ヨロキン演じる老境の大盗・霞の富蔵が、最後の大仕事と江戸城御金蔵を狙う痛快作。
相棒には牢で知り合ったイキのいい若いのを選び綿密な計画を立てて準備、八朔の花火の夜に仕掛ける。お中揩ノ恋を仕掛けて大奥での逢瀬を持ちかける、葛西衆を抱きこみ船を用意させるなど前段階のお話も細かく描かれ面白い。蔵から金箱を運び出し大屋根をゆくシーンではお年を召したヨロキンにはらはら。追っ手からまんまと逃れ葛西船を待つ二人だが、二万両を越える金箱は肥船に過重だった。
ロケ地
富蔵が船を出しあれを狙うと指さす江戸城、姫路城天守。
その夜ちょっと入ってみる半次、彦根城佐和口多門櫓(前の濠、裏手)。
中揩フおこうが役者買いをしている現場に踏み込む半次、待合入口は大覚寺望雲亭。
権高なおこうを殴ってしまい富蔵に怒られる半次、大沢池畔。
おこうの方がお城に帰還する橋、彦根城大手橋。
葛西衆にうまい話を持ちかけ船の手配をする富蔵、彦根城内濠犬走り。
八朔の朝の登城風景、姫路城菱の門。
玉屋の花火打ち上げ場所のもみじ山、大覚寺護摩堂裏手に幔幕張って大筒をセット。
おこうの方が番士を引きつけ富蔵たちを入らせる桔梗門、彦根城大手橋。
衛士をかわし侵入する二人、彦根城太鼓門櫓。
御金蔵や大屋根はセット。
葛西の船に追っ手かかる濠、彦根城埋木舎前付近の内濠。
用意の船にスイッチし、水に飛び込み逃げる二人、広沢池東岸。
翌朝、二人が葛西船を待つ津田沼の浜、琵琶湖畔。
*富蔵役のヨロキンは総白髪、葛西衆には御隠居、玉屋には絵師と偽り接触。なかなかお似合い。半次に籠絡させた中揩ェ語る城の様子を、次の間で書き取っている姿も傑作。*相方の半次は五木ひろし、若村真由美のお中揩色仕掛けでハメる役まわり、土壇場で実は盗っ人と告白するあんまり色気のない設定。半次の旧知で閨閥で出世の侍に中村嘉葎雄、お城の権威を笠に着て半次に御金蔵破りを決心させる役、大金盗まれて舅ごと失脚の気配。*金蔵から出ているロープを見つけあたふたと注進に及ぶ情けない顔の衛士に峰蘭太郎、賭場の中盆に福ちゃんなど見られるのも楽しい。富蔵につきまとう岡っ引には三木のり平。
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