剣客商売 辻斬り 1982.12.3フジ/映像京都 秋山小兵衛造形のモデルといわれる中村又五郎が小兵衛を演じる佳品。 筋立ては、三冬を我が息子に欲しい目付衆が裏でこそこそ工作するも、どら息子が肝心の勝負にぶざまに負けたうえ辻斬りの素行が露見し、失脚が示唆されて終わるというもの。 ロケ地 ・真崎稲荷付近の大治郎の道場は広沢池畔に「建てられて」いる模様。大川端の風情は葦原を効果的に用いて表現される。鐘ヶ淵と橋場を行き来する船は棹で操船。 *又五郎丈(二代目)の小兵衛さん、ちょん髷も可愛い小さな体がやはり原作に忠実で、ぴったりとハマる。加藤剛の大治郎は豪快な殺陣がやはり良し、山形小兵衛のシリーズでは些か「行きつけの店」がうるさく感じたが、本作では通いの賄い婆さんと子だけで静謐なのもよい。三冬さんもこの作によく似合うビジュアルで良し。おはるは、藤田版の小林綾子に軍配かも。訛り、櫓をやる姿が原作に最も近いと思う。金ちゃんは今まで二人見たが、この作のが一番男臭くて最もカマっぽい。 |
剣客商売 誘拐かどわかし 1983/3/4映像京都/フジ メインのお話は「品川お匙屋敷」、これに大治郎の師・嶋岡礼蔵の横死と、三冬の夫になりおおせようとする乱暴侍のエピソードが加味される。時間配分のゆえか、設定が微妙に変えられている部分もある。 嶋岡礼蔵が大治郎の道場を訪ねるくだりから始まり、剣で負ければ結婚という三冬の縁談話を絡めつつドラマが進行、無法に殺された嶋岡を送り大治郎の日常は続く。しかし或る日三冬が追われ傷ついた女を看取ったことから事態は急転、抜け荷がらみのキナ臭い陰謀に巻き込まれてゆく。 ロケ地 ・浅草橋場の秋山道場、広沢池畔にセット。 |