクリの青山さまもちらりと描かれる。磯貝さんの「黒沢むかつき左門ノ介」が傑作。

■ 水戸黄門35 第16話「鬼と呼ばれた母の涙」2006.2.6TBS/東映

 雨宿りに入った先で会った「嫁」は若い未亡人で、二親の顔を知らぬ身の上。この家にやってくる高利貸しのキョーレツな女は、赤子の頃手放した娘を探している。もうこれだけで先の見えるお話だが、金貸し女を野川由美子が演じていて涙ホロリの情話に。
 ロケ地、雨宿りに入る元船頭・太吉の家、酵素民家セット。
*野川の「母」は娘を探す算段のため首の飛ぶような悪事に加担しているゆえ、時代劇のお決まりで娘を庇って落命の運び。*「嫁」の父・太吉に赤塚真人。福ちゃん二態、金貸しお重にくっついてくるチンピラと、ラス立ち要員の船奉行の家来。
2006/2/5

■ 遠山の金さん 第7話「その錠を破れ!!」1975.11.13NET/東映

 密会現場を見つかってしまった幼馴染みの不倫カップル、亭主と揉み合い殺してしまい、そこを土蔵破り一味に見られ脅される。男は錠前師、都合よすぎる符号に金さんは疑いを抱く。
 ロケ地、信吉とお絹が密会の川端、日吉大社境内・大宮川畔。信吉を苛む三浦屋をお絹が刺しドボンの魔ヶ淵、走井橋(水面は別の所)。新八にタカる赤目同心、今宮神社(石橋、東門、東参道)。信吉とお絹が逃亡の相談をしているところへ恐喝に現れる土蔵破り一味、蚕の社本殿。甲州屋の蔵を破り奪った金を運ぶ一味がゆく道、不明(片側崖、行く手に方形のお堂、金さんは谷に落とされ)
*不倫男の錠前師は島田順司、彼を騙す幼馴染みの女は幼時信吉の母にされた仕打ちを恨んでいる布石が打ってあり、お白州で指摘。お絹とデキていて最後は仲間を消そうとする極悪浪人に今井健二、お白州でも恐れ入ったりせず斬りかかってくる→他のは遠島なのにこいつだけ打ち首獄門。*ラス立ち後の捕り方、名乗りを上げる同心に小峰さん。

■ 松平右近事件帳 第13話「知られたくなかった秘密」1982-1983日テレ/東映

 八卦見が仕入れたネタで恐喝の一味、首魁はタチの悪い旗本連。手代と恋仲の娘がカモにされ落命する一件を放っておけず立ち回る「右近」ファミリー、今回は新八親分が右近の正体を知るエピソードを入れてある。
 ロケ地、山城屋の娘と手代が密会のお寺、二尊院勅使門墓地。八卦見に出自を言い当てられた右近が母を思い出し墓参りに赴くところを見てしまう新八、二尊院勅使門。右近が登ってゆく石段は金戒光明寺三門前石段。墓地へ行く右近の場面は二尊院三帝陵の門〜墓地(墓標に葵の御紋があるのを親分が目撃)
*お墓参りを新八に見られたことを認識の右近があって、親分が連れ込まれ責め問いされている屋敷へ「着替えて」乗り込み松平右近と名乗る段取り。もちろん親分はそのことを胸に秘し、石部のダンナには目付がやって来て成敗したとごまかす。

■ 功名が辻 第5話「新妻の誓い」2006.2.5NHK

 新床でいつからスキだったのとか迫る・朝寝坊して慌てまくる・寧々やお市の来訪にドギマギ、挙句の果て湯殿で亭主に水ぶっかけたりとなんだか落ち着きのない千代さん。つらつらっと早口になる台詞まわしを聞いていると、そのうち「まるっとお見通し」とか言いそうで笑える。小袖エピソードがしつこく出てくるが、早すぎでは。升を俎板はお市来訪の段で。今回印象的な画は「お腹をこわした猿」の柄本明。

■ 人形佐七捕物帳 死をよぶ猫は金の爪 1984.1.12CX/映像京都

 岡場所の女が抱き上げた白猫の金の爪が発端の事件、女郎とその男をはじめ次々と起こる殺し。怪しいと判っていて町方が踏み込むことかなわぬ武家屋敷では、偽金作りが行われていた。
 ロケ地、元小普請支配・丹波主膳(亡)別邸(お部屋さま・お銀が住まう)中山邸門。付近の鼠橋、大覚寺参道石橋。女郎や飾り職人が殺されて見つかる音羽稲荷、吉田神社竹中稲荷(舞殿まわり、参道重ね鳥居)。大工衆が毒殺される屋形船、大覚寺大沢池(船着際に係留・導入部の背景に五大堂)。これを検分したあと神崎与力と佐七が話す水辺、放生池堤。登城し将軍と姫君に拝謁する佐七ら、お城イメージに姫路城天守、お庭は仁和寺宸殿前白州。
*なんつっても印象的なのは大白猫、ぶっとくてふかふかで真っ白。お屋敷から岡場所へ悠然と徘徊し、なぁ〜ごと鳴く。抱き上げた女郎が肉球を押すと、しゃきーんと出てくる爪が金という趣向、ヒミツの工房へ出入りしてくっつけた金。*佐七の父と、親しかった老目明しの吉兵衛が手柄とした事件で捕まった賊の残党が恨みによって引き起こす事件、町方の面目失墜が目的。佐七に目をかける与力のダンナによって、もてはやされはするものの不浄役人に過ぎぬ身分の悲哀が語られるのも見もの。持ち上げたり貶したりの浮き沈みも映像化されて挿入される。*将軍家の姫君に働きを嘉された佐七が召され登城し上様に真の悪を暴露というくだり、町人では目通り適わぬゆえ侍に扮してゆく佐七と下っ引、神崎与力のアイデアで佐七と辰五郎に豆六が「玉池七之助・金時辰之進・うらなり豆右衛門」と称して上がるというのも傑作。
2006/2/4

■ 長七郎江戸日記3 スペシャル「虫ケラ一匹なればこそ 最後の剣舞い」1991.9.24

 雌伏していた酒井忠勝が蠢動、姑息な手を用いて返り咲きを目論む。その過程に辰が拾った昔馴染みの娘が巻き込まれ大騒動、目的のため町娘を虫けらの如く始末しようとする酒井に、遂に長七郎ぎみの鉄槌が下る。
 ロケ地、辰の回想・十年前お俊と出会った道端、大覚寺天神島護摩堂裏。お俊が連れ込まれた一色家に魚屋の格好で忍び込む辰、警戒厳重な離れを見る、神護寺大師堂。一色家の姫の身代りとしてお見合いの行われる菩提寺・雲龍寺へ入るお俊、大覚寺大門(つけてきた長さんらは参道石橋から見やる)。酒井讃岐守忠勝邸、大覚寺勅使門(太鼓橋越しの正面)。消されかけたお俊を船で逃がす川端、広沢池東岸。隠れた先も追われ散り散りに逃げたあと集合する方正寺石段下、神護寺石段下。青目同心の勧めで匿って貰いにゆく与力・三枝邸、大覚寺明智門。酒井邸へ赴きこれ以上手出しするとと脅しつけた帰りの長さんを襲うくの一、神護寺和気公廟所前。浪花屋の姉妹が拉致され、喜久造が単身取り返しにゆく宗源寺、西明寺(指月橋、参道、山門、境内)。事後、旅ゆく長さんと宅兵衛、大覚寺放生池堤
*酒井の企みは、公家の姫の変死を将軍が殺したことにして秘密を握る自分が意のままに操るプラン。長さんに成敗されて未遂に終わるから詳細は不明のままだが、実現してたらかなりキモチワルイものが見られたかも。将軍に目通りの目途がついたあと、例の「ヒーッヒッヒッ」笑い出てるし、さも楽しそうに「独り言」で段取り語ってるし…かなり阿部怪異してた。*娘たちを救うため喜久造さん単身で忍者に向ってゆき玉砕、虫の息で娘らに本当の親でないと告げたりお俊に説教したりして逝く涙モノ…でもあんまり必然性のない突入だった気がする…。
2006/2/3

■ 半七捕物帳 第8話「十手を憎んだ女」1992-1993NTV/東映

 殺しの下手人を目撃するも証言を拒む酌婦、目明しになりたかった恋人を亡くして以来心を閉ざしてきた女は、半七の説得に応じ口を開こうとして消されかける。恋人の死の遠因に長次、下手人は悪徳商人と結託した与力と、事情が複雑に絡みあう。
 ロケ地、身内の病平癒を願いお百度の娘が参る湯島の寺、常寂光寺仁王門。言い寄っていた若旦那に扼殺される女坂は鐘楼の下付近。卯之吉の墓に参るおしん、二尊院か(このあと与力が斬りかかるお堂が不明)
*ラス立ち福ちゃん入り、用心棒、みごとな海老反り披露。

■ 出雲の阿国 第4話「姉と妹」2006.2.3NHK

 天下人の死、かつて退散した場所がかえって脚光を浴びる時勢に苛立つ三九郎。彼の懊悩をよそに、阿国の踊りは天覧に供され「天下一」の称を賜る。次第に離れゆく二人の心、見返られた怒りを爆発させた舞台で「歌舞伎」が発生する。
 ロケ地、凶事の厄払いに一座を招く伏見の末吉勘兵衛邸、法然院山門(イメージカット)。天覧ののち女御・近衛前子に招ばれ舞う御所、大覚寺宸殿(白州に舞台セット)。阿国の妹・お菊を伽に呼ぶ山科言緒邸、西教寺客殿平唐門(ついていった三九郎門前払い)
*梅庵死去に伴い傳介が一座に参加、淀川堤の労役を逃散した九蔵が京に、成長したお菊が札売りを口実にやって来るなどするが、尺ゆえか時間経過が?な感じ。*山科言経はなくて言緒の名が出てくる。

■ 銭形平次 第97話「女雛は知っていた」1968.3.6フジ/東映

 あちこちの家で何者かにお雛様が毀損される奇怪な事件が起こり、八に急かされ乗り出した親分は変事の匂いを嗅ぐ。出てきたのは三年もホットマネーを寝かせていた賊、悪銭の寛文小判が市中に流れ恐慌を引き起こす事態を防ぐべく平次は走る。
 ロケ地、狙われた雛を扱った店を聞き込んだ帰り道、後に退けなくなったと話す平次、金戒光明寺石段。雛を作った人形師の娘を後妻に入れている越中屋が殺される、金戒光明寺本堂脇(西側)。越中屋の女房に事情を聞いた帰りの平次をつけてきた男が八の胴間声に逃げ去るお宮さん、御香宮(本殿脇、拝殿前)。賊の片割れを追い詰めるも口封じされる谷あい、不明(81話や86話でも出た堰堤のある川筋)。寛文小判四千両の隠し場所だった三又稲荷、御香宮本殿脇祠。
*お雛様ばなしを締めくくる平次夫婦のエピソードは質から出してきたお静の雛飾り、代わりに簪が消えている苦労譚。あまり楽でない暮らし向きについては何度も出てくるが、親分ちの家計ってちょっと謎。
2006/2/2

■ 半七捕物帳 第7話「ろくでなし」1992-1993NTV/東映

 無頼の大男・虎吉は、母を亡くした長屋の女の子の父探しを引き受けるが、その風体から行く先々で強請りと間違われる。袖の下を掴まされその上がりに味をしめたりする虎吉だが、おかよ坊が巻き込まれた事件に体を張って守る侠気を見せる。事件は抜け荷、辻占売りのおかよは斬られた隠密回りから宝石入りの証拠の人形を託されていた。
 ロケ地、回船問屋・唐津屋から証拠品を持ち出した隠密回りが用心棒に斬られる稲荷、今宮神社稲荷社前。強請りに味をしめ見当違いの店で凄み居座る虎吉を連れ出した半七が身の上話を聞く茶店、上賀茂神社ならの小川畔にセット。
*事後おかよの父は見つかり引き取られてゆくが、彼女は虎吉への思慕断ちがたく長屋へ戻り、虎吉に縋る「ここで暮らしたい・貧乏でもいい・ホントの親子じゃなくてもいい・おじちゃんお願い」…これにふるふる大泣きの安岡力也がメチャ可愛い。おかよが虎吉にかぶせた花冠の小道具もよく利いている。*抜け荷商人は菅貫、半七に踏み込まれた際にくうっと首を伸ばし「ほーおそこまでご存知とは(ここで酷薄な表情に変化)殺しなサイ!」とやる仕草が絶品。*福ちゃん三態、虎吉が野博打の金を掠めた際「喧嘩だー」と半七の前を走り抜ける大工、お初に頼まれおかよを探し回る長次が聞き込む駕籠舁き、ラス立ちのちんぴら。

■ 暴れん坊将軍 VI 「無法許さぬあさり剣法」

 親友と思っていた男に謀られ息子を斬ってしまった浜田藩の郡奉行は職を辞し、江戸は新網町に一膳飯屋を開き息子の行動の真意を知る者を求めていた。このオヤジの作る浅蜊汁がいたくお気に召した上様が関わりまくり、情婦と組んで御用船を使って抜け荷をしていたワルが浮上する。
 ロケ地、監物と誤認し父の乗った駕籠を襲う周太郎、大覚寺大沢池堤。回船問屋・船場屋が土地を買い上げ荷揚げ場を作る計画を進めていると報告する左平次、五社明神。あさり屋の娘がならず者に父の真意を迫られているのを助けた新さんが事情を聞く水辺、上賀茂神社ならの小川神事橋たもと。周太郎とともに駕籠を襲った若侍が裏切った「同士」に斬りかかる、北神饌所裏手。船場屋の抜け荷について報告の忠相、大覚寺聖天堂前。浜田藩上屋敷、大門
*あさり屋のオヤジに長門勇、凄腕なもんだから駕籠に槍を突き入れてきた息子を鮮やかに返り討ちにしてしまう。魚焼きながらぼそぼそぶづぶつのボヤキがはまり過ぎ。彼をずっと羨み憎んできたワルに遠藤太津朗、情婦の回船問屋の女将は佐野アツ子だったり。*今回ラス立ちでも名乗らずの珍しい回。

■ 銭形平次 第96話「割れた鏡」1968.2.28フジ/東映

 好まざる「お武家の事情」に関わる親分、まもなく許婚者の意趣返しをはかった芸者が浮上するが、真実はもう一つ向こうのベールの奥に隠されていた。権高な上つ方に痛烈な啖呵を切る親分が爽快。
 ロケ地、勘定奉行に内定の旗本・須貝主水正が失踪した柳橋の料亭・水月、嵐山公園料亭・錦。これの堀端と船宿・巴屋周辺の大川端の水辺、不明(桂川か)。主水正の死体が出たあと、これ以上の調査無用と言い渡されるも、共に失踪した芸者の詮索は町方の仕事と動く平次を襲う刺客、相国寺経蔵(差し向けたのは自分と奥方が現れる)。芸者・染太だったお光の回想、親方に認められたと勇んで報告に来た伊之助、中ノ島橋。巴屋の板前の告白を聞き、自訴して出たお光が危ないと奉行所へ駆けつけた平次が、稲垣同心に寺社方へ引き渡されたと聞く塀際、相国寺光源院前路地。お光が連れ込まれる主水正のライバルだった旗本・松永邸、相国寺玉龍院。事後、伊之助の墓参に連れ立ってゆくお光と板前の佐吉、不明(門入ってすぐ鐘楼の、何度も出ているアレ)
*真犯人だった旗本に青木義朗、お光の許婚者で蒔絵師の伊之助に中村敦夫(出てきてすぐに無礼討ち、回想シーンで復活)。*八、いちゃいちゃ親分とお静にアテられてひっさらってゆくお餅はナマ…ばくって食べてたよね。
2006/2/1

■ 銭形平次 第95話「一本の命綱」1968.2.21フジ/東映

 土蔵破りの手掛かりを求めて、伊豆へ飛んだ三下を追う旅もの。なんとか捕えるものの当の仙太は味方に命を狙われており、伊豆山中で死闘が繰り広げられる。捕縄で結ばれたまま逃げ回るうち、仙太は親分に心を開いてゆく。
 ロケ地、仙太を引き据えてゆく山道、いろんな場所が出るが特定材料を欠く。はじめの残雪の山道や馬車でゆく道などは谷山林道に似る。川下りの段は保津峡落合、崖道や河口が使われていて今とほぼ同じ。一時隠れる山小屋は酵素っぽい。仙太が崖から落ちてファイト!一発状態になる岩場は、白水峡か湖南アルプスみたいな感じ。八や為吉と落ち合う茶店、近付いてくる親分の背後に湖面がのぞき沢ノ池沿いのダートにも見える。
*仙太、兄貴分を天から信じている単細胞で親分に悪態をつきまくるが、最後は殊勝に両手を差し出し観念。恋人に会いにゆけと言う親分に、戒めの心覚えとして旅の間縛られていた捕縄をせがむ泣かせる展開で長谷川明男が熱演。彼をハメた極悪凶相の兄貴分は今井健二、怖いのひとこと。連行中襲ってくる手下は阿波地大輔に西田良。干草を運ぶ荷馬車の御者が遠山金次郎なのもちょっと見もの。

■ 半七捕物帳 第6話「花吹雪!女親分」1992-1993NTV/東映

 辻強盗の現場に居合わせ難儀に遭う小間物屋の若夫婦、彼らは親の許さぬ駆け落ち者で、息子が重傷を負ったと聞き駆けつけてくる母は内藤新宿で一家を張る大姐御なのだった。息子の死後いきり立って仇討ちに逸る女親分をとどめた半七が悪を成敗…という情話なのだが、ワルが凄すぎてなんだかしんみり調からは外れてしまう。
 ロケ地、若夫婦が辻強盗を見てしまう待ち合わせの西念寺、神光院中興堂。息子の死後半七に仇討ちの邪魔は許さないと話す女親分、上賀茂神社ならの小川畔。千太郎の墓参に連れ立ってやって来る女親分と女房、二尊院紅葉の馬場(半七と行き合わせる)
*辻強盗は火盗改がならず者を追い使いやらせていたもので、首謀者は与力。これが亀石征一郎で、分不相応な吉原通いという図なんだけど、花魁に強引に迫って嫌われぶち切れているから怖い。町方が探っているから今日はこのへんでと部下が帰るよう促し刀を渡すや、「これで薄雪(花魁)を」と暴発「死ねぇい」と抜き女を追い掛け回し→野暮はよせと立ちはだかった牛太郎をばっさり、小判を投げつけ「これで弔いでも出せぇい」と毒づいたところで親分の登場。
2006/1←→2006/3

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