−剣風!百万両の壺− 1982/10/22、CX
仲代達矢が左膳を演じる。殺陣はもちろん、壺を巡っての目まぐるしい大騒ぎも川端の味噌蔵の情景も良し、お藤姐さんの婀娜っぽさも痛快な一話。
お話は左膳が片目片腕を失う時点から説き起こし、三年後の江戸が主な舞台となる。左膳と「こけ猿の壺」との関わりは、愚楽が差し向けた忍群と柳生の戦いに巻き込まれる形で始まる。この仲代左膳ちょっと強面、しかしお藤姐さんや萩乃に見せる情の深さ、チョビ安にも優しく、ぎょろりとした金壺眼が段々可愛く見えてくる。
ロケ地、相馬・中村藩領、隠密とバレた女が吊るされ責められるお堂、大覚寺護摩堂(内部はセット)。家老の命でもう一人の隠密と判明した神島小十郎を斬りにゆく左馬介のくだり、萩乃と小十郎が相合傘は上賀茂神社北神饌所裏手。その後家老たちに追われ橋からドボンは林間と橋を場面切り替えて、橋は中ノ島橋かセットか。柳生と忍群の戦いに遭遇し壺ゲットの左膳、持って逃げる橋、お藤の船に飛び乗るクリーク、西の湖か。お藤たちの塒の味噌蔵、琵琶湖畔か。将軍お成りの茶会が催される寛永寺、粟生光明寺。警備兵の立つ石段や本堂まわりが映り、左膳たちが潜むのは林間。お藤が陽動に突進するのは紅葉道、衣を脱ぎ捨てながら走る。薬医門をくぐり片袖ぬいて短筒をぶっ放し、鐘楼に駆け上がって諸肌脱ぎとなり鐘を撃って啖呵を切る。その音に足を止める将軍、本堂裏手廟所への階段。壺とった与吉と合流し逃がす算段を講じる左膳、本堂下基壇の亀腹。偽壺ぶら下げた左膳、チャンバラは粟生光明寺から仁和寺塔前にスイッチ、塔へ駆け入って梯子を外しバルコニーから愚楽の悪企みを大声で呼ばわる。これを聞く将軍は粟生光明寺本堂外廊下。壺を持って柳生家へ走る与吉、相国寺湯屋〜大光明寺通用門前でやって来た対馬守の駕籠に無事渡される。ラスト、江戸払いとなった左膳の前に立ちはだかる泰軒、琵琶湖畔か(ヨシ原、水面にはエリ)。
*写真は左馬之助が小十郎を斬りにゆく雨のシーンのロケ地
*左膳をたばかって腕を切り落とす小十郎に福本先生、夏目雅子と一つ傘、台詞も多し。しかしこの濃い場面、ものの数分…。
*愚楽には西村晃、でっかい水槽で飼ってるのはなんとアロワナ。この配下の泰軒には夏木勲、悪者の高笑いがなかなかよくお似合い。
*最後にちょろっと出てくるだけの大岡越前、中谷一郎だから存在感あってマル。