斬り捨て御免!

第三シリーズ  1982テレビ東京/歌舞伎座テレビ

広沢池 キャスト
 花房出雲/中村吉右衛門
 小蝶/金沢碧
 平野与四郎/伊庭剛 関大助/長門勇
 白河樂翁/辰巳柳太郎

 第三シリーズでは「敵」が一手に絞られる。莫大な財力をもって幕府中枢にもはびこる組織は謎の「翁の御前」が操るもの。花房出雲は、元老中の築地の御隠居・樂翁の命を受け翁の一味と死闘を繰り広げる。彼をサポートする三十六番所のメンバーは、前回に引き続き「とっつぁん」関大助と、アクション系の若手ニューフェイス・与四郎。
本シリーズでは、出雲はほとんど番所に顔を見せず、柳橋芸者・小蝶姐さんの家に居続けの愛人設定。謀議もここで行われたりする。樂翁さまの指令は、季節の届け物や使いの者に託された小物に「樂」マークが入っているという趣向。これを受けて「今回の我々の使命は」とやるあたり、スパイ大作戦ノリで進む。全編通じて出雲は敵味方問わず女にモテモテ、その都度よろしくやっちゃうお色気路線もこのシリーズの特徴。


第1話「熱き口づけは死を誘う

 放浪の旅に出ていた出雲が楽翁の呼び出しを受け江戸に帰還するお話、この間出雲は記憶喪失になってアタマ抱えて苦しむは、助けてくれた傀儡衆の女と恋に落ちるは、翁一味は跳梁跋扈するはの大騒ぎ。記憶が戻った出雲が任務を捨てて傀儡師の女と生きようとする一幕もあるが闇の手が彼らを引き裂き、出雲は仇討ちも兼ねて番所衆を従え悪を斬る。

 ロケ地、丹後の海、六部の襲撃を受けた出雲が落下する火サスふうの崖、間人。「間人浜」に漂着する出雲のシーンは琵琶湖畔にスイッチ(遠景にビルらしき影)。山伝いに京へ出る道をゆく傀儡の女・朱実と記憶なし出雲、湖南アルプス。途中で休む渓流は若布谷。傀儡師たちが集まる京の森、鳥居本八幡宮(舞殿、広場)。江戸築地・楽翁隠居所、中山邸門。程ヶ谷宿手前、傀儡師たちが野営する河原、天神川堰堤上の広河原。世阿弥宗因江戸屋敷、相国寺林光院。傀儡たちが始末される品川はずれ明神の森、鳥居本八幡宮広場。
*傀儡の女・朱実に梶芽衣子、「おかしらとおまさ」の熱々が見られるのも面白い。


第2話「大奥を濡らす魔性の血

 大奥に阿片を蔓延させ、意のままにした女たちから将軍に幕閣人事を囁かせる翁一味、阿片はお茶壺に仕込まれて東海道を下る。楽翁の指令で番所衆が出向くが、大将は先発して山中で一行を窺う。この際、くの一を助けたり、自身は一服盛られて監禁されたりタイヘン。そしてくの一の目的が自分たちと同根と知った大将、彼女に阿片を持たせて逃がし「御免!」成敗。

 ロケ地、箱根山中を行くお茶壺道中、大内辻堂付近。くの一・冴を助ける山道、酵素(ダート、降り口、河川敷)。大磯手前、茶壺一行が休む浜、琵琶湖西岸松原。事後、腰元姿の冴のお尻を触る出雲、相国寺方丈塀際。
*くの一に志穂美悦子、もちろんアクションシーンあり。大将、助けてやったり温めてやったりで惚れられる。また、番所に出仕せず小蝶姐さん宅に入りびたりなど人格変わったかもの感あり。腰元にお触りまでするし、OPはコレの暗示か。*与四郎くんの戦闘衣装、鎖帷子の袖ちぎったみたいなヤツ、なんか網タイツっぽい(以降普通の衣装のことが多い)。*大将に「御免!」と斬り下げられた御数奇屋坊主の山本昌平、夢に見そうな怖い顔、切り口ぱっくり盛り上がったメイク。


第3話「生か死か断崖に揺れる二人

 豪商・白木屋を狙う翁一味、まず上州の出店が狙われる。今回も先発の大将、変事相次ぎ従業員が逃げ出した店に上がり込み。はじめ迷惑がっている出店を任されている娘・おりは、腕っ節に加え絹を大量に調達してくる大将に次第に魅かれ、逃避行の間にめろめろ。また、出雲の旦那がソフトとはいえ手出すし。

 ロケ地、野草摘みのおりはと女中たち、広沢池岸。街道筋、出雲を襲う僧形の一団、丹波盆地の共同墓地か。とっつぁんと与四郎が襲撃される道、谷山林道。代官に連行された大将とおりはが逃げだす竹林、鳥居本八幡宮(竹林〜鳥居下)。手錠でつながれたまま逃げる山道、清滝川周辺を経巡り落下岩へ。おりはと別れを惜しむ大将、山ツツジ咲く谷山林道。その直後琵琶法師に襲われるのは酵素降り口。
*白木屋の娘・おりはに松坂慶子。落下岩からぷらーんと吊り下がる際の苦悶の表情が欲しくての起用か、似合いすぎ。


第4話「女豹の牙と百万石の大陰謀

 翁一味が加賀藩を狙う。番所衆は、加賀から江戸に向かう一行の真意を探りに中山道へ。
加賀から出たのは藩主の妹君で、目的は黄金仏の献上。仏様に藩をひっくり返す秘密が隠されているという設定、何も知らない妹君、翁と通じる道中奉行、仏の元持ち主で加賀藩に恨みを持つ娘など出て大騒ぎ。大将は一旦捕まったり、妹君に逃がして貰ったり、仇討ち娘に惚れられたりと活躍、騒ぎの元の密書を処分して事は終息するが惚れられた娘に江戸まで付きまとわれ、小蝶姐さんの柳眉を逆立てることになる。

 ロケ地、翁一味の林伝八郎が楽翁の密偵を斬る野道、「暗殺指令」で出たとこと同じ野面、不明。小夜と佐平に腕を試される出雲、酵素木の前あたり。出雲をたばかって逃げた二人が休む祠、鳥居本八幡宮舞殿。佐平の野末の墓、桂川畔か。翁一味の鳥追いがとっつぁんに仏を奪われる河原、保津峡落合河口岩場。大将と小夜が加賀藩の侍に追い詰められる荒地、砕石場か。妹君を殺め仏を奪って江戸へ急ぐ道中奉行に追いつき対峙の水辺、広沢池東岸(水無)。ラスト、小夜につきあって船の上の大将、罧原堤下あたりの桂か。


第5話「やわ肌が乱れる地獄島潜入

 スラム潜入もの、舞台は橋一本で外界とつながる大川河口州の無法の街。お話は栗塚旭主演の痛快時代劇「風」の一話「群狼の町」とほぼ同じ、シナリオは両方とも鈴木生朗。
翁一味の資金源となっている地獄島での抜け荷を探索に入る出雲、もういきなり「昔の男に似てる」とあいまい宿の女将にべた惚れされ食っちゃうへんはこのシリーズのお約束。「風」で先に潜入して重傷を負う小林昭二の役は勘兵衛が岡っ引としてつとめる。琉球娘や青年医師、小金を狙われ殺される女郎など描かれ、抜け荷船を襲って入れ替わるとっつぁんと与四郎が「頭領」に見露わされてラス立ち。長門勇の琉球人だか唐人だか判んないカッコも傑作、衣装に合わせて武器もトンファーみたいに使う短剣。呑んだくれ和尚には小松方正、そこはかとなくコワい。

 ロケ地、冒頭のイメージカットは琵琶湖か。危なっかしい橋など細かいところは広沢池北東畔(水無)、セットと併用。


第6話「暗闇目付が仕掛けた必殺罠

 今回の翁一味の怪人は外見も中の人もホントに怪人、火事装束に身を包んで顔は紗で隠した菅貫。闇目付と称し、翁の御前に従わぬ勢力を「弱味をつかむ」攻撃で崩しにかかる。闇目付のメインターゲットは堅物で楽翁の信頼深いホープ・松野備前守、若君時代の秘めた恋を暴きにかかる。その相手、オランダ人とのハーフの女医はそれだけで汚点、しかも彼女は松野と交わした文を大事に持っていた。

 ロケ地、大奥をクビになって松野を恨んでいる元中揩フ父が住持する谷中・妙法寺、相国寺(方丈入口、回廊、塀際、大光明寺南塀)。釣りの出雲と密かに接触する備前守、大覚寺天神島の池畔。闇目付の駕籠を尾けた与四郎が襲われる祠、五社明神(摂社、本殿)。ここで消えた闇目付は本殿床下から屋敷へ入る設定、有栖川畔の塀は目付・黒沢外気邸という趣向、屋敷の表門は大門
*女医は菅貫に短筒で撃たれた出雲を手当て、その後よろめきという運び。「いい目をしている」「逞しい」などと言われ大将モテモテ設定は今回もオン、小蝶姐さんやきもき。


第7話「謀略血で染めた御用金強奪

 出羽久保田藩の運上御用金が奪われ、千住の代官所に隠匿される。もちろん翁一味の仕業で、代官から飯屋の親父までグル。とっつぁんたちは商人に身をやつして入り、久保田藩の隠密も助けて大働き、しかし捕われて小屋ごと爆破されかかったり。今回ほとんど出てこない大将、部下の危機とラス立ちにはきっちり登場。そして今回も亀石征一郎はお面に失敗を報告。

 ロケ地、千住へ向かう関と与四郎が飛脚を装った刺客に襲われる、大覚寺大沢池堤降り口。御用旅の勘兵衛がボコられる、松尾橋下手堤か。久保田藩隠密が薬売りに扮して探索の屋敷、例の庄屋屋敷、不明。代官所勝手口、随心院長屋門(漆喰の剥落が激しい)。代官所へ蝋燭を届ける商人を襲って入れ替わる番所衆、大覚寺有栖川(河床から見上げ)。代官たちが金箱を運ぶ道、下鴨神社馬場(木からとっつぁん丸太投げ、荷車を横転させる)。殺陣は池跡へ移動。事後、帰り道をとぼとぼゆく勘兵衛、瀬見の小川石橋河合社脇に茶店セットで大将が声を掛ける。


第8話「三万両の身代金に賭けた命

 事件は、いつものように翁一味の資金集めからくる富商を狙った誘拐事件。今回は謎の歩き巫女が登場、林伝八郎と入れ替わる経緯が描かれる。主題は、楽翁の影目付で長年十組仲間の商家に潜んでいた「草」が役目を果たし斃れるお話、出雲は彼に己の運命を見て合掌するのだった。

 ロケ地、母の法要に来ていた木津屋の娘がさらわれる瑞鳳院、和尚が茶運ぶ廊に相国寺大光明寺方丈。大将が小蝶姐さんといちゃつく屋形船、中山池か。誘拐に加担した和尚が巫女に消される道、下鴨神社河合社塀際。巫女と伝八郎のツナギ、中ノ島橋上。十組仲間の会合がもたれる柳橋の料亭、嵐山公園の。木津屋の娘が監禁されているのは相国寺鐘楼。人質交換の野道、大堰川河川敷。影目付を葬る野末、下鴨神社糺の森。伝八郎と出雲の一騎打ち、金戒光明寺三門まわり(伝八郎が門下で本堂下石段を降りてくる出雲を待ち構え、殺陣は門前の石段へ移動)
*伝八郎との死闘で釣竿を損じた出雲、小蝶姐さんに五両する竿をねだるのに「言い難いんだけどな」「俺の大事なサオがすっぱり」…この申し出にとんだピンクな誤解を仕出かす小蝶姐さんが天然で可愛い。


第9話「女の唇に潜む非情の罠

 新しいお面取次ぎの歩き巫女は敵味方関係ナシに苛烈、楽翁の影目付を消すのも、失敗した仲間を消すのもばぼーんと一発大爆破。今回のお話は導入から三十六番所を釣るための仕込みで、薄々それと知りつつ乗る大将、乗り込んだ先の翁一味のアジトではちょっと危なかったり。斯様に過激な「巫女」お弓だが、失敗をお面に報告するへんは前任者とおんなじ。

 ロケ地、勘兵衛が女掏摸を追って駆け入る神社、今宮神社東門。茶店で休んでいた出雲に助けを求めるシーンは高倉下。夜釣りの出雲、女掏摸が簀巻きにされて投げ込まれるのを見る、大覚寺放生池堤。女掏摸の情報から浮かんだ向島の寮を探すとっつぁんたち、浜で網を繕う漁師に話を聞くのは広沢池池底(水少なし)。あそこで聞けと指差される萱葺の家、北東畔の民家。その家・森田屋寮の玄関、中山邸通用門。寮での死闘の帰り、出雲を呼び止める女掏摸、大沢池(その後船を出し池上でぼーん)
*番所で固い本に挟んでエロ本読んでる与四郎くんが可愛い。ラス立ちでは大将たちを矢衾から救う役でアクションも派手。


第10話「怪盗を追え 死のおとり作戦

 翁一味の賊が跳梁、次々と豪商を襲い多額の金を奪う。巫女は金融不安も狙うありさま。この流れは、錠前破りが賭場で捕まったことから齟齬を生じる。タイトルは、牢で錠前破りに近付き共に破牢するとっつぁんの秘策・疱瘡ふう吹き出物のできるお手製の秘薬…ぶつぶつの顔で近付くとっつぁんに牢中大騒ぎ。

 ロケ地、小伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門。浅草溜りへ送られる道、大沢池東方の農地天神島(休憩)。服と食い物を用意してあるお堂、護摩堂(引戸をセット)。とっつぁんをシメて逃げる賊、大沢池畔。一味のアジトの見世物小屋、今宮神社高倉(蓆をセット、ここへ向う際東門石橋を渡る。ほかに灯籠越しの風景などもあり)。賊が集結し出発の門、楼門。船を出して海底に隠した金箱を引き上げる一味、広沢池東岸と池上(ここでラス立ち、与四郎くん褌一丁の水中戦闘で大活躍)。巫女は一味の失敗を堤道から見ている。


第11話「夏の怪 竜神が流す火の涙

 凶事続きの江戸、久々の明るい催しと市民が待ち焦がれる川開きに翁一味の魔手が忍び寄る。手口は鍵屋を脅して花火に硫酸を仕込み、人々の頭上に降らせて大混乱を生じさせ北町奉行の失脚をはかるもの。お面取次ぎ巫女は硫酸降らせテストの犠牲者の前で「竜神の崇りじゃ」と民衆を煽るが、神が北町奉行の所行にお怒りまで言うから笑える。

 ロケ地、逃げて死んだ花火職人から何を聞いたと詰め寄られ立ち回りの大将、下鴨神社河合社塀際。北町奉行所、大覚寺明智門。鍵屋潜入の結果を報告する与四郎、罧原堤下汀*鍵屋の娘を監禁してある屋敷の裏手、瓦練り込み塀は以前も荒れ寺設定で出たとこ、棕櫚や笹、林床などから河合社かと思われるが、北塀際は冬でも茂り放題なので今のところ確認不能。ラス立ちの打ち上げ場は広沢池と思われるが暗すぎて確認できず。


第12話「黄金に群がる闇の相場師」


第13話「女仇討に隠された凶悪の罠

 米問屋にとんでもない安値で売り出しとの紙を貼って回る翁一味、暴動起こり自殺する店主も出る。この騒動で出雲をいぶり出そうとの企みだが、偽の仇討ち女を用意し、爆薬まで仕掛けるも失敗というしまらなさでドロンジョさまみたいなのだった。また、軒シノブに仕込んだ楽翁さまのツナギのしるしも、大将と小蝶姐さんが江ノ島へ出かけてて空しく風に揺れるばかりでこっちも緊張感なし。いつまでも遊んでる大将に来た「至急帰れ・楽翁」の文字がなんか怒ってるぽくて笑える。

 ロケ地、「貼り紙野郎」にからんで斬られた酔っ払いが放置される弥生橋、中ノ島橋。騒動の対処を話し合う米問屋たちの会合、嵐山公園・錦。とっつぁんたちが拾った仇持ちの志乃がお参りの弥生神社、松尾大社楼門。与四郎が監禁される宮神社裏の小屋、下鴨神社河合社裏手の糺の森に小屋セット。志乃が仇討成就祈願の神社、松尾大社本殿(ここで都合よく「仇」の浪人が楼門をくぐって入ってきて、用水沿いに曲がってゆく)。事後、釣りの出雲にお弁当を持ってくる小蝶姐さん、広沢池観音島(出雲は船上)


第14話「生き地獄女悪鬼の棲む館

 天城山中に隠し金山ありとの情報で、三人は伊豆へ。天城番所頭取は不行跡で失脚した旗本、翁と通じて返り咲きを狙っていた。タイトルの女悪鬼は護摩焚き巫女で、頭取を翁一味に引き入れる役割、最後にはお祈り用の榊に刃仕込んで向ってくるけっこう凶暴な女。大将ととっつぁんは一時捕まりピンチの場面も。

 ロケ地、小伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門。お仕置になる罪人の告白による回想、天城山中で崖下に折り重なっていた屍、保津峡落合トンネル〜落下岩と崖下。伊豆へさして街道をゆく大将、大覚寺放生池堤。天城番所、長屋門。とっつぁんと与四郎が材木落しに遭う山道、谷山林道切り通し。あとは番所衆合流の谷水や、伐採地にガレ場、不明。


第15話「命の綱渡り 決心の十手持ち女房

 今回の悪企みは贋金流通→市中混乱。たまたまとっつぁんたちが行き会った運び屋の女が勘兵衛の女房そっくりで、潜入の運びに。金座の帰りに出雲が狙撃され行方不明、しかし最後に地下工房で危機一髪の番士たちを助けに斬り込みでラス立ち。

 ロケ地、運び屋のおみのが与四郎に追われ飛び込む水辺の道、大覚寺放生池堤。金座奉行役宅(?)明智門。金座からの帰り、出雲が撃たれ落ちる橋、中ノ島橋。潜入のおきんが船に乗せられる、大沢池船着(小)。連絡場所のお堂、護摩堂。地下に贋金工房がある谷中・光明院、不明(山門と塀を使用)。*尼寺とお堂は地下でつながってる設定、出雲は抜け穴を通って現れ金座奉行をハイジャンプで「ごぉめぇぇん」斬り。


第16話「狙われた姫 魔界の女呪術師

 今回の企みは、大奥入りして女たちの教授方をつとめる公家の姫を使っての大奥支配。江戸下向中の行列を襲い、あろうことか姫に暗示をかけて出雲を殺させようとはかる翁の「巫女」、電波飛ばしまくりの心理攻撃は遂には破られ「御免!」真っ向割りをかまされる次第に。

 ロケ地、中山道をゆく房子姫の一行、谷山林道。出雲に裾を持たせて小用を足す姫、広沢池東岸。とっつぁんと与四郎が旅の一座を助ける道、大内辻堂付近。くの一襲撃の「鶴の湯」露天風呂は清滝か。姫を連れて蕨宿手前の無住の寺に泊まる大将、丹波国分寺。姫を送り届けるお城、天守は姫路城、キスされる玄関(唐門)は不明。
*今回、姫とよろしくやっちゃう大将のほか、番所衆二人も色香に迷うピンク設定。しかしとっつぁんと与四郎にはおいしいとこまるでなし、温泉で襲ってくるのはくの一集団だったり(でもコスチュームはヤラしい)。*巫女と対決の出雲、今回は正体を現して果てる巫女、斬られて「変化」。


第17話「湯殿で襲われた女賭博師

 懲りない翁一味の企み、今回は博打。堂島の贅六を仕立てて蔵前の旦那衆を引っ掛け、イカサマ骰子で大金を毟り取る計画は出雲に見透かされ敢無く失敗。しかし贅六を操っていた一味の男は、土壇場で出雲に味方した女壺振りに復讐して去ってゆく。

 ロケ地、イカサマの件で行徳一家に追われる女博打打ち・お時を救う大将、木津川流れ橋。大勝負を終え葛飾の大楼から出てくる大黒屋、広沢池東岸(船上のシーンで北畔の民家も映り込み)。大黒屋向島寮、中山邸通用門。出雲が仕掛けた再度の勝負が行われる駒込の船宿、大覚寺望雲亭。ラスト、骰子を川に放る出雲、流れ橋
*今回もモテモテ大将、危機を脱したあと女賭博師と出合茶屋でしっぽり。しかし湯殿で女が暗殺されるという、後味わるい結末。


第18話「赤い人魚は死神の使い

 蔵前の札差を抱きこみ、米価下落を理由に金利上げで借金旗本たちをがんじがらめが今回の企み。札差に調査を入れようとした北町奉行なんか、一発で消されてしまう。ここからは怪しく騒がしい展開、一味を尾けていると誘い込まれる見世物小屋は刺客のアジト。人魚の誘惑に乗ってみる出雲、よろしくやってる屋形船を爆破されるも女の示唆で助かったり。このあと番所衆三人はそれぞれに強敵と死闘を繰り広げ、辛うじて勝つ。

 ロケ地、人魚といちゃつく屋形船、広沢池東岸。一味の札差が粛清される林、下鴨神社糺の森馬場〜河合社塀際。小蝶姐さんが一味の密談を聞く料亭、嵐山公園・錦
*見世物小屋の凄腕の唐人・一官に福本先生。姓はクレジットされていないが唐か陶か當か。中華芸人としてナイフ投げの的になったり木の実連続斬りの芸を披露するほか、殺陣も派手でハイジャンプもあり。出雲との死闘は長い尺をとって描かれ圧巻。立ち回りは迫力ありとってもカッコいいのに、台詞は「ワタシ日本コトバよクわかラナイ」「イノチみょうナやつ」…。


第19話「白昼に散った女影目付

 今回の企みは強力火薬。お話は幕府が英人から入手した製造法を記した本をめぐっての攻防、伊賀者が参入してくる。はじめ敵方と見えた女が実は楽翁さまの影目付で、出雲とべたべた。木の戸ばきばきに破って逃げる元気な姉ちゃんだが、翁方の怪僧にヤラれて哀れな最期を遂げる。

 ロケ地、名張の草がゆくつづら折れの峠道、不明。不気味な般若心経が聞こえてくる道、保津峡落合トンネル〜崖道。草は落下岩で襲われ崖下へ転落、河口巖頭で連絡鳩を飛ばし事切れる。釣りの大将と小蝶姐さんがのんびりの桟橋、広沢池東岸。お綱が出雲を駕籠で運ぶ道、相国寺方丈塀際。門は不明。江戸を発つお綱が翁方の怪僧に斬られる、木津川流れ橋
*お綱登場は凝っていて、食い詰めてのかっぱらいで番所に突き出されてくる。体をばりぼり掻いてるきったない女で、とっつぁんなんかボロクソに言う。これが、洗ってみるとイイ女という例のパターン。妙なアプローチは、女に豪腕の出雲を試してみたかったというピンク設定。事後小蝶姐さんが出雲を行水させるシーンでは、ヒヒ親父じみた「前も」発言…。


第20話「女ねずみが天井裏で鳴く

 幕閣や有力者が名を連ねる翁への忠誠を誓った連判状、これを奪うのが今回の目的。一味がなんで西へ向うかなど細かいことは描かれないが、チェイスの面白さで一気に結末まで持ってゆく。奪うたんびに真っ白の巻物が笑える。タイトルの「女」は翁一味の寺へ盗みに入ってストーリーの端緒となるほか、出雲にまとわりつくピンク要員。

 ロケ地、連判状を持つ僧の下谷・行観寺、相国寺大光明寺(門の内外、境外での暗殺や見張りのシーンに鐘楼まわりの溝なども)。僧らを尾ける出雲、品川を出た山道、谷山林道(切り通し、峠)。出雲が駕籠かきにたばかられ入る脇道、保津峡落合崖道。駕籠が落とされる、落下岩。与四郎が追う一味の片割れがゆく浦賀道、琵琶湖西岸松原(漁村設定で魚籠あしらい)。戸塚からあと、東海道を西へ向う浄空に立ちはだかる出雲、山中の石段と坂、不明(勝持寺の裏参道によく似ている)。江戸へ取って返した了念と渡世人がアイコンタクトの野道、不明。出雲が渡世人を待ち受ける祠、大覚寺天神島。事後、小蝶のとこで飲もうと誘う大将からこそこそ逃げるとっつぁんと与四郎、護摩堂(一行が去ったあと女ねずみのお銀が出てくる)


第21話「伊賀の女に明日はない

 連判状に名を連ねた者たちが次々暗殺され、あろうことか自身に嫌疑がかかる中、出雲は組織の大元を叩くことを決意、上方へ向う。翁一味のくの一に惚れられて伊賀者の根城へと迫り、死闘を制したあといよいよ翁の御前のいる大坂へ。

 ロケ地、典医が暗殺される橋、中ノ島橋。連判状筆頭の若年寄・大木和泉守邸、相国寺林光院(門、中仕切戸)。小蝶姐さんが連れ込まれる蔵、不明。伊賀へ向うとっつぁんと与四郎、谷山林道。伊賀からす谷、保津峡落合(落下岩と書物岩にロープ、伝って入る設定)。上忍・服部道鬼邸、高山寺石水院門。伊賀入りのとっつぁんたち、イメージに上野城天守。楽翁の影目付・真木安臣の月瀬神社、不明(八木町あたりの宮に作りが酷似)
*大将が翁一味と闘う動機は第3シリーズ1話の傀儡女・朱実の死、というのが泣かせる。


第22話「今あかす翁の御前の正体

 気を持たせまくったラスボス登場、中の人は異人で籠るは大坂城。モロボシ・ダンが指揮する敵を攻略する番所衆、はじめ隙ありとして青屋口からフツーに忍者ふうに侵入するが失敗、以降大将なんかハングライダーで天守に取り付くし、とっつぁんは女形に扮して侵入。敵もガトリング砲を城内でぶっ放す無茶をやり、お面の間へと至る。そして戦い終わった出雲は、健気に追っかけてきた小蝶姐さんと新婚旅行に赴くのであった。

 ロケ地、出雲の無事を祈りお御籤を引く小蝶姐さん、松尾大社本殿。小蝶がゆく街道筋、嵐山自転車道〜河内・大和国境の暗峠、保津峡落合(崖道、保津峡岩場)…しかし暗峠まわりのどこにあんな峡谷があるのじゃ。大坂城、はじめ極楽橋から見た本物の天守を映し、彦根城天秤櫓にスイッチ。以降、青屋口から侵入のくだりでは佐和口多門櫓と城内各所を。大将が降り立つ天守も彦根。
*巨大翁面の裏にラスボスの間、出雲に「御免!」された翁の御前が炎の中吐く呪詛は…仏語か西語かよく聞き取れなかったけど、どっちにしても「ちっきしょー」の意。


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