虎狼の巻 荒井良平監督作品 1939日活京都
阪東妻三郎の幕末もの、貴重なロシア帰還フィルム。 老中にとって都合の悪い異国との約定書をめぐり、初手から暗殺の銃声響く幕末の租界。阪妻演じる月太郎は、謎の「ふぉとぐらふ」を入手したことから事件の渦中に。そして唐突に親友の妹を「娶り」、因果を含めて奥医師・六庵の催す「娘の三回忌の宴」に送り込む。一服盛られちゃった千鶴がもうちょっとで露人・シェリコフの毒牙にかかるという時、怪しの中国人とこれまた異様に怪しいクルス侍が現れ、露人を縛り上げ約定書を出せと迫る。二度ほどムチをかまされた露人、あっさりと密書のありかを吐くがそれは奥医師の杖の中、聞くが早いか杖とって走り出す千鶴、ここから大騒ぎどたばたのチャンバラ→杖を手にした月太郎が追い詰められたところで中ほど。 ロケ地 博打の借金を返せず船で連れ去られる浅吉、伏見・濠川か。奥医師宅の宴に招かれてゆく千鶴の駕籠がゆく道、松本酒造酒蔵脇堤道。 *阪妻の立ち回りはやはり見応えあり。くっと力を溜める足捌き、ぴょんと跳んでみせる所作、着流しの裾をつまむ手つきも見事。*日本の女目当てで六庵宅に来る露人、千鶴やおもん姐さんを見て「オゥ、ビューティフル」などとやに下がるヒヒ爺、よく見ると志村喬…。 |