OTSUYU 怪談牡丹燈籠

1998津島勝監督作品 キングレコード/丸紅/東北新社


 圓朝の怪談を翻案して描く、CGも派手な一作。
新三郎に取り憑くお露の妄執を時の流れの中に置き、時空を超えた情を表現。主軸のお話は江戸期設定、前後に戦国期と現代のエピソードを入れて仕上げてある。お露に従って「出る」のは妹、他に新三郎側の人間として元家来で友人の伴蔵を配し狂言回し的役割を持たせる。新三郎を悪霊から守ろうと法力を駆使する坊主を麿赤児が演じなかなかブキミ、お札ストームに梵字ビームなどの派手な技も披露。
 冒頭、「戦国期」のくだりで僧に指摘されているとおり、お露の執着は良い結果を生まない方向で話が進み、妹も不幸に落し「蛆たかれこころきた」姿で浅ましく新三郎に取り憑くさまが描かれる。己が事態を悪化させた当人の癖に、亡霊の哀れに感応する伴蔵の一掬が、泣かせる挿話として入る。
亡霊との「対決」は盂蘭盆が過ぎる迄の四夜を丁寧に描写、最後の日東雲かかる空に霊は結局新三郎を連れてゆく。

ロケ地

大覚寺護摩堂・戦国期から江戸期にスイッチの一幕、夢から覚める新三郎は大覚寺護摩堂縁先。
・渡し人足に嬲られているお露を助けるシーンは大沢池畔
おぶって渡る六郷川?は木津川
・新三郎がお鈴と見合いの神社、今宮神社(参道に縁日セット、お鈴が待っているのは楼門下、若い二人の会話は高倉下に茶店セット、二人を見遣るお露が盆飾りの燈籠持って立ってるのは稲荷社)
・お露が伴蔵にたばかられ連れ出されるやしろ、鳥居本八幡宮(鳥居下〜舞殿)


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ