2010/9/30
■ 鬼平犯科帳「山吹屋お勝」1990.1.10
平蔵の従弟、巣鴨のお大尽・三沢仙右衛門が年甲斐も無く惚れこんで一緒になると騒ぐ茶屋女は、鬼平を恨む凶盗が仕込んだ引き込み女だった。
忠吾に頼まれ、茶屋女の身元を調べに行った密偵・利八は、それがかつて掟を破り愛し合った女と知り、昔と同じように賊の手下と深間に落ちていることも知る。まだ生々しく愛しい女のため、利八はお勝と男を逃がしてやろうとするが、運命は既に暗いほうへ傾いていた。
ロケ地
- 巣鴨大尽の屋敷、摩気の民家。遊蕩指南のうさ忠がやって来るのを待ちかねて、仙右衛門ダンナが裏口から出てくる。
- 王子権現門前の料理屋・山吹屋、永観堂。中門から石畳、松岳院へパン、塔頭の門には「山吹屋」の暖簾がかけられている。室内はセット撮り、後段では松岳院の門内からの絵も出る。
- うさ忠に頼まれ調べに行った利八が、お勝を見て「おしの」であることを知り、山吹屋を出て悄然とゆく川辺、上賀茂神社ならの小川。回想のあと、制裁で失った指を撫でつつ自嘲する川辺は罧原堤下河川敷。
- 霧の七郎のアジトの駒込片町の数珠屋・油屋、今宮神社東門外のかざりや。導入は東門内側から。
- お勝の「男」と接触する利八、永観堂参道(政は向かいの塀際でお勝を見張り中)。お勝と逃げよと勧めるも信用されず、雨の中泥に塗れ争う林間、上賀茂神社渉渓園遣水端。
- 事後、怒鳴り込んできた仙右衛門から逃げ出し役宅通用門から出る平蔵、妙心寺大庫裏通用門。
2010/9/29
■ 鬼平犯科帳「むかしの男」 1989.12.20
平蔵が甲州まで出張っている間に、捕縛された嘗役を取り返しに動く盗賊一味。ターゲットとなるのは久栄、平蔵と結ばれる前に関係のあった御家人・近藤唯四郎が盗賊の走狗となって現れる。気強くはねつける久栄だが、姪をさらわれ窮地に陥る。しかし息子の辰蔵と酒井の働きで、姪を取り戻し一味も捕縛。
帰着した平蔵は、久栄との関係を吹聴し勝ち誇る近藤に、ぬけぬけとのろけ混じりの応対。それを漏れ聞く久栄の表情が秀逸。
ロケ地
- 甲州へ出張の平蔵がゆく山道、谷山林道切り通し(導入は遠望の絵)。後段の還路小休止の、ほうとうを出す小仏峠の茶店は頂上付近作業場にセット。
- 久栄が妹と参詣すると、近藤が灯籠脇から見ている神社、梅宮大社楼門〜舞殿脇〜本殿。
- 久栄が近藤に呼び出される音羽護国寺門前の茶屋・よしの屋の庭、梅宮大社神苑。池中亭への土橋を渡る久栄の背後に、参集殿が見える。内部はセット撮り。
- 役宅で禁足中の辰蔵を誘い出しに来る悪友たち、妙心寺大庫裏西側通用門。久栄が出てゆく際は参道石畳も。
- 姪が誘拐されたあと久栄が近藤に呼び出される浮州の森、下鴨神社糺の森池跡。
- 人質交換場所の本郷林照院、粟生光明寺。本堂前境内から石段上部、駕籠が置かれるのは踊り場、人質が出て来るのは脇の繁みから、山門まで逃げた久栄たちと入れ替わりに、辰蔵と酒井が駕籠かき姿で駆け上がってくる。
2010/9/28
■ 旗本退屈男 第10話「南国の対決」2001/7-11,CX/東映
祭りの夜、長崎の遊女を助けた退屈のお殿様は、気にかかる男を見て長崎まで彼を追ってゆく。果たして、腰の低い長崎商人のほうは大悪党で、主水之介が見込んだ男は山田長政の末裔の侠気溢れる人物なのだった。
ロケ地
- 早乙女邸、妙心寺天祥院門(イメージ)。
- 祭りの夜、追われる遊女・おこよをを助ける主水之介、随心院裏塀際。
- 長崎イメージ、崇福寺(三門、第一峰門、大雄宝殿)、眼鏡橋。
- 渡海屋が香味屋を消そうとする海辺の岩屋、丹後海浜か。
2010/9/27
■ 旗本退屈男 第9話「化猫屋敷の怪」2001/7-11,CX/東映
凶賊が消え、主水之介を襲った刺客が消えする、怪しの屋敷町。角を曲がったところにある鍋島藩下屋敷では、旧主家がらみの陰謀が進行していた。
ロケ地
- 賊・浮立党を追った町方が一味を見失う屋敷町の路地、大覚寺参道(御殿川側に目隠しあしらい)。鍋島藩下屋敷は大門で、主水之介が押しかける際や竜造寺家当代の白庵が訪問する際には、式台玄関も使われる。また、大門続きの塀際に祠をあしらい、スライドさせると秘密の抜け穴という趣向だが、仕掛けのある祠自体はセットで撮られていて、門脇のそれとは組み合わせての絵を作ってある。
- 主水之介が鍋島藩江戸家老・山本と会見する邸内、建仁寺久昌院(境内建物縁側、茶を喫する座敷からは端正な刈込が望まれる)。庭を逍遥する山本と主水之介のシーンは芦浦観音寺、本堂唐門は普請中という設定で蓆に覆われている。近寄ると制される井戸は、中仕切り塀の際にあしらわれている。後段、この井戸に主水之介がまっ逆さまに落ちるシーンがあるが、家老を騙すお芝居。
- 早乙女邸、妙心寺天祥院門(イメージのみ、刺客で来た正義派の若侍・大木を書庫に籠めてある段)。
2010/9/26
■ 十三人の刺客 三池崇史監督作品 2010.9.25東宝
前作でも見どころだった、落合宿の大乱闘はやはり迫力。ファイヤ牛走ったり、何度もまっさらの敵軍団出てきたり、やり過ぎの感あれどその量がまた、見る者を圧倒する。
馬鹿殿はグロ表現無くても充分な凶悪さで、性根の歪みっぷりは物悲しくさえあった。
福ちゃんはほんとチラリ、新六郎が出入りする賭場にいた痩せ浪人で、台詞や殺陣なし。
ここんとこ映画見に行くと必ず出てる岸辺一徳は、無体な真似をされ観客を沸かせていた。
ロケ地抄録
- 明石藩の家老が腹を切る土井大炊頭邸門前、西本願寺大玄関門。
- 間宮切腹を受けての幕閣協議、妙心寺方丈内部(座敷)。
- 釣りの新左を呼びに来る大炊頭の家来、琵琶湖畔。
- 牧野靭負が新左に語る斉韶の乱行のくだり、明石藩参勤交代の行列がゆく木曽路、清滝河畔の道。後段ではかなりロングの絵で、神護寺のかわらけ投げの崖から見えるアングルと判る。
- 新左邸から出てくる「チーム」の侍たち、随心院長屋門(門を出てパーキングの方へ)。その後、チームの一人・日置が明石藩士に襲われる夜道は、金戒光明寺長安院下坂。
- チーム入りした浪人・佐原が、貰った金で建立した妻の墓、二尊院墓地。
- お国入りする斉韶の行列が出てくる明石藩邸、仁和寺本坊表門。
- 牧野靭負が出て斉韶の通過を阻む橋、不明(木橋)。
- 別ルートを行く斉韶の行列、山室堤(農地から見上げ)。落合宿へ行くまでの道に、走田神社参道もチラリ。
- 敵の目を晦ますため山道をゆく新左たち、体を洗う滝は菩提滝。怖いほど澄んだ山中の泉は山形ロケか。
- 落合宿、山形ロケの模様(大規模セット)。
★メモとってなかったので、記憶飛んでるとこもあって情報は不正確です。話前後してるかも。
2010/9/25
■ 鬼平犯科帳「浅草・御厩河岸」1989.12.13
孝心を嘉され見逃された錠前師は、爾来火盗改の御用をつとめる。病の父を養い、やがて嫁も貰い平穏な職人の日常を過ごすが、腕を見込んだ大盗が接触してくる。
御用と義理と意地に揺れる密偵の胸中のほか、盗っ人稼業を恬と恥じぬ父、亭主の所業を知った女房の苦悩、本格の盗賊の悠揚迫らざる態度など、人情の機微が描かれる。
ロケ地
- 松吉が酒井同心に呼び出され、父・卯三郎を訪ねた者の有無を問われる川端、罧原堤下汀(陸と汀に船)。
- 松吉が与兵衛に引き合わされる庭、不明(植木多数)。その後話す座敷も不明(開口部から美しい緑)。
- 与兵衛の的の醤油酢問屋・柳屋の蔵、大覚寺蔵(夜間、引き込みの手引きで松吉が入り、錠前を調べる)。
- 与兵衛のアジトを急襲する火盗改、立ち回りの庭不明(池や広い芝地あり)。
- 逐電した松吉が、大八に父を乗せ女房の後押しでゆく山道、谷山林道。
2010/9/24
■ 旗本退屈男 第8話「黄金伝説の謎」2001/7-11,CX/東映
決して欲をかかず、信玄公の遺産の行方を求めず存在を崇めてきた末裔だが、欲深役人に目をつけられてはひとたまりも無い。頼み込まれてやって来た退屈のお殿様は、事件を解決するほか、恋の仲立ちもしてゆく。
ロケ地
- 早乙女邸、妙心寺天祥院門。イメージのみ。
- 上総・木更津近くの真理谷(まりやつ)の里、イメージに北嵯峨農地(路傍の石越しに田地を望む図)。
- 地下に閻魔羅闍を祀る「お堂」のある林、北嵯峨か(雑木まじり竹林)。
2010/9/23
■ 旗本退屈男 第7話「謎の鬼面城」2001/7-11,CX/東映
人を殺してまでただの挨拶文を奪おうとするから、退屈のお殿様を呼び込むことになる、間抜けな悪党たち。そして、軽薄な若者は騙せても、撫育してくれた「じい」を慕う幼君の心は動かせないのだった。
ロケ地
- 早乙女邸を窺う強面の侍たち、屋敷は妙心寺天祥院で、下男がくぐり戸を開けて外を見ると一団は壽聖院の築地に隠れ、もうひとつのグループは金牛院脇の路地にいる。
- 主水之介に「密書」を届けようとした、行商人に化けた男が斬られる路地、妙心寺大通院裏路地。主水之介が通りかかり撃退、文を受け取る。
- 国元へ向かう彦根藩江戸家老の駕籠がゆく道、大覚寺護摩堂前〜放生池堤。主水之介はこれを対岸から見ていて、六部の集団に襲われるのは大沢池堤。
- 彦根城、本物の天守を濠越しに。
- 竹林寺へ赴いた城代・高山が拉致される道、大覚寺放生池畔、五社明神。
- 主水之介の示唆を受け、殿様に会うためお城へ殺到する若い藩士たち、彦根城石垣、天秤櫓、城内坂。殿様を見つけ確保し、追っ手から逃げてくると主水之介が待っている池端、玄宮園。
- お仙と話す主水之介、琵琶湖畔(巨岩目立つ北岸)。
- 竹生島の島影を映したあと出る、高山の監禁場所は大崎寺(湖を望むバルコニーで村井と「折衝」、回廊やお堂も)。
- 事後、高山と釣りの主水之介、不明(池上)。
2010/9/22
■ 旗本退屈男 第6話「海を渡った退屈男」2001/7-11,CX/東映
隠密御用の男に頼まれ、はるばる讃岐へやって来る主水之介。お家騒動で危険にさらされている幼い世子を救うものの、後見人の楓の方は迷惑顔。亡き姉から託された二つの大事が、彼女を苦しめていた。
ロケ地
- 幕府隠密・秋月が追っ手と死闘の林、不明(竹林と雑木まじりの林に巨岩のアレ)。その場を逃れた秋月が、楓に斬られる山道は谷山林道(両側切り通し)。
- 朝に下男が門を開けると、夕べから居た「幕臣」佐久田がまだ座っててうひゃあの早乙女邸の門、妙心寺天祥院門。
- 讃岐・丸亀城、本物の天守をイメージに。
- 遍路に混じり関所を通る佐久田、主水之介は素で通る海辺の街道は琵琶湖西岸(河口州と思われる)。
- 亡母の命日に寺へ参る世子・松丸君、神護寺。石段を下りてきたあと、墓地へ。帰りを襲われるのは林間、主水之介が介入しての殺陣は明王堂前へスイッチ。「墓地」はかわらけ投げの崖地みたいな感じだが、詳細不明。
- 村上水軍の裔が主席家老に新式銃を引き渡す海辺、琵琶湖か(岩がちの浜)。
- 家老と側室の企みを主水之介に報告する佐久田、神護寺石段下。「墓地」も出る。
- 佐久田の仕込みに乗せられ、連判状精査のため黒髪山の庵へやって来る御側室、祇王寺山門(門前で駕籠をおりる)。内部はセット撮り。ここで連判状をさらって逃げる佐久田、追っ手と戦うのは大覚寺五社明神。深手を負う佐久田、冒頭に出た巨岩ある林。このあと斬られる谷山林道も秋月の時と同じ。
- 連判状を火にくべる主水之介、琵琶湖畔。
2010/9/21
■ 旗本退屈男 第5話「幽霊城の姫君」2001/7-11,CX/東映
信州・立石城に異変の匂い、主水之介が出会った市女笠の女が歌う童謡は、悪者に捕われた殿様が呟くように歌うそれと一致する。女の父は、彼女が幼い頃謎の出奔を遂げていた。
ロケ地
- 信州・立石城、彦根城。暗雲をバックにした天守を映したあと、暇を出された女たちが出てくる城門には天秤櫓を。これを見ていた隠密が見つかりチャンバラに。
- 街道をやって来た主水之介に、先乗りの佐吉が駆け寄るくだり、酵素ダートと降り口。幽霊城の様子を聞く茶店は河川敷にしつらえ。
- 林の中で市女笠の女を見る主水之介、その女・お秀が参詣する立石神社は鳥居本八幡宮本殿。
- 城の様子を窺いに行く主水之介、彦根城天秤櫓を垣間見。大目付の高坂らが鼻息荒く登城してくるシーンは観音台橋。
- お秀が自邸跡を案内する野原、随心院境内・南塀際。塀越しに鐘楼が見えていて、草原には壊れた燈籠や朽ちた古井戸をあしらい。後段、家老が殿の替え玉を仕立てた経緯を告白するくだりも同所。
- 渡し舟に乗り城下を去ってゆく「父子」、罧原堤下桂川。水面に東公園の木立ちが映り込み、見送る主水之介たちの背景に嵐山の山なみが見えている。
- 江戸へ戻る主水之介一行、新番頭就任の話が消えたという文がもたらされる街道は羽束師堤。
2010/9/20
■ 赤穂浪士 第36話「元禄武士道」1979/4-12、テレビ朝日/東映
義挙を当代の誉れと称賛する幕閣たち、将軍すら天晴れと嘉するも、法は法としての裁可が下る。切腹の場に赴く赤穂浪士たちが、厳かに礼をとるさまを丁寧に描き、伝説の誕生を匂わせて締めくくられる。
ロケ地
- 上杉家の菩提寺に葬られた小林平七の墓に額づく兵部、不明(墓地、丘上か)。
- 家老職を辞した兵部が米沢へ帰る道、不明(山道)。
- 隼人とお仙が江戸を去ってゆく道、不明(山道)。
2010/9/19
■ 地雷火組 完結篇 井沢雅彦監督作品 1960.11.16第二東映
北山の爆発は強力な新兵器と知れ、勤皇派も幕府方も入手に躍起。しかし、地雷火の生みの親たる学者は、研究の成果が破壊活動に使われることを拒否、勤皇の士の志は汲みながらも、何方にも与せず自らの手で爆薬を消し去るのだった。
ロケ地
- 裏切者として城戸を斬るのを一旦諦め、斬りかかる役人から逃げる桂、なお追ってくる侍とチャンバラの町角は妙心寺大庫裏脇路地(通用門前)。
- 前編から引き続き、佐橋が新三郎を助けに入ってチャンバラの林、不明。仙太が助けを求め門を叩く長州藩邸は民家長屋門。駆けつけた長州藩士たちの背後に、石垣や塔頭らしき門、花頭窓のある建物など。
- 仙太が様子を見に行く屋敷、不明(門の屋根は檜皮)。これを佐橋に報告しに戻るシーンは仁和寺塔前〜経蔵。
- 北山の森下のラボ、不明。後段、台地らしき地形がちらり。
- 所司代屋敷、京都御所管理事務所東門。ここから出た役人が北山へ向かう道、不明(山道)。
- 城戸が裃つけて駕籠に乗り込み出てくる所司代別邸、不明(前編と同じ、両脇の築地が派手に出ているのが明瞭に映る)。駕籠が所司代へ向かう路地、妙心寺か(クランク、石畳)。
- お薦さんに変装中の桂に、新三郎のことを告げる仙太、大堰川河川敷か(友禅流し演出、河原は礫)。
- 虚無僧に化けて北山へ向かう桂、つけてきた岡っ引の金助と対峙する頂上は保津峡落合崖上、役人が桂を追うシーンは植林杉の斜面。桂が逃げ込む村、お祭り開催中の神社は平岡八幡宮、石段前に舞台がしつらえられ、太鼓や天狗ダンスを演出。村内の路地、不明(石垣が多く、坂もある)。
- 桂が北山にとの報を受け、近藤土方らが馬で出陣してゆく屯所、京都御所管理事務所長屋門。門を出て東へ向かった隊列は、画面が切り替わると椹木口の方へ向かい、板塀脇を通る。隊列がゆく野道、湖西の台地か。
- 村に潜んでいるのを見つかった桂が船で逃げる谷川、保津峡。船をつけて陸に上がったところ新三郎が寄ってくるシーンは落合河口、桂をラボに案内する近道は清滝に架けた一本橋を渡って←カメラ上から。
2010/9/18
■ 地雷火組 井沢雅彦監督作品 1960.11.2第二東映
元治元年、洛北の方より怪しの爆音響く京の町では、勤皇佐幕いずれもそれを敵方の新兵器と疑い、緊張の日々が続いていた。そんななか、国事に奔走する桂小五郎は、長州の虎と称される同志を京に迎え、彼に塒を世話するが、信頼して預けた先の主は新選組に通じていた。
ロケ地
- 爆発騒ぎで捕り方が慌しく出入りする京都所司代、京都御所管理事務所東門。
- 新選組屯所、京都御所管理事務所北門。隊士らが爆発現場の北山へ向かう道、不明(丘の際、小橋あり・谷沿い?/現場手前の道は林道)。
- 薩摩藩邸、青蓮院長屋門。
- 京へ八里の丹波の街道筋、不明(山際の道に茶店あしらい)←仙太が爆発騒ぎを話題にして人の気をそらし、掏摸をはたらく場面。
- 掏られたことに気付いた男たちが追ってくる道、不明(谷に架かる橋、清滝か)←追っ手をやり過ごした仙太が迎えに来たと、佐橋に明かすくだり。
- 佐橋と桂が再会する川べり、保津峡右岸。ここへは、「こっちから行くと嵐山の裏へ出る」と言って仙太が連れてきた設定。
- 桂が佐橋を預けた城戸の家を見張っていた岡っ引が、新選組屯所へ注進に走るくだり、京都御所管理事務所北東角を曲がって屯所設定の長屋門へ。この表現は後段でも何度か出る。
- 勤皇狂いの仙太を糾弾する「京都中の掏摸が集まる寄り合い」、そこを役人に踏み込まれ、仙太とお玉が逃げて一息つく神社、新日吉神社楼門前。二人は南から来て、仙太は鳥居をくぐり北へ去る。鳥居の向うが坂になっているのがよく判る絵。
- 桂から佐橋宛の文を預かった仙太がゆく道、不明(大寺境内の路地か、石畳の道。腰板付きの塀が続き、奥には庫裏が見える。仙太をつけてきたお玉の背後に、妙心寺長慶院によく似た門)。
- お玉が佐橋の懐から桂の文を掏るくだり、真如堂。お玉が佐橋を待ち構えて煙管を吹かすのは参道・塔前(地蔵尊の碑が見える)。参道坂を佐橋がやって来てお玉と接触、軽くいなされたお玉を笑う仙太は茶所から出てくる(茶店仕立て)。佐橋は本堂の方へ去るが、このあと通る路地は境内か(下っ引が見張っている)。
- 佐橋が綾小路卿を説くくだり、屋敷の門は妙心寺壽聖院、二人が話す庭は不明(睡蓮びっしりの池泉、石橋のほか立石がいっぱい)。
- 下っ引が新選組に佐橋と桂が来ると注進し、二人が囲まれるくだり、二人が歩いてくる道は智積院講堂西塀際(北望、奥に本坊の門が見える)。下っ引が、出動してきた隊士に「佐橋と桂が」と告げるのは妙心寺法堂脇。桂たちが隊士に囲まれてのチャンパラは、智積院講堂北の林か(井戸の屋形が映ったような)。
- 城戸の内通で新選組に踏み込まれてしまう、桂たちが寄り合いを持つ東山の寺(青雲寺と発音)、不明(門前は石段、門脇に腰板。坂を上がるとお堂があって、奥に方形の小さなお堂・そこが寄り合い場所。智積院密厳堂付近に似る)。
- 城戸父子が保護される所司代別邸、不明(屋根は檜皮、両脇に狭間を見せた築地を持つ門)。内部はセット撮り。
- 森下が実験中の北山の爆発現場、湖南アルプスか(一部山肌露出)。森下の小屋、不明(山中)。
- 新選組屯所を探って帰ってきた仙太に、お玉が城戸の裏切りを告げるくだり、隊士から逃げた二人が合流する町角は梅宮大社東参道・蔵の脇。お玉から城戸のことを聞いて激怒した仙太が、お玉の持っていた刀を取り上げて放擲する池は神苑の池、仙太は神苑入口の門をくぐって走り去る。東参道から神苑へは、遮るものなく移動。
- 爆発騒動は勤皇派の仕業と決め付けた新選組が関係先を見張るくだり、長州藩邸は民家長屋門(前の道はまだ地道)。ここを見張るため潜む町角は不明(鐘楼か何かの基壇脇、大寺の境内と思われる)。同じく見張られる薩摩藩邸、先に出たのと同じく青蓮院長屋門。
- 城戸の裏切りを桂に知らせに走る仙太、桂が潜伏している水車小屋はセット、ここへ至る際渡る橋は不明(小川に架かる木橋、簡素な造りで欄干はごく低い。周囲は田んぼ)。
- 師・森下の諌めを聞かず、桂に会いに来た新三郎が新選組に誰何されチャンバラの林、不明(先に出た智積院?の林と同所か)。
- 仙太の知らせを受け、長州藩邸から出てきた佐橋がゆく道、不明(石垣沿い、ステップ上がると祠など。道には石橋架かり)。このあと佐橋は新三郎の危機に介入。
2010/9/17
■ 旗本退屈男 第4話「伏魔殿の血闘」2001/7-11,CX/東映
福山藩の御落胤騒動は、もちろん訳有り。とんだ天一坊と伊賀亮が藩を乗っ取ろうとするが、暇な旗本が気ままな旅に出ていて、首を突っ込まれてしまうのだった。
ロケ地
- 福山藩の上臈・藤岡を刺客から助ける街道、不明(かなり高所の林道)。
- 藤岡が生き別れの弟と会う寺、不明(鐘楼門のまわりは草ぼうぼう)。
- 福山城、本物の天守をイメージに。
- 殿様に嘘をついたことを告白する藤岡、船出前に立ち寄る、海を望む楼は阿伏兎観音の観音堂。船が出ると知らせに来た菊路は、登楼から現れる。
- 龍山寺、耕三寺。陽明門前で立ち回りなど各所が使われる。千仏洞や救世観音まで登場する。
- 殿様の危機を注進におよぶ菊路、門番と押し問答の城門は福山城筋鉄御門。
- 責任をとり暇乞いをすると言う藤岡に意見する主水之介、海岸は福山の海か。
2010/9/16
■ 旗本退屈男 第3話「どくろ屋敷の謎」2001/7-11,CX/東映
忘八を殺した浪人たちを追ってゆくと出てくる、十五年前の因果。怪しの荒れ屋敷に隠されていたお宝は、主水之介たちに肩透かしを食らわせる。
ロケ地
- 忘八を斬った浪人たちを目撃したあと、主水之介が彼らに囲まれる夜道、相国寺大光明寺南路地。
- 早乙女主水之介邸、妙心寺天祥院(門のみイメージ)。
- 十五年前の事件の調書を見るため登城する主水之介、お城イメージに姫路城天守。お城内部はセット撮り。
- 大目付差し回しの刺客(黒イカ)が主水之介に殺到する道、妙心寺大庫裏脇路地。
- 金座・後藤に落籍された、夕霧花魁の遺児・おそのが監禁されている大黒屋の寮、中山邸通用門(イメージカット)。
2010/9/15
■ 旗本退屈男 第2話「京洛の花嵐」2001/7-11,CX/東映
主水之介にマズいところを見られた商人は、あろうことか山吹色のお菓子を贈ってくる。彼を狙う者たちがいるのを知り、退屈の虫は騒ぎ出す。京都では、新任所司代と組んだ奸商が、あきれた強引さで私腹を肥やし始めていた。
ロケ地
- 早乙女主水之介邸、妙心寺天祥院。菓子折が届いて有頂天の喜内のくだり、イメージに門のみ。
- 京都イメージ、清水寺(全景遠望、塔アップ、楼門見上げ)、東寺五重塔(南大門越し)、一力(前を舞妓が通り過ぎる)。
- 主水之介が上る高楼、南禅寺三門。門下で尾行してきた耳助をシメていると、静枝に銃をぶっ放される。
- 隠れ家へ向かう静枝と耳助、琴滝前を過ぎ脇の崖を登る。隠れ家イメージの塀越し破風は不明。
- 京都所司代、随心院薬医門。
- 掏摸の男女を手下に加えるくだり、伏見稲荷。鳥居、楼門、千本鳥居、本殿脇石段、境内摂社など。悪党どもは伏見の商家を陥れるので、現地設定と思われる。
- 九条関白の名を騙り所司代と西国屋を呼び出すくだり、吉田神社。やって来た二人が「もしかして罠?」とかやるのは本殿前。主水之介に斬り立てられて逃げ込むのは竹中稲荷で、三高碑への石段から仇討ち衣装に身を包んだ静枝と「姫」がおりてくる(狐面つけたモブが囲み)。設定は…まさか関白邸のつもりではナイと思うが。
- 江戸へ戻るも、喜内の怒りが怖くて躊躇い、物陰から自邸を窺うくだり、隠れる塀は妙心寺壽聖院の塀。自分が出した文の届いたのを見たあと、芸者あげて船遊びのお殿様は大覚寺大沢池(天神島朱橋映り込み)。
2010/9/14
■ 旗本退屈男 第1話「天下御免の向う傷」2001/7-11,CX/東映
花の吉原に響く銃声、狙撃に失敗し捕らわれかかった若衆を助ける主水之介。若者は実は女で、兄の仇を討とうとしたものと知り、退屈のお殿様は九州へ。天領・日田では、西国筋郡代が、掛屋と結託し私腹を肥やすかの、腐敗した空気が澱んでいた。
ロケ地
- 早乙女主水之介邸、妙心寺天祥院。吉原で若衆を保護した翌朝、下男が門を開けているシーン。お殿様はまだ高鼾。
- たえの回想、不正を探っていた兄が修験者に囲まれ消えた山、白水峡。ここは後で何度も出てくる、怪しの行者出没スポット。設定は竜神の岩屋へ至る日田の山中。
- 豊後入りの主水之介とたえ(このときは若衆姿)、原尻の滝。滝下手の吊り橋を渡る二人を見上げる図も。このあと白水峡へスイッチ。
- 西国筋郡代官屋敷、芦浦観音寺(イメージのみ、門は閉じている)。
- 代官・塩谷の提案で、掛屋が主水之介をもてなす料亭(?)、宇治・興聖寺。参道の溝をナメて山門を望むアングルで導入。竜宮門には、中華行灯があしらわれている。内部はセット撮り、円卓のまわりで中華ダンス。
- たえが捕われている竜の岩屋、普光寺磨崖仏と「崖下の洞窟」。うまく繋げられた洞窟は不明、入口にお不動さんをあしらい、爆破シーンも。普光寺磨崖仏の不動明王前では、立ち回りも撮られている。
2010/9/13
■ 赤穂浪士 第35話「暁の凱旋」1979/4-12、テレビ朝日/東映
首尾よく吉良を討ち取り、引き上げてゆく浪士たち。吉良邸での死闘のほか、陰で起こるさまざまな悲劇も描かれる。
2010/9/12
■ 花の遊侠伝 安田公義監督作品 1958.8.31大映
自他共に認める「人間のくず」の、四人の無頼が痛快な活躍を見せる、ダークヒーローもの。
仲間の御母堂のために打った無理くりな大芝居は、小娘に執着し非道を重ねる要人の所行をあばいて懲らしめる結果に。勢いで話に乗らされるフィクサーの粋なはからいと、何もかもわかっていてお芝居に乗ってくれるおっかさま、死を覚悟して若年寄の手勢と戦う四人に加勢してくれる乞食たちなど、じんと沁みる情話がたっぷりと添えられている。
ロケ地
- 練塀小路の河内山宗俊宅、不明(塔頭の門か、塀には腰高な石積)。
- 直次郎の母を迎えるため「勝手に使う」石翁の今戸寮、不明(セットか、門扉は瀟洒な細竹編み)。
- 御母堂を迎えに、丑松が先導してたいそうな行列を仕立ててやって来る板橋の茶店のくだり、街道は川堤か(堤に軒が接する感じ、古い映画で頻出の一件)。茶店は、松の高木が疎らにある野、亀岡か。
- 近江屋から出た使いの者をつける丑松、町角は不明(塀の角)。使いが入ってゆくところで文を掏りとる、肥後守屋敷門前は西本願寺大玄関門。後段、宗俊がねじ込みに来る段では、彼の背後に北小路通と興正寺の甍が見えている。
- 事後、旅の空の四人、不明(川堤か、高さは相当にある)。
2010/9/11
■ 大江山酒天童子 田中徳三監督作品 1960.4.27大映
伝説通りの「大江山鬼退治」を冒頭で映像化、だが真相は、という作りではじまるヒューマンドラマ。源氏の大将・源頼光に下げ渡された「道長の愛人」は、かつて驕り高ぶった時の人によって引き裂かれた前夫を、死の間際まで愛していた。来るべき武士の時代を予言して、一人の武者がいずこともなく立ち去る姿で悲恋物語は締めくくられる。
ロケ地
- 渡辺綱が茨城童子に遭う一条戻橋はインドアセット、背景に何やら塔と甍、橋たもとには枝垂れ柳と竹藪あしらい。
- 都に巣食う袴垂以下の野盗たちが摘発される門、東福寺三門。大きな像(裸形の仁王さまではなく武装の天王像)あしらい、門の南側でモブシーンが展開され、馬も入る。門越しに禅堂や法堂が映り込み、砂埃巻き上げての大立ち回りのロングの絵では手前に放生池の石橋がちらりと掠めている。また、南塀の感じが今と全く違うのは木の繁り具合。門の設定は羅生門か。
- 坂田金時とこつまが大江山へ向かう山道、不明(林道か)。先に大江山へ入った武士たちが殺され吊るされている木、不明(山上の荒れ地に孤立木。禿山にがびがびの尖岩が突き出す地形)。里人に変装した二人がなお分け入る岩山、湖南アルプスか(鬼童丸に翻弄されるシーン、白い断崖絶壁の処々に幼松)。金時が岩牢に込められてしまうシーンはセット撮り。
- 捕まったこつまが連れ込まれる鬼の館、保津峡落合河口に門をセット(合成の可能性あり)。門の下に流れが見える。後段では、上から見下ろしたアングルが出て、流れはもっとはっきり映っている。
- 渚の前が頼光に語る回想、夫と二人鹿狩りに出て道長に目をつけられてしまった野原、飛火野。備前介が鹿を射るのは野原際の林で、鹿の群れ特別出演。射られてどっと倒れる大きな雄鹿はよくできた作り物。そのあと桜花のもと睦む夫婦は御手洗川の流れる丘の南側中腹(北望)、道長の牛車は率川の方から来て美女を垣間見。
- 酒天童子の回想、妻を奪った道長の館に単騎吶喊した備前介、不明(大路を示す、馬場のような「道」の両側に塀があって背後は林、館の門はセット。林には開花した桜がちらほら)。
- 同じく童子の回想、茨城童子と出会うきっかけとなった、野盗たちと戦った荒野、不明。先に出た山上の荒れ地と同所、より広大に映っている。茨木童子に藤原打倒の総大将就任を要請される洞窟はセット撮り。
- 頼光に大江山の鬼追捕の勅命が下り、戦支度に忙しい館、不明(林の際にセット建設?)。
- 迎え撃つ酒天童子軍が出陣してゆく門、先に出た落合の河口。上から門の屋根越しに見下ろす図で、「屋根」だけ浮いた感じもして合成っぽい。門を出る人数のシーンでは寄った絵も出て、先と同じ対岸からのロングも。人数は保津峡沿いの桟道を上流方向へ。
- 童子が山上から采配を振るう大会戦のシーン、饗庭か湖南アルプスか(砂地?に松)。火のついた岩を落とし防戦するシーンは岩場、露出した岩は黒っぽく、下の谷は白く流れはごく浅い。植生は松中心。
- 山伏に化けた頼光一行が、さらわれた池田中納言の娘・桂姫を見る谷川、清滝か(姫は洗濯中、頼光らは山腹の林を来る)。
- 渚の前の遺髪を渡され、酒天童子が完全に戦意を喪失したのを見ていきり立つ野盗たち、それを抑えるため一帯にびっしり配備された軍勢を見せつけるシーンは湖南アルプス。ロングの絵に源氏の幡が靡く。
- 単騎馬を駆り立ち去る「備前介」、若草山か(木の一本も見えない芝草の丘)。
★風間杜夫といえば、時代劇的には銭形の親分とか九庵とかいわねばならないのだろうが、ウチの身内で彼を呼ぶときはいつも「銀ちゃん」だった。しかし今週のアレを見せられては、銀ちゃんからイトツに置換されそうな勢い。
2010/9/10
■ 鬼平犯科帳「女掏摸お富」1989.12.6
天才的な腕を持ったがため、暗い淵へ落ちかけていた女掏摸。彼女の変装にふと目をとめた平蔵の慧眼が、掏摸集団を一網打尽にし、己を律せなくなっていた女を掬い上げる次第に。
ロケ地
- 冒頭、よろけた芝居で鮮やかに財布を掏摸とるお富、金戒光明寺石段(見上げ)。振り返って微笑む口もとに付けぼくろ。
- 彦十を伴い、従兄弟どのを訪ねる平蔵、巣鴨村の三沢家イメージに摩気民家(園部川右岸から塀越しに萱葺きを望む図と、北側からの外観と二態)。
- 仙右衛門と王子権現に詣でる平蔵、今宮神社東参道〜東門前(ここでお富とすれちがい、仙右衛門がほくろの有無に不審を抱く)。
- お富を見張る平蔵と彦十、今宮神社門前茶屋・かざりや(店の前の床机に陣取り)。小僧の尾行つきでお参りにやって来るお富、東門を「出て」本殿に額づき、境内に仕立てた茶店でほくろを付ける。掏った財布を始末するのは若宮社脇、平蔵たちが物陰から凝視している。
- 掏摸の元締の父に腕を誉められたあと、外に出て水で訓練の真似事をしてみる幼女のお富、広沢池西岸養魚場水場。お富の父・霞の定五郎の表稼業の質屋は、神田八軒町に。
- 七五三造が従いて初仕事のくだり、つけぼくろを渡されるのは大覚寺五社明神裏手、初めての掏摸は今宮神社境内〜大覚寺五社明神舞殿前〜セットにスイッチ。
- 侍の懐を狙ってしくじり、片腕を落とされ水に落ちる七五三造、中ノ島橋(夜)。
- 卯吉に呼び出され求婚されるお富、上賀茂神社ならの小川畔(左岸、夜)。
- 七五三造に餞別を求められる行人塚の林、下鴨神社池跡(木の根方に石仏あしらい)。お富から百両を受け取ってきた七五三造の前に立ちはだかる彦十、泉川畔。沢田同心が出て火盗と名乗り召し捕り。
- 虎七一味が捕まったあともお富を見張る平蔵、ほくろを付けて掏摸を働くお富は今宮神社境内。駕籠をつかまえ巣鴨へ向かうお富、下鴨神社馬場。駕籠をおりる水辺は上賀茂神社ならの小川水場前(右岸、昼間)。平蔵が立ち去る際には林にスモーク焚き。
2010/9/9
■ 鬼平犯科帳「盗法秘伝」1989.11.29
旅先で男気を見せた平蔵は、あろうことか盗賊に見込まれる。憎めぬ親爺のお盗めにつきあったりするが、やがて身の上はバレてしまう。
ロケ地
- 弥吉夫婦が打擲されているところへ、渡船を降りた平蔵がやって来るシーン、渡し場は大堰川河川敷(左岸側に茶店あしらい)。
- 渡し場からついてきた善八が、平蔵に声を掛け勝手に名乗る橋、摩気橋(橋脚は木製、欄干に祭礼の幟あしらい)。役人に連行されていった夫婦者の件のウラを喋る善八、祭りの神社は摩気神社、二人は楼門を出てくる。
- 平蔵に凄まれて退転した善八が再び現れる茶店、不明(店は切り通し下、道向うは池でその奥に谷地田。「道隈」の祠はあしらいものか)。
- 鎌を持って殴りこみに行こうとしていた弥吉に出くわす道、不明(植林杉の林)。話を聞いてやるのは摩気神社本殿裏手、覆屋の下。
- 善八が金を隠していた野、不明(スダジイの根方、石仏はあしらいものか)。
- 善八を見逃してやったあと、忠吾と街道をゆく平蔵、不明(溜池端、先に出た茶店のくだりの池と同所か)。
2010/9/8
■ 鬼平犯科帳「泥鰌の和助始末」1989.11.1
巧妙な盗み細工を作る男は足を洗っており、昔の仲間の誘いにも応じず。しかし、彼を一瞬で盗みの道に引き戻す大事が出来する。
憎まれるに足る被害者に、世間同様鬼平は冷たく、遠島が決まった和助には温かい言葉をかけてやるのだった。
ロケ地
- 磯太郎が和助に悩みを打ち明ける大喜近くの祠、大覚寺天神島。
- 磯太郎の仇を討ちに小津屋へ盗みに入る和助、蔵イメージは大覚寺蔵。裏戸から出て船に金箱を積み込む堀端、広沢池東岸(土手に木塀を拵え、汀に船着きあしらい)。
2010/9/7
■ 鬼平犯科帳「あきれた奴」1989.10.25
人となりを信じ、盗賊を解放する同心。その心に応え、辛苦のすえ逃げた仲間を捕えてくる盗っ人。根気よく待って結果を見た平蔵は、二人ながら「あきれた奴」と笑う。
ロケ地
- その日非番の岡村も招集され、急襲する日影の長右衛門一味のアジト、民家門(夜間撮影、イメージのみ)。
- 難産のすえ死んだ「妻子」の墓に参る岡村、くろ谷か。
- 身投げしようとしていた母子を止める岡村、中ノ島橋。夜間撮影で、導入は橋側面。後段、牢を出された又八が身を躍らせて逃げる橋も同所。設定はいずれも両国橋。
- 五鉄へ預けられたおたかから聞いた事情を岡村に告げるおまさ、広沢池観音島(降雨中、対岸の萱葺きも映り込む)。
- 岡村の回想、又八を捕えた谷中古門前町の正林寺、妙顕寺。夜勤明けの岡村がくぐる境内の渡廊は、尊神堂と三菩薩堂間の渡廊(現存せず)。塀を飛び越えてきた賊を見かけ捕えるくだりは参道塀際(境内)。
- 牢を出され「逃げた」又八がゆく旅路、広沢池西岸沿い田畔(田んぼ側から見上げ)。
- 逃げた紋三郎を捕え役宅に戻った又八が、動機を平蔵に申し述べるくだりで出る、恩ある清五郎に甥のことで頼みごとをされた町角、大覚寺天神島(汀の鳥居あたり)。
2010/9/6
■ 赤穂浪士 第34話「いざ!討入り」1979/4-12、テレビ朝日/東映
茶会開催情報から、決行日はいよいよ本決まり。浪士おのおの、暇乞いや涙の別れに時を費やす中、大石は南部坂に瑤泉院を訪ねる。ここに来ての脱落もあるが、蕎麦屋の二階から降りてきた一党は、討入り装束に身を固めていた。
ロケ地
- 師匠から吉良邸茶会開催を聞いた大高、大石に知らせに走る道は五社明神か(背景流れてて判別困難)。
2010/9/5
■ 孤剣は折れず 月影一刀流 佐々木康監督作品 1960.12.11東映
鶴田浩二の剣客モノ。師の仇を求める過程で、権力中枢と関わったり、高貴な姫さまほかいろんな女たちに惚れられたりの、賑やかな展開。しかし剣の道を行く男は、名誉も愛も振り切って再び旅の途につくのだった。
ロケ地
- 将軍家御狩場の駒場野、饗庭か(台地状の「荒れ地」、植生は薄原のほか、松の高木が疎らにあり幼松も多数)。冒頭、柳生に寝返った元同門の侍たちと斬り結ぶシーンで登場し、糸耶との出会いの場にもなる。このあとも同じ御狩場として出るほか、野面の場面で出る。
- 美音が預けられている愛宕・青松寺と周辺は、西教寺とセットを併用して描かれる。源四郎が美音に会いに来る青松寺はセット、ここへ高垣弥九郎らがどやどやと押しかけ、上の祇園社での果し合いを迫る。そこへ赴く源四郎が通るルートは西教寺大師堂北門を出て石段をのぼり本堂前へ、南へ転じ墓地の方へ、ここでセットの祇園社にスイッチ。このとき、門を出てゆく源四郎を怪しの虚無僧がつけており、集まって物騒な相談をぶっているところへ加寿姫が騎馬でどかどかと乗り込んでくる坂に、参道。虚無僧らと姫のひとくさりは大師堂前で、このあと源四郎を追って姫たちは北側の坂から、虚無僧たちは石段を駆け上がり、本堂前へ・水屋や鐘楼が映り込む。祇園社の手すりをへし折って源四郎と姫が落ちた先、捜しにゆく黒兵ヱのシーンは一部ロケか(丘の斜面の雑木林)。
- 但馬守の駕籠前に立ちはだかり、師の仇を討とうとする源四郎、東映城か。
- 真の仇だった風早竜馬と対決の駒場の雷神の原、野面の一部はロケか。
- 嫁いでゆく加寿姫のシーンに被る、旅の空の源四郎、饗庭か(台地の薄原)。
2010/9/4
■ 鬼平犯科帳「兇剣」1989.10.11
京見物の鬼平は休むどころか大忙し、賊召し捕りの立役者をつとめ、市中では追われる娘を助けて、これがもとで大坂の大盗・玄丹から刺客を送られる羽目に。このあと京都町奉行の勧めで奈良見物に赴くが、道中襲ってくる刺客を返り討ちにし、玄丹が狙う押し込み先をも防ぐという、八面六臂の大活躍を繰り広げるのであった。
ロケ地
- 虫栗一味が捕えられた夜、大坂へ走る玄丹の手下・伝五郎、木津堤か。
- 父の墓に参る平蔵、二尊院墓地。設定は千本出水七番町の華光寺。
- 京の市中を逍遥する平蔵、舞妓白川女が行き過ぎる寺の境内は仁和寺塔脇草叢。金閣と清水寺全景をイメージに挿入したあと、平蔵が歩むのは化野念仏寺石仏群(雲水あしらい)。このあと京都御所建礼門をイメージに挿入、およねを拾う市中セットにスイッチ。原作では逍遥は嵯峨だが、劇中特段の説明なし。
- およねを宿に連れ帰った翌朝、大和へ向けて発つ平蔵一行、清凉寺本堂前〜流れ橋〜石清水八幡宮参拝は現地で(原作ではここの宿院へ泊)。
- 石清水を後にした平蔵一行、あのあたりが宇治、と浦部が彼方を指す「道」は天神川河川敷(大堰堤上の広河原、背景にガレ山)。設定は生駒山地東裾の街道、浦部は謂れを披露し歌姫街道行きを勧める。
- 玄丹のもとへ浪人が集結し、江戸では岸井左馬之助が平蔵の京都行を知る頃、棚倉野へ差し掛かった平蔵一行がお昼をつかう河原、天神川河床・若布谷落ち口。およねが足を水に浸し休む前で、忠吾が魚を追って騒ぐ。浦部はゆかりの万葉歌を披露。
- 平蔵の動向について報告を受ける伝五郎、大覚寺五社明神祠脇。伝五郎がこのことを注進に走る田畔、不明(背景の山裾に民家)。道隈の道標に付けられた仲間の印を見て走りあがる坂、大内亀岡道の坂(山肌ガレ)。
- 祝園村へ差し掛かる平蔵一行、方向を示す印を付けつつ尾行していた谷松をシメる平蔵、酵素ダート。
- 捕えた谷松を大八に乗せて入る常念寺、不明(門越しに見える堂宇は、五本線入りクリーム色塀のアレ。門を入ってゆくシーンでは、奥に竹林が見える)。
- 平蔵に刺客を送る一方、計画していた盗みに乗り出す玄丹、出先で塒にしていたお堂から出てくるシーンは大覚寺聖天堂。
- 玄丹に命じられ、平蔵を狙うべく浪人衆を引き連れ街道をゆく大河内、不明(山裾の地道、田畔。このあと坂道へ。大内か)。
- 奈良イメージ、薬師寺(南塀越し西塔/大池付近からの遠景)、東大寺大仏殿遠景、興福寺(南円堂の甍越しに五重塔を望む図)。
- およねを忠吾に守らせ、浦部一人を伴い歌姫越の峠に差し掛かる平蔵、奈良を遥かに望む頂は谷山林道。
- 見失っていた平蔵を見つける伝五郎のくだり、不明。伝五郎たちが休んでいたのは萱葺民家、平蔵と浦部が行く道は田畔で民家映り込み。
- 平蔵現るの一報を受ける大河内ら、酵素河川敷でお昼中。このあと降り口坂を駆け上がり、ダートを走り抜ける(ダート待避所に、左馬之助が休む茶店をしつらえ)。
- 平蔵が近づく人数の気配を察し走り抜ける田畔、不明。伝五郎と大河内らが合流するのは大内坂か。
- 平蔵と浪人団死闘のくだり、犬飼天満宮。浦部と二人走り渡る橋は参道橋の天神橋、旧態の木橋で、ここに至る前に参道も映っている。立ち回りは橋上のほか境内、浪人たちが川を渡渉する場面もある。浦部が騎馬で駆け去るシーンは、山王寺前〜橋上。
- 玄丹らが押し入る大泉村庄屋宅、大覚寺明智門。門を開け侵入し、蔵にかかるところで捕り方登場。
- 京へ帰る一行、不明(山裾地道、石積みあり。谷地田か)。
2010/9/3
■ 血槍富士 1981.7.17CX/東映
あるじの酒癖を案じていた奴さんは、苦すぎる結末を抱えてひとり江戸へ戻る。矛盾と怒りの象徴の槍を投げ棄てた、その先に富士の嶺。
殿様の御用を足して名古屋から江戸へ戻る主従と、道連れとなる町人たちとの触れ合いは、運命の重さに沈むも、心暖かく人間味に富んでいる。
かたやさむらいどもときたら、諸人の難儀も顧みず風流とやらを嗜んでみたり、挙句見栄のため人の命を踏み躙る始末。それを正視できず、我慢していた酒を呷った心優しき武士は、下衆の挑発に乗ってしまう。
ロケ地
- 街道をゆく酒匂主従、大堰川堤(畑越し)。もうこの時点で「道連れ」の衆は揃っている。関所のある河原、渡し場の汀は大堰川か(滞水、濁り入り)。
- 大名が野点をして旅人の通行を妨げる街道、不明(谷地田の地道。もうひとつ大名行列がやって来る道は溜池端)。富士が望まれる設定。
- 川止めに加え、盗っ人詮議で足止めを食らう宿場、源太がおたねのため櫛を買ったり、権八がおすみの身の上を知る祭りの神社は大覚寺五社明神。露店多数あしらい。
- 禁足が解かれ出立する「道連れ」一行がゆく街道、大内。亀岡道から来て辻堂前を過ぎ南へ。大名行列が来る道は別撮りか。辻堂脇には祠と地蔵あしらい、道標には「是より藤枝宿」の表記。辻堂前の田地には低木繁り。
- 権八がおすみに次郎のことを頼むくだり、次郎がおすみの娘と将来設計を語る小川は酵素河川敷か。ここへ大捕物だと声が聞こえてくる。
- 六右衛門として捕り方に追われる藤三郎、、流れ橋下。看過し得ず名乗りを上げて斬られた「巡礼」は、川中を流れてゆく。
- 瀕死の「六右衛門」を保護する小屋、広沢池西岸湿地に小屋あしらい。
- 六右衛門の回想、明石守の千両箱を盗ったものの、開けてみると中は瓦と知った夜の祠、大覚寺天神島。権八が箱を捜しに来る段は昼間。
- 瓦入りの千両箱を捜しに馬を駆る権八、大内亀岡道(北へ向かう。戻り道では坂を駆け下りてくる)。
- あるじと朋輩と、二つの骨箱を抱いて江戸へ向かう権八、渡る橋は流れ橋。俯瞰のショットではたぷたぷに水があるように見えるが、川上からのアングルでは橋脚下部を洗う程度。次郎に帰れと大喝を呉れ、槍を川に投棄する背景に富士山・ここでストップモーション、一転夕景になり四人が渡ってゆくロングの絵に。
2010/9/2
■ 鬼平犯科帳「笹やのお熊」1989.10.18
寺の下男が門前茶屋の婆さまに託した「遺産」は、分不相応な大金。平蔵の知るところとなり、婆さまも使って捜索が始まるや、果たして寺の預かり金を狙う盗賊が浮かび上がってくるのだった。
昔なじみの老婆を労わり気遣う、銕つぁんの優しさが際立つ情話。
ロケ地
- 本所・弥勒寺イメージ、清涼寺本堂大屋根。
- お熊婆さんの門前茶屋・笹や、今宮神社門前茶屋・かざりや。
- お熊に茂平の死を知らされた畳屋・庄八が大八を曳いて渡る両国橋、中ノ島橋。お熊を尾行し店を見届けた帰りの女房と、橋上ですれ違いアイコンタクト。その後庄八が入ってゆく弥勒寺の山門、今宮神社東門。
- 庄八が手下を寺に入れるくだり、寺へ行くルートは中ノ島橋(堰堤をイメージに挿入)〜今宮神社東参道から東門。お熊が坊主に聞き込みのシーンは、東門が見える境内。
2010/9/1
■ 鬼平犯科帳「狐火」1989.9.27
凶行ののちべたべたと名札を貼ってゆく賊、その一味の当代は、おまさが心ならずも別れた昔の情人、女密偵の心は千々に乱れる。
名を騙られていた二代目は、畜生働きをした弟に制裁を加えたあと神妙。先代の誼とおまさへの気遣いから、彼を目こぼしする平蔵のはからいが妙味。
ロケ地
- おまさの回想、十年前お盗めのあと勇五郎に置いていかれてしまった水辺、広沢池東岸に舟着きあしらい(夜間、盗金を船に積み込み中)。
- 叔母を見舞って帰りのおまさが、瀬戸川の源七を見た新宿の渡し場の茶店、大堰川河川敷。茶店を仕立ててある河川敷は広い礫河原で左岸側、対岸は竹の河畔林が汀に迫っている。
- 「狐火」が皆殺しを働いた無残な現場で、狐火の仕業でないと叫ぶおまさ。その後平蔵が話を聞くため彼女を連れてくる料亭、錦水亭。東屋外観にカイツブリの声を被せ、座敷から八条池を望む図に切り替わり。東屋が土手と斜めに立地することを利用し、うまいこと外の景色も映り込ませてある。原作設定は市ヶ谷八幡境内の料亭・万屋の離れ。
- 源七に会うため中川の渡船に乗るおまさ、大堰川。河畔林は竹、流れは瀞。茶店は先と同所の大堰川河川敷、店の中から流れが見える図も出る。ラスト、おまさが再度密偵として働きたいと申し出るシーンでは、対岸に消波ブロックなどちらり。
- おまさと勇五郎が苫船に乗って出るくだり、大堰川から広沢池東岸へスイッチ。東岸の並木の向うに板塀をあしらい、文吉のアジトに仕立ててある。隅田村木母寺近く設定。
- 勇五郎が文吉を始末する竹林、北嵯峨か。
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