野風の笛 鬼の剣 松平忠輝 天下を斬る!

1987.7.1NTV/東映


 兄・秀忠に疎んじられる家康の六男・松平忠輝の数奇な運命を描く一作。
習うこともなく武芸百般に通じ、舞も笛も能くする快男児・忠輝だが、生母の身分が低く出世時から冷遇される。しかし明るく隔てない気質ゆえ人望厚く、切支丹が頼りにするほかイスパニア人がクーデタの首領に担ごうとする動きまで出る。自らの死後の秀忠との確執を案じた家康は彼の所領を取り上げ流刑に処すことで世を安んじ、忠輝の命も救おうと企てる。
十年と期限を定めた流刑赦免の日が近づいた頃、秀忠差し回しの柳生の刺客が忠輝を襲う。これを受け、迎え撃って討ち死に・切支丹を糾合し蜂起などと家臣から提案されるが、忠輝はこれを退け単身江戸へ出向き兄に会い心情を聞くと言い出す。
ここから始まる大騒動、道中差し向けられる柳生配下の女刺客も忠輝にメロメロ、辿り着いた江戸城では現将軍・家光まで叔父上好き好き状態に。将軍の手引きで秀忠と相対した忠輝は弟の才と人望を羨み、故に徳川家にとって危険人物とする兄の心底を見定め、甘んじて生涯追放の扱いを受けることとなる。

ロケ地

毘沙門堂 流刑先の飛騨高山の山中で鷹狩の折り柳生の刺客に襲われる忠輝一行、酵素河川敷。配所の天照寺、毘沙門堂勅使門下石段。[(回想)少年の頃大坂城に使者として赴き秀頼と城の庭で遊ぶ忠輝、枳殻邸侵雪橋・印月池畔。その折秀頼と互いに戦わぬと約した誓いを守り、大坂夏の陣に際して出陣を渋り川に入って泳ぎ誤魔化す忠輝、木津川下流部。流罪が決まった忠輝のもとへ訪ねてくる妻・五郎八姫、大覚寺大門。伊勢朝熊へ送られる忠輝の行列、霧の中の酵素。]高山の配所から夜陰に乗じて脱出の忠輝主従、大覚寺南東角の塀。江戸への道中に谷山林道切り通し・作業場、酵素ダート。事後、信州諏訪に送られる忠輝一行が渡る橋、夜の木津川流れ橋

*原作および脚本は池田一朗、このひとの隆慶一郎名義での小説では、秀忠と柳生はいっつも超ワルモノで、これをもとに描かれた漫画に出てくる秀忠くんなんかほとんどアブノーマル。しかし本作では弟を妬んでひどい仕打ちをするものの、すんなり妬心を認めるし、大義名分は世の安泰で割合ソフト。


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